天気の子【極上音響上映】

原作/脚本/監督:新海誠
キャラクターデザイン:田中将賀
作画監督:田村篤
美術監督:滝口比呂志
製作:市川南/川口典孝
CGチーフ:竹内良貴
音楽:RADWIMPS
主題歌:RADWIMPS「愛にできることはまだあるかい」「グランドエスケープ (Movie edit) feat.三浦透子」

声の出演
森嶋帆高:醍醐虎汰朗         天野陽菜:森七菜
須賀圭介:小栗旬           夏美:本田翼
立花冨美:倍賞千恵子         天野凪:吉柳咲良
安井刑事:平泉成           高井刑事:梶裕貴
立花瀧:神木隆之介          宮水三葉:上白石萌音
カナ:花澤香菜            アヤネ:佐倉綾音
佐々木:市ノ瀬加那          キムラ:木村良平
占い師:野沢雅子           神主:柴田秀勝

「君の名は。」の新海誠の3年ぶりの新作。
降り
続ける雨の表現がすごい。
冒頭の病室の窓に流れる水滴、あれ、手書き?すごくリアル。
そして、ビニール傘を流れる水滴も。
地面に落ちて跳ねる水滴、空から落ちてくる雨粒も線ではなくちゃんと水滴だった。
水たまりに水滴が落ちるカット、水滴が落ちた後の文様もリアルだが、くぼんでいる水たまりの淵のところも水面の動きに合わせて細かく揺れているところまで書かれている。(CGだけど)

背景が写真のように細かく描かれ、画面の隅々まで良く言えばくっきりはっきり、悪く言えばごちゃごちゃ描き込んであるため、人物が埋もれて見えるときがあり、情報量が多いため見ていてちょっと疲れる。
代々木の廃ビルを登っていき、屋上に出てぐるっとカメラが回るカットはCGだったが、手書きとよくなじんでいて、風を感じられそうな感じ。
神宮の花火は、花火の中をドローン飛ばしたらこんな感じなんだろうな〜と、とてもきれいだった。

晴れを注文した老婦人は、「君の名は。」の立花瀧の祖母で、瀧くんも出てきた。
帆高が陽菜のために指輪を買った店の店員は三葉だった。
スタッフロールには四葉の名前もあったのだが、わからなかったが、ラストで「雨やんだ」という高校生がそうだったらしい。三葉の同級生のテッシーとサヤちんも観覧車のところに出ていたらしい。

しかし、ストーリーは「そういう選択しちゃうの?」という結末だった。







ネタバレのあらすじ








母親の入院している病室から、雨が降る表を眺める陽菜。
一筋の光が空から差し込んで光っているところがあり、そこへ行ってみると廃ビルの屋上に赤い鳥居と社があった。傍らにはナスの牛ときゅうりの馬が飾られている。陽菜は祈りながら鳥居をくぐる。
すると急に天高くまいあがる陽菜。空の上には水滴でできた金魚のような魚がたくさんいた。

理由はわからないが家出をし、離島からフェリーで東京へ向かう16歳の帆高。顔には絆創膏が何枚か貼られていて、いったい何があったんだ?と思わせる。
いきなり大雨になったのに甲板に出て「きた!」と、まるでこの雨を待っていたかのように言うが、その後のストーリーでは雨を待っているようなことはなく、あのカットの意味がわからない。船体が傾きタイタニックみたいに甲板を滑り落ちるのを須賀に助けられる。食事とビールをおごらされ、東京に着くと名刺をもらって別れる。

帆高はネットカフェに寝泊まりし、バイトを探すが身分証明書の提示を求められたりして、仕事が見つからない。YaHoo!知恵袋に相談すると「風俗的な店なら年齢確認がゆるい」と投稿があったので面接を受けるがやっぱりだめで、歌舞伎町のキャバクラの入っているビルの1階でうずくまっていると子猫がやってくる。カロリーメイトをあげてうずくまってくると眠ってしまった。
女の子が出勤してきて「何この子?」と話していると店の若いもん?と言う感じのチンピラっぽいにーちゃんが出てくる。あわてて飛び出すが足をわざと引っ掛けられ、ゴミ箱ごと通りに投げ出されてしまった。
散らばった空き缶を片付けていると、小汚いかばんが捨てられており、それを持ち帰ってマクドナルドで開けると、なんと拳銃が入っていた。
「モデルガンだよな!?」あわてて周りを見回す。
ドリンクだけを頼んでため息をついていると、店員の女の子が「あげる。きみ、この3日間夕食がそれだけでしょ」と内緒でビックマックをくれた。

仕事がみつからないため、須賀の事務所を尋ねるが、ここまでの街中をさまようカットがやたら長かった。キャバクラの入っているビルで居眠りもなんだか不自然だし。

須賀の事務所まで都バスで行くが、座席の柄がみんくるで、ここまで正確に描写するんか…と思った。そういえば池袋のカットでは「シネマサンシャイン」とはっきり表示されていたし、マクドナルドのロゴも商品もそのまま使用されている。廃ビルが代々木にあるので、近くにある建設中の競技場もしっかり出てきて「今このくらいまで出来上がってるのか」と思ったり。
手前に六本木ヒルズ、奥に東京タワーとか、スカイツリー、サンシャイン60、NTTビル、モード学園のコクーンタワーなど、象徴的な建物もよく出てきていた。

帆高はバスの中でやたら女の子にもてている「なぎ」という子供を見かける。
須賀は「仕事探してるんだろ、少年」と、住み込み、賄い付きで雇ってくれた。仕事は「ムー」のようなオカルト雑誌に売り込む原稿の執筆。事務所には夏美という女子大生が働いていたが、「ここは腰掛け」と就活に励んでいた。
とりあえずネットで話題になってる「100%の晴れ女」というのを探してみることになる。
夏美と一緒に占い師に晴れ女のことを聞きに行くと「雨女、晴れ女は実在します。晴れ女には稲荷系の自然霊が付き、雨女は龍神系の自然霊がついている。龍神系の人は飲み物をたくさん飲むのが特徴で、気が強くて勝負強いけど、大雑把で適当な性格。稲荷系の人は几帳面だけど気の弱いところがあるからリーダーには不向き。今は天の気が崩れているから、晴れ女や雨女が生まれやすいの。でも、自然を左右する行為には必ず代償が伴います。天候系の力は使いすぎると、必ず神隠しにあうと伝えられているの」と話してくれるが、探す手助けにはならなかった。

雨の中歩いていると、スカウトらしき男に声をかけられている女の子をみかける。その子はマクドナルドの店員の子だった。彼女が嫌がっているように見えたので、駆け寄って「逃げよう」と無理やり手をとって走り出すが、それは誤解で彼女は金を稼ぐためにキャバクラ?で働こうとしていたのだった。スカウトの男に組み伏せられ殴られる帆高。思わずバックから拳銃を取り出し男に向ける。「何だそれ、オモチャ?」という男に向けて銃が発砲され、弾は街灯に当たる。
少女が帆高を連れて駆け出す。
二人は逃げてきた廃ビルでびしょ濡れになった服をタオルで拭くが、女の子は「勝手に何!?ハンバーガーのお礼のつもり?あれは拳銃?信じられない。下手したら人が死んでたかもしれないのに!」と怒る。
帆高は「モデルガンだと思ってお守りとして持っていた」と言うがなんだか無理がある感じ。陽菜がキャバクラ?に連れ込まれそうになっていると勘違いしたときに、一般人の高校生が殴られて拳銃を取り出して向ける、という行為をするもんだろうか?

帆高は銃を投げ捨てる。一度は立ち去った少女が戻ってきて、バイトをクビになったから稼げる仕事が欲しかった、と言う。二人で廃ビルの屋上へ上がると、そこは鳥居と社が祀られている、新宿の街を見渡せる場所だった。
彼女は「今から晴れるよ」と手を合わせて祈ると、空の一部に穴が空いたように雲がなくなり、そこから日差しが注ぎはじめる。
一方他の場所では魚のような水滴や、ビルに覆いかぶさる水の塊の巨人?のようなものが見えたりし、その水の塊が一気に地面に落ちてきたりしていた。この水の塊はまるで臓器のようなのだが、すぐに消えて普通の水に戻ってしまっていた。

少女は陽菜といい、来月で18歳だという。
お金を稼ぐために晴れ女の能力をつかってはどうか?と陽菜の家で相談する二人。家はきれいに片付いていたが、豆苗を栽培したり、10センチくらいに切ったネギをコップで栽培?していたりと、生活は苦しいようだった。「お天気お届けします」と言うショッピングサイトを作成したら、なんと購入した人が。そこへ弟が帰ってくるが、バスで見かけた小学生の凪だった。
帆高が手土産に持ってきたのが、ポテトチップスとチキンラーメン。なぜにチキンラーメンなのだ?
陽菜は、この2つの商品を使って残り物でチャーハンとサラダをご馳走する。

お天気にすべく、注文主のフリーマーケットへ行き祈る陽菜。てるてる坊主がぶら下がった傘を差した帆高と、巨大なてるてる坊主のキグルミ(これを用意する金はどうやって作ったのだろう…)をかぶった凪が励ますが、なかなか雨はやまない。フリーマーケットの主催者が「もういいですよ。本当にできるとは思ってなかったし」と言うと、雲が晴れて雨がやんだ。
「雨と晴れとじゃ、売上がかなり違うんですよ」と喜ばれる。

晴れにしてほしいという注文がたくさん入る。
神宮外苑花火大会も、雨をやませて開催できた。この仕事は好きだ、と陽菜が言う。
ここの花火のシーンはすごくきれいだった。
花火の中を飛ぶなんて、実際には絶対できないよね。
しかし、尺玉と思われる大きさの花火が上がっていたが、神宮球場で尺玉あげられるのかな。
「夫の初盆を晴れにしてあげたいから」という老婦人の家に行ったら、老婦人と一緒に孫の立花瀧が出てきた。庭で迎え火を焚き、陽菜が自分の母親も初盆だと言ったら「迎え火をまたいでお行き、そうすればお母さんに守ってもらえるから」と老婦人は言った。「この煙とともに天から夫が帰ってくるのよ。空の上の向こう岸から。”お彼岸”、空の上は別の世界、昔からね」
瀧に年を聞かれ、陽菜が来週誕生日を迎えると言うと、「だったらプレゼントあげなきゃね」と言われる。

帆高がライターの仕事をあまりしなくなってしまったため、須賀と夏美が神社へ取材に行く。
その神社の天井は古い格天井で、龍や魚が描かれていた。そこの神主に「天気の巫女」の話を聞く二人。
天気の巫女とは天気を治療する者のことで、天気とはそもそも「天の気分」であり、正常も異常も測れるものではない。人間は天と地の間で生きさせてもらっているわけだが、それでも天との細いつながり、人間の願いを天に届けてもらえる特別な人間、それが天気の巫女だというのだ。昔はどの国、どの村にもそういう存在がいた。ただ、天気の巫女には悲しい運命が待っている、と住職は言った。

刑事が拳銃のことで帆高を探していて、キャバクラの男に写真を見せて尋ねる。この若い方の刑事は今時ないようなジョジョみたいなリーゼントで、梶裕貴の声に聞こえなかった。もうひとりの年配の刑事は声を聞いただけで「平泉成」だった。

