HELLO WORLD

監督:伊藤智彦
脚本:野崎まど
キャラクターデザイン:堀口悠紀子
製作:武井克弘(企画・プロデュース)/馮年
音楽:2027Sound
主題歌:OKAMOTO'S「新世界」/Official髭男dism「イエスタデイ」/Nulbarich「Lost Game」
美術監督:長島孝幸(Bamboo)
美術監修:竹田悠介(Bamboo)
色彩設定:村田恵里子
撮影監督:小畑芳樹
編集:西山茂(REAL-T)
音響監督:岩浪美和
音響効果 - 小山恭正
アニメーション制作:グラフィニカ

堅書直実(かたがき なおみ):北村匠海
カタガキナオミ(先生):松坂桃李
一行瑠璃(いちぎょう るり):浜辺美波
カラス:釘宮理恵
勘解由小路 三鈴(かでのこうじ みすず):福原遥
千古恒久(せんこ つねひさ):子安武人
徐依依(シュー・イーイー):寿美菜子

「ゼーガペイン」と「電脳コイル」と「リアル〜完全なる首長竜の日〜」に「エヴァンゲリオン」のスパイスをふりかけたような映画だった。
画面の情報量はさほどではないが、話の進みが早く、みっちり詰まっていて長く感じる。
人物もCGで作成されているようなのだが、手書きのように見えるところもあり…少なくともポリゴンではないようだ。顔の大きさに対して目が若干大きく顔の中心に寄っているので、一行さんはともかく直実は最初から最後まで違和感を感じた。
街中の建物や信号はものすごくリアルにCGなのだが、川べりの野草(というか雑草?)の花が揺れるところは、2次元の画像を立体化した感じのちゃちいCGだった。
直美の制服、体に対して大きいんだけど、あれは成長を見越して大き目で作ったってことなのかな。
先生が「これから身長が伸びる」と言っていたし。

北村匠海と浜辺美波はまあうまかったが、松坂桃李は顔が浮かんできてしまう…
子安武人は、声の質とキャラクターの外見とが合ってない感じ。特徴のある声だしね…
山ちゃん、「その他の声」で出てたのか…

「ast アルタラサウンド7.1ch」と「ULTIRA アルタラサウンド11.1ch」、どちらも岩浪美和氏監修の特別音響だったらチャンネル数多いほうがいいかな?と思ってULTIRAでみました。
1日だったけどシステムダウン?のアナウンスのせいか、遅い時間の始まりだからか、ものすごく人が少なかった。
ULTIRAはよく響くため、前の席のポップコーンを食う音が増幅されて、周り中から聞こえるということがよくわかった。

ゼーガペインを見た時も思ったのだが、人間の思考ごとデータに変換し、巨大なサーバ内でリアルのような世界を作る、ってどゆこと?
データはデータでしかなく、時間の流れを加えても、それは「シミュレーション」しているだけで、本物と同じようにはならないんじゃないか?
最近流行りのAIをプラスしても、擬似的なものから脱却できないのではないかと思うのだが…





ネタバレのあらすじ










2027年の京都。
Pluura社、京斗大学、京都市の共同デジタル事業として、京都の歴史を詳細に記録する「クロニクル京都」が進められていた。
本好きだが優柔不断な高校生の直美は、そんな自分を変えようと自己啓発の本を買ってみたりするが、実践できないままだった。学校で図書委員になるが、連絡網のためにスマホで誰かと繋がっておくように、と言われてもかわいいと思った勘解由小路さんには話しかけられず、本を読んでいて他のことには無関心な一行さんに声をかけるが、全くのスマホ音痴だったため一行さんは手帳を破って住所と名前だけを書いてよこした。
しかも電話番号が書かれてない。

帰り道、交差点で赤いオーロラのようなものが空中に現れ、その中から1羽のカラスが飛んでくる。カラスは3本足で直美に突進し、直美が落とした本を咥えて飛んで行った。後を追うと伏見稲荷神社の境内へ入っていく。
鳥居の中で空間がゆがみ、色とりどりの波紋のような球体のなかから白づくめのフードをかぶった男が落っこちて出てくる。
男はフードを取り「…入れた。成功した!少し座標軸がずれたな」などと言い、直美に「今日は何日だ」と問いかける。
男は「3か月前か、ちょうどいい。教えてやる。お前が何者なのか」と言う。男の体はホログラフのように実体がなく、直美以外には見えていなかった。

男は直美を京都府歴史記録事業センターへ連れて行く。ここにはデータを保存する半円型のサーバ「アルタラ」と京斗大学の研究室も置かれていて、見学できるようになっていた。
千古教授は耳が生えた変てこりんなTシャツを着て現れ、「先生、見学者がいるんですから」と研究員にたしなめられていた。
Pluura社が主体となって進めている「クロニクル京都」とは、あらゆる時代の京都を記録するという事業で、現代のGoogle Mapのようになくてはならないものになっていた。
見学の途中で男は「出町柳まで移動する」と言い、直美はセンターを出てバスで移動し、河原へ行く。市内にはアルタラに記憶するためのドローンが飛び交っていた。2027年4月17日、河原にいた直美は、落下して着たドローンと接触するという事故にあっていた。男はここはアルタラに記憶された過去の京都、おまえは過去の堅書直美で、自分は現実世界からアルタラにアクセスしている10年後の堅書直美だという。データの世界は全く同じにコピーされ、現実かどうか区別はできないだろう、と言うのだ。

未来から来たナオミは「お前のことはよくわかっている。彼女が欲しいだろう。お前に彼女を作るために来た」と言い、「一行瑠璃がお前の彼女になる」というが、現在の直美は彼女とは全く接点がなく、彼女と付き合うようになるとは信じられない。直美は人違いじゃないかと一行さんがいるところへナオミを連れて行った。
一行さんを見た先生は「彼女だ…」とつぶやき、ぽろぽろと涙をこぼした。

ナオミの話だと、付き合い始めて間もなく、夏祭りの花火大会で近くの木に落雷があり、その後一行さんは目を覚まさなくなってしまったのだという。ナオミは記録を改竄し、彼女が落雷にあったことをなかったこととすれば、周囲もその影響で記録が書き換わって行くのだ、と言った。
「データの中で生き続けたとしても、現実の一行さんが目を覚ますわけではないのに、どうして?」という直美の問いに「付き合い始めたばかりで一緒に出かけたり写真を撮ったりしたこともなかった。彼女との記録が、思い出が欲しいんだ。たとえそれが現実ではないとしても」と答える。
「この世界ではアバターの俺は何もできない。頼む、力を貸してくれ」
直美は「あんな綺麗な子と付き合えたら嬉しいと思うし、助けたいとは思うので、協力する」と言う。
同じ人物であるため、直美は未来の自分を「先生」と呼ぶことになった。

直美は「自分は無力だ」と言うが、カラスが右手を覆い手袋に変化した。
これは「神の手、グッドデザイン」と言い、アルタラの記憶装置に直接作用して、データを書き換えることができるのだという。
イメージして掴み出せば、空気を水に変えたり石ころを宝石にしたり、何もないところからものを作り出せるというのだ。
制約も多く、書き換えられるのは手袋で直接触れているところだけ、処理速度は情報量に依存し複雑なものを作り出すのは時間がかかる。一番難しいのは生体で、人の心を書き換えたりすることはできなかった。
また、過去の出来事が記されているノート「マニュアル」通りに行動すれば、うまく行くのだとナオミがいう。

マニュアルによると、4月20日に直美は北図書館へ行くためにバスに乗り、そこで二人の距離が縮まる出来事があったらしい。マニュアル通りに行動すれば、一行さんと恋人になれると先生は言うが直美は「だったら何もしなければその通りにことが進むのでは…」という問いかけに対し、自分が現れたことですでにズレが生じているため、積極的に合わせて行く必要があるのだ、と言った。

バスの中で「本を落とせ」という指示が出て、本を落とし、拾おうとしてかがむとバスが揺れ、頭をあげたら一行さんのお尻に顔が…
バスを降りると一行さんにビンタされる。
翌日、図書室にいる一行さんに「昨日はすみません。これを拾おうと思って」としおりを差し出し、誤解は解けるのだが、この時一行さんはしおりを落としてなかったと思うんだよね…
いきなり出現したっていうか。なのに一行さんは「探していた」と言ったので、ちょっと驚いた。
この出来事で少しずつ距離が縮まって行く二人。
一行さんは携帯電話を使わないため、連絡は手紙という、すごく古風な連絡方法だった。

先生から「グッドデザイン手袋」で、何でも自在に物体を作成できるように訓練をさせられる直美。
直美は鉄や銅の元素を作る練習をする。
小さな天体のようなものも作り出し、ミニ太陽?と思しきものも作れるようになってきたが、不測の事態に常に対処できるように訓練しろ、と言われる。大切なのはイマジネーションだ、万物を支配してみせろ、と。

図書委員で一行さんと書庫の整理をしていたが、高所恐怖症の一行さんは脚立の上から落ちてしまった。上段と重い本が収納されている下段は直美、一行さんは中段の本をしまうことになった。この方法は効率が悪かったが、代わりに一行さんとのコミュニケーションを取る時間が増えた。
カラスにはどうやら一行さんの直美への好感度を図るゲージのようなものがついていて、先生はそのゲージを見ながら直美の行動を見守っていた。

図書委員会では、6月に毎年恒例の古本市を行っていた。
各クラスで不要となった本を供出してもらうのだが、毎年大して集まらない。一行さんは亡くなった祖父が集めて持っていた本を提供すると申し出た。直美は一行さんの家の蔵の中に本を取りに行き、そのうちの1冊を読みたい、と言ったため、一行さんは持っていけばというが、直美は当日購入する、と答える。その本には図書カードがついていて、どうやら図書館から不要になった本をもらって来たようだった。一行さんは冒険小説が好きだが、直美はSFが好きだと言った。

直美はリヤカーで学校まで運ぶ。学校の裏に一時的に置いておいたのだが、幟が電灯に覆いかぶさって火が出て、本はすべて燃えてしまう。
直美は先生に「こうなることが分かっていたなら、どうして教えてくれなかったんだ」と問いただすと、この事件で古本市は中止になり、一行さんを慰めたことでさらに距離が縮まったから、そうしろ、と言われてしまう。
図書委員たちは「しかたないよ」と言うが直美はグッドデザイン手袋を使って、寄付してくれた本を1行ずつなぞってコピーしながら復元?作成?し、徹夜で段ボールひと箱分の本を復元した。
先生はこの様子をしかたなく?見守っていた。
一行ずつなぞるって…

古書市は無事に開催される。本を売る為に勘解由小路さんと一行さんはコスプレをする。直美は徹夜がたたって古本市のあいだ眠ってしまい、目がさめるとメイドのコスプレした一行さんがいた。コスプレすることを嫌がっていた一行さんだったが、「何事にも全力投球したいから、やってやりました」とややドヤ顔で直美に言う。「堅書さん、ありがとうございます」と言う一行さんに直美は「僕は…堅書さんが好きなんだ」と告白すると、しばしの沈黙の後「…そうですか」
直美がどうしたらいいか固まっていると
「交際というのは、一人では成し得ないものです。ですから、二人でやってみましょうか」と一行さん。自分の言った意味にはっとなり、慌てて「堅書さんが読みたいと言った本、取り分けておきましたから」と言った。本の見返しの図書カードには、直美の名前が書き加えられていた。

グッドデザイン手袋の修行は相変わらず続き、先生は「イメージしろ、なんだって作れる。お前はこの世界の神になれ」と言い、直美はミニ太陽を手のひらに作り出し、及第点をもらった。

落雷は花火大会の日の20時1分に橋の上に落ちていた。
花火大会の当日、もちろん花火に誘うなんてことはせず、落雷に撃たれないように一行さんを表に出さないように努める直美だったが、キツネのお面の警官のような人物が一行さんの家を囲む。
この狐面はアルタラの自動修復システムで、アルタラ内の記録の改竄を感知すると修復しようと出現するのだ。
「武器を出して戦え!」と先生に言われ、直美は手袋で本を出して殴って応戦すると、倒すことができたため、先生と一緒に事故の時間までなんとか二人で戦い続けることに。しかし、狐面たちは一行さんの家の中へ向かって行った。

一行さんは部屋で寝そべって本を読んでいたが、狐面によって橋に飛ばされてしまう。
「システム権限で無茶苦茶しやがる」
狐面はどうやっても一行さんを落雷にあわせるつもりのようだ。
「直美!そこが落雷地点だ!」行きなり飛ばされて、訳がわからない一行さん。
「あと2分だ!これで最後だ!もう影響なんか気にすんな!派手にやれ!」
空に雷雲が湧き出す。直美はブラックホールを作り出し、雷雲を吸い込み、起きるはずの時刻を過ぎた。
「一行さん!助かった!やった!やりましたよ!」
一行さんを抱きしめる直美。二人はキスしようとするが、一行さんが消え失せ、遠くで「堅書さん」と呼ぶ一行さんの声が聞こえ、先生の声がする。

「器と中身の統一が必要だった。物理脳神経と量子精神の間の ずれを解消しなければなからなかった。精神を事故直後の状態へと近づける必要があった。ようやく測定値が閾値を超えた。今ならば、同調できる」
「彼女はお前に恋をした。そうして今、彼女の精神は事故にあった時と同じになった。これで、全ての準備が整った。落雷を受けた彼女は死んだんじゃない。脳死になったのさ。…ありがとう。さようなら、直美」
グッドデザイン手袋も引き剥がされ先生と一緒に空中へと消え失せ、一行さんが消えた橋の上に、一行さんが持っていた本としおりと共に取り残された直美。

一行さんが目を覚ますとそこには先生、すなわち10年分年をとったナオミがいた。
「…会いたかった」
「堅書…さん?」
一行さんは後遺症もなく、脳死から回復したのだった。しかし、一行さんは全く年をとっていなかった。

一方、直美は空中へ消えた一行さんをお追うために「何か飛んだり移動できるもの」を作り出そうとするが、手袋がなくなっては何もできない。一行さんの家に行ってみたが、消失してしまった一行さんに関係する場所は、データの整合性が取れなくなり「進入禁止」となってしまっていた。
電脳コイルみたいだ。
そしてデータ修復のために大量の狐面が現れる。

一方、2037年のアルタラサーバは、原因がわからないデータの破損が大きくなりつつあり、このままでは連鎖崩壊が起こってしまう危険性があった。千古教授は壊れた部分を取り出しリカバリすることを提案する。
研究室に戻って来たナオミは、杖をつき、体が不自由なようだった。
自分の研究室に戻ったナオミは、サーバ内のデータにアクセスできるベストを眺め「散々苦しめられたこれともお別れか」と言う。

一行さんが脳死状態になり、ナオミは大学で「データサーバ内から意識を持ってくる」という論文を見つけ千古教授のゼミに参加し、そこからPluura社に就職、サーバー管理者にまでなった。
アルタラ内の漁師データを用いれば、ダメージを受けた脳の修復が可能になる。しかし、データの行き来は不可能だった。
密かに自作したサーバ内のデータにアクセスできるベストを着て、サーバにアクセスを試みるが、ベストが過熱しすぎて背中にやけどを負う。
詳細はわからないが、それが原因なのか、下半身不随となってしまったようだ。
ちょっと後のシーンで「10年の間に僕も事故にあったりした」と言っていたので、ベストが原因のようだ。

2027年の直美は狐面に追われ、直美のいた2027年の世界は削除されていった。一生懸命争う直美。これは2037年で、アルタラのリカバリに入ったため一行さんにまつわるあたりが削除されているからのようだ。
直美は空中にできた穴に飛び込み、今までの出来事を思い返す。
気がつくと、能舞台のような場所にいた。死んでしまったのかと思う直美。
カラスが目の前にいて、直美に語りかける。
「堅書直美さん。あなたは死んでいません。
私はあなたの味方です。あなたの手で一行瑠璃を取り戻すのです。世界が歪んでいます。修復システムは歪みを直すために一行瑠璃を抹消するでしょう。あなたには訓練し、積み上げた力がある」
そう言ってカラスはグッドデザイン手袋になった。

アルタラは壊れた領域を取り出し終わり、自動リカバリの動作に入った。これには80時間かかる。
原因は自動修復データのようだが、修復前に一度メンテした方がいいだろう、と教授は言う。

ナオミは一行さんに「君は10年眠っていたんだよ。その間に僕も事故にあったりいろいろなことがあった。諦めなくてよかった。もう一度会えた」と言い、「花火の時のこと、覚えてる?これ…」としおりを渡す。
キスをしようと顔を近づけるナオミに「あなたは、堅書さんじゃない」という一行さん。そこへ狐面が現れ、一行さんを消そうとする。「まさか、ここも記録の世界だというのか!?」と驚くナオミ。「システムの目的は、異物の排除…!」
カラスによって転送された直美が病室に現れ、狐面を排除する。
直美が現れたことに驚くナオミ。直美は狐面は一行さんを狙っているが、何とかする、と言う。
グッドデザイン手袋のカラスに「外れてもらえますか」と頼み、素手でナオミを殴る直美。
「帰りましょう。僕たちの場所に」
直美は一行さんを病室から連れ出し逃げ出すが、狐面はアルタラ内からどんどん増殖して出てきて追ってくる。

ナオミに研究室から連絡が入り、「大変だ、量子記録ビットがループして保持情報がひたすら増え続けてる。何が起きてるのか全くわからん」後ろで「論理境界が決壊しています!」という声が聞こえ、「とにかく、早く戻って来てくれ!」と教授から言われる。

一行さんを抱えて逃げ、カラスの指示に従って京都駅ビルの大階段へと向かう。この場所から一行瑠璃のデータを元の世界へ転送できるというのだ。
車やバイクを出すか、と聞かれ「運転できないよ」と答える。
手袋でも万能で運転できる機械は出せないのか…
直美は自転車を作り出し一行さんを乗せて走るが、大量の狐面が追ってくる。道路をパズルのように組み替えて逃げていく。
とにかく狐面は同じデータを増殖させるだけなので、ものすごい量の狐面があとからあとからうじゃうじゃ出てくる。

