ベルセルク(ベルセルカー)の語源は、ノルディク語の「熊の皮の男、のらくら者」。
スノリのエッダによれば、オーディンの戦士達は神の力によって傷を負うことがないと信じ、霊感による狂気を持って戦ったということである。このような戦士達はベルセルク<狂戦士>と呼ばれていた。ベルセルクは熊や狼の皮を身に纏い、戦闘の狂気が襲うとけだもののようにうなり声をあげた。このような戦士達は戦いに命を捧げる献身的な戦士達の特権的な仲間であり、神に従うものとして一族から扶養され支援されていたようである。
アイスランド・サガに記されているベルセルクは、昼間は善良な人間だが夜になると獣に変身し、森や野をうろつき、農家に火をつけたり、処女を襲ったりする不死身の妖怪として登場する。ヴァイキングの戦士にはこのベルセルクのようにふるまう者がおり、スノリの「イングリンガ・サガ」には、
「甲冑もつけず戦闘に飛び込み、犬や狼のように狂い、盾に噛み付き、熊や牡牛のように強く、敵味方の区別なく戦士をなぎ倒し、火にも刀にも傷付く事がない」
と記されている。
現在では「はえ茸」を食べたりするなど、ある種の麻薬物質を取る事によって、人為的に「狂乱状態」をもたらしていたのではないか、と考えられているようだ。