屋根裏部屋

No.2

宇宙戦艦ヤマトの話


最近知人から「宇宙戦艦ヤマト」のDVDを借りたので,毎日懐かしく見ている。(今は忙しいのでちょっとお休み)

子供の頃に何回も見ていたのだが,実はいつも第1回目を見られず,「あ,ヤマトやってる!」と気づいたときには既に2回以降の放映だったのだ。今回「幻の」第1回目をやっと見ることが出来た。

古代進は沖田艦長に対して「沖田さんが兄貴を殺した(も同然)」といつも言っていたので,それが子供心に刷り込まれていたのだが,今ちゃんと見ると艦長は「古代!戻ってこい!」と制止したにもかかわらず,古代守は死ぬのを覚悟して(というか,無駄死にしにいったようなもんだ)敵陣に突っ込んで行ったというのが,真相だった。これでは責められた艦長は辛かろう…。

当時は(もちろん,最初のオンエアは見ていない。そんなに年寄りじゃないよ)沖田艦長って何を考えているのかよくわからなかったのだが,大人になった今では,ひとつひとつの決断をいろいろ考えた上で(もちろん,初めての体験なのだから,考えたって答えが出ないときもある)苦悩して選択した結果なんだなぁと,実感してしまった。乗組員のことを考えると,古代進の無茶な提案は受け入れられない事が多いということだ。

それにしてもあんな若造(当時古代進と島大介は18才)が艦長代理になるとは。情に厚いのは良いが,上に立つ人間としては無鉄砲すぎると思うんですけど。10も離れた真田さん(真田志郎は28才)に対してタメ口きいているし。よっぽど人材がいなかったんでしょう。

佐渡先生は「飲んだくれるが腕は確か」という評価のお医者さんだと思っていたが,このときはホントに「ヤブ医者」だったみたいだ。(アナライザーが「今日は患者(患畜?)を何人死なせた」というようなことを言っている)

#帽子を取った沖田艦長って,「アルプスの少女ハイジ」のおじいさんに似てません?

ところで,ヤマトが宇宙へ旅立つきっかけとなった「サーシャ火星へ墜落,死亡事件」だが,アレは不用意に脱出ポッドを開けたりしなければ死なないですんだのではないだろうか?

宇宙船が攻撃を受けても脱出ポッドに乗り込めたわけだから,少なくともその時までは生きていたと思われる。脱出ポッド自体も炎上した様子は見られず,サーシャ自身にも外傷はない様子だ。

イスカンダルにヤマト乗組員が降り立ったとき「空気がある」と驚き,宇宙服なしで表に出られたのだから,ガミラス人と違いイスカンダル人は酸素呼吸をしていたわけで,空気のない火星に宇宙服(酸素ボンベ)もなしで表に出れば,それは自殺行為に等しい気がするのだが。

1000年後に火星を空気で満たす装置を開発し,設置できるとはとても思えないし。現に古代と島はヘルメット(こんなちゃちそうなので,ホントに死なないのか?)を被っている。

(パイロット版には墜落の衝撃で、脱出ポッドの扉が開いてサーシャが飛び出す様子があったので、事故だったようです。おまけだったので、一番最後に見たのだった)

 

それにしても30年の差は,見ていてなかなか面白い。

今ではビームなどの表現には透過光がバンバン使われているが,昔は「透過光は高い」ので,ほとんどブラシ処理されていたようだ。ブラシ屋さんは内容ではなく「1本(1放送分)いくら」で請け負うので,さぞや大変だったことだろう。

オープニングのスタッフ・リストはなんと「筆文字」で書かれているし,エンディングはセル上に直接レタリングしたのだろう。(現在は写植かビデオ撮影の場合はテロップ処理かもしれない)

セルの傷や影もばっちり映っている。
第2回では森雪の声優が,麻上洋子→麻下洋子になっているし,第3回では工場長の真田志郎が真田佐助に。真田佐助って,だれじゃ???アナライザーに至っては,最初はただ「ロボット」だけで,いつのまにやら名前が付いていた。

ナレーターもいつも決まった人ではなく,デスラー総統の出番がない回は伊武雅刀(当時は伊武雅之)がナレーションをしていたようだ。そして端役の登場人物の声優が,放映回によって違ったりする。当時はこれが普通だったんでしょうかねぇ…。制作費が(特に)なかったみたいだし。

デスラー総統(ガミラス人全員)の顔の色が,ある回を境に肌色から青い色に変わるのは有名だが,私はかなり大きくなって「これがヤマトの秘密!」というような本を読むまで,全然気づかなかったのは何故だろう??


バックナンバー

No.1 エヴァンゲリオンの話
No.2 宇宙戦艦ヤマトの話
No.3 ラーゼフォンの話
No.4 医者ドラマの話
No.5 少年陰陽師の話
No.6 サザエさんの話