ナオミは研究室の教授の机の上に手紙を置き、修復プログラムに追われていく二人を車に乗せた。直美は手袋で道を作りながら逃げて、京都駅までたどり着いた。
何とか道を作って行くが、処理速度が追いついていないようだ。
ナオミは「彼女を元の世界へ返す。俺は、もう一度、彼女の笑顔が見たかっただけなんだ」と言った。

カラスが転送するためのアーチを作り、階段を下まで降りると変換が完了する。
「大丈夫です。やってやりましょう」という一行さん。
一行さんがゆっくり階段を下りていく。別れ際にナオミに向かって聞く。
「あなたは、堅書さん、なんですか?」
「いや、堅書はあいつで、俺はただのエキストラさ」と否定するナオミに
「あなたは私のことを愛してくださったんですね。ありがとうございます。さよなら」と言った。
10年寝たきりだったから、歩くのが大変のようだ。
「一行さん。僕は、君が好きだったんだ」涙声で階段の上から見守るナオミ。

直美は一緒に下まで歩いて一行さんは転送されたが、襲ってきた狐面は巨大化し、何だか得体の知れないでかい化け物のようになり、たくさんの尻尾がついていて、数を数えたらやっぱり9本だった。巨大化する様子が、まるででっかくなった綾波のようだった。触手のようなものの先端が槍と変わり、直美たちを襲う。このカット、全くの使いまわしでちょっと興ざめ。
直美は必死にいろいろなものを作り出して応戦するがきりがない。
転送用のアーチは壊されてしまい、修復には時間がかかりそうだった。

研究室では自動修復システムの暴走を止めるため、教授が自動修復システムの停止を決定。
「それを日本語でね、開闢って言うんだ。新しい世界の誕生、ビック・バンさ」

2037年の世界も、めちゃめちゃに壊されつつあった。
ナオミは「一つの世界に二人いるから、襲われるんだ。どちらかが消えれば襲われなくなる。グッドデザインで今すぐ俺を消せ」と言う。
「システムは彼女を消そうとした。あれはアドレスの重複を回避しようとしたんだ。アルタラの精神とこの世界の体、それを別個のものと判断した狐面は排除しようとしたんだ。つまり、お前か俺、どちらかが消えればこのシステムは止まる。お前がいなくなったら大惨事だ。答えはもう決まっている」
「絶対に嫌だ。先生が言ったんだ。信じれば何でもできるって!二人とも生きるんだ!」と直美は精一杯ものを作りだして戦う。
「そうだ。信じれば何でもできるんだ…堅書直美、幸せになれ。…初めて自分で選んだ人だった。一行さんが倒れて俺は未来を失った。どんな手を使っても二人の未来を取り戻そうと誓った。俺は幸せだ」と言って、槍に刺された。

教授は配電盤を開け、システムをダウンさせた。
うじゃうじゃいた狐面が消えていく。

何とか転送され、別の世界で目を覚ます直美。京都のようではあるが…
一行さんがいた。
再会し、泣いて抱き合う二人。

研究室では「どこにいったんでしょうか?」「新しい世界じゃない?ここより住みやすいところだといいねぇ…」と教授が話をしている。

直美と一行さんはビルの上から世界を見下ろす。
「私たち、元の世界に帰ってきたんでしょうか」
「きっとここは、まだ誰も知らない新しい世界なんです」
二人は抱き合い、初めてキスをする。
しおりとグッドデザイン手袋は、薄紙がはがれるようにチリのようになって消えていった。

「器と中身の同調が必要だったんです。あなたは大切な人のために動いた。あなたの精神は今、ようやく器と同調したんです」
最初は一行さんの声だったが、次第に落ち着いた女の人の声に変わっていく。
目を開くと涙を流しながら抱きついてきたのは、年は取っているが一行さんと思われる女性。
「やってやりました。堅書さん」
「いち…ぎょう…さ…」
ベッドに横たわる男の外見はナオミの年齢だが、本当にナオミなのかはわからない。
目を覚ましたのは月面の基地で、遠くに地球が見えていた。


現実世界では実際に事故にあい脳死状態になっていたのは直美の方で、今まで見てきたことはコピーされたサーバー内で起こった出来事だったらしい。
巨大なデータサーバは地球ではなく月にあったのか?
それとも、地球上には人類はおらず、月基地内のサーバー内にしか存在してないのか?それじゃほんとにゼーガペイン…

背中のやけどの痕と下半身不随は、本人の回想では一行さんを連れ戻すためにサーバーにアクセスするためのデバイスとなる装置のせいのようだったが、実際は落雷に当たった時の後遺症だったのだろうか?

一行さん、直美、ナオミ、八咫烏のセリフを解釈すると、一行さんは雷で打たれて植物状態となった直美に、コピーされた量子サーバ内から直美の意識をサルベージしようとしたが、2037年のナオミは自分の目的のためには他人はどうなってもいい、と考えるナオミとなっており、本来の直美とは人格が異なってしまっていた。そのため2027年の直美を使って2037年のナオミの精神を本来の直美と同じレベルまで浄化させてからサルベージした、ということらしい。直美は最初から一条さんのために動いているため「あなたは大切な人のために動いた」とというのは、ナオミのことを指していると思われる。
高校生の直美の意識をそのままサルベージするでは「器と違いすぎる」からダメだったということなのか…
しかし、現実のナオミは眠ったままなのに2037年のナオミは意識があって行動している、ということは、データ内はすでに書き換わっていて、現実とは異なっている。
そして2037年の一行さんの肉体は2027年の精神を内包したまま、2027年に戻って行ったことになるが、消えて過去へ行く、という行動は大丈夫なのか?その時代の一行さんとおブッキングしないの?

ナオミのためにデータを書き換え(改竄)てもOKということは、これは公共のプロジェクトではなく、ナオミのためだけのプロジェクトで、直美のサルベージのために、巨大なサーバを設置する必要があり、それは地球上では無理=月基地だ、となったとして、単なる民間人一人のためにここまで莫大なプロジェクトを遂行するお金は一体どこから出てくるんだろう…
一行さんの実家はお金持ちそうだったので、そこから?

「この物語(セカイ)は、ラスト1秒でひっくり返る---」
たしかにラストで「リアル」的にひっくり返るが、その映像についてそのあと全く説明がなく、奇をてらいすぎのなげっぱな印象。推測しようにも、正解を導き出すようなヒントはどこにあるんだ…

「HELLO WORLD」は、プログラミングを試みる人が行う最初のコマンドが、画面に「HELLO WORLD」と表示させる命令文を書くから、だそうだ。

評価:ULTIRA


 

空の青さを知る人よ

原作:超平和バスターズ
監督:長井龍雪
脚本:岡田麿里
キャラクターデザイン/総作画監督:田中将賀
音楽:横山克
製作:岩上敦宏/宇津井隆/市川南/古澤佳寛/井上伸一郎
企画/プロデュース:清水博之/川村元気/斎藤俊輔
演出:黒木美幸
美術監督:中村隆
色彩設計:中島和子
セットデザイン:川妻智美
撮影/CG監督:森山博幸
制作:CloverWorks
製作:アニプレックス/フジテレビジョン/東宝/STORY/KADOKAWA

声の出演
金室慎之介/しんの:吉沢亮
相生あかね:吉岡里帆
相生あおい:若山詩音
新渡戸団吉:松平健
中村正道(みちんこ):落合福嗣
中村正嗣:大地葉
大滝千佳:種崎敦美

「あの花」「ここさけ」長井龍雪監督最新作。過去と現在をつなぐ、切なくてちょっと不思議な”二度目の初恋”物語。
とあるが、1度目は初恋と言えるのか…?

なんでまた秩父?とは思うが、行ったことある場所なので「あそこかな〜?」と思ったりする。
しかし、日常生活に卒業後の進路、と、大きな何かがあるわけでもなく地味な感じ。
「ここさけ」よりは共感できる部分が少しだけあったが、出てくる大人があまり魅力的ではない。
最後のしんのの言葉「おまえになってもいいなって、そう思える大人であってほしい」は、まさしくその通りだと思った。
というか、ここしか共感できなかったです。

あおいは冷めてスカしているようだが、一途でちょっとうざかった。
そして「東京に行く」とものすごく地方から出ていくように言っていたが、よく考えたら秩父は埼玉県、池袋までレッドアロー号で1時間半くらいでは??
そこまで音信不通になるほど距離はないと思うのだが…

吉沢亮は、高校生と30過ぎの慎之介を上手く演じ分けていた。
吉岡里帆はほやや〜んとしてつかみ所が無いというか…どのセリフも同じような調子で話しているので、感情がよくわからない感じ。感情を表に出さない役なので、これでもいいってことなのか?
若山詩音は若い女の子にしてはハスキーボイスで、プロの声優ではないため特徴があるというか、アニメには珍しい声質だと思った。下手ではないけど、「馴染んでいるものとはちょっと違っている」と言う感じだ。





ネタバレのあらすじ







あおいは幼いころ、姉のあかねの恋人が組んでいたバンドのベース、しんの(慎之助)にあこがれてベースを弾き始めた。大きくなったらベースをまかせる、としんのが言ってくれたのだ。
そして、しんのにもあおいにも、白目にほくろ(というかそりゃ内出血の痕なんじゃないか??と思ったのだが)があり、しんのはそのことを「目玉スターだ、将来ビッグになるあかしだ」とあおいに言う。
しかしあおいたち姉妹の両親が事故で亡くなり、高校生だったあかねはあおいの面倒をみながら二人で生活することになる。
高校卒業後、いっしょに東京の専門学校に行こう、と約束していたしんのとあかねだったが、あおいが泣いて「あかねを連れていくな」と言ったこともあってか、東京へ行くことは断り、秩父市役所に就職し、それ依頼しんのとは疎遠になっていた。

あおいは高校生になり、バンドの練習場として使っていたお堂でベースを弾いていると、なぜだか高校生の”しんの”が現れる。おどろいてお堂を飛び出すあおい。
お堂の扉には見えないガラス?のようなもので塞がれている感じで、しんのは表に出ることができない。

地域で町おこしのためにご当地ソングを歌い、音楽祭を催すことになった。
ご当地ソングの大家、新渡戸団吉を招くことになり、駅まで迎えに行くとバックバンドにしんの=慎之助がいたのだ。
団吉は西岡徳馬のような見た目だったが、声は松平健だった。
あの赤い髪の”しんの”が慎之介になるとは思えない。
慎之介に魅力がなさすぎる…
だって、しんのすけの顔の造作が、なんとなくクレヨンしんちゃんのひろしを連想するのだ。

あおいはしんのと慎之介のことを正嗣に相談する。
正嗣は慎之介のバンド仲間の正道の息子で、小学生だがさめたところがあり、あおいのことが好きだった。
幽霊では?というあおいに、慎之介は生きているのだから、しんのは幽霊ではなく「生き霊」なのではないか?という結論になる。
お堂にいるしんのは、「あかねに一緒に東京に行くことを断れられ、失意のまま寝て起きたらここにいた。しかし、東京行ってビッグになって、あかねを迎えに来ることに決めた」と言う。

市役所に勤めていた正道は、団吉を招いたのはバックバンドに慎之助がいたからだという。
正道はあかねが好きだったが、あかねは慎之介のことをひきずっているようだったので、過去と決別してもらいたいと思ったのだった。
団吉一行は、イベントまでの一週間、秩父の観光地を飲み歩き、あかねが酔っぱらった慎之助をホテルの部屋へ送ると「もったいつけんなよ。へるもんじゃないしいいだろ」とせまられる。あかねは慎之介を背負い投げ?して「13年ぶりに会ってそれ?がっかりさせないで」と言って帰って行く。
「おれだって来たくなかった。こんな俺で来たくなかったんだよ」と床に寝っ転がってつぶやく慎之介。
ダメダメすぎて情けなくなる…

あおいはベースが弾けるようになり、進学はせずに東京でバンドをやる、と進路指導で先生に言う。
学校で千佳に「年上の男がいて送り迎えしてもらってるってうわさになってる。紹介してよ」と言われ、迎えに来た運転手は姉のあかねであり、それは単なるうわさであることを教える。

団吉一行は飲み歩いた結果、ドラムとベースが鹿肉を半生で食べて食中毒?になり、あおいがベースを弾き正道がドラムをたたくことになった。
慎之介は「こっちはプロだ。お遊びじゃねぇ」と反対するが試しに演奏してみてもらうことになり、正道とあおいは「ガンダーラ」を演奏する。「ガンダーラ」は、かつてしんのたちがバンドで演奏していた曲だった。

バンドの他のメンバーは「高校生にしてはうまい」という評価だったが慎之介だけは「ふざけてんの?君ベースだろ、なんで目立とうとしてんの?素人がプロの世界に首突っ込んでくるのが問題なんだよ。…そもそもドラムがベースに引きずられてんじゃねーよ、みちんこさんよ」と素人にそこまで言わなくても?と、すげーいやな大人ぶり。

そこへ飲み屋のおねーさんたちが慎之介を迎えにあかねと一緒に現れ「さすが、プロは違いますね」とあかねに嫌味を言われる。
つか、本番控えて食べ物に当たるとか、そっちの方がプロ意識ないんじゃないの?
食い意地が張っていて「食われるから(半生のまま)先に食った」とかさ〜。

しんのが「現在の自分を見たい」と言ったので、千佳が動画を撮影しあおいのスマホに送ったのだが、「お堂から出られなくてヒマだ」というしんのにスマホを貸してしまっていたため、しんのは慎之介の映像を見てしまう。がっかりするが「本当にプロになったんだ…」とも思うしんの。
慎之介を見返してやれ!の一言で、お堂で練習にはげむあおいだが、「しんのがあの慎之介にもどったら、このしんのは消えてしまう…」と思い、一方であかねと慎之介をくっつければ、それがしんのの為にもなる、とも思うのだった。

千佳は昨夜慎之介とずっと一緒にいたようだったが、そのことをあおいに問い詰められると「何もなかった。やっぱり慎之介さんのこと好きなんじゃん」と言われ「ちがう!私はしんのが!」と言ってはっとする。
千佳には「しんの」は慎之介とは違う人だ、というように話すが、「しんのが好きさ!悪いか!」と言ってしゃがみこんで泣いてしまう。

あおいは、帰ってきたあかねに「なんで慎之介と一緒に東京に行かなかったの?あか姉がしんのと一緒に東京に行っていたら、慎之介さんはあんなクズにはならなかったかもしれないのに。私はあか姉みたいになりたくない!やりたいこともできないで、こんなところで終わりたくない。あか姉は、ばかみたい!」と心にもないことを言ってしまった。

バックバンドの仲間の話だと、慎之助は一度はソロデビューしたが、鳴かず飛ばず?で結局大物演歌歌手のバックバンドとなったらしい。
野外ステージでの準備中に、建物の裏手でガンダーラを口ずさむ慎之助。通りかかったあかねが慎之介と話をする。
「東京に出れば、どんな夢も叶うと思ってた」
「夢、叶えたじゃない。ギターで仕事してる」
「演歌歌手のバックバンドなんて、やりたかったわけじゃねぇよ…不満があるわけじゃないしこんな俺を拾ってくれた新渡戸さんには感謝してる。でも、いろんなもん捨ててまでやる価値があったのかはわからない」
あかねは「空の青さを知る人よ」をリクエストする。「ちゃんと買ったよ。しんののプロデビュー曲」
「黒歴史だ…」と言いつつも歌ってくれるが、あんまり上手くなくて、これじゃあ売れなくてもしかたないかな、と思った。
新渡戸団吉風、数学の斉藤先生?風、とモノマネしながら歌う慎之助。
それを笑いながら聞くあかね。
二人の様子を偶然通りかかったあおいが見ていると、慎之助は「おまえといると、落ち着くって言うか。俺、秩父に戻ってこようかな。周りの奴らも身を固めたりしてきたしさ…」と言うが、あかねに「何言っているの、今時30歳なんてまだまだ若造だよ。これからだよ」と励まされる。しかし、慎之助が去った後にあかねは涙を見せる。
「あか姉、あんな風に泣くんだ…泣いたところなんて、いつから見てないんだろう」

あおいは高校を卒業したら東京へ行ってバンドをやる(しかし、仲間はいない)というが、それは自分のために好きに生きられなかった姉から離れ、姉に好きな人生を送ってもらうためだった。
ムヒを探して台所の収納の奥をごそごそしていると、あかねの「あおい攻略ノート」が見つかり、そこには幼いあおいのために家事をがんばってきた記録が綴られていた。
なんでもできると思っていた姉は、実は努力の結果だった。
自分がいなくなれば姉は幸せになると思っていたが、姉にとっての幸せに自分も含まれていたことを悟ったのだ。
なんでムヒを探すのに、滅多に出さないようなものをしまっておくようなところを漁るんだろう…そんなとこにムヒが入っているとは思えん。

お堂へ走り「しんのが好き。慎之介じゃなくて、いまここにいるしんのが好き。慎之介の中に戻るくらいなら、このままでいて欲しい。でもあか姉は慎之介が好きで、あか姉も幸せになってもらいたい。どうしたらいいかわからない」と。しんのに言うあおい。

本番前、団吉のいつもつけているペンダントがなくなった。どうやらトンネルで落としたらしい。これがないと歌えない、というだん吉のためにペンダントを探しに行くあかね。出かける前にあおいと会い、「気をつけて」と言われるが、これは「何かにあうフラグ」なのか?と思った通り、全日土砂降りだった訳でもなく、千佳が「今の地震?」という位の揺れだったにも係わらず、地震で土砂に埋められてしまうあかね。あおいはしんのがいるお堂に行くが、そこには慎之介が来ていて、二人は顔を合わせていた。

