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水晶竜の巻

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マーグ・メルド
地 名
妖精たち
クリスタル☆ドラゴンに
見られる北欧神話
◆ドワーフ

地下に住む、小人のこと。
アイスランドに伝わるサガによると、オーディン、ヴィーリー、ヴェーの三神に殺された全ての巨人の父、イミールのバラバラになった身体にたくさんの幼虫がわきました。神々はその幼虫で矮人(ドワーフ)をつくり、人間に似せた姿にし理性を与えました。しかしドワーフは巨人イミールの肉から生まれたのだから、かつてその肉であった物の中(=ミッドガルドの中=土中)でしか生き続けられず、その後は土と岩とになってしまうものと、神々は決めたのです。このためにドワーフ地下で生活することになりました。

ドワーフには「女」は存在せず、子供も産まれません。ドワーフが消滅すると、神々がドワーフに授けた2人の王子がドワーフの国の土で新しいドワーフをこね上げます。こうしてドワーフの種族は絶えることなく続くのでした。

ドワーフは有益な金属や貴金属がたくさん埋まっている場所を知っており、「ドワーフに出会う」ということは、富を得る前触れと考えられました。
また、腕の良い金細工師で、鍛冶屋でもあり、次にあげる北欧神話の女神たちの装身具や神々の武器などはドワーフの作ったものです。

トールの金鎚の「ミョルニル」は、どんなに強く打ちつけても、またどんなものに打ちつけてもびくともせず、どんなに目標が遠くにあろうとも決して外すことはないし、いつもトールの手の中に戻ってくる。そして望めば金鎚は手の中にすっぽり入るくらいに小さくもなりました。トールの妻ジフの「本当の髪のように伸びる純金の髪」、オーディンの投げても何も妨害するものがない槍「グングニル」、また腕輪の「ドラウプニル」は九日目の夜ごとに、八つの同じ重さを持った腕輪がこの腕輪から滴り落ちてきたといいます。フレイの「スキドブラドニル」という船は、帆を置くやすぐさま、どちらの方向に舵をとろうとも順風を受けて航行し、陸地を行く時や船を必要としない時は、一枚の布のように折り畳んで小袋に入れて持ち運ぶことが出来ました。
女神フレイヤは「ブリンジンガーメン(輝く首輪)」という素晴らしい首飾りを所有していますが、彼女はこれを手に入れるために制作者である4人のドワーフと、一晩ずつ夜を共にしたということです。

また、アイルランドなどに伝わる伝説では、ドワーフには3種類あります。

●白いドワーフ
優美で穏やかな性質で、春は花の上に腰掛け、夏は小鳥や蝶の姿で楽しく過ごし、冬は丘で金銀の細工物をする。

●茶色のドワーフ
茶色のジャケットに銀の鈴つき帽子を被り、陽気で人間の家に入っていたずらをしたり、鬼火に化けて旅人を道に迷わせたりする。

●黒いドワーフ
黒いジャケットに黒い帽子、総じて醜く鉱夫のように目を赤く泣きはらしており、地底に住んでいる。金銀細工の優れた技術を持っている。
具体的なドワーフ住みかは、洞穴・鉱山・岩の裂け目など。日のあるうちに地上に出てくるときは、きのこの姿になるといいます。
人間には好意的で、夜のうちに人間にとっては辛い仕事を親切なドワーフが手伝ってくれることもあったそうです。