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水晶竜の巻

9.公爵リムシュタインとの戦い

主な登場人物

伯父のローマ王エルムリッヒから、「支払い期限が過ぎた利息を納めず貢ぎ物を拒んでいるリムシュタイン公爵に抗議を申し入れるので援助して欲しい」との使者を受けて、ディートリッヒは五百人の兵士を連れてエルムリッヒの軍隊と共にリムシュタインが引きこもっているゲリムスハイムの城へと向かった。

リムシュタインは籠城してがんばったがついに食料が尽きて、突破口を開こうと公爵自ら6人の兵士と共に偵察に出かけたが、運悪くディートリッヒの偵察隊と鉢合わせし、ヴィテゲは首と鎧がベルトの所まで裂けてしまうほどの一撃を公爵に食らわした。残りの兵士達はちりぢりに逃げていった。

ヴィテゲは陣に戻ると公爵を殺したことを報告したが、ハイメが「年寄りを殺したことが何の誇りになるものか」と言ったため、ハイメとヴィテゲの間に険悪な空気が流れ、お互いに刀を抜いて向き合ったが、ディートリッヒたちは間に入ってなんとか2人を離れさせた。ハイメはこれまでにヴィテゲに侮辱され、ヴルツェンの王との戦の折には、まるで自分が敵であるかのようにミームングを奪い取られたのだと訴えた。

ディートリッヒはヴィテゲに意地悪をしないように言い、ハイメも結局は自分が言った当てこすりは冗談半分でだったのだと言い張ったため、ヴィテゲは嫌々ながらも承知した。ディートリッヒはリムシュタイン公爵が亡くなったことを伯父のエルムリッヒに報告し、エルムリッヒはゲリムスハイムの城を投擲機を使って、火のついた燃え木を投げつけて城を襲撃したので、城はまもなく降伏した。

エルムリッヒは甥のヴァルター・フォン・ヴァスゲンシュタインを新たな公爵に任命したので、ディートリッヒ達はベルンへと帰還した。

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