しんのは「あかねと一緒に買いに行った宝物のギター、”あかねスペシャル”、長いことほったからしのようだな。小汚ねぇおっさんのことなんかわかるかよ」と慎之介に言う。

あおいがやってきて、二人が鉢合わせしていることに驚く。
あかねが事故にあったかもしれない、と聞き、しんのは駆けつけようとするが慎之介はみちんこからの連絡を待つという。
「なぜ助けに行かない、くたびれたおっさんになった、がっかりさせんじゃねぇよ」と未来の自分をなじる。
「ビッグになってあかねを迎えに来るんじゃなかったのかよ。それが演歌歌手のバックバンド…だっせぇ、ゲロ沼に突き落とされた気分だ。将来お前みたいなやつに…!」
慎之介は「だまれ!俺だって色々やってるんだよ。この世界はコネとか運がないとやっていけないんだ」
「ビッグなミュージシャンになるのも、あかねがいるのが前提の夢だった。あかねがいないならここから出たくないと思った。でも、お前はここから出た。前に進んだんじゃないか。なぁ、おまえは俺なんだよな。だったら、思わせてくれよ、嫌なこともあるだろうけど、将来、お前になってもいいかもしんねぇって!」
それでも動こうとしない慎之介に「もういい、俺が行く!」
しんのは表に出ようと頑張り、あおいはしんのの手を引っ張って表に出そうとする。それに共鳴してしんのの赤いギター(あかねスペシャル)の弦が共鳴して震える。
あー切れるんだな…と思ったらやっぱり切れて、しんのはお堂から飛び出す。
なんとあおいを連れて、空を飛んであかねのいるトンネルまで行くのだ。
慎之介は走ってトンネルへ向かう。

土砂崩れからしんのがあかねを助け出し、あかねが抱きついたのはあおいだった…
あかねが卒業アルバムに書いた「井の中の蛙大海を知らず しかし空の青さを知る」の”あお”はあおいのことだった。「広い世界を知らなくても、あおいがいればいい」あかねは卒業時にそう思ったのだろう。慎之介はあおいに負けたことを悟った。

あおいはあかねの車に乗らず「3人で行って」と言い、あかねと慎之介、しんのが後部座席に乗って戻って行く。
「俺、前に進んでるんだと。…俺は夢を諦めない。だから、お前のことも諦めない」という慎之介に「3人で行って、か…あおい、もうあの頃の私と同じ年なんだ…」とあおいの成長にちょっと感動?しているあかね。行きなりこう言いだして、なんだか唐突だった。
高校生の時、バンドの練習の時の差し入れのおにぎりの具は、いつもあおいの好きな昆布だったが、車で「今度、ツナマヨのおにぎりでも作ってみようかな」と言ったのは、あおいよりしんのすけを優先してもいい、と思ったからだろう。「えっ、それって…」と慎之介が喜んだが、前置きなく「ツナマヨのおぎにり」と言われてもわかるくらい、些細なことまで覚えてるんだ、すごい…
いつの間にか、しんのは後部座席から消えていた。

あおいは自分の選択でしんのが消えてしまうことがなんとなくわかっていたようで、走りながら「泣いてないし!!」と自分に言い聞かせていた。
空を見上げ「くっそ青い!」と言う。

エンドロールで音楽祭の様子(写真)やその後の様子が見られるが、スタッフロールの文字の途中に挿入されて「ちゃんと見られる」時間がとってあったのが良かった。
HELLO WORLDはスタッフロール読んでると全く見られなかったもんね。
結局あおいは進学したようだ。あかねと慎之介は結婚し、あおいと慎之介のギターが仲良く並んで立てられていた。

入場者特典のクリアファイルもらったんだが、本編始まって後ろの方で喋ってるやつ誰だ!?と思ったら、スタッフが「渡し忘れた」と一人ずつ配って回っていた…
20人くらいしかいなかったと思うが、帰るときにでもいいでしょ?
もう始まってるのに、うるせーんだよ

評価:1g


 

T-34 レジェンド・オブ・ウォー 【極上爆音上映】

監督/脚本:アレクセイ・シドロフ
製作:ニキータ・ミハルコフ/レン・ブラヴァトニック/ルーベン・ディシュディシュヤン/
    ネリ・ヤラローヴァ/アントン・ズラトポルスキー/レオニド・ヴェレシュチャギン
製作総指揮:ミハエル・キタエフ
撮影:ミハイル・ミラシン

ニコライ・イヴシュキン:アレクサンドル・ペトロフ
ステパン・ヴァシリョノク:ヴィクトル・ドブロヌラボフ
デミアン・ヴォルチョク:アントン・ボグダノフ
イオノフ:ユーリイ・ボリソフ
アーニャ・ヤルツェヴァ:イリーナ・ストラシェンバウム
クラウス・イェーガー:ヴィンツェンツ・キーファー
ピョートル・スコヴォルツォフ
アルチョム・ビストローフ
セミョン・トレスクノフ

1964年のロシア映画『鬼戦車 T-34』のリメイク版。ラストは本作とは異なっていたらしい。
ロシア本国ではロシア映画史上最高のオープニング成績を記録、最終興行収入は40億円を超え、観客動員800万人というメガヒット。
極爆だが、低音重視の調整ではなく、ブルブル震えるほどではなかった。さぞかし揺れるだろう…と思ったが、そうでもなく、この調整だとbでもあまり揺れなそう。
第二次世界大戦の時代だが、砲弾が飛んでいくところ、戦車に当たるところなどはVFXなので、古臭さはあまりない感じ。
戦車に載って被弾すると、こんな感じなんですか…
金属の塊なので、確かにすごい音がして、鼓膜が破れそう。

敵はナチスの将校イェーガー大佐だが、単なる悪役ではなく、憎めないような人物に描かれていた。地雷を撒く、と言ったところはえ〜と思ったけど、一戦交えた相手に敬意を持っていたようだし、確か、一緒に酒を飲んだ時に「こんな時代じゃなければ兄弟のように分かり合えた」みたいなこと言ってなかったっけ?
しかし、新人指揮官の対戦相手として選んだ捕虜に戦車を奪われて砲弾を持ったまま逃走されるとは、ものすごい失態だ。割とやっていることに甘いところがあるなぁと思った。

戦車は訓練して、俳優が操縦したらしい。








ネタバレのあらすじ










ロシアはドイツ軍に押され気味の戦況のようで、前線となっている村ではかなりの被害が出ていて、将校クラスはもういないようだった。
戦況は悪く負傷者や医師等を掩護しながら撤退するよう、指示が出る。
残された戦車は1台、そこに実戦の経験はないが、兵学校を卒業したイヴシュキン少尉が、車長として赴任してきた。
戦車を操縦する兵士のステパン、イオノフ、ヴォルチョクは「豪は2mは掘らないとならないのに1.5mだし、整備もなってない」とイヴシュキンに言われる。

イェーガーが率いる戦車隊が進軍してくる。
藁に戦車を隠し、応戦するイヴシュキン。作戦がうまくはまり、数台の戦車を少ない銃弾で被弾させるが、最後に残った1台と至近距離からの砲撃で内部が炎上。イヴシュキンはコートの背中から炎が上がっているステパンを引きずりだして助けようとするが、ドイツ軍のイェーガーが上面から出てきて、イヴシュキンを撃つ。

ドイツの強制収容所に兵士が輸送されてくる。将校が雨の中「ひれ伏せ」というが、一人だけ従わないものがいた。
ロシアの将校だったことしかわからず、名前も階級も言わない。そして7回逃走を試みて失敗、ついに処刑が決まった。
この収容所にイェーガーがやってくる。
新人将校の戦車の実戦訓練として、敵に見立てた戦車を操縦させるため、収容されている捕虜に将校クラスはいないか、と問いただすが、将校とわかるとひどい目にあうため、みんな「兵士」と申告するのだ、と係官は言う。
囚人の資料を見ていると、目に留まったのは一人のロシア人。イェーガーはその男がロシアの村で自分と戦い、撃った男だとわかった。
すでに処刑されることが決まっており、拷問されていたが、イェーガーはこの男(イヴシュキン)に「久しぶりだな。俺を覚えているか?お前を撃ったのは俺だ」と話しかけ、「軍事演習の敵として戦車で応戦してもらいたい。ただし、おまえたちは実弾は無しだ。うまくいけば私の部下の教育を行う教官にしてやる」と言う。イヴシュキンが断ると、通訳をしていた女性捕虜のヤルツェヴァにピストルを向ける。しかたなくイヴシュキンは申し出を受け、イェーガーは戦車の操縦をしたことがある捕虜の中から、操縦士を選ばせる。
並ばされた捕虜の中にステパン、イオノフ、ヴォルチョクがおり、この3人を選ぶ。
死んでしまったのかと思ったが、3人とも大きな怪我はしてないようだった。

4人に与えられたのは、かつて操縦していたものより最新のロシアの戦車、T-34-85だった。
中にある操縦者の死体を片付けて消毒し、整備しろと言われ中に入ると、戦死したロシア兵の遺体がそのままになっており、砲弾が残ったままになっていた。遺体と一緒に砲弾を包んで密かに運び出し、埋葬の許可をもらうと、敷地内に砲弾ごと埋めて塚を築いた。イヴシュキンはそこから敷地内を見渡す。

戦車の整備をする倉庫の奥で、周りの地形の模型を作るイヴシュキン。
「何を企んでる」と言うステパンに「逃亡だ」と答えるイヴシュキン。「無理だ」ステパンは言うが、イヴシュキンの行動に従うという。
イェーガーはイヴシュキンを自室に呼ぶ。ロシア語の通訳のヤルツェヴァも同席する。
イェーガーは前線でやりあったときのことを話し、酒を勧めた。イェーガーは「演習の成功を」というようなことを言うがイヴシュキンは「内臓が焼けろ」と言い、ヤルツェヴァはイヴシュキンの顔を見ながら「あなたの健康に」とドイツ語に訳す。

整備がほぼ終わったころ、将校たちがやってきたため、T-34の性能を見せることになった。「白鳥の湖を踊ってやる」とチャイコフスキーの音楽に合わせてステパンが片輪走行走行する様はなかなか見ものだった。
イェーガーは「表に地雷を撒いておけ」と命令し、ヤルツェヴァがその命令を聞いていた。
ヤルツェヴァはイヴシュキンに地雷が撒かれることを話し「私も連れて行って」と頼む。「できない。地図がないと無理だ」と断るイヴシュキンにカギの型を渡し「金属を流して合い鍵を作って。それで地図を持ち出してくる」と言う。イヴシュキンは「誰がやったかすぐばれる」と反対したが、ヤルツェヴァは作ってもらったカギで密かに忍び込み、地図を持ち出し、演習当日は外出許可をもらって表へ出た。

演習が開始される。
イヴシュキンは砲弾を掘り返し、藁を燃やして煙幕を作る。煙幕に紛れてドイツ側の戦車パンターに砲弾を打ち込み、煙に紛れて正門に向かう。
正門の見張り塔で演習を見ていたイェーガーは、なぜ彼らが弾を撃てるのかと訝しむが、脱走を目論んでいることを悟り、阻止しようとするが見張り塔へ砲弾を打ち込まれてしまう。T-34は正門を突っ切りドイツ車をなぎ倒して敷地外へと出て行く。

ヤルツェヴァはバス停のようなところに来ると、地元の老婦人が3人、バスを待っていた。捕虜の服を着たヤルツェヴァを見るが、そこへロシアの戦車が現れたもんだから一人は失神してしまう。
イヴシュキンは「どこへ行きたいかい?お嬢さん」と声をかけ、ヤルツェヴァは持ち出した地図を見せて「ベルリンへ」と言う。「よくやった!ヤルツェヴァ同志」と戦車に乗り、戦車は再び走り出した。

燃料がなくなってきたのと、空腹とで、近くの町に立ち寄る。
イヴシュキンは「略奪はダメだ」と言うが、戦車が現れたため見張りの兵は両手を上げライフルを渡す。
洋服、食料(なぜか野菜ばっかり持ってきていた…)をもらうと言うよりは脅して渡してもらうと言う方が近いと思うが、手に入れて再びベルリンへ出発する。
戦車の中は群れて暑く、ヤルツェヴァは具合が悪くなりそうだった。
休憩していると地鳴りが聞こえてきて、追っ手が近いことがわかったため、道をそれて森の中を進んでいく。
イェーガーは航空隊の飛行機を使って上空から探索し、戦車の轍を見つけた。
立ち寄るであろう街で待ち伏せするイェーガー。

イヴシュキンは森の中の湖で野営をする。
湖で汗を流す男たち。
野営地でヤルツェヴァとイヴシュキンは良い仲になるが、ここで流れてたのはラフマニノフかなぁ…聞いたことあるけど曲名がわからない。
まどろんでいると地鳴りが聞こえてきた。
イヴシュキンは、戦車は湖に沈め、ここからは生き延びるために全員別行動をとることを言い渡すが、他の全員が戦車で戦うことを提案したため、イヴシュキンも戦うことを決意。
ヤルツェヴァには別行動でこの先の街の外れの草原まで行き、そこで待っているように指示する。ただし、1日待っても来なければ、先に行け、と…

戦車で近くにある街の中へ入っていくが、様子がおかしい。
人の姿はなく乳母車やカバンまで放置されている。
おそらく急いで人を立ち退かせたのだろう、イヴシュキンは待ち伏せされていることを悟った。
恐る恐る進んで行くと前方にパンターがいて、射撃されるが、急旋回して弾を避ける。
弾は残り3発、1台のパンターは弾を道路に跳ね返らせて床から戦車内に打ち込み、爆破するが、街中で3方をパンターにかこまれてしまい、誘導が必要だとイヴシュキンは判断する。
「一番命知らずなのは誰だ」
「俺に命令してください」
手榴弾を持ってヴォルチョクが戦車1台に誘導作戦に出る。
射撃されるが、手榴弾をパンター内部に落として蓋をし、中で爆発音が聞こえた。
イヴシュキンは通りにある壁と家屋を壊して裏通りへ抜け出ると、そこにはパンターが待機していた。お互い、砲台が後ろを向いていたため、旋回させて相手の方へ向けるが、T-34の方が少しだけスピード早く、パンターの上部と下部の隙間に打ち込んで炎上させたが、相打ち状態でT-34も被弾、その音と振動でしばらく反応できないでいたら、イェーガーの乗る戦車が現れ、狙いを定められた。もうだめだ、と思ったところにヴォルチョクが乗っ取った戦車が応戦し、イェーガーのパンターが被弾する。
パンターも1台だけとなり、イェーガーが戦車の上部から顔を出し、イヴシュキンも顔を出す。イエーガーは手袋を道に投げつける。
「一騎打ちしようって言うのか?5分待ってくれ!味方を回収したい」
その言葉に両手を上げて応じるイェーガー。本当はなんて言っているのかわからん、というジェスチャーだったのかも?

T-34とパンターは、橋の両端に待機し、互いに前進する。イヴシュキンたちの残る砲弾は1つ、右に左に蛇行しながらパンターへ進むT-34。引きつけたところでほぼ同時に撃ち合うが、2つの弾はわずかにかすり、イヴシュキンの撃った弾は物見の窓に命中、中で爆発する。イェーガーの撃った砲弾はT-34の装甲板に当たったが大きな傷はできず、T-34はパンターに横から体当たりして橋の上から川へ転落させようと突っ込む。
半分川へ乗り出し、止まるパンター。
中から煤けたイェーガーが出て来る。
イヴシュキンもライフルを手に出て来きたので、イェーガーは拳銃を出そうとするが、ライフルを構えられ「撃て」と言う。
イヴシュキンはかけていた指を引き金から離す。イェーガーはイヴシュキンに手を差し伸べ、イヴシュキンもややためらいながら手を握ってこちらに引っ張り上げようと力を入れるが、イェーガーはイヴシュキンの手を強く握った後、力を抜いて握ることをやめた。
戦車が傾き、川底へイェーガーとともに落ちて行く。
イェーガーは助けてくれというように手を差し伸べたように見えたが、イヴシュキンに敬意を表して握手を求めたのだ。
この橋、石造りで年季物?のようなのだが、こんなに壊しちゃって大丈夫なのか?

草原でヤルツェヴァが待っていると3人がやって来る。ヴォルチョクは戦車内でも瀕死の重傷だったが、布で作った担架で運ばれていた。
顔が青白かったので、死んでしまったのだろうか?3人とヤルツェヴァは無事に再会でき、イヴシュキンはヤルツェヴァを「愛しい人」と抱きしめた。
次のカットでは「ソ連ドイツ戦線で戦った全ての兵士に捧ぐ」というメッセージが表示されスタッフロールになりそのままENDであったので、ヴォルチョクの生死は結局わからないままだった。


本当に実写版ガルパンらしい。
これが面白ければガルパンも面白いらしいので、見てみるか…どういうわけか、今再放送してるよね。でも1話は見たけど設定が受け入れられず「戦車道」のところでくじけちゃったんだよね…

評価:2a


 

銀河鉄道の夜(1985年公開)

監督:杉井ギサブロー
原案:ますむらひろし
脚本:別役実
音楽:細野晴臣
アニメーション制作:グループ・タック
配給:日本ヘラルド映画

出演
ジョバンニ:田中真弓
カムパネルラ:坂本千夏
ザネリ:堀絢子
マルソ:一城みゆ希
ジョバンニの母:島村佳江
カムパネルラの父:納谷悟朗
燈台守:常田富士男
先生/学者:金田龍之介
鳥捕り:大塚周夫
ただし:渕崎ゆり子
かおる子:中原香織
雑貨屋主人:槐柳二
無線技師:青野武
八代駿、梶哲也、新村礼子、菊池英博、仁内建之、倉崎青児、山崎哲也、勝田治美、丸山真奈実、渡辺真砂子ほか

1985年制作の劇場用アニメ映画。同年7月13日公開。毎日映画コンクール・大藤信郎賞受賞作。
ファンタジックな映像はきれいだった。冒頭の空からズームインしてくカット、あれ1枚絵なんだろうか?

HPより
「細野晴臣デビュー50周年記念のドキュメンタリー『NO SMOKING』に合わせて、細野晴臣が音楽を担当した『銀河鉄道の夜』(85)をいまや上映できるシネコン自体貴重な35mmフィルム上映。」

3日間1日1回の限定上映だったが、3日とも満席。
なぜか新作よりこういう旧作の方が客の入りが良い…
そして誰もポップコーンを食べない。
しかし、前半でいびきをかいているやつがいた…

最初の1巻めの冒頭は、すごいホコリとあの映画特有のノイズ。
フィルム交換した時も、しばらくホコリが〜
ジョバンニが祭りに行くところ、画面の中央の同じ場所でひかりがちらちら、あれはフィルムの傷なのか??

