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水晶竜の巻

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ケルトの風習
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マーグ・メルド
地 名
妖精たち
クリスタル☆ドラゴンに
見られる北欧神話
◆妖精(エルフ)の輪(Fairy Ring)

上王ミアーハ「心がまえはできておられるか 叔母上」
ヘンルーダ「はい 上王」
上王ミアーハ「あなたはエルフの輪を通って“塚の一族(アエース・シデー)”の国への使者となる」
(2巻133ページ)

アリアン「ギーゼラ、そこ座っちゃだめっ!」
ギーゼラ「な なあに?」
アリアン「妖精(エルフ)の輪よ 踏み込まないで」
ギーゼラ「妖精の輪?」
アリアン「見て ここ キノコが輪になってる この中で寝ると妖精たちと一晩中踊るはめになったり 妖精の塚に取り込まれたり…」
(21巻166ページ)

2巻では丸い輪、21巻ではキノコの輪として登場していますが、キノコが点々と並んで完全な円形を作り、円の中側の草は周りの草よりも濃い緑色をしているものを「妖精の輪(フェアリーリング)」と呼ぶようです。妖精の集いの場所で、妖精たちが輪になって踊った跡だとか、地下にある妖精の宮殿が地上に現れたものであるとか言われています。

ミッドサマー・イヴ(夏至前夜)やハロウィーン(万聖節の前日)にこの輪の中に腰をおろすと妖精の国へ連れてゆかれ、また満月の晩にこの輪の周りを太陽の巡る方向、つまり東から西へ9回駆け回ると、妖精の話声を聞くことができるようです。逆に回ってしまうと、妖精の力に支配されてしまうと言われています。民話に妖精の輪の中に落ちた男の話がありますが、その男は骨と皮ばかりに痩せ細るまで踊り続け、足の指がすり減ってしまい、輪から引き上げるとすぐに死んでしまったそうです。

妖精が踊りながら歌っている声を聞いてしまうと、その輪の中へ誘い込まれてしまうことがあり、妖精の輪の中で妖精の食べ物を口にしたり、妖精の娘にキスをしてしまうと、輪の中から助け出すのは非常に難しくなります。

科学的には、キノコの胞子が原因と考えられています。
空中にただようキノコの胞子が、開けた地面のどこかに着陸し、好条件が揃うと胞子を中心に一群のキノコが生えます。このキノコが中心から死んで腐るにつれて、新しいキノコが外側に外側にと生え広がり、キノコが円状にきちんと並んだ輪がどんどん大きくなっていきます。円の内部では腐ったキノコが肥料になるので、外側の草よりも青々と茂るのです。
また、キノコの胞子が円形状に散り、一夜で草が酸性になって丸く枯れた跡だという説もあります。
大きさは直径30センチから、家が建つ程大きなものまであるようです。