誕生日プレゼントを何にしたらいいかをYahoo知恵袋に投げ掛けると、やっぱりろくな回答が来ず、夏美は「現金、または就職先」と答え、凪にも聞いてみる。自分よりも恋愛経験豊富な凪に「先輩と呼ばせてください」と言う帆高。
結局、3時間も迷って指輪を選んだ帆高。店員(三葉)に「こんなの、もらったら嬉しいですか?」と聞くと「そんなに時間をかけて選んでくれた指輪、私だったらすっごく嬉しいです」と言ってもらう。

須賀には幼い娘がいて、妻とは死別したため、祖母の家に引き取られていた。
娘は喘息で、須賀がタバコを吸ったりいい加減な性格もあって、なかなか娘には合わせてもらえないでいた。
花火大会でテレビに写ってしまったこともあって、お天気ビジネスはやめることにした二人。喘息なので雨だと娘と会えない、という須賀のために、最後に天気にしてあげ、須賀は娘と公園で会う。
凪と楽しそうに遊んでいる娘。

夏美は須賀の姪だということがわかる。須賀の愛人だと思っていた帆高はびっくりする。
凪は須賀たちと食事をして帰ることになり、帆高は陽菜を送っていく。
坂の途中で立ち止まり、帆高は指輪を渡そうとして躊躇し、陽菜は何かを言いかける。すると、何かがものすごい勢いで近づいてきて、陽菜をさらった。パーカーだけが道に落ちる。空に舞う陽菜がゆっくりと地面に降りてきた。そして自分が晴れ女になったのは、1年前のあの日、もう一度お母さんと青空の下を歩けるよう「明日天気になりますように」と強く願いながら、光の水たまりのような廃ビルの上にある鳥居をくぐったときからだ、あの時から自分は空とつながったのだと打ち明けた。

そこへ警察が帆高を探しに訪ねてくる。
帆高には両親から行方不明者届けが出ており、一緒に来た婦警は陽菜に「子どもたちだけで暮らすのは問題がある」といい、翌日に児童相談所の人が来ることになってしまった。

auのあの呼び出し音でスマホが鳴る。
ここでこの音使うのかよ…と正直思った。まるで誰かの携帯がなってるみたいなんだもの。

須賀の事務所へ行くと「警察が来た。未成年誘拐事件として俺が疑われている。娘の親権のこともあるからもうここには来ないでくれ。お前が実家に帰れば、すべて丸く収まる。もう大人になれよ、少年」と言われてしまう。
このセリフもあまりシーンに合ってない気がする。確かに家出はしてきたけど、「大人になれ」と言われるほどの行動だったかなぁ、と思う。

陽菜も「実家に帰ったほうがいい」と言われるが、それを拒否して凪と3人で逃げることを選択する。
折しも巨大な低気圧が発生しており、大雨特別情報が出され、交通機関は麻痺していた。そして8月なのに雪が降ってくる。

須賀は帆高を追いだした罪悪感から、やめていた煙草を吸って飲んだくれていた。夏美が戻ってきて帆高を追い出したと聞くと須賀を怒るが「自分だって天気の巫女は人柱だって、陽菜ちゃんに言っただろ」と須賀に言われてしまう。
東京は近づいてきた低気圧の影響で、交通機関は麻痺しつつあった。

家を出てきたはいいが、泊まれるところもなく、警察に捕まりそうになり、陽菜は思わず手を合わせて「お願い!」と叫んでしまう。
空に雷雲がわき、稲妻が止まっていた車を直撃、炎上した。
これって、下手したら死人が出るよね…
帆高のピストルより悪いかも知れない。
そして、京アニの事件を思い出してしまった。

警察は家出少年を補導するどころではなく、炎上した車に駆け寄る。そのすきに逃げ出す3人。
ラブホテルに泊まることになる3人。大きな風呂やベッドに喜ぶ凪。備え付けのカップ麺を食べてカラオケをする。帆高は「神様、何も引かず何も足さず、僕たちをこのままいさせてください」と祈り陽菜に指輪を渡す。陽菜は夏美から聞いた「晴れ女は人柱となる」という話をし、ガウンをはだけると、体が透明になって向こうが透けて見えていた。

「晴れにするたび体が透明になっていくの。このまま私が死んじゃったら、きっといつもの夏が戻ってくるよ。凪をよろしくね」
「僕が稼ぐよ、3人で暮らそう。お天気ビジネスはやめたんだから、体だってすぐにもとに戻る!」と帆高。
帆高は離島にいたときのことを夢に見る。遠くに見える晴れ間を自転車で追いかけていくが、たどり着いたと思ったら崖から海へと移動して追いつけなかった。近くにフェリーが航行していた。
あの光の中へ行こう、そう決めたんだ。
そしてそこに君がいた。

陽菜も夢を見ていた。初めて帆高を見たときは迷子の猫みたいだと思ったが、帆高が自分の意味をみつけてくれて、みんなを笑顔にできるのが嬉しくて晴れ女を続けた、と今までのことを振り返る。体が空へと登っていき気がつくとそこは雲の上のような場所で、自分の体がどんどん透けて水のようになっていく。指を通り抜けて帆高にもらった指輪が落ち、それを受け止めようと差し出した手のひらを素通りして指輪は落ちていった。泣きじゃくる陽菜。

帆高は目を覚ますが、傍らにはバスローブだけがあり陽菜がいない。
「陽菜さんがいない!」と凪に言うと「おれ、姉ちゃんが空に消えていく夢を見た…」
警察が扉を叩く音が聞こえ、室内に入ってきて、二人は捕まってしまった。
天気は回復し、いつもの夏が戻ってきた。
パトカーまで歩いていく間に、空から指輪が落ちてくる。帆高が拾うとそれは陽菜にあげた指輪だった。
「陽菜さんが人柱に…うそだろ!陽菜さん!」と警察を振り切ろうとするがパトカーに乗せられてしまう。刑事から陽菜が15歳だったことを聞かされ、自分が一番年上だったことを知る。刑事に「陽菜さんと引き換えに空は晴れたんだ。みんな何も知らないで」と叫ぶ帆高に、
うんざりした表情の刑事。
「鑑定、いりますかね…」と聞く運転席の警察官。

警察署についても「陽菜さんを探しに行かせてください。見つけたらここに戻ってくるから」という帆高だが、とうてい認められるとは思えない嘆願をする姿は、必死さが空回りしているような、痛いヤツにしか見えない。
取調室に入る寸前、すきを見て帆高は逃げ出す。すると原チャリで夏美が現れ帆高を乗せて逃げるが、冠水した道路にハマってしまい、帆高だけが線路上を走って逃げる。代々木の廃ビルまでなんとか辿り着くが、老朽したビルなので階段は落ちてきたコンクリートで塞がれてしまっていた。

凪は児童相談所で保護されていたが、ガールフレンドたちが変装してやってきて、凪を女装させ脱出する。
須賀の事務所は半地下で、窓の1/4くらいまで水が溜まっていた。どうして水が染み込んで来ないんだろう?須賀が空が晴れたのをみて窓を開けると、水はすべて室内に流れ込み、くるぶしまで水没した。
こうなるのは当たり前じゃん…なんで窓開けるかね?

刑事が来て帆高が「天気と引き換えにいなくなった少女がいる、その子に会いたいんだ」と言って逃げ出したことを聞かされる。刑事に「須賀さん、あなた、大丈夫ですか?」と聞かれ「なんですか」と言った須賀の頬を涙が伝っていた。
このシーンも、意図せず涙が流れてしまった理由が理解できない。

廃ビルに須賀が現れる。屋上の社から彼岸に行ける、と暴れる帆高の頬をひっぱたいて「落ち着けよ。俺も一緒に警察に行ってやるから」と警察に戻るように説得するが、須賀の腕を噛んで須賀を振りほどき、以前に捨てた拳銃を拾って須賀に銃口を向ける。同時に警察も入ってきたので、刑事にも銃口を向けた。刑事は説得を試みようとするが帆高は「陽菜さんのところに行かせてくれよ!」と叫んで空に向かって発砲した。「銃を捨てろ!…撃たせないでくれよ」と銃を構える刑事に、須賀が「よせよ、子供一人に大人が寄ってたかって」と言うが帆高は「ほっといてくれよ!みんな知らないで、知らないふりして!俺はただ、もう一度あの人に、会いたいんだ!」と叫ぶ。
結局組み伏せられて手錠をかけられる帆高。その様子を見ていた須賀が「てめえらが帆高に、さわんな!」と刑事に襲いかかり、「帆高、行け!」と帆高を逃がす。
ワンピース姿の凪が現れ「全部おまえのせいじゃないか!ねえちゃんを返せよ!」と泣きながら叫ぶ。

知らないふりして、と言われても実際あんなファンタジーは大人は知らないよ…
この辺のセリフはもうずっと違和感しか感じなかった…
そして須賀の手のひらを返したように、急に帆高の味方になるのも納得できない。
子供の親権を争っている時に、お縄を頂戴することになるというのに、そんな行動をしてしまっていいのか?

非常階段へ周り屋上へと上がり、祈りながら鳥居をくぐる。
体が空へ舞い上がり、鉄床雲の上へ。するとそこには緑の草原のようなものが広がり、魚のようなものが群れを作っていた。
群れが散るとそこには横たわる陽菜の姿が。陽菜が気が付き空を流されていく帆高の姿を追う。
「陽菜、跳べっ」
手をつなぎ中を舞う二人。一緒に帰ろうという帆高。「私が帰ったら天気がまた」と言う陽菜に
「もう二度と晴れなくたってもいい。青空よりも、陽菜がいい。天気なんて、狂ったままでいいんだ!」

ものすごいこと言うよな…
ここでグランドエスケープが流れるのだが、とりあえず、極上音響で堪能する箇所かな。

「自分のために願って、陽菜」「…うん!」
空に竜神が舞い、激しい雨が降ってきた。
陽菜と帆高は気を失って社の鳥居で倒れていた。
陽菜の首にはチョーカーが巻かれていたが、それは切れていた。
気がつかなかったのだが、冒頭で病室の母親がしていたもので、形見の品だったようだ。
ここも何を意味していたのか、よくわからない。

積乱雲の上の草原のシーンは、ナウシカの「その者青き衣を纏て金色の野に降り立つべし」みたいで、ジャンプして二人で宙に舞っているところはラピュタみたいだった。

それから1日も雨が止むことはなく3年が過ぎ、東京の街は浸水した。
あの映像だと山の手内は床上浸水だな。
帆高は島へ戻り高校卒業まで保護観察処分となり、陽菜に会うことなく高校を卒業した。仰げば尊しを歌うシーンで帆高が途中で歌うのをやめ、隣の女子生徒がちらっと帆高を見るんだけど、これはなにか意味があるのか?