TV放映された時に見たが、あらすじはわかるが詳細はあまり覚えてない。
せっかくだから、原作読んでからにしよう…と、青空文庫で「銀河鉄道の夜」を読んでから見に行った。
文章を読みながら頭に浮かんだ風景と、映画の風景は異なっているものがかなりあり、「あの文章をこう映像化したのか…」と思った。
とくに「平べったい鷺」で思い浮かべたのは干物…食べたらお菓子だったんだから、あんな感じか…

以前に見た時は話は知らずに見たため、ラストまで来てカムパネルラの死を知ったのだが、結末を知ったうえで見ると、「お母さんは自分を許してくれるだろうか」とか、途中でカムパネルラが見せる涙の意味などがよくわかる。
原作では番号がかかれてなかった讃美歌は、ちゃんと番号がついていた。
ジョバンニの切符だけが「どこまでも行ける特別な切符」だったのは、死者じゃなかったからなのか。

途中から乗って来たかおる子とただしは、なぜ猫ではなかったんだろう?と思ったら、ちゃんと理由があった。
名前は日本名だが、「氷山に当たって船が傾いて沈んだ」は、まるでタイタニックみたい、と原作でも思ったが、映像でもタイタニックを連想した。そのあとに流れる音楽も「新世界」だし、と思ったら、やっぱりタイタニックだったのか。
細野晴臣の祖父(細野正文)が実際のタイタニック号に乗船していたそうだ。
そういえば、公開当時そんな話が出てたかも…
ただしは列車に乗ってきたときは靴を片足しか履いておらず、あとから靴が海の中を漂うように落ちてきて、それを青年が履かせ列車を降りて行った。

窓の外を通っていく三角の光る標識が、なんとなく銀河鉄道999のようだった。

現実にもどり、カンパネルラのお父さんは「もうダメです、沈んでから45分経ってますから」と諦めるのが早くないか?
ジョバンニに「明日の放課後、うちに遊びにきてください」というが、それも結構淡々としていた。
原因となったザネリは家に連れて帰られたそうだが、今後はどう生きていくんだろう?
「他人のために生きる」がテーマみたいに言われたりしてるが、それほど自己犠牲って感じかな?

原作が文学作品だったため、やっぱりちょっと睡魔と戦った。

評価:2c


 

JOKER(R15+)

監督:トッド・フィリップス
脚本:トッド・フィリップス/スコット・シルヴァー
原作:ボブ・ケイン/ビル・フィンガー/ジェリー・ロビンソン
製作:トッド・フィリップス/ブラッドリー・クーパー/エマ・ティリンガー・コスコフ
製作総指揮:マイケル・E・ウスラン/ウォルター・ハマダ/アーロン・L・ギルバート/
      ジョセフ・ガーナー/リチャード・バラッタ/ブルース・バーマン
音楽:ヒドゥル・グドナドッティル

出演
アーサー・フレック/ジョーカー:ホアキン・フェニックス
マレー・フランクリン:ロバート・デ・ニーロ
ソフィー・デュモンド:ザジー・ビーツ
ペニー・フレック:フランセス・コンロイ
トーマス・ウェイン:ブレット・カレン
ギャリティ刑事:ビル・キャンプ
バーク刑事:シェー・ウィガム
ランドル:グレン・フレシュラー
ゲイリー:リー・ギル
ジーン・アフランド:マーク・マロン
アルフレッド・ペニーワース:ダグラス・ホッジ
ブルース・ウェイン:ダンテ・ペレイラ=オルソン


バットマンはキャットウーマンが出てきたのしか見てない。
ホアキン・フェニックスは、「裕福じゃないんだから太っているわけない」と減量したそうだが、あばらが浮き出ていて効果抜群だった…

コメディアンになりたい、と母親の介護をしながら一生懸命生きているアーサーが、謂れのない暴行を受けたり、世間は冷たく暮らしは貧しいままで、抜け出すどころか切り捨てられようとしている。
アーサーが暴行した証券マン3人を思わず射殺した時は、正気に戻った?ように思った。
思考の霧が晴れたっていうか。
いきなり射殺するとは思わなかったけど、外さず命中させていて、初めてにしてはうまいと思った。
そして母親が「自分たちの惨状を知ったら、ウェインさんが放って置くはずがない」という言葉と何度も送られる手紙。開けてみると自分はウェインの子供だと書かれていた。
父だというウェインに会いに行くが「関係ない。お前は養子だ」と殴られ、母が入院していた病院で知る自分の生い立ち。養子というのは事実であり、病気だと思っていた自分の「止められない笑い」は病気ではなく、母が当時同居していた男に暴力を振るわれ頭にひどい外傷を受けたからのようで、母は暴力を止めることもせず育児を放棄していたのだ。

こんなにひどいことばかり、救いようがない人生だ…このような行動をとるのも無理はない…

と、思ったのだが、矛盾していて腑に落ちない点がある。

同じ階に住むソフィーとの関係だ。
たいして接点がないにもかかわらず、アーサーを受け入れたり、アーサーの母が入院して一緒に付き添っていたのに、部屋に無断で入ってきたアーサーに「大丈夫?お母さん呼ぼうか?」と言ってみたり。
アーサーがフランクリンショーに出演した時は、髪を緑色に染めていたが、ラストカットでは髪が黒に戻っていて、時系列がよくわからない。

監督が「アーサーはいろんな笑い方をするが、純粋に心から笑っているのはラストカットだけ」と言い、ラストの「それが人生」という歌詞、全てはアーサーの妄想だというのだ。
妄想であることを前提にもう一度見ると、全く違う感想を持つ映画だった。
2回目は、懐かしいメロディーにあわせて、踊りながら徐々に狂って行くのだと思った。

1回目はaで、2回目はbで見ました。
aの時はあまり思わなかったが、bは低音重視の調整がされてました。
最後の方のカオスな現場は、ちょっと爆音だった。







ネタバレのあらすじ





カウンセリングを受けているアーサー。
カウンセラーの「上手くいっている?」という問いかけに「いっているわけないだろう。病院にいた方がましだった。もっと薬を増やしてくれ」というが、「もう7種類も飲んでいるのに?」と言われる。日記を見せるように何度も言われ「コメディアンになりたいんだ。思いついたことなども一緒に書いている」と話しながらノートを渡す。
ここで、白い服を着て監禁されて扉に頭を打ち付けているアーサーが回想のように挿入される。

帰りのバスで前の席に座っていた子供に「大魔神」みたいな顔芸を見せて笑わせていたら、「構わないで!」と母親に言われてしまう。
アーサーは堪え切れないように笑い出す。
母親に「何がおかしいの」と言われると「僕は病気で笑いが止められないんです」というカードを持ち歩いていて、それを見せた。

アパートに戻ると、エレベーターで同じ階に住む子連れの女性と一緒になる。エレベーターが途中で止まり「この建物ボロくて嫌になるわよね」と話しかけられる。彼女は指を頭に当て銃で撃つしぐさをした。

アーサーはピエロの派遣会社?のようなところに所属し、顔を白く塗り口を笑っているように指で横に広げるが、涙でメイクが流れる。家具屋のセールに看板を持って店先に立つが、悪ガキに看板を取られ、追いかけていくと待ち伏せされて看板で殴られ、暴行を受ける。この時に、股間をおさえて横たわるのだが、なんとなく不自然…普通は頭をかばうものでは?私は男じゃないからよくわかんないけど。
看板は割れてしまった。

体の不自由な母親の介護しながらアーサーは暮らしていた。母のペニーはトーマス・ウェインから手紙が来ていないか、といつも訪ねてくるが、手紙がきたことはないようだ。30年前に屋敷でメイドをしていたというのだ。
テレビにはマレー・フランクリンの番組が映っていた。
客席にアーサーが座っている。マレーに掛け声をかけると、「今の掛け声の君」と名指しされ「母を介護しながらコメディアンを目指している」と自分のことを話し、周りから拍手をもらう。
マレーはアーサーをステージに上げ、「君のおかげでテレビショーが盛り上がった。ありがとう」と抱き寄せて礼を言う。
最初に見た時は現実の出来事??これがきっかけでコメディアンになりたい、と思ったのかと思ったが、コメディアンともあまり結びついてない受け答えで若干不自然。
しかし、これはアーサーの希望が妄想となったものだったのだ。

昨夜エレベータで会ったソフィーを、職場まであとをつけていく。夜、アパートでソフィーと出会ったときに「私のことつけてたでしょ」と問われ小さく頷くアーサー。
「嫌だった?」の答えにソフィーは小さく首を振る。自分はコメディアンで、ステージを見に来てと言うと、ソフィーは「じゃあステージの日を教えて」と言う。

アーサーは地下の劇場?ライブ会場?で、出演者たちの「笑わせるポイント」を一生懸命にメモしながら見ているが、理解できないようで、全然的外れなところで笑ったりする。
市のカウンセリングは財政難で打ち切られることが決まり、カウンセラーから「今日で最後」と告げられてしまう。「薬はどうなるの?」と聞くが「市の方針で」と答えるカウンセラーにアーサーは言った。「いつだってあんたは一方的に言うだけで俺を見ていない。俺の話なんか、聞いてないんだ」

アーサーは劇場の舞台に立つ。ソフィーの姿もあったが、これは妄想だと思われる。
緊張からなのか、笑いが止まらない。まるで咳き込むように笑い、なんとか日記兼ネタ帳を取り出してコメディーを始める。
「コメディアンになりたいと言ったら、母は笑った。『そんなことはやめて、立派な大人になるのよ』…」でも今はこうして舞台に立っている、舞台に立てるようになった自分を笑う人はいない、というように話が続いていくが、アーサーの舞台はうまくいかなかったようだ。

アーサーがピエロ派遣の事務所で靴を曲げていると、ピエロ仲間の一人のランドルから「大変だったな。これはプレゼントだ」と紙袋を渡され、中には拳銃が入っていた。
返そうとするアーサーだったが「金は後で払ってくれればいい。自分の身を守ることも大切だ」と言われ、受け取ってしまう。
家で銃の安全装置を外したりしながらテレビを見て、一緒に踊り出すが、銃を撃ってしまい壁に穴が空いてびっくりするアーサー。

孤児院でのピエロのパフォーマンスを行っているとポケットから拳銃が落ち、ピエロ派遣会社をクビになってしまう。
電話で経緯を説明しようをするが経営者は「ランドルが『お前が欲しい』と言ったからやったのに、金を払ってくれない」と言ったと話す。
帰り道、地下鉄で酔っぱらった3人のビジネスマンが、向かいの席に座っているOLに「ポテト食べるか?スカした態度取りやがって」と、フライドボテトを投げつけたりする。アーサーは離れた席でそれを見ていたが、笑い出してしまい、OLや乗客が下車するとビジネスマンは「悲しみのクラウン」を歌いながらアーサーに絡んでくる。
「何笑ってるんだよ」と暴行され、思わず拳銃で2人を撃ち殺す。最初は自分の取った態度にびっくりしたようだったが、残る一人がホームへ逃げるのを追いかけ、射殺した。

アーサーは階段を駆け上がってホームから逃げ出し、トイレへ逃げ込む。
鏡を見ながら踊るアーサー。
そしてアパートへ戻り、ソフィーの部屋へ訪ねていき、扉があくと抱きついてキスをする。ソフィーは驚いた風だが、拒否するそぶりはなく、扉が閉まる。
1〜2度挨拶を交わした程度で、このように受け入れることなどあり得ないのでは…
トイレから出てアパートの廊下を歩いていくカットが、ややスローモーションであるのは、これがアーサーの妄想であることを示しているようだ。

アーサーがピエロのメイクのまま地下鉄に乗っていたため、ビジネスマンを射殺した犯人はすぐにはわからず、アーサーのこの行動は、下層階級の人たちから英雄のように扱われ、みなピエロのお面を被って抗議の意思を示すようになった。刑事2
人がアーサーに目星をつけやってくるが、アーサーは地下鉄へ逃げ込みピエロのお面の集団の中に紛れ込むと、刑事は群衆に囲まれてしまって発砲、そして駅は大混乱となり、アーサーはうまく逃げることができた。。

殺されたビジネスマンは証券会社の社員で、市長候補であるトーマス・ウェインが社長だった。「自分の会社の社員は家族も同然、必ず犯人を見つける」とテレビで言う。
ウェインを見た母は「ウェインさんが自分たちの境遇を知ったら、放って置くはずがない。手紙はちゃんと出してくれた?」とまたしてもアーサーに言う。アーサーが母の手紙を開けて盗み読みすると、自分は母とウェインの間にできた子供だと書かれていた。母に問いただすと自分とウェインさんとは釣り合わないから別れた、と渋々教えてくれた。
そのことを聞きにウェイン家に行くと、なぜか息子のブルースが屋敷からかなり離れている門の近くで遊んでいた。ブルースに手品を見せていると、執事が現れる。
自分はペニーの息子で、秘密は知っている、と言うと執事は顔色を変え、「あの女はイカレている。お前はウェイン家とは関係ない」と言われてしまう。

アーサーは映画を上映しているオペラハウスに、裏口からボーイの服を着て忍び込む。トイレでウエインに「ペニーとあなたの息子だ、会いに来た」と言うと、「お前とは関係ない」とすげなく言われる。アーサーは「ただ認めてもらって、パパにハグしてもらいたいだけなのに!」と思いをぶちまけると、ウエインは「何も知らないのか?お前はペニーの養子だ。自分とは関係ない」と言われ、手を離さないアーサーの顔面を殴り「息子に2
度と近づくな」と言って立ち去った。

出生時のことを調べるために、母が入院していたアーカム州立病院へ行き、カルテを出してもらう。係員が話しながらカルテをめくると、これは見せないほうがいい、と思ったようで「カウンセリングを受けてみたらどうか?」と助言するが、「財政難を理由に打ち切られたよ」と答える。「許可がなければ持ち出せない」とカルテを見せることを拒否すると、アーサーは強引にカルテを奪って逃げ去る。カルテには養子の申請が出されており、養子となった子は母の交際相手に虐待され頭部に外傷を負ったこと、母親はその暴行を止めなかったことが記載されていた。
若き日のペニーが精神科医に「あの子、笑わないの」と言っている様子を、壁際によりかかったアーサーが背後から見ていた。
これはちょっと、衝撃だった。
本当は病気ではなく、自分が面倒みている育ての母のせいでけがを負い、その結果の障害で苦しめられてきたのだ。

アパートに戻ると救急車が停まっており、母のペニーが心不全で運ばれていくところだった。
救急車に同乗して病院へ向かうアーサー。
ソフィーが一緒に付き添ってくれていたが、これもアーサーの妄想だろう。
表のベンチに座っていると、警官がやってきて事件について尋ねられるが、「母の看病をしなくてはならないから」と立って病室へ戻るアーサー。
ふと、テレビに目をやると、フランクリン・ショーに自分の姿が映っていて驚く。先日の劇場でのコメディーの映像だった。マレー・フランクリンは「笑い続けていれば、他人も笑ってくれる、と勘違いしているコメディアンの映像です」と、アーサーの舞台を紹介し、「コメディアンになりたいと言ったら母が笑った。…しかし今は誰も笑わない(コントが面白くないので)」と取れるように、映像を部分的に切り取って編集して流した。
アーサーはかなりの衝撃を受けたようだった。
自分のことを「ハッピー」と呼ぶ母。立ち上がって母の頭の後ろの枕をとり、顔面に押し付ける。ペニーは暴れたが窒息死する。

アパートに戻りソフィーの部屋へ行く。扉には鍵がかかっておらず、部屋に勝手に入っていき、ソファに座る。ソフィーが子供部屋から出てきてアーサーを見てびっくりし、おびえた目で「アーサーでしょ?同じフロアに住んでいる…部屋はあっちよ」アーサーはソフィーの方を向き指で銃口を作り頭へあてる。「…子供がいるのよ。出て行って。ねぇ、大丈夫?…お母さんを呼ぼうか?」と言うが、アーサーはバン、と声にならない声を出す。
部屋から出て廊下を歩いて行くアーサー。
アーサーがソフィーの後をつけていったのは事実だと思うが、ソフィーの反応から、親しくしているようなシーンは全て妄想だと思われる。
一緒に病院につきそっていたのに「お母さんを呼ぶ?」と、入院していたことを知らないわけはない。
ソフィーは殺されてしまったのだろうか?

部屋へ戻って来て、冷蔵庫の中身を全て出し、中へ入って扉を閉めるアーサー。
これは一体何をしようとしていたんだろう?

