レプリカント(試写) 2002.2.23公開

監督 リンゴ・ラム
出演
ギャロット/レプリカント(2役):
ジャン・クロード・ヴァン・ダム
ジェイク・ラリー:マイケル・ルーカー
アンジー:キャサリン・デント


全編通して暗くて痛い映画。
設定が暗く、凶悪犯は所構わずめちゃくちゃに暴れ回るので、殴られる音、ガラスが割れる音、ものが壊れる音が絶えることがない。あれだけ派手に暴れているのに、3年もの間警察に捕まらず大したケガもしていない(ように見える)のは、謎。

凶悪犯とその複製人間“レプリカント”の2役をジャン・クロード・ヴァン・ダムが演じているが、とても同じ人間とは思えなかった。見た目もかなり違うが、ヴァン・ダムの演技力ということなのだろうか?同じ人間でも、中身(精神)によって顔つきがずいぶんと変わるものだ。それにしてもジャン・クロード・ヴァン・ダムにはロンゲは似合わない。

詳しく述べられていないが、レプリカントの製造方法や何故遺伝子レベルで記憶を保持できるのか、生活習慣の習得の早さなどのを除けば、ストーリーに矛盾は見られない。話自体は単純だからだろう。ラストに救いがある所はよい。

評価:


 
フロム・ヘル

監督 ヒューズ・ブラザーズ
原作 アラン・ムーア/エディ・キャンベル
脚本 テリー・ヘイズ/ラジャエル・イグレシアス
製作総指揮 エイミー・ロビンソン/トーマス・M・ハメル/
       アレン・ヒューズ/アルバート・ヒューズ
出演
フレッド・アバーライン警部:ジョニー・デップ
メアリ・ケリー:ヘザー・グラハム
ウィリアム・ガル卿:イアン・ホルム
ネットリー:ジェイソン・フレミング
ピーター・ゴットレイ巡査部長:ロビー・コルトレーン
ケイト・エドウズ:レスリー・シャープ
リズ・ストライド:スーザン・リンチ
ベン・キドニー:テレンス・ハーベイ
ダーク・アニー・チャップマン:カトリン・カートリッジ
チャールズ・ウォーレン卿:イアン・リチャードソン
ポリー:アナベル・アプション
アン・クルーク:ジョアンナ・ペイジ
アルバート:マーク・デクスター


事件の詳細は知らなくても、名前だけは大概の人が知っている、「切り裂きジャック事件」を題材にした、フィクション映画。
今までに「切り裂きジャック」をモチーフとして暑かった映画にヒッチコックの「下宿人」、ボブ・クラークの「黒馬車の影」などがあるが、この作品はより史実を取り入れ、チェコにロケした1888年当時のヴィクトリア朝末期、ロンドン下町の風情がよく現れているとのこと。確かに猥雑でこんな感じだったんだろう__と思わせられる。

タイトルの「From hell」とは、事件が起こった当時、ホワイトチャペルの自警委員会のジョージ・ラスク会長に萎びた人間の腎臓の一部と共に送られてきた手紙の冒頭に書かれていた言葉である。
自ら「ジャック・ザ・リッパー(切り裂きジャック)」と名乗った犯人は、100年以上たった今でも誰なのか、事件の真相は解明されていない。映画で犯人なのかもと思わせられる人物は、今までの研究で実際に「怪しい」と浮かび上がった人物である。

ストーリーはサスペンスとして一応飽きさせずに見られる。後半になってくると、「ああやっぱりね」と思うことも。

R-15指定だが、残酷な映像はサブリミナル的に瞬時に挿入されるか、すぐにカメラを振ってしまうので、目を覆うようなシーンは思っていたよりも少なかった。しかし惨殺死体は瞬時でも「丁寧に内蔵まで作っている」のがわかるほどだったので、撮影に望んだスタッフはさぞかし辛かったことだろう。
死体の製作は「プライベート・ライアン」のミレニアム・エフェクト社で、実際の事件の写真や検死報告書をもとに作ったそうだ。

実はジョニーデップは「切り裂きジャック・オタク」。「この事件はきちんと扱えば素晴らしい映画になると思っていた」そうだ。

評価:


 
マリー・アントワネットの首飾り

監督 チャールズ・シャイア
脚本 ジョン・スウィート
衣裳デザイナー ミレーナ・カノネロ
出演
ジャンヌ・ド・ラ・モット=ヴァロア伯爵夫人:ヒラリー・スワンク
ロアン枢機卿:ジョナサン・ブライス
トレード・ヴィレット:サイモン・ベイカー
ニコラ・ド・ラ・モット伯爵:エイドリアン・ブロディ
ブルトゥイユ男爵:ブライアン・コックス
マリー・アントワネット:ジョエリー・リチャードソン
カリオストロ伯爵:クリストファー・ウォーケン


池田理代子氏の「ベルサイユのバラ」作中でも取り上げられている、「首飾り事件」を題材にした映画。この事件でフランス王権への不信は募りフランス革命の遠因となったともいわれている。
首飾りの値段160万リーヴルは今日では192億円ぐらいに相当するそうだ。

ヒラリー・スワンクのジャンヌは信念を感じさせ、好演しているが、フランス王妃をも巻き込んだ大スキャンダルを巻き起こすには、ジャンヌの動機というか、どん欲さに欠ける気がする。「没収された生家と家名の復興」がジャンヌの願いだが、あれだけのペテンを仕掛けるには、少し説得力が足りないようだ。(劇中には登場しないが、裁判でも生き抜くために大嘘をついたりしている)