卒業して上京し、フェリーから水没した東京を眺める帆高。
かつて作った「お天気お届けします」のサイトはまだ存在しており、注文が1件入っていた。それは以前に彼岸の話をしてくれた老婦人からで、住んでいた家は水没してしまったため、今のマンションに越したという。「すみません」とあやまる帆高に「なんであんたがあやまるのさ」と言い、「あの辺は200年くらい前までは海で、人間と天気が少しずつ海岸線を変えてきた。もとに戻っただけじゃないかい」と言った。
須賀の事務所はもっと広く小綺麗なところに移っており、事務員も増えていた。
「この3年間ずっと”自分が世界の形を変えてしまった”って思い続けてきたのか?そんなわけねーだろ」と、須賀は先日娘と凪と夏美とで会った写真を見せてくれたが「3年間会ってないんだろ?そんな事考えてないで、早くあの子に会いに行けよ」
巨大な猫が机の上に乗ってくるが、それはかつて餌をやった子猫のあめだった。「仕事のジャマなんだよ、早く言ってこいよ」とあめと須賀が口を揃えて帆高に言う。
「気にすんなよ、青年。どうせ世界なんか、もともと狂ってるんだから」

こんなに水没しているのに、歩道橋などを歩いていく人達がいる。
陽菜の家の近くの坂のフェンスはサビつき、植物が絡まっていた。
なんて言えば良いのか考えながら歩く帆高。坂を上がっていくと、そこに高校の制服を着た陽菜が立っていて、何かに祈っているようだった。
帆高は「自分が陽菜を選んだことで、たしかに世界を変えてしまったんだ。この(晴れがない)世界を、この世界で生きていくことを、自分は選んだんだ」と強く思い、陽菜のもとへ駆け寄る。
帆高に気が付く陽菜、泣いているのを見て「大丈夫?」と尋ねる。穂高は「僕たちは、きっと、大丈夫だ!」と力強く言う。



帆高の家出の理由は結局わからないまま。「どうしても帰りたくない」と序盤で言うが終盤では「あの光の中に行こうと決めた」と言って船出したように見えるので、行動に整合性がない。
空から降ってきた内臓のようなものは何だったのか、結局わからないままだった。
戻ってきた陽菜の首にあったチョーカーが切れていたのにも何か意味があるのか?
須賀が薬指にはめている指輪を気にするカットが何度も出てくるが、2つはめているようなので、1つはなくなった奥さんのものだと思われる。

針小棒大というか、本人たちには重大事件なのかもしれないけど、小さなエピソードを引っ張って大きく見せてる、そんな印象だった。
それは私が年をとり過ぎてしまっていて、若い感性について行けなくなったってこと?

梅雨明け前の35日連続雨が続いている時に見たので、水浸しになっている状況にタイムリーな映画だった。
テレ朝のインタビューで監督は「サブタイトルの”Wethering with youは、何かを一緒に乗り越えていく、ということを描ければ」みたいなことを言っていたが、これって、乗り越えてるの?

制止される何か(=警察)を振り切って女の子を助けに行かせたい→ここで須賀に「帆高、行け!」と叫ばせたいから廃ビルに須賀を登場させる
警察に追われるシュチエーションが必要→必要性がわからないが、ごみ箱に捨てられている拳銃を持たせる
拳銃を手に入れるために繁華街をさまよわせる→仕事を探す家出少年にしよう
みたいな話の作り方、構成に思えてしまう映画だった。
映像はすばらしかったので、少しおまけ。

評価:2a


 

マーウェン

監督:ロバート・ゼメキス
脚本:ロバート・ゼメキス/キャロライン・トンプソン
製作:ロバート・ゼメキス/スティーヴ・スターキー/ジャック・ラプケ/シェリラン・マーティン
製作総指揮:ジャクリーン・レヴィーン/ジェフ・マルンベルグ
音楽:アラン・シルヴェストリ

出演
マーク・ホーガンキャンプ:スティーヴ・カレル
ニコル:レスリー・マン
ロバータ:メリット・ウェヴァー
ジュリー:ジャネール・モネイ
カラーラ:エイザ・ゴンザレス
アナ:グェンドリン・クリスティー
シュゼット:レスリー・ゼメキス
カート:ニール・ジャクソン
ベンズ:マット・オリアリー
デジャ・ソリス:ダイアン・クルーガー
ルドウィグ・トップ大尉:フォーク・ヘンチェル
ウェンディ:ステファニー・フォン・フェッテン
エルサ:シボーン・ウィリアムズ


監督は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のロバート・ゼメキス。
実話に基づいたストーリー、とわざわざ映画冒頭に表示されていた。

イラストレータで靴コレクターというよりは靴フェチのマーク・ホーガンキャンプは、バーで酔ってゴロツキの若者に「女物の靴を履くことがある」と言ったことから暴行され、記憶を失いPTSDになってしまう。
彼の精神の安定は、戦時中のベルギーの架空の街「マーウェン」でのフィギュアの撮影だった。彼のフィギュアの写真は世界的に認められつつあり、個展を開くまでになっていた。
マークの家の裏庭?に、1/6
スケールで作られたマーウェンの町がすごく良くできている。
珍しくパンフレットを買ったんだけど、マーウェンの町の写真はほとんど載ってなかったんだよね。
もうちょっとじっくり見たかった。

ドールのCGがすごくよくできているが、現実からいきなりドールの世界へトリップし、しかもバリバリ撃ち合い。
喋る顔は人間のようだけど、やられて死ぬと途端に「人形」に戻る。
顔がかなりリアルなので、顔だけアップになっているとどちらかわからなくなる。
現実と想像の世界を行ったり来たりしながら、マークの置かれている状況がだんだんと見えてくる。
最初は「こんなおっさんがフィギュアの写真?」と思ったが、マークとホーギーを行ったり来たりしている内に違和感は無くなる。







ネタバレのあらすじ








空中戦で被弾し、川に不時着して飛行機から降り立ったホーギー大尉の両足は火に包まれており、沼地にずぶっと降り立つと火が消える。全然熱がってないし、足の裏が黒く焦げ付いているが足の造作がなんだか変…?のっぺりしていて人形の足のよう、と思ったら、首とか腕とか、関節が人形になってる!?
裸足で歩いて行くと車が止まっており、置いてあったトランクにはフリルのついた女性の下着と、ハイヒール(もちろん1/6サイズの人形用のもの)が入っていた。ハイヒールを履き「なかなか良い」と歩いて行くと、ナチスの兵隊に出くわす。「ハイヒールなんか履いてやがる」とバカにされ、襲撃されて頬に傷ができてしまった。そこへ6人の武器を持った女性たちが現れ、ホーギー大尉のピンチを救ってくれる。ナチスの兵隊たちは着ている服が全員同じではないので、「?」と思う。
と、ここで映像が止まり、ホーギー大尉はG.Iジョーのフィギュアで、筆がにゅっと伸びて来て大佐のほおの傷をちょっと濃くした。
くわえタバコでフィギュアの写真を撮るマークの姿が映り、一気に現実に戻る。
今のは人形だったのか!

マークは撮影をやめ、人形とともに自宅に戻ってくると、向かいの家に女性が引越して来ていた。赤い髪に黄色いワンピース、ピンヒールのサンダルを履いた後ろ姿が見える。車が止まり、男が降りて来て「俺に知らせずに引越なんかして…」と言っている。どうやら元恋人のようだ。

マークが人形を持って家の敷地内に戻ると、そこには噴水を中心とした、1/6サイズの街が作られていた。教会やお店、人形たちの宿となっているバー「破れストッキング」もあり、そこはマークの家の中に作られていた。
ナチスの兵隊は5人組で、しばしばマーウェンを襲ってくる。立ち向かうのはロバータ、カラーラ、シュゼット、ジュリー、アナの5人の女性。

月に1度、マークの世話をしに来ているロシア人の介護士、アナがやってくる。マークが薬を無くしたというので、薬を持って来たのだが「1日1錠と決められているのに、それ以上飲んだんじゃないでしょうね?1日1錠だけだからね」と、窓に「1日1錠」と張り紙をして帰って行く。

マークはアルバムを見ながら昔のことを思い出す。
病院でのリハビリは、黒人の義足をつけた女性、ジュリーが励ましてくれた。
結婚式の写真もあるが「結婚していたらしい」と書かれている。
壁の上部に時計があり、その中には青い髪の女性の人形がいた。彼女はベルギーの魔女、デジャ・ソリスで、何かにつけてマークを誘惑しようとしていた。

いきなりアラートが鳴り「襲撃だ!みんな配置につけ!」バーの中で戦闘態勢に入る女性たち…すると、扉を叩く音が。一瞬で現実に戻るマーク。
雨の中、向かいの女性がマフィンを持って引っ越しの挨拶に来たのだ。彼女の名はニコル、最後にeの文字がついていない綴りなの、と言った。

マークは庭で新しい人形に桶を持たせ、ジープの助手席に座らせる。桶に牛乳を注いだが、1/6サイズなので、少し溢れて洋服にかかる。
こういうところは適当なのね。
ホーギー大尉は、助けた乳搾り娘をジープに乗せてマーウェンにつれてくる。「乳搾り娘」と言うが着ている洋服は秋葉原にいるご当地アイドルのような感じ。みんなが出迎えるが、またしてもナチス兵の襲撃を受けてしまう。何とか撃退し、バーに戻るが、そこにまたナチス兵が襲ってくる。
さっき倒したはずなのになぜ?ナチス兵はどういう訳だか倒しても生き返り、また襲ってくるのだ。
ホーギー大尉は夢の中でデジャ・ソリスに誘惑される。

弁護士の先生から電話がかかってきて、現実に戻るマーク。今度の金曜の法廷に出るべきだ、被害者が出席すれば、彼らの量刑に影響を与えられる。着て行く服を用意したからと言われる。
マークは使われてない人形たちが入れられている箱を開ける。その中にウェンディという人形が入っていて、ホーギーはウェンディと結婚するが、ウェンディをまた箱に戻してしまう。乳搾り娘の人形も箱の中に無造作に入れられてしまった。

マークは人形たちを乗せたジープを弾きながら、街へ行く。
マークはバーでアルバイトをしていて、ミートボールのメニューの時に、ミートボールを作りに来ているらしい。一緒に働いているカラーラから、ウェンディはカルフォリニアへ行ったこと聞く。ウェンディは、マークが以前にバーで暴行を受けたあと、ゴミ袋のようになって道に倒れていたのを救ってくれた女性だった。

バーの店長が厨房に来て「弁護士先生から電話だよ。電話に出てくれないから、こっちに電話して来たそうだ。金曜日の法廷に出てくれって」と言う。
「ミートボールの日だから行けないって言って」とマークが言うと、「金曜はミートボールの日じゃないわよ」とカラーラ。
仕事が終わった後、模型店に行くマーク。そこで店員のロバータが、今度開く個展について相談が必要だという。マークは赤毛の人形はあるか、と聞き、髪の長い赤毛のバービー人形を手に取る。ロバータが「なんて名前?」と聞くと「eがない綴りのニコルだ」と答えるマーク。ハイヒールも一緒に買って来るが、モデルとなったブランドはマーウェンの時代には発売されていなかったが、よしとした。ロバータは「今度うちにチキンを食べにこない?」と誘うが「チキンは嫌いだ」などと言われてすげなく断られてしまう。

靴が好きなマークのために「見つけたので買っておいた」と、ロバータがビンテージ物の靴を届けに家まで来る。ロバータはマークが好きなようだ。
マーウェンで新しい仲間のニコルを一緒に加えていると、そこへ向かいに越して来たニコルがやってくる。
「姿が見えたので。これはドールハウス?」というニコルをロバータに紹介すると、ロバータは新しい人形が誰なのかを理解した。そしてマークが有名なアーティスト(写真家)であることをニコルに説明する。ニコルにマーウェンの街を見せ、教会を見せると、そこではホーギーの拷問が行われていた。「どういうシーンなのか」と聞くニコルにストーリーを話すマーク。