マレー・フランクリン・ショーから出演のオファーが来る。
先日の放送が大反響だったというのだ。アーサーは出演を承諾する。

髪を緑色に染めるアーサー。染めながら流れている曲(That's Lifeだったか?)にあわせて踊っている。
フランクリンショーへ出演するために顔を白塗りにしてピエロのメイクをし、オレンジのベストに赤いスーツを着てソファに座る。出演をイメージして、テレビの前で予行演習をするアーサー。
銃を取り出し、のど元へ当て、バン、とやるしぐさをする。この映像は、以前にアーサーが壁に開けた銃痕から撮られているようだった。
玄関のチャイムがなると、ハサミを捜してポケットにしまって玄関へ行く。

扉を開けると、ピエロ仲間のランドルとゲイリーが立っていた。
拳銃を渡したランドルは、「刑事が訪ねてきた。口裏を合わせて老いた方がいいんじゃないと思って」と言う。
言い訳じみたことを言い始めたランドルの喉元をアーサーはハサミで刺し、頭をつかんで壁に何度も打ち付けて殺してしまう。
一緒に来たゲイリーには、「俺をバカにしなかったのはお前だけだ。何もしないから帰れ」と言うが、脅かしたりして、尋常な精神ではないようだった。

フランクリンショーに向かう途中で、いつも通る階段を踊りながら降りるアーサー。足を踏み外してしまうのではないかと思った。階段の上で刑事二人がその様子を見ている。刑事が追いかけて来たので、急いで逃げ出すアーサー。
ショーの前にフランクリンに挨拶し、アーサーは自分を「ジョーカー」と紹介してくれ、と頼む。
年配の女性の弁護士?も来ていて、ピエロのメイクで出てくると、その女性にキスをするアーサー。女性はものすごくいやそうな顔をした。
マレーは「何かコメディをしてくれ」と言い、アーサーはネタ帳を取り出す。「見ないとできない?それぽっち記憶できないのか?」とお笑い番組にありがちな「イジリ」をするマレー。
アーサーは「地下鉄で証券マンを殺したのは自分だ」と言い「政治的な意図はない」と答える。マレー・フランクリンがアーサーのことを「こんなやつにはお引き取り願おう」と非難すると、アーサーは「おまえのようなやつに復讐をするのだ」と言って至近距離からフランクリンの額を撃って射殺したため、発砲されたスタジオ内は騒然となった。この様子は生放送されていたので、表では、ピエロのお面を被ったものが裕福な者を狙って殺害を始める。
パトカーの中からピエロたちが暴挙に及ぶ姿を微笑みながら眺めるアーサー。そこに大型トラックが突っ込んできて運転手はおそらく死亡、アーサーも気を失う。ピエロたちがアーサーを窓から表に運び出しボンネットに横たえる。アーサーは気がつくと流れていた鼻血を裂けた口のように顔にぬり、指で引っ張って笑顔を作る。ボンネットの上に立ち、ダンスを踊った。

トーマス・ウェイン夫妻も射殺される。
その様子を見て立ち尽くすブルース・ウェイン。
バットマンの本名など忘れたが、両親を殺され、路地に立ち尽くしているブルース・ウェインが、バットマンになるんだろうということはわかった。

アーサーは逮捕され精神科病棟のようなところに収容された。
アーサーの髪は黒く戻っていた。
冒頭で出てきたカウンセラーに似た、黒人の女性医師がアーサーと向き合っている。
笑い続けるアーサー。立ち尽くすブルースとその前に横たわる両親の姿のカットが挿入されるが、それはアーサーの回想なのか?
「面白いことがあった」と言うが、この立ち尽くすブルースのことを「面白い」と言ったのだろうか?しかし、アーサーはパトカーの上で躍っていたので、ウエイン夫妻の死亡は見ていないはずなのだ。
そして、ここは冒頭でアーサーが回想のように見た病室と同じ室内だった。
「ジョークを思いついた」とアーサー。
「聞かせて」冒頭では「聞いてない」と言われていたのと対照的だ。
「あなたには理解できないよ」と、「That's Life」を口ずさむアーサー。
白い廊下を歩いて行く後には、赤い血のような足跡が残る。病院の職員と思われる白い服の男がアーサーをおいかける。
「悲しみのクラウン」の曲がかかり、エンディングを迎えるのだが、劇中でかかる曲が「スマイル」だったり、やさしげなメロディーと、凄惨な映像が対照的だった。

評価:2ab


 

HUMAN LOST 人間失格

原案:太宰治『人間失格』
監督:木崎文智
脚本:冲方丁
スーパーバイザー:本広克行
キャラクターデザイン:コザキユースケ
コンセプトアート:富安健一郎 (INEI)
CGスーパーバイザー:石橋拓馬
アニメーションディレクター:大竹広志
美術監督:池田繁美、丸山由紀子
色彩設計:野地弘納
撮影監督:平林章
音響監督:岩浪美和
音楽 菅野祐悟
主題歌:m-flo「HUMAN LOST feat. J. Balvin」
撮影:平林章(撮影監督)
制作会社:ポリゴン・ピクチュアズ

声の出演
大庭葉蔵:宮野真守       柊美子:花澤香菜
堀木正雄:櫻井孝宏       竹一:福山潤
渋田:松田健一郎        厚木:小山力也
繁:千葉繁           マダム:沢城みゆき
恒子:千菅春香

東京国際映画祭の特別招待作品だったので、見に行ってみた。

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東宝HPより
昭和111年/GDP世界1位/年金1億円支給/120歳寿命保障
日本文学の最高峰「人間失格」、狂気のSF・ダークヒーローアクションへ──


破滅に至った一人の男の生涯を描く日本文学の金字塔??太宰治「人間失格」。
深い死生観、文学性が今なお、強烈な衝撃を与え続ける不朽の名作。
そのスピリチュアルを内包し、屈指のクリエイター陣によって再構築された、新たなるオリジナルアニメーション映画が誕生した。

“日本発の世界を魅了するSFダークヒーロー”を創出すべく本作の起点となったのは、スーパーバイザー・本広克行。
脚本は、太宰治と同じ小説家であり、日本SF大賞ほか数々の賞を受賞した冲方丁が担当。日本文学を大胆なSF世界観と重厚な物語へと昇華させた。
異様の日本をリアリティある映像へと落とし込むのは、海外でも多数の賞を受賞し、次々に映像革命を起こし続けるアニメーション制作・ポリゴン・ピクチュアズ。
主題歌には、グラミー賞にノミネートされSpotifyにおいて世界でもっともストリーミングされたシンガーJ.Balvinをfeat.に迎えた、音楽シーンの最前線を走り続ける最強のトライポッドm-floが参加し、世界を彩る。
そして、それら鋭く多彩なクリエイティブを、「アフロサムライ」において卓越したアクション描写で世界を驚愕させた監督・木?文智が、美しく、ダイナミックに、エモーショナルにまとめあげた。

“日本文学の最高峰×ジャパニーズアニメーション”が危うく交錯する??
狂気の“日本”を巻き添えにする、誰も知らない“ダークヒーローアクション”「人間失格」。
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「人間失格」とついてるが、内容的には太宰の「人間失格」とは全く関係ないです。
所々に「人間失格」と同じセリフが挿入されているそうだが、読んでないので…
CMで「恥の多い生涯を送って来ました」と言いながら自分に刃を突き立てるカットが流れるが、映画を見ても、「葉蔵の生い立ちのどの部分が『恥』なわけ?」と意味不明で、「人間失格」というタイトルにしたから、入れとかないとダメだよね、的な感じがする。

ポリゴンピクチュアズ、宮野真守、花澤香菜、櫻井孝宏、と、アニゴジと同じ。なんとなく感じるデジャビュ感はこれだったのか…
プレスコ方式で声を当ててるそうだが、気がつかなかった…というか、アニメはそもそも「記号」としてしか口元見てないかも。
音響は岩浪さんだが、TOHOシネマズで見たので、いまいち爆音度が足りない感じ。

昭和111年、となっているので、天皇は死去せずずっと生き続けているということになるのか?
建て替えが終わった国立競技場と思われる建物が出て来るが、ザハ・ハディド氏の設計を元に変更を加えられたもののようだ。
直す時間はあったように思われるが、わざとこれを採用したのかなぁ。

冒頭の横羽線からレインボーブリッジまでのカットは、AKIRAもちょっと頭をよぎったが、PSYCHO PASSみたい。公安局のドローンと違って、四つ足で歩くんだ…と思った。情報を表示する画面がドミネーターみたいだった。
そして進撃の巨人、エヴァみたいになって最後は戦隊もの何とかレンジャーのようだった。

「第一の手記」って出てきたっけ?「第二の手記」「第三の手記」とタイトルのように挿入されるが、それ、何の意味がある?というくらい必要ないと思われるのだが、これも太宰の小説がこうなっているから、らしい。
そして「合格者」が「合格式」というものを受けるのだが、「失格」にたいして無理やり「合格」と持って来た感が否めない。











ネタバレのあらすじ







昭和111年、日本の人々の平均寿命は120歳を超え、数日後に「合格式」なるものが予定されていた。
体に「GRMP(グランプ)」というチップを埋め込み、「S.H.E.L.L.」がネットを通して生命維持活動を制御することで、1日19時間労働を行い、100歳まで生きることが可能になっていた。事故にあっても管理センターが蘇生させるため、死ぬことはなく、ある意味「死ぬことが許されない」世界になっていた。

午前4時が帰宅ラッシュ時間って、信じられん。
残り5時間で寝るの?自由な時間はないのか?

それは「ヒューマン・ネットワーク」というネットワークに接続されているからこそ可能で、ネットに繋げられなくなるいわゆる「ロスト」の状態になると、GRMPが制御できなくなり人体は「ロスト体」と呼ばれる異形に変化した。
「S.H.E.L.L.」の下位機関である澁田機関(ヒラメ)はロスト体の存在をひた隠しにしており、ロスト体が出現すると密かに処分を行っていた。この「ロスト体」となる現象をなんとか抑えるために澁田機関は「アプリカント」と呼ばれるものの出現を待っていた。ロスト体はネット上に存在しなくなるため、唯一のアプリカントである柊美子しか、居場所を突き止められなかったのだ。

国民はインサイド(環七か、環六より中心部と思われる)に暮らす特権階級と、アウトサイドに暮らす貧困層に分かれていた。
横浜市野毛に暮らす竹一は、インサイドの空気は澄んでいてアウトサイドは汚染されている、と葉蔵に言うが、葉蔵は「インサイドの空気も汚れている」と言った。事実、新橋を歩く人もガスマスクのようなものをしていた。
人々がつけてるガスマスクは、ネットにつながっているものしか認識できないのかもしれない。
新橋で血を流して倒れた人がいたのに、ガスマスクを付けて歩いている人は、気にも留めないのだ。

場末のバーに住み込んでいる葉蔵は絵を描くことが好きで、幼馴染の竹一は葉蔵が描く絵が好きだった。葉蔵は部屋でカルモチンを飲み意識不明になっていたが、竹一がコールセンターに電話すると、埋め込まれたチップが蘇生させた。葉蔵は夢の中で絵を描いていたが、首を絞めらながら「葉蔵!笑え!」と化け物に言われる夢を見ており、目が覚めると目の前には鬼のような赤い顔に金色に光る眼の顔(肖像画?)がおかれていた。一緒にいた知り合いの正雄が「今日は特別な日だ。葉蔵、笑えよ」と言う。

竹一は「インサイドへの突破口を開く」と、暴走集団と共にバイクでレインボーブリッジから襲撃をしかける計画を立てる。「本来の自分に戻れる気がする」と熱くなる竹一。正雄が薬を飲め、とアンチグランプ薬を渡す。爆弾を霊柩車に積み、横羽線でレインボーブリッジを目指す。途中料金所でドローンに検知され追跡されるが、ドローンを撃退しながらレインボーブリッジの検問所へ霊柩車で突っ込み、車は爆発炎上する。
葉蔵もバイクで追っていくが、スピードが出ず、車が突っ込んだあとにゲートへたどり着いた。
竹一は爆発でネットからロストし、葉蔵も巻き添えを食う形でロスト体へと変貌。ロスト体となった竹一は葉蔵を攻撃するが、葉蔵のロスト体は人体のような姿に変化(まるて進撃の巨人のようだった)し、竹一のロスト体を2つに引き裂いた。美子が感知し現場へ向かうが、葉蔵にはアプリカントへ変化する要素が感じられ、美子が葉蔵の体に触れるとロスト体だった葉蔵の体が元の姿へと変化した。

美子は、第一のアプリカントである堀木
正雄は、大量のロスト体を出現させて、第三のアプリカントを出現させるつもりなのだと言う。
つまり、葉蔵は3体目のアプリカントとなったのだ。
葉蔵の様子を見ていた正雄は「冥府より戻りしオルフェウス。人が人の姿を取り戻す時が来た」と呟く。
(オルフェウスは冥界へ妻を連れ戻しに行くが、冥府の王との約束を破って振り向いたため、妻を連れもどせなかったギリシャ神話の竪琴の名手)

アプリカントとは、ヒューマンネットワークからロストしても、ロスト体にはならず人の姿をため持っている者のことを指す。
美子は人がロスト体となってしまうことを防ぐために、第三のアプリカントを出現させ、人類がロスト体にならないよう研究すべきだと考えていたが、澁田機関は「健康基準」である合格者の維持をはかり「文明曲線」を維持することが第一優先項目だと考えていた。
この「文明曲線」というものがなんだかよくわからないのだが、文明が崩壊する可能性を示す「崩壊曲線」と人類が進化して医療革命に完全適応する「再生曲線」がせめぎあっており、第三のアプリカントが出現したことによって、真ん中に新たな曲線が出現した。

澁田機関の渋田は、合格者の老人たちに呼び出される。老人は正雄のアンチグランプ薬によってアプリカントが出現したことを問いただす。
第一のアプリカントである正雄はネクロマンス型、第二の美子はディフェンシング型でロスト体にはならなかった。しかし大庭葉蔵はロスト体になったにも関わらず元の姿を取り戻し、なおかつロスト体を破壊する能力を持っていた。大庭葉蔵を「健康基準」に加えれば、「S.H.E.L.L.」はさらなる進化を遂げられるのではないか、と渋田は老人に提案する。
限界寿命180歳まで伸ばしたい、という老人たち。この能力を制御できるようになれば「葉蔵を健康基準に加えよう」と応じる。
この老人たちは、いったいいくつまで生きるつもりなんだ…

澁田機関で目覚めた葉蔵は、美子から「あなたは一度死んで、蘇りました」と、ロスト化したにもかかわらず、人の姿に戻り、第三のアプリカントとして人類の希望となる存在」だと聞かされる。
葉蔵が竹一に会わせてほしいと頼むと、ロスト化して二つに引き裂かれた姿になった竹一を見せられる。遺品として、葉蔵が描いて竹一にあげた地獄の馬の絵を渡された。「竹一…自分を取り戻すと言ってたのに、これじゃ本当に道化じゃないか」
この「道化」もなんだか違和感なんだよな〜
ロスト化することは稀だが、堀木正雄がばらまいている薬がロスト体となる原因だと聞かされ、驚く葉蔵。国民をロスト化から、堀木正雄から守るために、あなたが必要だ、と美子に言われる。

葉蔵は協力する代わりに家に帰してほしいと頼み、美子とともにバーに戻る。
爆破で大怪我したと思っていた葉蔵が戻ってき、傷ひとつない体だったことに驚くマダム。
マダムは「幼い頃に父親に捨てられたが、葉蔵は自分の知る限りいい子だ」と絵を描いてもらったことなどを話す。美子は「S.H.E.L.L.」が国民に幸福をもたらすものだと信じている、とマダムに言う。
「あなた…信じる天才なのね。あなたも美しいうちに、葉ちゃんに描いてもらいなさいよ」
ここの会話、太宰の文章を引用したいだけのために存在してるって感じ。内容に意味がないって言うか…

美子がバーのマダムと話しているすきに葉蔵は逃げ出し、正雄は葉蔵を自分の仕事場へと連れて行った。
アンチグランプ薬は正雄が育てている大量のケシと正雄の血から作り出されたものだった。
正雄は健康寿命の老人たちに協力したことを後悔していた。
自分は最後の医師であり、「S.H.E.L.L.」を開発したメンバーだったと話す正雄。
ロスト体こそ、今の人間の本当の姿であり、「S.H.E.L.L.」が変異を抑え込んでいるだけで、人間は「S.H.E.L.L.」によって「人間をやらされている」のだと正雄は言う。それを感じ取り「本当の自分」に戻りたいと思ったから竹一はロスト体になったのだ、と。

「文明曲線」とは国民のバイタルビックデータを基にした社会の行く末を予測するものだった。そこに葉蔵のデータを足すと、新たな「文明曲線」と「崩壊曲線」の間に新たな曲線が生まれた。
「やがて合格者たちの寿命が尽き、国民全員がロストする。人間は進みすぎた社会システムに対して『失格』したんだ」
正雄が妻なのか恋人なのか、愛する人の不治の病を治せると信じて開発した「S.H.E.L.L.」だったが、開発途中で彼女はロスト体へと変貌してしまった。自分の研究は間違っていたことを知る正雄。
「終わらせることがこの世界の最後の医者である俺の務めだ。『S.H.E.L.L.』を破壊しなければ、この生き地獄は終わらない。強欲な老人どもは、お前を生贄にするだろう」
正雄は終わりを受け入れ、一緒に新しい世界を一から作り直そう、と葉蔵に語りかけるが葉蔵は拒否する。
「じゃあ、何を望むんだ。身の振り方を間違えれば、望まぬ未来を引き寄せるぞ」
正雄は葉蔵にこの先の破滅が待っている世界のイメージを見せる。慌ててバーに戻ると、殺された恒子と血だらけになって助けを求めるマダムの姿があった。いつも見ている悪夢と同じものを魅せられる葉蔵。

美子は葉蔵の居場所を突き止め、二人を捕まえるために正雄の仕事場へ向かう。
美子はアプリカントとして過酷な実験体となった経験があり、葉蔵も澁田機関にくれば同じ運命が待っているため、渋田は葉蔵を捉えることをためらう。
美子が葉蔵の元へたどり着くと、葉蔵は「崩壊のビジョンを見せられた。望まぬ未来を引き寄せるから」と、澁田機関へ行くことを拒否する。
美子はマダムたちを守れなかったことを謝り、もう一度チャンスをくれ、と頼む。

美子は古い電波塔に葉蔵を連れてくる。
「自分も一度死んだ、殺したのは実の父親だ」と、生い立ちを語り始める美子。父親が「今なら死ねる気がする」という言葉を残してロスト化した時、父の心が見え、必死に繋ぎとめようとした結果、父親は人の姿のままで亡くなった。
それ以来、保護された澁田機関(ヒラメ)で消えていく人の心を見守っているのだとう。

「S.H.E.L.L.」がこの世界がよりよくしていくと信じている」という言葉を聞き、葉蔵は過去の父親との関係を思い出す。
「笑えと言われたのに、うまく笑えなかった。そうしたら目の前で父が姿を変え、家族はみんな喰われてしまった。そして化け物となった父をこの手で殺してしまった」
後悔して涙を流す葉蔵に、ビルの上に広がる青い空のビジョンを見せる美子。未来を信じて進むしかない、美子はそう諭す。

そこへ堀木正雄が2体のロスト体と共に現れ「国民の全てをロスト化し、「S.H.E.L.L.」は潰す。保存遺伝子を使って新しい人類を生み出す。人類にはそれ以外に道はない。美子は老人たちのモルモットに過ぎない哀れな娘だ。そいつが信じている未来は単なる妄想だ」と葉蔵に一緒に来るように誘う。
「『S.H.E.L.L.』はアプリカントを認識できないのに、どうして文明曲線が自分の希望だと言い切れるのだ」
美子を信じる、と答えた葉蔵をロスト体が襲う。美子は葉蔵を守ろうとするが葉蔵はロスト化し、正雄はロスト体を操る力を持っていたため、自らの心臓を取り出して差し出すよう命令された葉蔵は、心臓をつかみだして正雄に渡してしまう。
正雄は美子を引き裂くように言うが、その命令に葉蔵が抗うと「お前は俺のオルフェウスだ」と言い、美子を殺そうとする。そこへ澁田機関(ヒラメ)のヘリが来たため「時が来たと飼い主に伝えろ」と言い残して正雄は去って行った。