ジャンヌの生い立ち、首飾り事件のいきさつについては詳しく語られているが、後半の見どころとなるはずの高等法院での裁判がかなり割愛されていた。前半をもうちょっとすっきりまとめ、裁判シーンをもっと盛り込んだ方がテンポよくメリハリも出たのでは?
また「フランス革命まで」となっているが、革命までのいきさつは簡単なナレーションのみで、最後に唐突に挿入されていた。

「ベルばら」のジャンヌとは違う角度で描かれたジャンヌということだが(映画の製作スタッフがベルばらを知っているかどうかはわからないが)、ストーリーのおもしろさでは「ベルばら」に軍配が上がってしまう。
また、パンフレットの冒頭に池田理代子氏が「史実はこうである」というようにも取れる寄稿をしているが、(もちろんきちんと調べた上で「ベルばら」を書かれたのだとは思うが)これは歴史家などある程度専門分野の方に頼んだ方がよかったのでは…。

ベルサイユ宮殿やプラハの城、ホテルを使った映像は大変美しい。衣裳も綺麗に作りすぎた感じではなく、当時を思わせる作りだった。アントワネットの鳥かご付きのヘアスタイルがすごかった。

評価:


 
スター・ウォーズ エピソード2
 クローンの攻撃

監督/脚本/製作総指揮 ジョージ・ルーカス
出演
オビ=ワン・ケノービ:ユアン・マクレガー
パドメ・アミダラ:ナタリー・ポートマン
アナキン・スカイウォーカー:ヘイデン・クリステンセン
ドゥークー伯爵:クリストファー・リー
ヨーダ:フランク・オズ
メイス・ウインドゥ:サミュエル・L・ジャクソン
パルパティーン最高議長:イアン・マクダーミド 


ファントム・メナスに続くエピソード2。
物語上では全作から10年が経過し、アナキン坊やはちょっといけ好かない青年に成長していた…。
能力的に勝る弟子を持つ師匠は、辛いですな。
アナキンを見ていると、ルーク・スカイウォーカーの後先を考えずに無鉄砲に行動するところなど、父親譲りであることがよく分かる。

しょっぱなからスピード感あふれる大アクション!ポッドレース以上にスリル満点。ふんだんに盛り込まれているアクションシーンについては、文句なしにすごい。が、全体を通して「ぼくはあなたが好きなんだ!(中略)ドンパチドンパチの戦闘シーン」という印象しか残らない気がする。
パドメのアナキンに対する気持ちは、冒頭の再開シーンから徐々に変化していくようだが(byパンフ)、だんだん変化したのか、それとも元からそうだったのか、よくわからなかった。

CGのおかげでヨーダは大活躍。普段杖なんかいらないんじゃないの?と思ってしまうのだが…。そしてよく見ると、髪の毛が前3部作よりも若干多いようだ。
ただマットやCG処理の背景と、実写の背景にちょっと違和感を感じた(湖畔のシーンなど)。

パンフには何人ものジェダイ・マスターが、写真付きで紹介されているが、実際にはモブシーンで少ししか見られないので、判別出来なかった。
話の内容よりも、アクションを楽しむ映画かも。

評価:


 
THE RING(USA版)

監督:ゴア・ヴァービンスキ
製作:ウォルター・F・パークス/ローリー・マクドナルド
脚本:アーレン・クルーガー
撮影:ボージャン・パゼリ
音楽:ハンス・ジマー
出演:
レイチェル・ケラー:ナオミ・ワッツ
ノア:マーティン・ヘンダースン
リチャード・モーガン:ブライアン・コックス
エイダン・ケラー:デイヴィッド・ドーフマン
ケイティ:アンバー・タンブリン
ベッカ:レイチェル・ベラ

日本で大ヒットした「リング」のUSAリメイク版。
結末は「リング」とは違っているということだったが…ほとんど同じである。
ストーリー展開もほぼ同じ。日本版にほぼ忠実にリメイクされている。キーとなるカットは,全て入っています。

日本版「リング」では,「恐怖の実体」は直接描かれず,犠牲者の死に顔などで恐怖を想像するような描かれ方だったが,西洋人(アメリカ人)はそういうのが苦手なのか,「呪いを受けた」ような感じに描かれている。これはちょっと興ざめ。

ホラー映画にありがちな「音(と映像)でびっくりさせる」カットはやはりあった。これは「理解できない(という言い方は語弊があると思うが)アメリカ人のために仕方なく入れた」ものなのか,「やはりお約束のものは入れないと」という訳なのかは,ちょっとわからない。

サマラ(貞子)の描き方は,宗教観の違いもあってか,設定がかなり変えられていた。貞子は恨みを持った若い女性の霊で,境遇に同情を感じるが,サマラは悪霊と化した幼女の霊に描かれ,自分の能力故に両親に愛されない寂しさはあるが,日本の「呪い」とは性格的に異なっているようだ。(万人に厄災をもたらす,というのは同じだが)

私は日本人なので,「トイレの花子さん」的な身近に起こりそうな出来事,古い日本家屋の持つ(何かが潜んでいそうな)雰囲気,そして,アメリカの家よりも高山竜司の家のテレビから貞子が出てくる方が,恐かったのだ。

日本版とUSA版の相違点はこちら
超ネタバレです

評価:


 
  

 

 

  


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