マーウェンではホーギーが拷問されたという知らせが届き、捕らえられていた教会へ急ぐ女たち。ニコルも加わり、無事にホーギーを助け出す。ニコルはホーギーの手当をし、お互いを好きになる。

マークがいつものようにジープを引いて撮影から戻り、家の前にジープを置くと、ニコルが家具を動かすのを手伝って欲しい、と呼びに来る。ニコルの家でキャビネットを動かしていると、ニコルの元カレのカートがやってきて、マークの家の前に車を停める。
人形たちのジープにタイヤがコツン、とあたり、壊されるかと思ってヒヤヒヤした。人形のジープに気がつくカート。
家具を動かしたあと、マークは自分が受けた暴行事件についてニコルに話す。バーでハイヒールが元で暴行され、その後遺症で記憶がなくなってしまったこと、文字も書けなくなりイラストレーターの仕事もできなくなってしまったこと。
カートが家に入ってきて、「あのナチの人形は何だ。お前はネオナチなんだろう」とマークを糾弾する。いたたまれなくなって家へ逃げ帰るマーク。

弁護士が家に来て、裁判に出席することは量刑を決める上で重要だから、出席するように言われる。時計の中にいるデジャを見つめながら迷っていたが、デジャを小屋に閉じ込め、出席することにしたマーク。人形たちをつれて裁判所に行くが、弁護士に「多すぎ」と言われる。ロバータが「お守りがわりよ」と言うと「1体だけなら」とホーギーを椅子の横に一緒に座らせて裁判に出席する。加害者たちをそっと見るマーク。加害者の一人の腕には、ナチスの卍マークの入れ墨がされており、5人の暴行者たちはマークを見て薄ら笑いを浮かべる。5人の顔はマーウェンを襲うナチスの兵士にそっくりだった。
それを見たマークは椅子から立ち上がると、辺りにナチスの兵士が現れ銃弾が飛び交い、ホーギーが等身大へと巨大化し、「逃げろ!あそこへ隠れるんだ」とマークを守りながら先導して、マークは法廷から逃げ出してしまう。
弁護士は休憩を要求したが、裁判長は延期の決定をする。

人形が誰を象徴しているのかが段々と分かってくる。
ニコルがマークの家に来て、先日のカートのことを謝り、女性用の靴をプレゼントする。ニコルはマーウェンのことを聞き、なぜ第二次世界大戦の時代なのかを聞くが、マークは「わからない」と答る。人形のモデルとなった人物が誰かをニコルに説明する。
シュゼットだけは身近な人ではなく、マークのお気に入りのAV女優だったが、そこはうまくごまかして説明していた。

ホーギーとニコルの恋愛は続き、デジャはそれがおもしろくないようだ。
マークがロバータの店に行くと、ロバータは「いい人形が入荷した」と見せてくれたのはドイツのSS将校の人形だったが、マークは恐怖を覚え買わなかった。代わりに「ティーポットはないか」と聞き、「ドールハウス用なら」と売り場に案内される。人形の勲章と同じものを見つけ、一緒に買って帰る。

マークは襲われたときのことを回想する。
はっきりとは思い出せないが、自分がハイヒールの話などしなければよかったのだ、悪いのは自分だ、と自分を責める。

ホーギーはニコルとお茶を飲み、勲章を見せてプロポーズする。人形のニコルは喜んで承諾してくれた。
マークは兼ねてから約束していた、ニコルの家でお茶を飲む。「マーウェン」の名前はマークとウェンディの名前からつけたことなどを話す。ホーギーとニコルのプロポーズの様子の写真を見せ、ホーギーと同じように勲章を見せてニコルにプロポーズするマーク。
まさか人形と同じように勲章でプロポーズしないよね…?と思ったら、プロポーズしてしまった。勲章でプロポーズはないでしょ。
ニコルは「誤解させてしまったならごめんなさい。そういう気持ちはないの。いいお友達のままでいたいの」と拒否する。失望でニコルの家を出て行くマーク。

後日、ニコルが「お店で見つけたの。好きだと思って。お詫びに」と袋を渡しに来るが、マークが拒んだためニコルは家の前に袋を置いて行く。
中に入っていたのはロバータに見せられた、SS将校の人形だった。
この時、マークの中で何かが壊れたように感じた。
デジャは「あなたを救えるのは私だけ。さあ薬を飲むのだ」とささやき、マークは1日1カプセルと言われてた薬を何錠も飲む。

デジャは「タイムマシーンを作るのだ」とマークに言い、マークは指示通りタイムマシーンを作り始め、出来上がったのは若干テイストが異なるデロリアン。
ニコルがSS将校マイヤーに銃撃される。みんなが助けるが、ニコルは死にそうだ。ホーギーはマイヤーを追って教会の塔へ登って行く。マイヤーに痛手を追わせたホーギーだったが、マイヤーがニコルから奪ったハイヒールを履いていたため、なんとか取り戻そうとトドメをさせないでいたら、反撃されてしまう。ついに絶体絶命か!?と思ったその時、タイムマシーンで空中にデジャが現れ、マークをタイムマシーンに乗せる。
マイヤーは塔から落ち、下にある柵に串刺しになるが、死なない。「過去に行くのよ」とデジャは時間をセットするが、ハイヒールを残して行けない、と抵抗するマーク。デジャは肘の上まである長い手袋をしていたが、その手袋が下がって模様(刺青)が見えた。その模様はナチスの印だったため、ホーギーはショックを受ける。デジャが「私はナチスのスパイだったの」とホーギーに言うとホーギーは「おまえが全ての原因だったのだ」とデジャを殺す。
タイムマシーンはセットされた時間になり、光を放ってデロリアンのよう光の軌跡を残して飛び去ると、その緑の軌跡が粉となりマイヤーとナチス兵に降り注ぎ、人形なのになぜかガイコツになってしまった。
瀕死のニコルは一命を取り留めた。

マークは薬を全て台所に流してしまった。
そしてロバータに「個展に自分も出る」と伝える。

裁判に出席し、自分の気持ちを述べるマーク。
「優秀なイラストレーターだったが、暴行を受けて文字も書けなくなり、記憶もなくなってしまった。
酒に酔ったこともあり、自分のとった行動は適切ではなかった。何も言わず立ち去るべきだった。
だが、なんの理由もなく暴行を受け、殺されかけた」
ここで、犯人たちの顔を見る。
前回と違って、犯人たちは自分のしたことの重大さを知り、2度と出られないことを悔やんでなのんか、涙ぐみ震えているようだった。
「判事がどんな量刑を言い渡すのかは知りません。でも、わかっていることは、彼らは2度とシャバに出られず、もう会うこともない、ということです」

被告たちの態度は前回の裁判とは結構異なっていたので、前回の被告たちはマークの思い込みというか幻覚たったのかも?と思った。
マークがうけた心の傷は人形たちのドンパチで表現されていたため、表面的には深刻なようには見えないのだが、かなり深刻な状態だったのだ。

裁判の後に、ニューヨークの個展に顔を出すマーク。
人形たちの写真が飾られ、お客さんがいる。
街の名前は「マーウェンコル」に変わっていた。
ニコルが現れたが、マークがいたため、入り口から中を見るだけで、マークには声をかけない。
マークはロバータに「スシでも食べに行かないか?」と誘うが「スシ、好きじゃないかもしれないし」と返すロバータに「試してみればいいよ」と言う。
ロバータはちょっと考えて「食べてみようかな」と返事をした。
会場を後にする二人。


デロリアンのパロディがちょっと嬉しい。
シームレスに現実の世界から人形の世界へと変わるのが見事だ。
いいおっさんのマークなのに、人形の世界と同じようにいきなりプロポーズしてしまったり、突飛な行動を取るところに心に負った傷の深さを感じる。
ロバータはマークの事が好きなはずなのに、最後拒絶するような事を言ったのは、なぜなんだろう?

新しくできた立川のキノシネマで見たが、デパートのワンフロアの劇場で、アップリンクとそっくりだった。
椅子が座りにくい。重みで倒れるリクライニングだけど、押して倒しても、ある程度体重がないと戻ってきてしまう。
戻る時にキシ、キシ、キシ、と音がして耳障りだし、結局リクライニングはしてない状態で見ることになり、倒してない新幹線の座席のような、座りにくさだった。
そして、会員になるにはスマホにアプリを入れないとならないのだが、インストールしても「繰り返し終了しています」となって起動せず、「会員にはなれません」と言われた…
レイトショーも設定されてないし、映画に1800円とか、ありえないんですけど。

評価:キノシネマ


 

ドラゴンクエスト YOUR STOЯY

監督:山崎貴(総監督)/八木竜一/花房真
脚本:山崎貴
原案:『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』
原作:堀井雄二
製作:藤村直人/依田謙一/守屋圭一郎/渋谷紀世子/川島啓太
音楽:すぎやまこういち
編集:八木竜一
制作会社:白組/ROBOT

声の出演
リュカ(リュカ・エル・ケル・グランバニア):佐藤健/大西利空(幼少時代)
ビアンカ(ビアンカ・サント・アルカパ):有村架純
フローラ / 占いババ:波瑠
ヘンリー:坂口健太郎/高月雪乃介(幼少時代)
アルス:内川蓮生
パパス:山田孝之
トム:田中美央           妖精:永宝千晶
ジャミ:佐々木一平         ゴンズ:関口晴雄
係員:栩原楽人           奴隷:中台あきお
オークキング:鰐渕将市       オーク:吹上タツヒロ
ホークマン:石井テルユキ      町人:桝太一
母親:内田敦子           サンチョ:ケンドーコバヤシ
プサン:安田顕           ブオーン:古田新太
ルドマン:松尾スズキ        スラりん:山寺宏一
ミルドラース:井浦新        マーサ:賀来千香子
ゲマ:吉田鋼太郎


「ドラゴンクエストV 天空の花嫁」が原作のドラクエの映画化。
公開1週目の平日レイトショー、ほぼ満席に近い天気の子と違い、270席くらいの劇場で、観客は15人くらい?
がら空きだわ…快適だけど。

ドラクエは6までプレイしていた。そして6の隠れラスボスに挑む前にデータが飛び、失意のあまりドラクエはやっていない。しかも、4と5、6がけっこうごっちゃになっている。
結構真剣にやってたんだけどな〜。ゲーム機を新しく購入しなくてはならないところで、その内買おうと思いつつ、そのままやらなくなってしまった。
プレステで、トルネコの不思議なダンジョンはやった気がする。
ゲームクリア後、城や自宅に戻るまでに「魔物を倒した勇者に対して、街の人はなんて言ってくれるんだろう?」と思い、全ての街に立ち寄り全員に話しまくって戻って来たりしていた。FFはクリア前と言うこと全然変わらなかったけど、ドラクエは何人かは「おめでとう!」と違うことを言ってくれる人がいた。

話はあまり覚えてないため、見ているうちに「そうだった、懐かしい…」と思うのをちょっと期待して見に行ったのだが、楽しむには時が経ちすぎた…
BGMはドラクエのメインテーマしか覚えてない。
地名も全く覚えてないし、説明も無くテロップも出ないので、どこだかよくわからない。
一番最初のスーパーファミコン版しかやってないので、その後に追加された魔法はわからないし。
ビアンカとのおばけ退治は全く覚えてないし、子供の頃会っていたっけ?山岳地帯で出会って仲間になったような気がしたのだが。

始まりは懐かしのドラクエ画面だけど、ファミコンちっく…
リュカ誕生→母マーサ誘拐
子供の頃にビアンカ、フローラに会う
ベビーパンサーを助け、ビアンカがゲレゲレと名付ける
までがファミコン画面のゲームのぶつ切りダイジェスト。
ドラクエやってなかったら、何のことかわからなそう…
その後もかなりダイジェスト。
世界観については全く説明なし、呪文は早口で魔法かどうかよくわからない。メラゾーマ、バギマあたりは聞き取れたけど、何やら魔法みたいなの使ってる?ドラクエだから呪文言っているよね?みたいな認識。
ドラクエやったことない人が見て、意味わかるんだろうか?