正雄は「とうとう完成したよ、静子」とロスト化しミイラのような姿の妻に語りかける。葉蔵の心臓を手に入れる時まで、生かされていたようだ。
先ほどの葉蔵との一戦で負った傷が治癒しなくなっており、「アプリカントにも限界寿命があるのかもしれない」と言い、青いケシの花で覆われていた体に、薬剤を注入する正雄。
葉蔵の心臓から作った薬を与えると、うめき声をあげて動かなくなった。
「ゆっくり眠れ、静子」と正雄は言った。

美子の力で人の姿に戻った葉蔵は、プラントの中で心臓を再生することが出来たが、心は閉ざしたまま目覚めなかった。葉蔵を電波塔へ連れて行ったことを後悔する美子だったが、厚木は美子から青空のビジョンを見せられた時に第3曲線が再生曲線と融合したため、合格者たちに掛け合えるようになったという。
渋田は「合格者」の老人たちに、葉蔵を合格者として迎え入れることに難色を示される。
明日の合格式の間に、事前の策が必要だと言われ、そもそも第3のアプリカント出現によって合格者の数が減っていることが問題である、君は国民の幸福と健康を引き受ける我々、健康基準合格者となんだと思っているのだ、と叱責される。

美子が葉蔵の深層心理へダイブし、でかい心臓のような物体の前に立つと、葉蔵は美子を拒否してはいなかった。しかし厚木の声が響きトランスプラントの検体とすることが決まったため、ダイブは中止だと厚木に告げられる。つまり、葉蔵は脳死判定を受け、臓器移植で合格者の一部となるというのだ。
美子が「拒否します」と言い、心臓の中に入っていくと、幼いころに父親から首を絞められ殺されそうになったビジョンを見る。「笑え、笑うんだ」と言われる葉蔵。そこに美子の姿が現れる。
美子は「最後にもう一度会いたかった。自分の絵を描いてほしい」と頼み、ウニユ塩湖のような鏡のような場所でソファに座った絵を描いてもらう。「ずっとビジョンを抱えて苦しんでいたのは、私だけだった。真っ黒い感情で心が埋め尽くされて、自分にも感情があったんだな、と思った。だから、それを葉蔵さんにあげます」
それでも、君の空は青い、という葉蔵に、「それは葉蔵さんがくれた最後の希望です。笑うと、そんな顔になるんですね。私、待ってます。葉蔵さんが導いてくれる世界をずっと待ってます。
そう言うと絵を描き続けている葉蔵の前から、美子の姿はなくなっていた。
「美子!」
葉蔵は美子に何かが起こったことを感じて目を覚ます。

日が変わり合格式の日となっていた。
どうやら、平均寿命(保証寿命?)の120歳になるまで人類は「S.H.E.L.L.」に繋がれ、死なないようにコントロールされ、何かあっても蘇生できるようだ。しかし、120歳になると「合格式」で「S.H.E.L.L.」から切り離され、自力で生きていかないとならないようだった。
合格式で「これからの人生は自分で責任をもつこと」というようなアナウンスに、集まった「合格者」たちは戸惑っているようだった。

表の公園で、もらった年金で家族をインサイトで暮らせるようにすることと引き換えに、一人の老人が正雄から薬をもらった薬でロスト体となる。
正雄は葉蔵が目覚めたことを感じ取った。

葉蔵と厚木が合格者たちがいる部屋の扉へと急ぐと、渋田が立っていた。
「美子は葉蔵の代わりにトランスプラントの検体になることを希望した。自分が合格者たちを延命させる代わりに葉蔵を合格者として覚醒させてくれと」渋田の言葉に厚木は激昂し、悔し涙を流す。
美子は「体はいまの世界と合格者たちへ、心は未来と葉蔵へ捧げる」と言い、すでに葉蔵の代わりに検体となり、解体処理がされていた。葉蔵は頭部と四肢はあるが、胴体部分はなく、骨格がむき出しの状態で、プラント内に浮いている美子の姿を見る。

「望まぬ未来を引き寄せたか。すべて、お前の浅はかさが招いた結果だ。お前が生み出す死は人を巻き添えにし、巨大な無念の連鎖を引き起こす。それがお前の力であり運命だ」
そう言う正雄に「俺の運命は、自分で決める!」というと「やれるものならやってみろ」と答える正雄。

葉蔵は爆発とともに美子の体ごと施設を破壊する。
合格式が行われていた建物が破壊され、人々は逃げ惑い、次々とロスト化して行った。
ロスト体が1つにまとまって巨大化し、武装ヘリなどで攻撃するが、全く効果なし。
まるで綾波レイのようだった。

厚木は葉蔵に「美子の決心を無駄にしないでやってくれ」と話し、葉蔵は「葉蔵さんが導いてくれる世界を待ってます」という美子のビジョンを見る。

合格者のカプセルのゲージが100%を示してフタが開く。
「時が戻ったようだ。これでひとまず安泰だ」と体の動きを確かめながら、広間に立つ男。表の惨状を見て「…醜い」と言い放つ。
正雄に「核でも破れないのにここを破ろうと言うのか。ロスト現象とは恐ろしいものだな。その力で『S.H.E.L.L.』ごと我々と無理心中を図ろうと言うのか」と言うと、正雄は「120年の恨みだ」と男に襲いかかる。
「映えある合格式の日に、何をしようと言うのだ。我々は第2のアプリカントと融合し新たな健康基準を得た。我々は生き続けて文明を牽引する」
「死を拒むだけのお前たちは「S.H.E.L.L.」と共に滅ぶがいい」
「人間のあり方は進化した。たった今。第3のアプリカントがお前を葬るだろう。彼は我々の中にある第2のアプリカントのビジョンを信じて守るために、我々を守る」そう言い、男は正雄に襲いかかった。
「全て国民のためにこの社会を維持するためにやってきたことを邪魔はさせん」合格者はそう言い放つが、美子のビジョンが流れ込み、喀血する。
室内が爆発し、異空間のようになり、ロスト体のように体から触手が伸びている美子が大量に現れた。正雄は「葉蔵を殺せ」と美子のロスト体に命じる。最初は戦うことを拒んだ葉蔵だが、美子の姿のロスト体を攻撃する。
室内はめちゃめちゃになり、健康基準の老人たちはロスト化していった。

マトリックスとシト新生を足したような成り行きにびっくりだった。

「死を恐れるだけの肉の塊、これが美子が信じていた世界の成れの果てだ。一緒に来い。俺のオルフェウスになれ」という正雄に「お前を、殺す」と答える葉蔵。
美子の姿の大量のロスト体と戦う葉蔵に「愛するものを葬り解放してやれるかどうか、それが俺とお前の違いだ。俺の勝ちだ」と言う正雄。
一通り美子の姿のロスト体を殲滅すると、葉蔵は現れた美子の思念?に「俺たちは間違った。一緒に行こう」と言うが、美子は微笑んで消えてしまった。

葉蔵と正雄だけが残される。
「無理心中に失敗したって顔だな。まだ終わりじゃない。この下にある『S.H.E.L.L.』の本体を破壊するんだ。『S.H.E.L.L.』が完成すれば不治の病に冒された彼女を救えると思ったが、実験の最中に彼女がロスト化して確信した。『S.H.E.L.L.』は間違いだった」
「あんたは愛していた人を救えなかったのが許せないだけだ。俺には美子が見せてくれた未来がある」
「あの自画像のように自分を見失うだけだ」
「…もう見失わない」
お互いに刺し違え、葉蔵は死なず正雄は死んだ。

1年後、ロスト体が大量に発生するようになっていた。
葉蔵は美子の信じた「S.H.E.L.L.」を破壊することはしなかった。「S.H.E.L.L.」の監視の元に現れたロスト体を殲滅する日々を送っていたのだ。しかし健康基準がいつ復活するのかは不明で、それまで時間を稼いでいくしかない、と思っていた。

世界は正雄と美子と自分が見た未来の間で拮抗している…そう感じつつ、「恥の多い生涯を送って来ました」と言いながら、自分を刺すつらぬき赤く燃えて爆発しながら鬼のような姿に変化する葉蔵。
刺す(死ぬ)ことで無敵の姿に変化し、その後人間となって再生する。
これを繰り返すことで、ロスト体を駆逐していた。


この変化した姿が戦隊ものみたいな感じ。
途中からなんとなく予感がしたが、結局、既得権力を手放したくない一部の特権階級が、自分たちの利益のために企てたシステムであった。生命維持装置を使い、カプセル内で生きている老人たちは、まるでマトリックス。
なぜ「人間失格」というタイトルを付ける必要があったんだろう?

評価:TOHO府中S9


  

ベル・カント とらわれのアリア

原作:アン・パチェット「ベル・カント」早川書房刊
監督:ポール・ワイツ
脚本:ポール・ワイツ/アンソニー・ワイントラーブ
製作:キャロライン・バロン/アンソニー・ワイントラーブ/ポール・ワイツ/アンドリュー・ミアノ/
   リジー・フリードマン/カレン・ローダー/グレッグ・リトル
製作総指揮:トレイシー・バロン/ロバート・バロン/リサ・ウォロフスキー/アレックス・ウォルトン

出演
ロクサーヌ・コス:ジュリアン・ムーア(歌の吹き替え:ルネ・フレミング)
ホソカワ:渡辺謙
ゲン・ワタナベ:加瀬亮
メスネル(赤十字職員):セバスチャン・コッホ
ベンハミン指揮官:テノッチ・ウエルタ
カルメン:マリア・メルセデス・コロイ
ティボー(フランス大使):クリストファー・ランバート
エルザ・ジルベルスタイン
オレク・クルパ

1996年にペルーで起きた日本大使公邸占拠事件に着想を得た、アン・パチェット原作の小説を映画化した作品。
当時、かなりの大事件で、数か月もの間占拠されて膠着状態が続き、最終的には一気に突入して制圧して解決、というところだけ覚えている。
フジモリ大統領が就任した時、日系人が大統領になった、と結構話題になっていた。

ベルカント(bel canto)はイタリア語で、「bel」は美しいという意味。そういえば、美女と野獣のベルはこの「ベル」だった。
「canto」は鳴き声、歌唱、歌、曲、メロディー、さえずりといった意味だそうで、「bel canto」はイタリア語で美しい歌唱とか美しい曲という意味だそうだ。

洋画と思って見に行ったら、最初は日本を発つ前のホソカワの自宅カットからスタートで、息子役の子と普通に日本語を話していて、「え、これって邦画だったのか!?」と思ってしまった。
「1996年 東京」とテロップ入っていたけど、あの風景は東京ではないんじゃ?
そして会社の自社ビルにでも住んでるの?という感じの広い廊下、日本の住宅にしてはなんか変…
自室で大好きなロクサーヌ・コスのCDに酔いしれている…というのは、説明のカットとしてよくわかるのだが、そのあとに大音量で音楽を聴いている息子の部屋をのぞき、「何の曲?それじゃ、行って来るから」と言うカットは何のためにあったんだろう…「既婚者」とわからせるため?でも息子がいても妻と死別、だったら、他の人を好きになってもいいよね。

加瀬亮はもともと英語は話せるようだが、ドイツ語、フランス語、スペイン語、ロシア語を学んだらしい。
英語、スペイン語のところはそれぞれ字幕が入るが、通訳が訳すセリフがあれば字幕が入らない。

スタートは大事件だったが、なかなか解決せず膠着状態が続くことにより、非常事態が日常となると、こんなものなのかなぁ…








ネタバレのあらすじ








南米のとある国が、ホソカワの会社の工場誘致のために、ホソカワがファンだったオペラ歌手のロクサーヌ・コスのコンサートを副大統領邸で企画。ホソカワは通訳のワタナベ・ゲンと一緒に訪れる。コスは到着するまで空港など、あちこちで怖い思いをしたそうで、イギリスとアメリカと、あとどこだか忘れたがその3つの国以外ではもうコンサートはしない、と電話で訴えていた。
ホソカワはコスに挨拶すると、「オペラが好きなんですね」と言われ「あなたの歌が好きなんです。私にとってあなたがオペラだ」とコスをべた褒め。
大統領も出席するはずだったが「テレビが見たい」という理由で欠席し、フランス大使や地元の名士たちが集ってコンサートは始まった。副大統領の息子がボールを転がして通気口に行くと、なぜかそこには男が隠れていて、「シーッ」と口に指を立てた。息子が母親のところへ戻り「あそこに人が…」と訴えるが「静かに」と言われてしまう。
いきなり電気が消え、武装したテロリストたちが侵入して来た。
彼らは銃を突きつけ「大統領はどこだ」と脅す。
副大統領が「大統領は来ていない」というが最初は信じてもらえず、撃たれるかと思ったが、どこにも大統領がいないことがわかると、全員を広間へと集め、床に伏せさせ人質とした。ホソカワは、床に横になっているコスに、自分の背広を渡して「枕にしてくれ」とジェスチャーで示す。最初は断ったコスだが、「Thank you」と礼を言った。

彼らの目的は、政治犯として服役している仲間の釈放だったが、マスダ大統領は応じない姿勢。
赤十字のメスネルが、一人で交渉に乗り込んでくる。テロリストたちは食料や水などを要求し、メスネルは女性と子供、使用人などの解放を提案。テロリストたちはその提案に応じるが、テロリストの指揮官が「有名人であるコスは開放すべきではない」と、屋敷内に留めるよう指示したために、コスは解放されなかった。コスの伴奏者として一緒に来ていたピアノ奏者が「コスがいない」と、屋敷内へと戻っていき、扉を開けたところで銃を向けた若いテロリストが彼を撃ってしまう。
伴奏者は死亡。撃ったテロリストは人質の見張り役から離れることを希望した。

メスネルが定期的に交渉に来るが、マスダ大統領は応じる姿勢を見せない。人質となった人たちは、チェスやカードなどをして、時間をつぶしていた。ある日、フランス大使がテロリストを相手にうんちくを垂れながらひげをそっていると、水が出なくなってしまったため、テロリストは司令官のところにフランス大使を連れていき「こいつが水を使い切った!」と騒ぐ。
事態が一向に進展しないため、政府が水を止めたのだ。
司令官はコスに「表に出て歌を歌え」と要求する。
「何のために?」
「どのような人物が人質になっているかを、思い出させるためだ」
コスは「テロリストには協力しない」と突っぱねる。しかし、応じなければ人質の誰かの命が危うくなるため、コスは密かに「ピアノが弾ける人はいないか、探して。一週間も歌ってないから練習しないと」とゲンに言い、フランス大使がピアノを弾けたため、そのピアノの伴奏で自らの意志でベランダに出て歌を歌う。
最初うまく声が出ず「もう一回最初から」と1回のフランス大使に伝言ゲームで伝えていた。ホソカワはその後ろに立って歌を聞いていた。
この様子はテレビで流され、メスネルが政府に交渉し、水が出るようになった。この一件でコスは個室を与えられるが、見張りをつけられた。

最初のうちこそ、すぐに食べられるものが差し入れられていたが、そのうち材料に代わっていった。
フランス大使が料理をし、人質・テロリスト全員で食卓を囲むようになっていく。
お祈りをしてから食べていた。
政府からの差し入れの中に、盗聴器が仕込まれていたことがあり、司令官はメスネルに対して怒るが、「他に交渉を買って出てくれる人がいるのか!?」の問いかけに、しぶしぶメスネルの出入りを承諾する。

ある夜、コスの見張り当番をしていたカルメンは、片言の英語で「結婚しているの?」と聞く。カルメンはコスとホソカワが仲がよさそうにしているのを何度も見ていた。
「結婚は2回したけど失敗しちゃったわ。一度目は若気の至りね。もう結婚はいいわ」とコスは答えるが、カルメンには何を言っているのかはよくわかっていないようだった。
カルメンが見回り当番だった時、夜中にゲンはカルメンに呼ばれる。彼女はスペイン語や英語があまりうまくなかったため、コスともっと話をしたいからスペイン語を教えてほしい、とゲンに頼んだ。
毎晩すこしずつ、カルメンに教えるゲン。その様子を見てホソカワは「彼女はいい生徒かい?」と尋ねると「そりゃもう。すごくいい弟子ですよ」と嬉しそうに答えるゲン。

テロリストの一人はオペラのような歌が好きみたいで、ピアノに合わせて発声練習をしていたら、そこにコスがやってくる。テロリストは「下手な歌を聞かれて恥ずかしい」と逃げ出し、木の上に上って降りてこない。コスが「練習すればうまくなる。教えてあげる」と言って、やっと降りてきた。コスはこの青年に歌い方を教え始める。

政府との膠着状態は数ヶ月間続き、テロリストと人質になっている人たちは、親しくなっていくが、世間の関心はだんだん薄れてきて、とうとう新聞に副大統領邸の事件が載らなくなってしまった。
メスネルは、テロリストたちの家族のみ釈放、国外への亡命という条件であれば、政府と交渉の余地がある、と提案するが、テロリストの一人は「全員釈放だ」と譲らない。指揮官は「そろそろ決断しないとならないかもしれない」と感じ始める。

カルメンとゲンの勉強会は続いていたが、ゲンが「いずれここから出るんだから」というようなことを言うと、カルメンは「どこへ行くっていうの?ここが”家”でしょ?ずっとここでこうやって暮らせばいいじゃない」と言う。
この状況を永遠に続けられると思っていることが、ちょっと衝撃だった。

ある夜、コスはゲンに「カルメンに今夜は部屋の前で眠らないでほしいと伝えて」と言う。カルメンはホソカワを連れてコスの見張り当番の女性のところへ行くと、銃を突き付けてきた。
「ホソカワはコスのことが好きなの。二人っきりになりたいんだって」と言い、見張りと一緒にその場を立ち去るカルメン。ホソカワとコスは一夜を共にする。
ゲンもカルメンと表に出て、庭で一晩を一緒に過ごす。
この様子が二人で庭で、黙々と服を脱いで…という感じで、ロマンのかけらもないが、現実ではそういうものなのかも…加瀬亮の体つきがひょろひょろで貧弱なのは、何か月も閉じ込められて運動もしてなかった演出だからなのか?

