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水晶竜の巻

ケルトの神々
ケルトの風習
常若の国
ティル・ナ・ヌグ
マーグ・メルド
地 名
妖精たち
クリスタル☆ドラゴンに
見られる北欧神話
◆ケルトの祭り

ケルトの民は基本的に農業の民であり、その祭も(神話によると)農業暦に関わったものでした。太陽や月で暦を決めるのではなく、農事で暦を決めていたのです。
そして4つの大きな季節ごとに宗教的祝祭が記録されています。

アイルランドでは5月1日のベルティナ祭から10月末日までを「暑い季節(サモン)」、11月1日のサモンの祭から翌年の4月末日までを「寒い季節(ギアモン)」として季節を2つに区切っていました。さらにイムボルクの祭とルーナサの祭で、3ヶ月ごとに分けられています。

イムボルク 2月1-2日 (現在では聖ブリギットの祝日)

牝羊の授乳に関わった祭。
ブリギッド信仰と結びついており、女神ブリギッドは出産する女性を保護し、麦酒(エール:ビールのこと)の生産を司り詩や予言も行いました。

ベルティナ(ベルテネ) 5月1日

「明るい(あるいはきれいな)火」という意味で、戸外での放牧の開始に関係しており、夏と作物を実らせてくれる太陽の熱とを迎えるために祝われました。太陽が地上暖めるのを鼓舞するための感応魔術として、かがり火が焚かれました。
紀元9世紀にコルマックがベルティナの儀式について記したところによると、ドルイド神官たちによって2つのたき火に火がつけられ、豊穣を浄化を呼び込む魔法の儀式として家畜たちが2つの火の間に追い込まれたそうです。
スコットランドでは「聖霊降臨祭」という名で、現在も各地で行われています。

ルーナサ(ルグナサー) 8月1日をはさむ1ヶ月間

収穫の祭で、アイルランドの伝承によれば、ル-ナサ祭はルーグが彼の養母タイルトゥを記念して、また彼の結婚を祝ったもので、祭典はタラやヴィンマッハにある王家の要塞など、様々な場所で催されました。また、祭の主要都市カルマンとタールチウは、大地と豊穣の女神の埋葬地と伝えられています。
この祭は現在も「ルーグの祝典」として、アイルランドでは祭礼を祝うそうです。

サウン(サウィン) 10月31日、11月1日

冬の始まりとケルトの新年を画する祭。
サウンの祭で、屠殺する家畜と繁殖のために残す家畜とを決めるために、家畜たちを野から連れ戻す時期を占っていたようです。
アイルランドの伝承では、サウンの祭に生け贄が火あぶりや傷害、溺死させるなどして捧げられたと伝えられています(生け贄が人間だったという確たる証拠はない。また動物が一度に産んだ最初の子と最年長の子を備えたという説もある)。

サウンは夏の死を弔う祭礼の時であり、夏と冬との境目の、時と場所が一時的に凍結し、特殊な超自然的エネルギーで満たされた別の時間と捉えられていました。冥界との障壁は取り払われ、シー(塚)は開かれ、霊たちは地上に出てきて徘徊し、人間は冥界を訪れることが出来たのです。

この祭はハロウィーンや万霊節として現在も生き続けています。