ちなみに、フローラとビアンカ、両方と結婚してみたはずだけど、あんまり覚えてない。
最初はビアンカと結婚した。
話の流れ的にもビアンカだろう、と思ったのと、フローラには父親がいたけど、ビアンカは自分が去ってしまったら一人になってしまうのだ…と、思ったからだ(確か)。

CGで気になったのが「手がでかい」。男はともかく、フローラやビアンカの手のひらは、顔のサイズに対してでかすぎて違和感があった。
キャラクターの顔の質感がソフビ人形みたい。
雪が降っているのにシーツのような服で寒くないのか…
ヘンリーは髪が緑で、ひげも緑だった。
それでも、CGはなかなかよくできていた。
アフレコではなく、最初に声を録音してからCGを作るプレスコだから、口の動きは合っていたらしいのだが、良く覚えてないのだった。







ネタバレのあらすじ








リュカは父親パパスとサンタローズに住んでいた。
旅立つ日、青年から「すてきなオーブを持っているね。見せてもらえないかな」と声をかけられる。
この青年は口元しか映らず、誰だか分からないのだが、これ、未来の自分でしょ?

ヘンリー王子が住む城を訪ねるパパスとリュカ。王子のおつきの者はカエル嫌いな兵士が一人、王様も全く出てこない。国の名前も言っていたかもしれないが、覚えられないし思い出せない。(ラインハットらしい)
一介の兵士?が国王からお呼びがかかるって、ちょっと違和感…と思ったけど、ゲームではパパスは王だったのね。ヘンリーは「ヘンリー王子さまと呼べ」と言ってたけど。
表にいたらヘンリー王子と一緒にリュカはゲマにさらわれ、助けに来たと思われる父親のパパスは殺される。
ゲームのドット絵だとさほどではないけど、目の前で炎に焼かれて絶命って、かなり残酷だよなぁ。

そのまま奴隷にされて10年間こき使われるが、その間、誰も王子を探そうとかないの?
死体のフリをして樽に入ってなんとか脱出。樽は干し草を積んだ馬車へ落ち、プサンという老人に助けてもらう。
なんとかヘンリーと一緒に戻ってくるが、父の今際の言葉「お母さんは生きているはずだ」が気になり、ヘンリーと別れて家に帰ってくると、地下室で父の日記を発見。
なんと、母親マーサは天空人だったというのだ。ゲマは魔界の扉を開けようとしていた。しかし、扉は天界人が呪文を唱えないと開かない。そのために天界人のマーサはさらわれたのだった。

サンチョが戻ってきて、再会を喜ぶ。
「天空の勇者だけが扱える天空の剣を使えば、魔界の扉を再び封じられるはずだ」
パパスは天空の勇者がリュカだと信じていたことを聞かされる。剣はサラボナのルドマンという商人が手に入れたと伝え聞いたので、試しに行ってこい、と言われる。
そこまでは魔物がいるところを通って行かねばならない。最初はしり込みするリュカだったが、剣を求めて旅立つ。
「魔物がいるから行きたくない」とは、勇者らしからぬ発言だ…

遠くからリュカの様子を見ているスライムがいた。いつでもついてくるので「一緒に来るか?」と聞くと仲間になり、スラりんと名付ける。
メタルスライムに攻撃して逃げられ、キングスライムに押しつぶされたり…そしてキラーパンサーが現れ、逃げると追いかけてきたが、襲うでもなく並走するのを見て「ゲレゲレか!?」
あっさりゲレゲレも旅の仲間になった。

魔物を倒しつつ、サラボナへ向かう。サラボナはブオーンという魔物に支配されており、困ったルドマンは「ブオーンを倒したものは娘婿となり、ルドマン家の後継者とする」とふれを出すが、ブオーンに挑んで戻ってきたものはいなかった。
ルドマンの娘フローラは「こんな形で自分の夫が決まるのはいや」と言い、挑戦者に断ると出ていくと、そこにいたのはリュカだった。「生きていたんですね」と再会を喜ぶフローラ。「結婚は断る」と言っていたがリュカなら話は別、という態度だが、リュカは「自信ないからブオーン退治は断るつもり」と言う。天空の剣を試させてもらって帰ろうと、しまってある部屋の扉を開けると、部屋ごとなくなってブオーンに奪われてしまっていた。
この辺の反応が「今時の若者?」って感じ。

意図せずブオーンのねぐらに飛び込んでしまい、ブオーンと闘うが、やられて宿屋兼バーに戻り「誰か、薬草を…」と頼む。「お化け退治の時からはすこし逞しくなった?」と言いながら薬草をくれた人がいた。さらに自分の子供のころの話をする。ゲレゲレはその人にすりすりし、リュカが「どうして知っているの?」と尋ねると、それは子供のころに一緒にゲレゲレを助けたビアンカだった。
「ブオーンを退治してフローラに結婚を申し込む」というリュカに「金に目が眩んだんじゃないの?」とからかうビアンカ。

ビアンカと一緒にブオーン退治に向かう。こっそり天空の剣だけ奪って来ようとしたが、ブオーンにみつかってしまう。リュカがブオーンの気をそらしている間に天空の剣を奪い、リュカに剣を投げて渡す。剣を抜いてこれでとどめが…と思ったら、剣が抜けない!
ここのリュカとビアンカのやりとりをおとなしく聞いているブオーン。親切だな〜
話がひと段落したところで、ブオーンがリュカを襲い、リュカはブオーンの額にある3つ目が弱点であることに気づき、そこを狙う。
「目を刺されて死ぬか、服従を誓うか?」とブオーンに迫ると「死にたくない…」と、ブオーンは仲間になった。

ブオーンを退治したので、リュカはフローラにプロポーズする。ビアンカが心配してついてきて、「ほら、しっかりしなさいよ!」と突き飛ばされてフローラの前に出て「結婚してください!」とようやく言えたが、リュカに背を向けたビアンカの顔は悲しげ。
ここで、フローラが「クエストを終わらせたんですね」みたいな言い方をしていた。ちょっと「?」と思ったんだよな…

その夜、宿屋のバーで祝杯をあげ酔っぱらうビアンカ。リュカが宿屋に戻ってくると「勇者様…じゃなかったけど、英雄だ」とやけに絡んでくる。リュカは「疲れているから」と部屋に入ろうとすると、隣の部屋から魔女のような帽子をかぶったおばあさんが出てきて、「結婚に迷ってないか?」とやたらしつこく聞くが、リュカは「迷いはない」と答える。「自分の本当の気持ちに気づく薬」という小瓶を無理やり渡すおばあさん。ベッドに横になるが眠れなかったリュカは、その薬を飲んでみる。すると、自分がブロックに分解されるような感じになり、「じこあんじ」とかかれたプレートが現れる。そのプレートをくぐり目がさめ部屋から出ると、ビアンカは酔いつぶれてテールブにつっぷしていた。

翌日、リュカはルドマンに「フローラとは結婚できない」と伝える。ルドマンは「本当の気持ちに気づいたから」というリュカの気持ちを受け入れることになるが、「フローラになんて言えばいいんだ。わしの逆鱗に触れたことにしよう。天空の勇者をこれからも探すのだろう?だったら剣は持って行け」と言う。
「フローラと結婚するのはやめてきた」とビアンカに言うと「はぁ?大富豪になれるチャンスなのに?」と言われるが「本当の気持ちに気づいたんだ。背中を任せられるのはビアンカだけだ。なんでも話し合える関係の人がいい」とビアンカにプロポーズするリュカ。ビアンカは涙を浮かべ「私でいいの?」とあっさり受け入れる。
昨夜のおばあさんがこっそり宿屋を出て行き、人気のないところでフローラに戻る。フローラは「リュカの本当の気持ちに気づいていた」というが、どこで?全然感じられなかったですけど。すごいダイジェストっていうか、あらすじを箇条書きレベルに端折ってないか?
背中を任せられるって、一緒にやったことって、ブオーンを二手に分かれて一緒に倒しただけだよね?それとも子供の頃の時のことを言っているのか?

時が流れ、リュカとビアンカの間に男の子が生まれ、アルスと名付けられる。
ゲマが襲って来て、地下室から馬車で逃げるが、サンチョにアルスを託してリュカとビアンカは魔物たちに向かって行く。ゲマがビアンカを捉え瞳を覗き込み「これは…なんといい贈り物でしょう」とリュカに言い、リュカはゲマの魔法で石にされてしまう。

ゲマはビアンカの顔を覗き込み「天空人がいたとは…」という。ビアンカは「こんな瞳の色の天空人などいない」というが、ゲマが魔法でビアンカの瞳を青からブラウンに戻す。
ゲマは捉えていたマーサの元へビアンカを連れて来て「天空人は心で会話できると聞く。魔界の門を開く呪文を聞き出すのだ」と命じた。
ビアンカはマーサとテレパシーで会話をし、リュカの妻となったことを伝える。マーサはそのことを喜ぶが、呪文を教えることはなく、また心を閉ざしてしまう。
呪文を聞き出すことに失敗したゲマは、怒ってビアンカを石に変えてしまった。
マーサの声が「賀来千香子」なんだよなぁ…

時が流れ、苔むして来るリュカの石像。
そこへ一つ目の魔物(ギガンテス?)に襲われながら戦う男の子がやって来る。やられそうになりながら、光る石がついた杖を石像に投げると、魔法が溶けてリュカが元の姿に戻る。このアイテム何?説明全くないんですけど。
剣を飛ばされやられそうになった男の子に「これを使え」と剣を掴んで投げるが、それが天空の剣であったことに気がつき、「だめだ、それは…」と言いかけるが、男の子が剣を手にするとロックのようなものが外れ、剣は鞘から抜かれてものすごい威力を発揮した。跡形もなく消えた仲間を見て、魔物は逃げ去っていった。

サンチョがやって来て、再会を喜ぶ。「おまえ、年取ったな」「8年も石像にされていたんですから」と言うサンチョ。さっきの男の子が自分の息子アルスであることを知り、我が子が勇者であったことがわかる。
8年の間に魔界の門はさらに広がっており、アルスとサンチョと一緒に、マーサとビアンカを助けにゲマの城へ向かおうとするが、何しろ空に浮いているので、どうやってあそこまで行くんだ?と話していたら「ゲマの城の城下に人間に化けているマスタードラゴンが住んでいるはずだから、助けを求めてみたら?」と言われる(誰に言われたかは忘れた)。
マスタードラゴンって、何だっけ?全然覚えてないので、一体何のこっちゃ?だった。

