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水晶竜の巻

11.ハルルング族への攻撃

主な登場人物

ジフカは王の息子達の死を心の底から悲しんでいたが、次にエルムリッヒの甥エガルドとアキをおとしめるようなことをしたのであった。

彼らの父親であるディーター公爵は既に亡くなっており、エルムリッヒが面倒を見ていたが、ジフカの妻オディリアはエガルドとアキのことを「女たらしでだらしなく身の安全を図るのに難儀しており、小鳥や獣達でさえ彼らが来ると怖がるのです」と(おそらくエルムリッヒの妻の)女王に申し上げた。そこへ2人の甥の養父であるフリティラが姿を見せ、女王はその事を王に話し、さらに「この話は信頼できるひとから聞いたもので、私にさえ襲いかかろうとしているのだとその方は心配しているのですよ」とエルムリッヒに訴えた。

王は機嫌を損ね「そういうのなら彼らを酷く罰しよう」と言ったので、フリティラは急いで養い子のところへ行き、このままではエルムリッヒに殺されてしまうことを話したが、エガルドとアキは宮廷に押し入ろうなどという考えは露ほどもなかったので、まさか叔父がそのようなことを本当にする人ではないと思い、フリティラの忠告を聞かず兵士を集めて自分たちの城の吊り橋を引き上げ、防御の陣を張った。

エルムリッヒは城を包囲させたので、エガルドは「何故ゆえこんな仕打ちをするのか」と王に訪ねたが「いかなる理由があろうとも今日中に一番高い枝に首吊りの刑に処す」という答えしか返ってこなかった。矢と槍の投げ合いの後、エルムリッヒは投擲機で火のついた松明を投げ込んできたので、フリティラは「脱走して焼け死ぬよりも名誉ある死を遂げよう」と六十人の兵士を連れ、入り口から出て王の部隊へと突進し、激しく戦ったが取り押さえられ、アキは城近くの高い木に吊して処刑されてしまった。エルムリッヒはまたしてもジフカの策略にはまってしまったのだった。

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