Yahoo!ニュースが「脚本家・山田太一氏が現在のテレビドラマに喝!」という記事を掲載していた。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20081127-00000008-the_tv-ent

すぐ消えそうなので全文転載。

BSフジで放送中のドキュメンタリー情報番組「堂々現役〜巨匠からのメッセージ」で、12月14日(日)の放送回に脚本家の山田太一氏が出演する。先日、その収録が、山田氏が生まれ育った町である東京・浅草で行われた。



同番組は、長期にわたって強い目的意識と旺盛な行動力で“ニッポンの夢”を実現し、時代を築いてきた各ジャンルのリーダーや巨匠が毎回登場する。文芸評論家・福田和也が、業績の舞台裏に迫るとともに、人生像を浮かび上がらせていく。



今回の対談で山田氏は、誕生の時から携わった作品についてざっくばらんにトークを展開した。’34年東京・浅草に生まれた山田氏は、10歳の時に疎開を経験するなど、激動の時代を生きた。その後、’53年に早稲田大学教育学部に入学。山田氏は当時のことを振り返り、「自分の周りにはサラリーマンは一人もいなかった。唯一、見当が付く職業は“教師”で、大学を卒業したら食べていくために教師になろうと思っていた」という。学生時代には詩人・歌人・劇作家・小説家などマルチに活躍した寺山修司と親交を深めたそうで、「同級生の寺山修司さんは、青森から出てきた田舎の心細い学生で、僕も心細い学生だったので気が合って仲良くなった」と懐かしそうに語った。



だが、実際に就職の時期を迎えた時、思わぬ失態を犯してしまう。「就職活動の時、東京都の教員採用試験の日を間違えて教師を断念しました。学生課の人に『松竹の撮影所が助監督を募集しているから行ってみろ』と言われたんです」と松竹に入社することになった経緯を語った。大衆食堂を営んでいた父に「お前なんかに務まるわけない」と言われたが、「入ってみるとみんな心優しかったです。映画を1本撮る間、スタッフは“共同体”みたいになる。川の中に入るシーンでは『オレの係じゃねぇ』みたいな人はいなくて、みんなバーッと入って手伝うという、そういう空気はとてもいいなと思いました」と、この業界への第一歩を踏み出すことになる。



その後、’65年に脚本家として独立。「男たちの旅路」(’76年、NHK)、「岸辺のアルバム」(’77年、TBS系)、「ふぞろいの林檎たち」(’83年、TBS系)と立て続けにヒット作を生み出していく。代表作の1つ「ふぞろいの林檎たち」に関しては、「大学生がドラマを見なくなったという話を聞いて、じゃあ大学生を主役にして書けば、大学生が見てくれるだろうと思った。有名な大学の学生にバイト料を払って話を聞いたが、あまり面白くない。それで、四流といわれる大学生の人たちに会いたくなって集まってもらったら、面白いんですよ。『何が嫌?』って聞いたら、『“学校どこ?”って聞かれるのは一番嫌だ』って。これは面白いと思って1回目のサブタイトルを『学校どこ?』にしました」と懐かしそうに思い返した。



さらに、現在のテレビドラマについての話題に及び、「気晴らしの要素が多くなってきている。“人間ってこうなんだ”とか“こういうところがあるんだ”というようなことは、どうでもよくなってきているように思えます。面白い話に傾いてきていますね。時代の要求がやっぱり変わってきている」と評した。



山田氏は’09年1月にスタートするドラマ「ありふれた奇跡」(フジ系)の脚本を担当する。心に傷を抱える男女の恋愛を描いており、出演は仲間由紀恵、加瀬亮ほか。

ということで、この番組「堂々現役〜巨匠からのメッセージ」は、2008.12/14 21:00からBSフジで放送。

タップリ1時間、存分に語ってほしいですな。



親ができるのは「ほんの少しばかり」のこと

親ができるのは「ほんの少しばかり」のこと

  • 作者: 山田 太一
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2008/04/24
  • メディア: 新書