ゲマの城の城下で、マスタードラゴンについて訪ねるために適当に選んだ家に入ったら、かつて逃げ出した時に助けてくれたプサンの家だった。「人に化けてるマスタードラゴンがいるって聞いたんだけど知らない?」と聞いたら「わかってて言ってるんだよね?」「?」
なんとプサンがマスタードラゴンだった。「助けてあげたいけど…ドラゴンオーブをなくしちゃって、竜に戻れないのだ」というプサン。
「そういえば…」と子供の頃からもっていたドラゴンオープをプサンに見せると、「これは偽物だ」という。「そうだ、妖精に助けを求めてみたら!」

妖精の住む場所へ向かうが、そこへの道はロボットが守っており、自分の力だけでたどり着いたものにしか、妖精は手助けをしないという。
妖精の栖を守るロボット…リュカも言っていたがすごいミスマッチ。

入り口は宙にういた祠のようなところで、距離がありすぎジャンプしても届かない。スラりんはむりやりくっついて来たのだったが、ロボットが放った矢をスラりんがくわえ、びろーんと伸びた体に捕まって矢とともに入口へと飛んでいき、妖精の世界に落ちるリュカ。
妖精に「マーサとビアンカを助けて魔界の門を封じてほしい」と頼むが、妖精は「直接的な手助けはできない。私ができるのはあなたを過去に戻してあげることだけ。いいですね?やることはわかっていますね?」
過去に戻り、幼い頃の自分と会うリュカ。「すてきなオーブ持っているね。ちょっと見せてくれない?」と話しかけるが、リュカはなかなかしっかりしていてなかなかオーブを見せてくれない。しかし、「悪い人じゃないみたいだから見せてあげるよ」とオーブを渡してくれた。素早く偽物とすり替える。「何でも言い合える関係の人と、いっしょになるのがいいよ」この言葉は、この時未来の自分から過去の自分へと言った言葉だった。

無事にドラゴンオーブを手に入れ、竜になったプサンに乗ってゲマの城へと乗り込んで行くリュカたち。劣勢になったところで空飛ぶ船が現れ、城に突っ込んで来て、「ピンチになったら呼べといっただろ!」と、ヘンリー王子が出て来る。
アルスは杖でビアンカを石像から元の姿に戻す。8年ぶりの感動の親子の再会を果たすが、8年の間に力を蓄えていたゲマは、マーサの結界を破壊し、マーサは死んでしまう。
マーサはやっぱり「賀来千香子」だった。

アルスが天空の剣でゲマに致命傷を与え、ポリゴンのような姿で頭と手だけの姿になるが、マーサの死体を抱き上げ体内に手を突き立て転句の呪文を手に入れて唱える。結構チープな呪文だった…魔界の扉が開いて行く。
ゲマは「ミルドラース様…」と崇めているが「天空の勇者が天空の剣を扉に投げ入れれば、封印できる!」と、アルスが剣を投げ入れると…
天の扉からブロックの塊のような稲妻のようなものが落ちて来て、世界が動きを止め、音がなくなる。
動けるのはリュカだけ。
扉からマッピングは剥がれたような仮面をつけた宇宙人のような男が現れる。
「お前がミルドラースか!」という問いに「そうとも言えるしそうじゃないとも言える」と答える。「マッピング除去、重力消去…」周りのものが全て白い模型のようになり、重力がなくなって人物は宙に浮いて行って、世界が崩壊していく。

この世界はドラクエプレイヤーが体験している最新型のバーチャルリアリティの世界で、仮面の男はウイルスだった。どうせ現実の世界へ戻るのだ、大人になれよ、とウイルスの男はドラクエの世界を破壊していく。

スラりんが現れリュカを防御する。スラりんはこの世界を監視するアンチウィルスプログラムだったのだ。スラりんの後ろ側からから剣(これはロトの剣らしいが、デザインなんかもちろん覚えているわけがない)が現れる。剣を抜き出しミルドラースを刺すリュカ。山ちゃん、セリフはこのシーンだけだった。

ゲームを始めた時のことを思い出す。
「ゲーム中は一時的に現実世界の記憶はなくなります」
「毎回ビアンカを選んでるから、今回はフローラにします!忘れないようにしなくちゃ」
「マインドプロテクトがセットされちゃいましたね、解除しますか?」
「いえ、そのままで、あと、ロボットと戦いたいです」
「ではオプション2つ追加で、子供時代はスキップ、名前は何にしますか?」
「リュカで!」
「では、楽しんで来てください」
ウイルスは倒され、ドラクエの世界に戻るリュカ。ゲマが倒され、魔界の扉が閉じたところだった。
ヘンリーは来た時と同じく、空飛ぶ船に乗って帰っていったが、「空を飛ぶ動力」は、ブオーンが担ぐ、だった。

リュカはビアンカ、アルス、サンチョたちと故郷へと戻っていく。
サンタローズが見渡せる丘で、ビアンカと仲良く?言い合いをしている。
空には花火が上がり、リュカはたとえこの後現実の世界に戻るとしても、ドラクエ世界も自分にとってはリアルだ。
そしてあの、ドラゴンクエストのテーマ曲とともに「continue to your story」の文字が現れる。

ラストは、はぁぁぁぁ〜〜〜〜?
こういう結末???
と開いた口が塞がらなかった。
「大人になれ」は、天気の子でも出て来たセリフ。ここでもかよ…と、思った。
どう評価すればいいのだ。

エンドロールは、フィギュアを撮影しているような、キャラクターは動かず回り込んで行くカットがちょっと面白かった。

ところで、こんなブログが。
http://paperview.hateblo.jp/entry/2019/08/05/215628
この映画の目指すところは、「映画を見た人にドラクエVをプレイさせること」だというのだ。
たしかに、ラストの「continue to your story」はそうとも取れる。
そういう気持ちにちょっとなったけど…結末を見るまでは。
全然話を覚えてないけど、確かビアンカと結婚してもフローラと結婚しても「なるほどなぁ…」という理由で天空の血を引く息子が生まれたはず。
石になったところは結構衝撃を受けた記憶がある。
しかし、スーパーファミコン本体がみつからない。どこにしまったのか、数年前から出てこないのだ。
あってもコードとの接触が悪く、畳の上に置いて周りを歩いたりした衝撃でデータが消えたので、また消えてショックをうけるかなぁ。
カセットは友人に貸したら長らく返ってこなかったが、片付けの時に奥さんが発掘して「返してらっしゃい!!」と怒られて返却してくれたのだった。
CGがきれいだったので、少しおまけ。

評価:1f


 

ライオン・キング【極上音響上映】

監督:ジョン・ファヴロー
原作:『ライオン・キング』
音楽:ハンス・ジマー
製作会社:ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ/フェアビュー・エンターテイメント

シンバ:ドナルド・グローヴァー/賀来賢人
幼いシンバ:JD・マックラリー/熊谷俊輝
ナラ:ビヨンセ・ノウルズ=カーター/門山葉子
幼いナラ:シャハディ・ライト・ジョセフ/小林星蘭
ムファサ:ジェームズ・アール・ジョーンズ/大和田伸也
スカー:キウェテル・イジョフォー/江口洋介
ティモン:ビリー・アイクナー/ミキ・亜生
プンバァ:セス・ローゲン/佐藤二朗
サラビ:アルフレ・ウッダード/駒塚由衣
ラフィキ:ジョン・カニ/駒谷昌男
ザズー:ジョン・オリバー/根本泰彦
サフィナ:ペニー・ジョンソン・ジェラルド/伊沢磨紀
シェンジ:フローレンス・カサンバ/沢城みゆき
アジジ:エリック・アンドレ/白熊寛嗣
カマリ:キーガン=マイケル・キー/加瀬康之

ディズニーが「超実写版」とうたう、1994年に公開されたセルアニメ「ライオン・キング」のフルCG(冒頭のシーンを除く)のリメイク作品。
当時、セルアニメで遠くの引きの画面から、シンバが掲げられる岩の上のシーンまで1カットで切り替えなしにズームインして行くのをみて、「どうやって撮ってるの?全部ズームイン?」とアニメの撮影技師に聞いたら「あれだけのサイズを1カットでズームインするのに、どんだけ広くて高さがあるスタジオが必要なんだ、CGだよ」と言われたのを思い出す…ピノキオの例もあるし、ディズニーならなんだってありなのかも、と思ったのだった。

映像は本当に実写と思えるほど、すごくよくできている。
冒頭の夕日のカットは実写だそうだが、飛び立つ鳥の群れ、草に登る昆虫たち、この広大な世界、全部モデリングしてマッピングして作ってるんだよね?
これで人間が出て来たら、俳優いらないかも…と思うほどだ。
しかし、「本物の動物」なのでデフォルメできず、歌うところは慣れるまで違和感を感じる。
また、子供のシンバとナラは見分けがつきにくい。セルアニメだと顔立ち、体の色などで区別させることができるが、リアルな映像だと子供はオスメスの区別があまりない。ハイエナはもともとブサイク?な顔立ちだがリアルだと全然かわいくない。
そして、セルアニメだと「物語」として捉えられても、実際のサバンナの弱肉強食の世界に照らし合わせると、それってあり得るの?という点が気になってしまう。

あの広大な敷地にライオンが1ファミリーしか存在しない、というのはあり得ないのでは?
ライオンは普通、1度に複数の子供を産むはずだが、ムファサとサラビにはシンバ1頭しか子供がいない
ライオンはメスが狩りをするはずだが、なぜハイエナの残りを食べることに甘んじているのか
ムファサにその他の動物たちがひれ伏しているが、ライオンたちが狩って食べる動物たちはどうやって決めているのだ?(シンバはプンバァに「シマウマその他を食べる」と言っていた)
プンバァたちと出会ってから、シンバのタンパク源は昆虫となったようだが、あの体を虫だけで支えていけるのか?どんだけ巨大な虫なんだ…
あと、生殖器がなかった。動物は犬でも馬でも、少なくともオスはついてるのが見えるが、まったく見えなかった。

今回もザズーがいい味出していた。しかし本当の鳥になったので、リアルに襲われそうだった。
大人になったナラの声はビヨンセだが、うまいのか下手なのかはよくわからなかった。しかし、歌い方はビヨンセだけ他の人とちょっと違う感じがした。


ネタバレのあらすじ

プライドランドの王、ライオンのムファサの息子シンバのお披露目の日、ムファサの弟スカーは式典に来なかった。ムファサは「スカーは王族の一員なのだから堂々と参加すべきだ」と咎めるが「シンバが生まれるまではそうだった」とスカーは言う。弟に生まれたことを不公平だ、と感じていたのだ。
ムファサはシンバにプライドランドを見せ、「この日が当たる場所をいずれお前が治めるのだ」と言い、影の地には近づかないように忠告する。
シンバはスカーに「ぼくがいずれ王になるんだ。そうしたらおじさんに何を命令しようかな」と無邪気に余計なことを言う。スカーは「影の地は別にたいした所じゃない。象の墓場でみんなが行く場所だ。おっと、うっかり口を滑らせてしまった。絶対行くんじゃないぞ」と言い、シンバは幼馴染のナラと一緒に内緒で行ってしまう。
水飲み場で歌いながらいろんな動物が近寄って来るが、全て子供の動物たち。そこで御目付としてついて来たザズーをうまくまいた。