人質たちとテロリストは、庭でサッカーをしていた。
フランス大使を撃った青年は、庭の掃除をしたりしていたが、よく気がついて働き者だったので、副大統領が「落ち着いたら雇ってやる」と言ったりしていた。
そこへ警官が突入してくる。
丸腰で手を上げていてもかまわずテロリストを撃ち殺していく。
コスは歌のレッスンをしていたが、青年はコスの目の前で射殺された。
ゲンはカルメンと引き離され、「自分の妻だ」と抗議するが無駄だった。
ホソカワはテロリストの青年をかばい、撃たれてしまう。コスが「No!」と駆け寄ってくるが、亡くなってしまう。
テロリストは無抵抗の者も全員射殺され、大統領は事態の解決をテレビで宣言する。

1年後、ヨーロッパと思われるところでコスの復帰リサイタルが開かれる。
「時間です」とコスを呼びに来たのはゲンだった。
舞台に立って歌うコスの目に、劇場の奥に立って微笑んでいるホソカワの姿が見える。
ゲンにはドレスアップした姿で客席に座っているカルメンの姿が見えていた。

物語はここで終わる為、日本に残された家族がどうなったとか、全く触れられない。
最初のカットは、あれは一体何のためにあったんだ??

日本でも最初の頃は本当に大事件で、毎日ニュースやワイドショーで取り上げられていたが、そのうちに扱いが小さくなり…
突入して事件解決、の時には「え、まだ解決してなかったんだ」と正直思った。

評価:キノシネマs2


 

ターミネーター ニュー・フェイト【極上爆音上映】

監督:ティム・ミラー
製作:ジェームズ・キャメロン/デヴィッド・エリソン
VFX:デジタル・ドメイン
音楽:ジャンキーXL

出演
サラ・コナー:リンダ・ハミルトン(戸田恵子)
T-800 / カール:アーノルド・シュワルツェネッガー(玄田哲章)
過去のT-800:アーノルド・シュワルツェネッガー/ブレット・アザー(ボディダブル)
グレース:マッケンジー・デイヴィス(坂本真綾)
グレース(少女期):ステファニー・ギル(黒木彩加)
ダニー(ダニエラ)・ラモス:ナタリア・レイエス(高垣彩陽)
ガブリエル / Rev-9:ガブリエル・ルナ(小松史法)
ディエゴ・ラモス:ディエゴ・ボネータ(伊東健人)
ジョン・コナー:エドワード・ファーロング/ジュード・コリー(ボディダブル)

冒頭の戦闘シーンはものすごかったけど、新型ターミネーターREV-9が強すぎ。
グレースも肉体を強化したはいいが、代謝に影響が出て一定時間戦い続けると倒れてしまって、まるでウルトラマンみたい。
おまけに気を失ってサラ・コナーに助けられたにも関わらず、銃を向け「私がダニエラを守る」とか、できなくて気を失ったのはどこのどいつだ。
ダニエラに助けられたから、守りたいと思うのはわかるが、無謀すぎる。

ターミネーターって、歳を取るんだ…
と思ったが、そういえば「ターミネーター:新起動/ジェニシス」で歳を取る設定になっていた。ターミネーター2以降はなかったものになっているのに、この設定だけは生きているらしい。
しかも、ターミネーターがジョンを殺害した後も存在し続け、家族を持って「生きる希望ができた。サラ・コナーの気持ちがわかった」と言うのだが、実感こもってない。

高速道路で車を大量に大破、飛んでいる飛行機から荷物や車を地上に落下、ダムに飛行機は墜落。こんなことしちゃっていいの?アメリカは広大だから、問題ないのだろうか?
そして新型ターミネーターはさらに進化した液状金属で、反射や動きの速さが2よりもアップ。
ダムで銃で滅多打ちにし物理的ダメージを与えて最終的には粉砕して爆発させるが、そんなことをしたところで液体に戻って再構築するんだから、無駄な攻撃だと思う…

サラが「I’ll be back」と言い、シュワちゃんは「I’ll not be back」だったかな?
別れる時に家族に言っていた。

襲われる→応戦し、逃げる→見つかって襲われる→応戦し、逃げる、の繰り返しで、途中でなんとなく飽きてしまった…
とにかくずーっと戦っていて、2であった、ターミネーターと人間とのふれあいというか、若干ちぐはぐしたやりとりみたいなのが全然なくて、シュワちゃんの魅力が全然なかった。

1998年にターミネーター2でサラがチップと左腕を溶鉱炉に投げ込んで溶かし、ダイソンが殺害されてしまったことによって、「スカイネット」が生み出される未来はなくなったが、その後、何度も送り込まれたターミネーターにより、ジョン・コナーはあっけなく殺害されてしまった。
いや〜序盤でこの展開にはびっくりした。
そして「リージョン」というAIによって生存の危機に陥る人類。
22年後(2020年、来年か?)、未来から再びターミネーターが送り込まれ、それを阻止するためにグレースが送られてくる。

ターミネーター2は、感情がないターミネーターがジョンと過ごすうちに人間のように感情が芽生え、ジョークを言うようになり、最後には「目から涙を流す理由がわかった」と「成長」とも取れる変化があった。
しかし、今作にはミッション達成後に「生きて行く理由ができた」とか、とってつけたような感じ。
子連れの未亡人?と一緒に暮らし、「お父さん」と呼ばれ抱き合って別れを惜しんでいたが、ものすごく違和感がある。
でも、こういうストーリーなら、永遠にターミネーター作り続けられるね、と思った。














ネタバレのあらすじ











ターミネーター2でサラ・コナーとジョン・コナーは、T-800のチップと左腕、ターミネーターを溶鉱炉で溶かし、スカイネット開発を阻止した。
しかし、その後も未来からターミネーターが何度も送り込まれ、ジョンは1998年にT-800に射殺されてしまう。

「ターミネーター2」公開から20年、このカットのサラとジョンはT2と全く同じ外見で、どうやって撮ったの!?と思うほどなのだが、実写版アラジンでフルCGのウィル・スミスがいるんだから、全部CGでも作れるのかも…と思った。実際は本人の動きにあわせてCGで作ったらしい。

ジョン殺害から22年後のメキシコ。
橋が氷りはじめ、球体が現れて中から裸の女が落ちてきた。彼女は気を失っていたが河川敷にいたカップル(彼らは彼女を解放してくれたのに…)の洋服と車を横取りし、走り去る。

アパートで家族と暮らすダニーが勤務のために家を出た後、アパートの中庭に球体が現れ、中から裸の男が落ちてくる。その辺にいた男を殺し、その姿に化けてダニーの家を訪ね、ダニエラの友人だ、と父親に言うと「友人はみんな”ダニー”と呼ぶのに」と不審そうに父親が答える。
ダニー(ダニエラ)は弟と父親、飼い犬と暮らしていたが、働いていた工場に新たな工業機械が導入され、弟はクビを宣告されてしまった。弟の解雇について工場長?と話をしていると、父親が「ダニーが弁当を忘れた」と届けに来たが、いきなり工場の人たちを殺しながらダニーを探し始めた。そこへ河原に現れた女が現れ、父親を銃で滅多撃ちにするが、全然動じない。
ダニーが父親が倒れたのを見て半狂乱になるが、女に「あれは父親ではない。殺される」と、弟とダニーを工場から連れ出して逃げる。

しょっぱなからものすごい銃撃と肉弾戦。父親の姿をしているのはターミネーターだとすぐわかるが、パワーがすごすぎて女は飛ばされ…
これ、勝てるんか?と思う。

ダニーたちは女と車に乗り逃げていくが、父親から元の姿に戻り、巨大なホイールローダーを運転して追いかけてくるターミネーター。
高速へ入ると追いかけてくる。特殊車両なのにこんなにスピード出るのか!?という速さだ。対向車線側に追い出すが、猛スピードで逆走し、走ってくる車をメチャメチャにしながら追いかけてくる。高速を降り、女は荷台においてあった鉄の棒を投げつけるが、ターミネーターはそれをキャッチし、投げ返し、表皮だけが液体状になり追突させながら乗り移ろうとしてきた。何とか阻止するが、鉄の棒は運転していた弟の腹部を貫通、車は橋の上で欄干にぶつかって止まる。女は「弟は助けられない。このままおいて逃げるしかない」と言い、泣きさけぶダニーを無理やり車から引きずり下ろすと、車は砲撃を受け爆発炎上した。

骨格だけのターミネーターが下りてきて、二人に照準をあわせたため、もうだめだ、と思ったら背後から掩護射撃が。
サングラスをかけた年配の女が砲弾を撃ち込み、ターミネーターは川へ落下する。女は「すぐ戻る(I'll back CMで流れているのはこのカット)」と言って川へ降りていくが、その間に女はダニーをつれて女が乗ってきた車で逃亡してしまった。

女はグレースと言い、強化人間だというが、ダニーは父と弟をいっぺんになくしたショックでグレースの話なんか聞いちゃいない。そのうちグレースは具合が悪くなりふらふらな状態になって「薬がいる」と言い薬局へ行く。瞬発力を高めるため、代謝の関係で一定時間しかパワーが出ないらしい。
欲しい薬は処方薬だったため、「処方箋がないと」と言われる。銃を突きつけ薬を結果的に強奪するが、グレースはついに倒れてしまう。重すぎてダニーにはグレースは運べなかった。薬局の人が親切にも表へ引きずり出すのを手伝ってくれ、そこへ先ほどの年配の女が現れる。
「待ってろと言ったのに車を奪って逃げるなんて」
車で移動中にサラはダニーからスマホを取り上げ、窓から投げ捨てる。「持っているとGPSで居場所がすぐわかってしまう」

モーテルにグレースを運び込んで寝かす。女は「サラ・コナー」だと名乗った。
グレースが目を覚まし、銃を向けたサラをすごい速さで壁におしつける。
買い物に出ていたダニーが戻ってくるが扉にカギがかけられて開かなかったので「どうして私を締め出すの?」と聞くとサラは「パパとママは大人の話があるんだよ」と答えた。
サラはグレースに「何年から来たんだ」と尋ねると「2049年」だという。
「スカイネットはあるのか」「?」
サラは自分のこと、ジョンのこと、いずれできるはずだったスカイネット社のことを話すと「”スカイネット”というのは存在していないが、”リージョン”というAIが人類を脅かしている。それを防ぐために来た」と話す。サラは「ダニーをおとりにしてやつをおびき出し、倒すしかない」と言うがグレースは「そんな危険なことはできない。ダニーは私が守る」と反対する。

戦っても歯が立たず、戦える時間にタイムリミットがあり、その結果気を失って何もできなくなる、を、すでに体験してるのに、よくそんなことが言えるな…

「この時代のことを知らないあんた一人で何ができる。相手はターミネーター、防犯カメラなどに侵入されすぐに居場所を突き止められる。奴の狙いはダニーを殺すこと。逃げても見つけられて殺されるだけ。ダニーは昔の私だ。ダニーの子宮(=生まれてくる子供)が大切なんだ」と、サラはグレースに言う。
ダニーも「逃げてもしょうがない。立ち向かう」とサラの意見に賛成する。

なぜタイミングよくREV-9が現れたところに来ることが出来たのかをグレースが聞くと、サラは「メールが届くんだよ。この場所に現れるって。そして必ず”ジョンのために”っていうメッセージが添えられているんだ」と、電波を出さないようにポテトチップの袋に入れていたスマホを取り出す。
グレースはスマホの背面を開け、何かをすると、液晶にコードが現れる。
「未来の常識よ」
メールの送信元は、テキサスの山の中だった。そして、その場所は未来から送られてくる前に、司令官が「困ったらここへ行け」と、グレースの腹部に刻まれたタトゥーの情報と一致していた。

一方、REV-9は情報カメラをハッキング、ものすごいスピードで画像検索を行い、ダニーたちの姿を探し出す。

サラは「こんなお尋ね者にどうやってアメリカへの国境を抜けろっていうの」と言うと、ダニーには信頼できるあてがあるという。叔父が密入国の手はずを知っていたのだ。しかし、ターミネーターに居場所を特定され、国境警備隊が待ち伏せしていて、格闘の末、捕まってしまった。
サラはすでにお尋ね者だったため、別の場所へ連れていかれ、グレースは爆発で気絶してしまっていた。
医療チームが気を失っているグレースの身体をレントゲンを撮って調べると、強化人間であるため「なにこれ…」というものが写っていた。傷ついた皮膚をはがして「いったいどうなってるんだ」と医師たち。目を覚ましたグレースは医師をなぎ倒し「私の秘密を見たね」と殺してしまった。

グレースはダニーを探しに表へ出ていき、不法入国で捕まっている人たちを怪力で扉を開けて開放する。混乱の中、ターミネーターがダニーを探して襲ってくる。グレースはダニーをつれてヘリに乗り込むが、サラが奥から出てくるのを見て「サラがまだ!助けに行く!」とグレースが止めるのも聞かずにヘリを降り、サラのところへ駆け寄る。サラと一緒にヘリに戻ってくるが、ターミネーターが襲ってきて飛び上がったヘリにジャンプ、すんでのところで届かずに地上に落ちていった。

目的の場所は森の中のコテージで、表には「カールのカーテン屋さん」と書かれたバンが止まっていた。
中から出てきたのは年老いてはいたが、ジョンを殺したT-800だった。姿を見た瞬間、サラは銃を向けて撃とうとするが、グレースが銃口を上に向けて発射させる。「ここで彼を殺しても解決にならない。助けがいる」

室内にはT-800が家族と思しき女性と男の子と一緒に笑顔で(!)写っている写真が飾られていた。「ジョンを殺した後、子連れの一緒になった。自分に生きる意味を与えてくれた。あの時のサラ・コナーの気持ちが理解できた。肉体関係はない。頼れる同居人、というところだろう」
車に書かれている「カール」の文字を見ながら「名前はカールにした」と言った。
室内にはたくさんの銃が保管されており、「いつか襲ってきたときのために、今の家族を守るために準備してきた」と言うT-800。

このシュワちゃんの話に違和感がありまくり…
T2もジェニシスも、機械が学習していって人間の気持ちを学んでいく過程が良かったのに…
このカットは庭先で飼い犬が足元にいたのだが、犬はこの人間ではない物体に懐けるものなのか?

T-800の家族が帰ってくる。
抱き合って別れを惜しみ、二人は車で去っていった。「なんて言ったの」「昔の清算をしなくてはならない。もう戻らない、と伝えた」
サラの知り合いの軍関係者?のところへ行く。
REV-9をどうやって倒すか、だが、一番有効なのはやつに電磁波浴びせることだという。パルス発生装置を用意してもらい、輸送機へ積んでおびき出す作戦を立てるが、飛び立つときから輸送機はREV-9に襲われ、ハッチにジャンプして飛び乗ってきて、マシンガンで撃ってきたため、T-800が盾となってサラの身を守る。激しい銃撃戦の末、積み荷を落とし、積載していた乗用車もろともREV-9を落下させた。
この銃撃戦でパルス発生装置にも弾が撃ち込まれ、使い物にならなくなってしまった。

飛んでるヘリから乗用車を落として問題ないのか?
テキサスは田舎だからいいのか?

REV-9はヘリで追いかけてきて、輸送機に機体を接触させて乗り移ってきた。激しい銃撃戦とヘリの接触で輸送機はエンジンが爆破、積載されていたジープ(落下傘付き)に乗り込み、グレースとサラ、ダニーは輸送機から脱出する。グレースが屋根の上で何とかパラシュートを開かせたが、車はダムの上でいったん止まり、そのまま下の川へ落下。
内部が水でいっぱいになったところで車内から出て、水面まで浮き上がるサラとダニー。グレースも体力が尽きて来ていた。

REV-9とT-800を載せた輸送機は炎上しながらダムの湖面へ墜落する。
3人はダムの放水壁の横の扉から建物に入ろうとするが、カギがかかっており、グレースは力尽きて開けることができない。そこへT-800が現れグレースに体力回復の注射薬を渡し、カギを破壊して内部へ入る。
その様子を対岸からセンサーで感知するREV-9。

グレースは、ダニーと自分との関係を話して聞かせる。
審判の日、自分はダニーに助けられた。
AIが支配するようになると食料が足りなくなり、自分の父親は缶詰1つのために殺された。しかしダニーが「仲間割れしているときじゃない。みんなで立ち向かうのだ」と鼓舞し、指導者となってリージョンに戦いを挑んでいるのだと。
指導者となるのはダニーから生まれてくる子供ではなく、ダニー自身だったのだ。

このカット、ダニーのヘアスタイルは違っているけど若すぎちゃって、今とあんまり変わってないんだけど。

REV-9が襲ってきて、T-800と応戦する。ボコボコにやられるグレース。サラが銃を打ち込み回転する設備に押しつけて巻き込ませて砕くが、そんなことしても一時しか稼げないのでは…
グレースはダニーに「方法はある。自分の動力源を取り出してREV-9に使えば、神経を焼き切ることはできるはず」
そんなことはできない、と泣くダニーだが、最終的には決心し、グレースの胸に手を入れ、動力源を取り出した。

REV-9は骨格だけになってふらふらと歩いており、ダニーは頭部に動力源を突き刺す。REV-9は苦しそうに暴れ、ダニーは突き飛ばされる。T-800がREV-9を道連れにダムの制御装置?の下へ落下、動力源がREV-9の神経系統を停止させ、T-800も同時に目の光が消え、活動を停止した。

ダニーは公演で遊んでいる親子を遠くから見つめていた。
それは幼いグレースだった。
「今度はグレースを死なせない」
そう誓うダニーとサラだった。

評価:2b


 

アナと雪の女王2【極上音響上映】

監督:クリス・バック/ジェニファー・リー
脚本:ジェニファー・リー
製作:ピーター・デル・ヴェッチョ
音楽:ロバート・ロペス/クリステン・アンダーソン=ロペス/クリストフ・ベック
撮影:トレーシー・スコット・ビーティー/モヒト・カリアンプール
編集:ジェフ・ドラハイム

