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◆ミズガルズ(ミッドガルド)の蛇

ミッドガルドとは人間の住む世界を指し、ミッドガルドを取り巻いているといわれる蛇のこと。「世界蛇」とも言われます。
また「ヨルムンガンド」とも呼ばれ、その文字通りの意味は「巨大な魔法の杖」です。

【北欧神話のミズガルズの蛇】
神話によると、ミズガルズの蛇はアースの神ロキと女巨人アングルボダの間に生まれた事になっています。ロキはもともと巨人族で、オーディンと養子関係になる前に、かつての故郷でフェンリルという狼(後にチュールの手を食いちぎる)・ミズガルズの蛇・ヘル(後に死者の国を支配する娘)という3人の子供を、アングルボダとの間に設けています。

アースの神々はロキの子供たちが危険な生き物だとわかったので、オーディンは蛇を溺れさせようと陸地を囲んでいる深い海に投げ込みました。しかし蛇は息を吹き返し海の真中で体を伸ばし、そのあとで陸地を完全に取り巻いてしまって、陸地を取り巻く一本の帯のように人間の世界を支えるほどに大きくなりました。

その後アースの神トールがウートガルド(外の世界)のロキのところで力比べをしたときに、持ち上げようとして片足しか持ち上げられなかった猫に見えた怪物は、実はミズガルズの蛇で、ウートガルド・ロキはトールが片足を持ち上げられたことに非常な驚きと恐怖を感じました。

また、ビールを造るための大釜を、チュールの義父の巨人ヒュミルのところへ調達しに行ったときには、トールはヒュミルと共に海に漁に出て、ミズガルズの蛇を釣り上げますが、恐ろしくなったヒュミルが釣り糸を切ってしまったので、蛇はまた海の底へと沈んでしまいます。

ラグナロクで再びトールはミズガルズの蛇と対決します。トールは魔法の金槌ミョルニルを3度投げつけ、蛇をうち倒す事に成功しますが、蛇に吹きかけられた毒のために命を落としてしまいました。

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「火と氷の島」でミズガルズの蛇と会ったとき、レギオンは「“蛇”は人の手では倒せまい」といいますが、このことをふまえての言葉だったのでしょうね。神であるトールですら、命と引き替えでなければ倒すことができなかったのですから。