影の土地はメスのシェンジが率いるハイエナの縄張りで、シンバたちはハイエナに囲まれ襲われてしまう。ムファサが現れシンバたちを助け、「私が王でいる間は手出しをさせない」とハイエナに言う。
ムファサの足跡の上にシンバは足をのせるが、肉球の穴にすっぽり入ってしまう自分の前足をみて、父のと違いを見せつけられる。
シンバは言いつけを守らずに影の地へ来た理由を「勇敢なことを認めてもらいたかった」とムファサに言うが、ムファサは「自分も恐れることはある。さっきはお前を失うかもしれないと思って怖かった。怖くなった時は空を見上げるのだ。歴代の王がお前を見守っている」と話す。

スカーはハイエナに襲わせるために象の墓場へシンバをやったのに、ハイエナたちが仕留められなかったため、今度はムファサを殺そうと企む。
シンバを枯れた渓谷へ連れ出し「王たちはここで吠える練習をするのだ。(吠えて見せて)よく響くだろう?お前もここで吠える練習をするがいい」と言う。シンバが吠えてみるとあたりから地震のよう地面が震え、小石が降ってきて、暴走したヌーの群れが上から突進して来る、シンバは慌てて枯れ木によじ登るが、ヌーがぶつかってくるので落ちそうになる。

爆音じゃなかったけど、ここは地響きがした…

スカーはムファサに「ヌーが暴走してシンバが危ない」と告げると、ムファサは渓谷へ飛んで行く。
ザズーがシンバを見つけ「がんばれ」と励ます。
ムファサが到着し、シンバを助けようとヌーの群れの中に飛び込む。シンバを咥えて岩壁にあげ、自分も登ろうとするが、足場が悪くてずり落ちてしまう。なんとか上がって行くとスカーが現れた。「助けてくれ」というムファサにスカーはムファサの前足に爪を立て、下へとはたき落とす。
離れた岩壁の上から落ちて行くムファサを見るシンバ。
ヌーの群れが去った後には、ムファサの死体が残された。

このヌーの群れは一体何千頭いるのだ?と言うくらいものすごく長く次から次へと走って来るのだった。

「ムファサが死んだのはおまえのせいだ。お前が王を殺したんだ。お前は王になる資格はない。出て行け。そして2度と戻って来るな」
スカーにこう言われ、走り出すシンバ。
スカーはハイエナたちに「殺せ」と命じるとハイエナが後を追う。
崖から転げ落ちたシンバを見てシェンジが「トドメを刺してきな」と命令するが「この崖の下に落ちて助かるとは思えないから、死んだ、って言おう」とハイエナたちは去って行く。

プライドランドではムファサとシンバの死の知らせで、スカーが王となることになった。王国を収めるのは重責だ、助けがいる、とスカーは言い、ハイエナを優遇すると告げられるライオンたち。
スカーはムファサの妻だったサラビに自分の王妃となれ、と言うがサラビは拒否する。「自分に従わないのならば、食事はハイエナの残り物だけだ。ハイエナの食欲は底なしだ…残っているものがあればいいが」とスカーは言った。
メスライオンたちは事態を打開したいと思いつつ、後継者となる成獣のオスがいないため、あきらめていた。
実際はあぶれたオスがスカーを倒せば、新しい群れのリーダーとなるはずだよね…

シンバは力尽きて倒れ、ハゲワシの群れに襲われそうになったところをイボイノシシのプンバァとミーアキャットのティモンに助けられる。自分のしたことを思って落ち込んでいるシンバに、プンバァとティモンは「ハクナ・マタタ」の歌を歌って励ます。

砂漠を歩き乾いた大地に倒れていたから、死にそうなのかと思いきや、普通にしゃべれて意外にピンピンしていた。

プンバァとティモンが暮らしているジャングルで、シンバも一緒に暮らすことにした。ここでは弱肉強食ではなく、肉食獣も虫を食べて暮らしているんだ、とティモンが言い、木を割くと中には幼虫がたくさんいた。丸々と太った蝶の幼虫のような虫を捕まえ「クリーミーでうまい」とシンバに進めるティモン。
最初は尻込みしていたが、食べて見ると「クリーミーで美味しい」とシンバ。

この虫たちもかなりリアルで、芋虫はでかくてちょっと気持ち悪かった…
(アゲハの幼虫くらいなら触れるけど)
セルアニメ同様、歌いながら時が流れ、シンバは大人のライオンになった。
「ハクナ・マタタ」でどうでもいい日々を過ごしていたが、仲間たちは「成獣のライオン」の視線が怖く思う時もあり…
シンバのたてがみがひと房、風に乗って舞い上がって行く。鳥が咥えて巣に運び、舞い上がったのを他の鳥がつまんで木の上に置かれたのをキリンが食べ、フンとなって落ちるとフンコロガシが転がし、ふんが割れて砂にまみれ、蟻が運んでいるところをヒヒのラフィキが拾う。
ラフィキはシンバが生きていることを確信する。

一本ずつ抜けるならともかく、房となって抜け落ちるとなると、皮膚ごと剥がれたとしか思えないのだが…ここのカット結構長くて、あれだけ変遷を辿れば匂いなどなくなっていると思うのに、なぜシンバの毛だとわかったんだろう…
フンコロガシとか、すごくよく作られてた。子供のシンバが追いかけていたカブトムシもそうだったけど、飛んで着地して、羽が全て畳まれずに少し飛び出てるところとか、すごくよく出来ている。

プライドランドはスカーのせいでハイエナが幅を利かし、他の動物たちは十分な餌が得られないようになっていた。ナラはこっそり群れを抜け出そうとするが、スカーに匂いと気配を嗅ぎつけられそうになった。ザズーがスカーに話しかけたりして気をそらし、ナラはプライドランドを離れる。

ある時ジャングルにメスライオンが現れ、仲間の草食動物が襲われそうになる。シンバが現れて助けるが、メスライオンはナラだった。
再開を喜ぶ二人。ここで「愛を感じて」の曲の前に、何かのパロディっぽくティモンたちが歌ったんだけど、あれは何のパロディだったんだろう?シンデレラとか眠れる森の美女とか、王子様との何かの歌だと思うんだけど。

ナラはスカーのやりかたがひどいことを話し、助け手を探してやってきた、一緒にプライドランドへ帰ろう、と言うが、シンバは「帰れない、僕はもうここで暮らすんだ」と拒否する。ナラは一人で旅立った。
ラフィキがやってきてシンバに「ムファサに会わせてやるからついて来い」と言う。
ジャングルを抜けて水辺へ来るシンバ。
水面に自分の姿が映る。
たしかセルアニメは映った姿がムファサになっていた気がするのだが…公開当時見て以来、テレビで1回くらいは見たっけ?な感じなのでよく覚えてない。
さすがにリアルさを追求しているため、自分の姿がムファサにはならなかった。
同じような見た目だから、なってもわからないと思う。
そのかわり沸き立つ雲の中からムファサの声が聞こえた。
「おまえは何者なのか、思い出せ」
この雲もハムナプトラのようにムファサの形になることもなく、単なる沸き立つ雲だった。

ナラを追いかけ、一緒にプライドランドへ戻るシンバ。プンバァとティモンも後を追う。
入り口となる場所でハイエナたちが見張っていたので、プンバァとティモンが囮となって気を引き、その好きにシンバとナラが潜入することにした。
ハイエナの前に出たプンバァとティモン、美女と野獣の「Be Our Guest」のパロディを歌い「Be…Our…」で「Guest」と言う前にハイエナから追いかけられる。
ラフィキは自分の住処に戻り、しまってあった杖を取り出す。
スカーがサラビに「王妃とならないのであれば追い出す」と言い、サラビはスカーに飛びかかり、取っ組み合いになる。
「やめろ!」とシンバが現れる。
シンバが生きていたことに喜ぶサラビ。
シンバはスカーに「僕が王だ」と言うと「ハイエナにそそのかされたんだ。悪いのはハイエナだ」と言い訳をする。やってきたハイエナたちがその言葉を聞いていた。スカーは「お前には後ろめたいことがあるだろう?ムファサを殺したのは誰だ?」と攻め寄る。「あれは事故だったんだ」と言い訳するが「自分のせいでムファサは死んだ」ということを皆の前で認めるシンバ。
雷が落ち、岩の下の枯れ草に火がつく。
スカーは「おまえは親殺しだ」と岩の先端に追い詰め、シンバは足を踏み外して前足で岩に掴まってぶら下がる。「この光景は前にも見たな。俺がムファサを追い詰めた時、ムファサの瞳には恐怖が現れていた」スカーが言うとシンバは父親が死んだ時のことを思い出し、スカーに掴みかかり、二匹の乱闘になった。
メスライオンたちはシンバにつくことを選び、ハイエナと戦って撃退する。
ラフィキも杖で戦い、プンバァとティモンもプンバァの牙でハイエナを刺して吹っ飛ばす。
シンバは死闘の結果、スカーをねじ伏せた。スカーは「助けてくれ、年老いた叔父を殺せるのか?何でもする。何でも言ってくれ」と命乞いをするがシンバは「消え失せろ。2度と戻って来るな」とかつて言われたセリフをスカーに返す。スカーは立ち去るふりをしてその辺で燃えていた炎をシンバの顔に食らわせた。怯むシンバにスカーは襲いかかったが、スカーはシンバによって岩の下に落とされた。
岩の下ではハイエナがスカーに寄って来る「もう一度形成を立て直すんだ」というスカーにハイエナたちは「あんたは1つだけ正しいことを言ったよ。ハイエナの食欲は底なしだってこと」スカーはハイエナに襲われた。

雲が湧き雨が降って、火は収まった。
シンバはプライドランドの新たな王となった。ナラとの間に子供が生まれ、ラフィキが子供を抱き上げ動物たちにお披露目をする。

エンドロールで、キャストの一番最初に出て来たのはスカーだった。
シンバは割と下の方だった気がする。ビヨンセの上あたり。

アニメ版とストーリーはあまり変わってない感じ。
映像はものすごく変わったけど…
リアルすぎてドキュメントを見ているようだけど、実際とは異なる行動をしたりするところがなんか変、と感じる。
音の調整は低音重視タイプ、ヌーの群れと雷、ライオンの雄叫びはちょっと爆音だった。

それにしても、静かなシーンになった時に、わざわざポップコーン食べるやつ、なんとかして欲しい。うるせーんだよ

評価:2c


 

ダンスウィズミー

原作・監督・脚本:矢口史靖
音楽:Gentle Forest Jazz Band/野村卓史
振付:Q-TARO/EBATO(電撃チョモランマ隊)

出演
鈴木静香:三吉彩花
斎藤千絵:やしろ優
山本洋子:chay
村上涼介:三浦貴大
渡辺義雄:ムロツヨシ
マーチン上田:宝田明

「ミュージカルを実生活でやったら、挙動不審者になるでしょ?それを実際やってみた。やりすぎちゃいましたけど」(監督談)
という、実生活でいきなり歌って踊るを実践した?映画。

