ケルト人は水のことを生命を生み出しまた滅ぼすものと考えていました。そのため水のある場所(川、泉、井戸、湖、沼など)はあらゆる信仰の中心となりました。
人々は祈りをこめて貴重な品々を川に捧げ、川は川の名前を持った精霊として人格化され、崇められていたのです。
セクアヌはセーヌ川の治癒女神として崇められ、セーヌの名はセクアヌに由来しています。紀元前1世紀〜紀元1世紀頃には、ディジョンの近く(おそらくセーヌ川水源の沼地)にフォンテス・セクアナエ(セクアナの泉)の神殿が建立されました。200体以上の巡礼者達の木型や治療する部分の身体の模型などがセクアナの女神に奉納され、人々は泉の澄んだ聖水に浸かった後に、神が健康な体を返してくれることを願ったのです。
泉と井戸は治療信仰と関係がありました。井戸は地下深く穿たれているため大地と「冥界」を結ぶものと考えられていたようです。特に泉は、薬効と浄化作用の特性が認められて、崇められていました。
実際に、クレルモン=フェランに近いシャマリエールにある二つの天然泉は、実際に治癒力のあるミネラルを含んでおり、ここに巡礼に来た病気の信者達は眼病を誇張した、自分たちの木彫りの像を泉の女神に奉納しています。
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