声の出演
エルサ:イディナ・メンゼル(松たか子)
幼いエルサ:マッテア・コンフォルティ(黒川聖菜)
アナ:クリステン・ベル(神田沙也加)
幼いアナ: ハドリー・ギャナウェイ(新津ちせ)
クリストフ:ジョナサン・グロフ(原慎一郎)
オラフ:ジョシュ・ギャッド(武内駿輔)
デスティン・マティアス中尉:スターリング・K・ブラウン(松田賢二)
イドゥナ王妃:エヴァン・レイチェル・ウッド(吉田羊)
アグナル国王:アルフレッド・モリーナ(前田一世)
イエレナ:マーサ・プリンプトン(余貴美子)
ライダー:ジェイソン・リッター(小林親弘)
ハニーマレン:レイチェル・マシューズ(壹岐紹未)
ルナード国王:ジェレミー・シスト(吉見一豊)
パビー:キーラン・ハインズ(安崎求)
ノーサルドラのリーダー:アラン・テュディック(飯島肇)
不思議な声:AURORA

前作と対比してる。今回はエルサが凍り、アナの愛?で解凍。
クリストフはプロポーズのための指輪を常に持ち歩いていたが、どこかでなくしてしまいそうでひやひやした。
ミュージカルだがクリストフのLost in woodは、エレキギターとか入っていて、ロック?ポップス?現代風すぎてそれまでの音楽とは毛色が違っていてやや違和感が。そしてスヴェンも一緒に歌っているという…クイーンちっくに作っているらしいが…
そしてこの歌を歌っている間にクリストフはアナたちに置いて行かれ、話のメインとなるところは、クリストフは完全放置で物語から消えてしまっている。

今回もオラフがいい味出していた。
意外と重要なことをぽろっと言うよね。「水には記憶がある」とかさぁ。

しかし、自然の民へ「ダムのプレゼント」ってところで、もう間違ってるでしょ…
こんなものプレゼントされて喜んでいるなんて、それでいいのか?と思った。
そもそも、「水が足りなくなる」とか「洪水で困ってる」とかでもないかぎり、ダムって必要なのか?
もともと湖だったところをせき止めているが、それによって水位が上がり水没する部分が生じるはずなのだが、そいった表現はなかった。

極上音響だがa(字幕)はかなり爆音だった。T-34よりも揺れた。b(吹き替え)はもっと揺れるかと思ったが、そうでもなかった。
アースジャイアントが近づいてくるところは、画面は揺れても巨人が遠い場合はそれほど振動はなく、近づいてくるにしたがって振動が大きくなるという、なかなか芸が細かかった。

音響は、本当に良かった。ノーサルドラの歌とか。
オラフが名前を付けるところや「古い魔法」とかは、クリドラみたいだなぁと思った。
エルサの衣装、ビーズが縫い付けてある感じがすごくこだわって作ってあったのと、アナが氷のボートで滝を落ちてびしょぬれになったところ、濡れている感じがすごくよく出ていた。

しかし、アナが早口なので英語はよく聞き取れない。でも、口バクと声が本当に一致しているのは、さすがディズニーだ。
アナは最初の一声が神田沙也加の方がちょっと幼いような声の印象だったが、すぐ慣れた。
クリストフは日本語版の方が歌がうまいような気がする。
しかし、物語が進んでいくところのセリフが歌になっているため、話が頭にあまり入ってこない感じ。
あとから思い返しても、「どうだっけ?」と出てこないところが…

音響 a>>b
セリフ 吹き替え>字幕
歌  原曲>日本語訳曲 特に子守歌は原曲の方が良い。









ネタバレのあらすじ








アナとエルサは、子供のころに父アグナルから、不思議の森の話を聞いたことがあった。
とても美しい森で、ノーサルドラと呼ばれる人たちが済んでいた。彼らは自然と共存してまるで魔法のように風、火、水、大地の精霊の力を借りることができた。
当時のレナード国王(アナとエルサの祖父)が、友好のあかしとしてめダムを作り、その完成のためにノーサルドラへ一緒に赴くアグナル。しかし、ノーサルドラとの間になぜか争いがおき、レナード国王は戦死、アグナルは自分めがけて剣が振り下ろされもうだめだ、と思った瞬間、気を失い、気づくと草原に倒れていた。
この争いに怒った精霊はノーサルドラの地を霧で覆い、誰も出入りできないようにしてしまった。
戦いのときに気を失ってしまったアグナルは誰かに命を助けられ、アレンデールへ戻り、国王となったのだ。
「助けてくれた人は誰かわからない」とアグナルは言っていた。

母のイドゥナは二人に「母が歌ってくれた」と魔法の川の子守歌を歌ってくれた。

 良い子よ おやすみ はるかなる北の川に すべての記憶がひそんでいる
 今もあなたが 求める答えはそこに眠る 探してみなさい おぼれないようにね
 聞いて 耳をすまして 魔法の川の歌 その秘密を知る勇気あるのなら
 北風が海に巡り合う その川においで 良い子よ 母なる川へと

前作から3年、アレンデールは平和な日々が続いていた。
そういえば、季節は秋で、紅葉がきれいだった。
クリストフは指輪を買い、どうやってアナにプロポーズするかで悩んでいた。
ある時、エルサは海の向こうから不思議な呼び声を聞くようになる。それはエルサにしか聞こえないようだった。
アナとエルサ、クリストフとオラフ、スヴェンでジェスチャー当てクイズをしていたが、エルサは不思議な声を聴いて「疲れたから休む」と言う。エルサの様子がおかしい、と思ったアナはエルサの部屋を訪ね、エルサが母のスカーフを肩にかけているのを見て、悩んでいることを悟る。母の子守歌を一緒に歌って眠りにつくが、エルサは不思議な呼び声に誘われて、入り江へ出て行った。

(In to the Unknown)

「愛する人はここにいるのに、ここで暮らしていくのに、遠くから未知の世界へと呼び声が聞こえる」と感じる。
光る風、火、水、大地の精霊が現れ、エルサが歌い終わるととダイア型の無数の結晶が現れた。
地面に落ちるとものすごい風が吹き、地鳴りがして地面が揺れ、街灯の炎が消えて人々は家から飛び出し、風に背中を押されるようにして高台へと逃げる。
アナは何が起こったのかエルサに聞くと「精霊たちを目覚めさせてしまったかもしれない」と言う。
トロールたちが転がってきて、パピーが「過去の間違いを正さないとアレンデールの未来がない」と言うが、パピーの見せた影絵のようなノーサルドラのダムのイメージは、皆が知る歴史とは異なっていた。

真実を探すためにパピーにアレンデールをまかせ、アナとエルサ、クリストフとスヴェン、オラフで、閉ざされた魔法の森へと旅立つ。
道すがら「亀はお尻から息ができるって知ってた?」とか、まるで東急リバブルのCMのようなうんちくをずっとしゃべっているオラフ。クリストフに「長旅では寝ないと病気になるって知ってた?」と言われる始末。
エルサとオラフが眠ったので、クリストフはアナにプロポーズしようとするが、アナはクリストフの言葉尻を別の意味に解釈し、うまくいかない。
目を覚ましたエルサが「呼び声が聞こえる」とエルサが馬車を止めると、霧の塊があった。
オラフとクリストフが中に入ろうとするが、弾き飛ばされて中に入れない。
エルサが手をかざすと霧が分かれ、中に入っていけるようになったが、今度は出られなくなってしまった。
「きれいな森ね…」
エルサがあたりを見回すと、美しい紅葉の森が広がっていた。

奥に進んでいくと、ダムがあった。祖父が建設したものだ。
「このダムが崩壊したら、アレンデールに水が押し寄せてくるわね」「ダムは頑丈だから、そんなことは起きないわ」

激しい風に襲われエルサが魔法を使うと、人の形に凍った。
その氷の人は、亡き父と母の若いときの姿をしていた。
父から聞いたノーサルドラとの戦いのあと、父はノーサルドラの人間の母に助けられたのだった。
氷の像を見て「水には記憶があるからね」とオラフが言う。
オラフはこういうところで重要なことをぽろっと言うんだよね。

デスティン・マティアス中尉たちレナード国王と一緒にノーサルドラを訪れた人の生き残りが現れた。また、ノーサルドラの人も現れいさかいになりそうだったのを、エルサが魔法の氷で止めると、ノーサルドラの人が「どうしてアレンデールの人間に自然は魔法を授けたんだ」と驚く。アナがかけていた母のスカーフの模様を見て、「これはノーサルドラの高貴な人の持ち物だ」と言われたので、アナは「自分の母はノーサルドラの人間だ」と言った。
スカーフの模様はそれぞれ風、火、水、大地の精霊を表す模様が描かれており、もう一つ第5の精霊がいる、とノーサルドラのハニーマレンは教えてくれた。
彼らはこの森に閉じ込められ、長いこと出ることができず、霧に覆われているために太陽の光を見たことがない、と言う。

ノーサルドラの居住地へ案内されるアナたち。
クリストフはノーサルドラのライダーに「プロポーズで悩んでいる」と相談すると「素晴らしい方法がある。トナカイをたくさん集めるんだ」と言って二人とスヴェンはどこかへ消えていった。
風が吹いてきて、オラフが風の精に「ゲイル」と名前を付ける。
エルサだけに呼び声が聞こえていたことを知ったアナは、「家族は隠し事しないって約束でしょ」と怒る。
過去の間違いを正さない限り、この森は閉ざされたままだ、と思った二人は、北の彼方にある「アートハラン」に行けば、古い魔法に出会うことができる、とノーサルドラの長老イエレナに言われ、明日の朝出発することにした。
休んでいると大地が揺れ始め、大地の精霊アースジャイアントが近づいてきて、去っていった。
そして、小さい炎が跳ねるように襲ってきて、生えている木々が燃え出す。
エルサはその小さい跳ねるものに魔法の氷でものすごい勢いで攻撃するエルサ。アナは炎の中で戦っているエルサを心配して煙に巻かれそうになる。跳ねる炎を岩壁へ追い詰めると、それは手のひらサイズのサラマンダーだった。エルサがサラマンダーの背中で燃えている火を消すと、あたりの炎が消えた。

サラマンダーが誘うように北へと向かうので「わかったわ、北へ行くのね」とエルサ。イエレナたちが現れる。
エルサがこの地にいると影響が及ぶので、一刻も早く出発しよう、ということになったが、クリストフとスヴェンがいない。やむなく二人を置いて出発することに。

一方、クリストフはライダーの助言通りトナカイをたくさん集めた。朝になり、人影が見えたのでカエデの種を飛ばしながら歌って指輪を差し出してプロポーズの言葉を言ったら、それはノーサルドラの長のイエレナだった。
「二人はとっくに出発したよ。もう追いつけないだろうね」ショックを受けるクリストフ
ライダーは「大丈夫?」とクリストフに声をかけるが、クリストフは「大丈夫だ、心配しないで」と言うが、傷心の思いで「Lost in wood」を歌う。
パンしてクリストフに隠れて現れたスヴェンは言葉を話し、ドラムでズンドコ、エレキギターの演奏でやたら現代風で違和感が…

アナとエルサとオラフは、呼ぶ声と同じ声を出しながら北に向かって進んでいった。オラフの歌はやや音痴で、アナは「歌うのは一人でいいんじゃない?」と言うが「エルサは音痴だから」というオラフ…
海岸沿いで難破船を発見する。その船は以前に父と母が遭難した船だった。
「サウス・シーで難破したって聞いていたのに…なぜここにあるの?」
アナは「アレンデールの船には絶対に浸水しない入れ物があるはずよ」と、筒形の入れものを発見する。
中には何語かわからない言葉で書かれた紙と地図が入っており、紙の隅には母の字で「水の記憶」と走り書きがされていた。オラフが「水には記憶があるからね」と言ったため、両親の最後の瞬間を知ろうとエルサは床に手を当て、魔法で氷の像を作ると、両親の最後の姿がよみがえった。「エルサのために魔法の秘密を…」という両親の姿にエルサは「私のせいで両親は亡くなってしまった」と打ちひしがれる。
アナは「エルサのせいじゃないよ。エルサは悪くない。お母さまは敵だったお父様を助けた。その、正しいことをしたことに対する贈り物なんだよ」と慰める。

エルサはなぜ魔法が使えるのか?は、このアナのセリフ以外に説明がないんだよね。
アナは推測したに過ぎないし、本当の理由はわからなかったような気がする。

アナはエルサが一人で旅立とうとしているのではないかと心配して「私たち一緒に行くわよね?」と言うが、エルサは「危険な目に会わせたくないの」と、オラフとアナを魔法で作った氷の船に乗せて、無理やり送り出してしまった。舟が落ちた先の川は大地の精霊たちのねぐらで、巨大な岩がいびきをかいており、起こさないように静かにわたっていき、洞窟の入り口のようなところに入ったら、その先には滝があり滝つぼにダイブ。
びしょぬれになったアナとオラフは洞窟の中をたいまつを焚いて進んでいく。

海岸に出たエルサは、海を凍らせて渡ろうとするが、荒れる波と馬の姿をした水の精霊に阻まれる。何度も岸へ戻されるが、ついに氷で手綱を作り、馬にかけて背中に乗ることに成功する。そのまま海上を走りアートハランへとたどり着く。川は流れていたが凍っていた。
「そうよ、氷河も川だわ!」

この水の精は、手綱をつけられてからは従順にエルサに従っていたが、その前の妨げようとはえらい違いで、いたずらしているにしては度を越している感じだし、なぜあんなにエルサに立ち向かっていったのかがよくわからない。

上陸すると、洞穴の中から呼ぶ声が聞こえてくる。魔法で通り道を作り歌いながらながら奥へと入っていく。スカーフに織り込まれた模様と同じダイヤ型の飾りが現れ、エルサが触ると床に嵌った。4つの中央にもう一つ飾りがはまる箇所があり、エルサがその中に立つと光があふれる。
衣装が魔法で変化し、さらに奥へ進むと空洞となっている周りの壁にいろいろな人の顔が映し出され、その中にはエルサに歌いかける母の姿があった。
第5の精霊は、エルサだったのだ。

過去の出来事が氷像となって現れる。
アナと結婚しようとしていた王子、氷の城を作るエルサ、そして祖父のレナード国王が「事前に式典に招待すればノーサルドラの人数や規模がわかる。やつらは魔法を使う。魔法を使うやつはいずれ反旗を翻すに違いない」と下唇と話している姿。その二人を追っていくと、深い穴の中に二人は消えていき、エルサも追って穴の中に飛び降りた。

「寒い…」エルサは足元から凍り始める。
そして祖父は丸腰のノーサルドラの長に刀を振り上げ、切りつけた。「だめ!!」
エルサは凍り付き片手を上げて「アナ…助けて」と言いながら一筋の魔法を飛ばして凍り付いてしまった。
そう言うならアナを連れてけばよかったのに…

一方、アナたちは出口を探しながら歩いていたが、分かれ道から広い空間へと出た時、オラフに異変が起こる。
「分解し始めてる…魔法がなくなっていってる」
アナはオラフを抱きしめるが、オラフは氷の粒になり、空中を漂いどこかへ流れ去ってしまった。原っぱの片隅に積もる元オラフの氷の粒たち。
アナは一人横になって泣いていたが、目の前に祖父がノーサルドラの長を切りつける氷像が現れる。
「ノーサルドラの長は丸腰…ダムは平和のあかしなんかじゃない。罠だったのよ」
間違いを正すには、ダムを壊すしかない。でもダムを壊したらアレンデールが洪水に襲われてしまう…
「だから高台に避難させたんだわ」
4元素の精霊?は、これを見越して異変を起こし、アレンデールの人々を高台へあがるように仕向けたということなのか?
でも、なんでこのタイミングで??

アナは決心し、カバンをかけなおして上の方に見える出口へと上がっていく。
地上に出ると、大地の巨人に向かって叫び、注意をひきつけるアナ。アース・ジャイアントたちは、一歩間違えると本当に岩の下敷きだよね、という勢いで岩を投げてきて、アナは巨人達をダムまでおびき寄せようとするが、岩に当たりそうになって、現れたスヴェンとクリストフに間一髪救い出される。
ダムまで行くと、マティアス中尉が「ダムを壊させるつもりですか」と立ちはだかるが、アナが「だまして作ったものよ」と言うと「なぜそれを…」と中尉。
「間違いを正さなくてはならないの」というアナにマティアス中尉も賛同し、剣で盾を打ち鳴らして大地の精霊を一緒に呼び寄せた。
国王は死んでも、王の命令は絶対なのか?閉じ込められてまで守る必要あるのかなぁ…

投げられた岩でダムが決壊していくが、橋の袂の部分が岩で壊され、アナも一緒に落ちそうになったのを、中尉とクリストフが何とか引き上げた。
オラフだった雪の塊がゆっくりと動き、エルサの氷が解ける。
アレンデールへ洪水が向かって来て、高台で襲ってくる津波を見つめる人々。水の精の馬の背に載ったエルサがものすごい速さで駆け抜け、津波を追い越し、城の前の岸から氷の壁を作って洪水を防いだ。波が追い返され、湾内が静かになる。
止まっていた滝が流れ始め、街灯に炎が戻る。
エルサ、ものすごい速さで舞い戻ってきたことになるね。
それに、人々が避難してから何日たってるの?
着の身着のままでテントもなく避難してきてたはずけど。

エルサはノーサルドラへ行き、アナにアレンデールの無事を伝えた。「私たち姉妹が橋のたもとのように、二つの地域をそれぞれ納めるように、姉妹として生まれたのよ」と言う。「雪だるま作らない?」とエルサが言うと、雪の塊が飛んできてオラフになった。アナはカバンにしまっていたオラフの手足とボタンの石と人参をつけてあげた。
アナが地上に出るとき、カバンを肩からかけ直していて、「カバンなんか持ってたっけ?」と思ったが、このためだったのか〜。

エルサはノーサルドラで生きていくことを選択する。
アナは新たなアレンデールの女王となり、広場には若き日のアグナルとイドゥナの像が建造され、クリストフのプロポーズも成功した。
オラフもお仕着せの衣装を着ていたけど、頭の枯れ木がまるですだれ髪だった。
アナは風の精にエルサへの手紙を託し「金曜日に家族で集まろう」と渡す。
エルサは手紙を見て、「遠がけにいかない?と水の精に言い、向かった先はアートハランのようだった。水の精の馬に乗ってかけていくエルサは、本当に美しかった。

ちょっと思ったのだが、アメリカでは家族でジェスチャーゲームするのは、普通なの?

評価:2ab


 

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