流れる曲が「 Tonight (星の降る夜に)」「狙いうち」「夢の中へ」「年下の男の子」「ウエディング・ベル」「タイムマシンにおねがい」となんだか懐メロばっかりなんですけど。
主人公の鈴木静香は冷めてやや冷静なのに、曲がかかると突然歌い出しミュージカルする様にものすごくギャップがあり笑える。さらに催眠術にかけられているとはいえ、監督が「やりすぎた」と言うのもなるほど…と思うくらい、ハチャメチャな行動を取る。
現実的ではない、ぶっ飛んだところが多々あるが、えーそれやるか!!と何も考えずに笑えるコメディ作品だった。




ネタバレのあらすじ








鈴木静香は丸の内の一流企業に努めるOL。子供の頃からの努力で良い大学、良い就職先、高層マンションにオシャレに暮らしている勝ち組だったが、地方出身で若干無理して周りに合わせているところがあった。

昼食に安くはないだろうと思われるフレンチだかイタリアンだかのお店で、たいして食べていないのに「私もうお腹いっぱい」「私も」とかいう同僚。
あんたたち本当にお腹いっぱいと思ってんの?(と、静香も思っていただろう)
昼食から戻ると、ビルの入り口でヒールで遊園地の招待券を踏み抜き、はまってしまったのを取ろうとしてモタモタしていたら、部長に捕まってしまう。
「月曜までにコンペ用の資料を作成してもらえないかな」と頼まれ、一緒にいた村上にも「頼むよ」と笑顔で言われたために「なんとかします」と引き受けてしまう。
職場のイケメンエース?デジタルマーケティング部の村上は、女性社員の憧れだったが、最近やめた社員の穴埋めに誰かを探している、という噂だった。

姉が「同窓会で上京するから、同窓会の間、娘の面倒を見て欲しい。両親は旅行でいないから」と連絡が入り、日曜に姉と姪がやって来る。
姉はブランド品のバックが棚にならんだおしゃれな部屋を見て、「いいわね〜丸の内のOLは。このバック借りてくから」
静香はコンペの資料をなんとか終わらせ、上村に送信したあと、拾った遊園地の招待券のことを思い出し、姪と一緒に「フォーチュンランド」に行ってみることにした。行きのバスで姪が「学芸会でミュージカルをやる」と言うので、「まだやってるんだ。(同じ小学校だった)私もやらされたよ。ミュージカルなんて、さっきまで普通に喋っていた人が急に歌い出したりしてさ、そんなのおかしな人でしょ、医者に見てもらったほうがいいよ。ばっかみたい!ミュージカルなんて大嫌い!」と言ってしまう。
フォーチュンランドは、入るのはタダでもその他のアトラクション(と言うよりはテキ屋っぽいお店が並んでいた)には全てお金がかかり、全体的にぼってる印象の遊園地だった。
奥の方に「催眠術」と掲げられた小屋があり、姪が入るというので入場料の500円を入れて一緒に入っていくと、先客がいた。
「私、タマネギ農家に嫁いだんですけど、玉ねぎが苦手で…」
催眠術をかけられると、玉ねぎを丸ごとかじって「おいしい!ありがとうございます!これで姑にいびられなくて済みます。500円では安すぎます」と、5千円を箱に入れて去っていくのを目を丸くして見る。
静香たちの番になり、初めての人には、とおもちゃの指輪を渡させる。「あなたのオーラが色でわかるんです。いつもは1つ2000円なんですけど、今日は2つで3000円にしときますよ」
「高っ」と静香は思う。
「ほ〜ら、あたなはもう催眠の入り口まで来ていますよ。その証拠に、指輪が取れないでしょう」
「本当だ!取れない!」と姪は言うが、指輪の裏側には接着剤が塗ってあるようだ。
「今日はどんな催眠をお望みですか?」
姪はミュージカルが上手くなりたい、学芸会でみんなから遅れているから、と言うので、回転する丸い柄を見せられ(これは手動で回していた)「中心をよーく見てください。あなたは明日からミュージカルスターになった気分です」
「なぜ、明日から…?」と思いながら姪に魅せられた回転盤を一緒に見る静香。
「あなたは音楽が聞こえたら歌わずにはいられない、踊らずにはいられない…ワン、ツー、スリー!」
その瞬間、スマホが鳴る。上村からの返信だった。資料がよくできていたから、月曜の会議に出席してくれ、と留守電が入っていた。嬉しさのあまり、メッセージを保存する静香。

月曜日、イヤホンで音楽を聴きながらマンションのロビーに降りると音楽に合わせて歌って踊りだす静香。くるくる回ってフレアースカートが広がる。清掃のモップをギターのようにかかえて踊りまくっているが、はたからみると音楽は聞こえないため、一人おかしく踊っている人になっていた。マンションから出て車道に飛び出し、そこで曲が終わってポーズをとると、バスがやってきて目の前で止まった。
「音楽がなると歌わずにはいられない、踊らずにはいられない」この言葉を思い出し道路に倒れ込んでやや呆然としていると「お客さん乗るんですか」と言われてあわててバスに乗る。

会社につくと上村が呼びに来て、同僚たちが「なんで?」という羨ましそうな顔をする。
コンペでは上村が説明するが、重役たちの食いつきが良くない。そこで「こんな音楽を流そうと思ってるんです」とPCで曲を再生。静香は慌てて耳を塞ぐが体が勝手に反応し、立ち上がって歌って踊り出してしまう。「♪パッパラッパ〜、パッパディ〜ヤ〜」会議室から出て会社の机の上に乗って歌って踊ると、シュレッダーの紙吹雪が舞い、社員たちもみんな一緒に踊り出す。
会議室の中の人は、ガラス越しに静香の歌い踊る様子を驚いて見ている。
と、思ったのは幻想で、我に帰ると散らばるシュレッダーの紙ゴミ、机の上でポーズを取っている静香を見る同僚の冷たい目…
いたたまれなくなった静香は、カバンと上着を持って会社を飛び出す。

音が鳴らなくなると我に返って歌い踊るのをやめるのだが、会議室から出たら音聞こえなくなってないの?

静香は催眠が専門のクリニックへ行くが、医師は「催眠術といっても、そんな強力なものはかけられないですよ」と静香の話を信じない。静香のカバンのスマホがなり、慌てて止めようとするが間に合わず、着信音に合わせて歌い踊る静香。その様子を見て医師は「すぐに精密検査しましょう」とMRIなど色々な検査をするが、悪いところは見つからない。
「これだけ強い暗示だと、かけた本人しか解けないかもしれないですねぇ。そもそも、催眠術というのはその気がなければかからないものなんです。あなた、ミュージカルしてみたかったんじゃないですか?」

医師の言葉に静香は学芸会でのことを思い出す。なんでもうまくできていた静香。カラオケでも人気者で、学芸会のミュージカルの主役に多数決で選出される。しかし本番の舞台では冷や汗を流し、出番が来たところで吐いてしまったのだ。
夕食時に親や姉に慰められたが、テレビではマーチン上田の催眠術ショーが流れていた。

フォーチュンランドへ行くと催眠術の小屋の前には取り立て屋が3人いて、マーチン上田は夜逃げした後だった。鍵を開けてもらい中へ入ると、静香のもらった?買った?指輪は駄菓子屋にぶら下がっているようなパッケージに入っていて「¥50」と書かれていた。そこへ静香たちの前にいた、催眠術をかけられた客がやってくるが、彼女は実は客ではなくサクラだった。静香は「だました」と非難するが「詐欺じゃないんだから。エンターテイメントなんだから。演出よ」と斎藤千絵に言い返される。フォーチュンランドの人に「ちゃんとお金払ってもらったの?」と聞かれるが、ギャラを支払ってもらえず逃げられてしまったのだ。

静香と千絵は渡辺興信所に調査を依頼する。
1時間8千円の9時-5時換算で1日64,000円、7日見積もって448,000円、料金はどこもこんなもんだと思いますよと言われ、千絵は「いい」というが静香は背に腹は変えられず、依頼する。千絵に「何かわかったら知らせて」と言われ「タダで!?」と言うと「私もわかったら連絡するから。タダで」と言われる。

会社に戻ろうとすると偶然上村に会う。驚いたがあの「パフォーマンス」で企画が通った、という。静香は上村のチームに誘われるが、どうしても片付けなくてはいけないことがあるので一週間休みがの欲しいというと、「わかった。来週の月曜からにしよう。でも、それ以上は待てないよ」とカッコつけて言われる。
上村の車から音楽が流れ、静香がそれに合わせて踊り始める。最初びっくりしていた上村も合わせて一緒に踊り出す。
公園のベンチに腰掛け、顔を近づけていいムードになったところで静香のお腹が鳴り…食事に誘われる。
「音楽がならない静かな店ならいいです」と答える静香。
ここのダンスシーンは、妄想かと思ったらどうもそうではないらしい。

レストランで食事をし、赤ワインを飲む静香。グラスは静香の分だけ(村上は車で来ている)、なのにボトルが1本空いている…
村上のスマホが鳴り「車でパソコンを見なくてはならない。ワイン好きなのを頼んでいいから」とワインリストを渡して店を出る村上。
リストを見て「高っ!」と言う静香。白ワインを飲んでいると厨房からホールケーキが運ばれてきて、ピアノが演奏される。
「♪Happy Birthday to you〜」
立ち上がって一緒に歌う静香。終わって席に戻ると、今度はバンドが現れ「狙い撃ち」が演奏される。踊り狂う?静香、テーブルクロス引きを次々に披露し、客がそれを見てスマホで撮影する。
表では村上が「こんなところまで電話かけてくるなよ」と女と思われる相手と電話をしていた。その後ろの窓の奥で、静香が空中で一回転している。シャンデリアにぶら下がって華麗なブランコ技の後、ジャンプして店員が静香を受け止める。
村上が店内に戻ってくると、「服が汚れちゃったわ」と客が次々と店から出ていき、店員が謝っていた。店内のテーブルは片づけられ、ごみを掃いていると天井からシャンデリアが落下する。静香は奥の部屋で支配人に「とにかく損害分を支払ってくれれば訴えたりしないから。テーブルクロス、その他もろもろで、これね」と渡された金額に「一、十、百、千、万、十万、…」と何度も桁数を数え、目を丸くしていた。

一人でボトル1本以上飲んでいたことになるが、後日、ニュースで「あり得ない酔っ払い方」として、顔はぼかした状態で放送されていた。
店の客は静香の「素晴らしいパフォーマンス」を撮影していたように見えたが、実際には引かれたテーブルクロスで料理の皿は床に落ち、シャンデリアに危なっかしげにぶら下がっているのを下で店員が「危ないから降りて!」と呼びかけていた…

弁償するために家財道具を売り払い、部屋の中は何もなくなった。
興信所の渡辺から連絡が入る。マーチン上田はコーチン名古屋と名前を変えて、地方のバーでショーをしているというのだ。「ポスターを送るから確認して」と送られてきた写真は確かにあの催眠術師。渡辺が「追加で費用がいる」と言うと静香は「もうお金ない」「だったらこれで捜査は打ちきりですね」と電話を切って振り向くと、さっきまでいたマーチン上田がいなくなっており、慌てて店の外へ出るが見失ってしまった。

静香は千恵に送られてきた写真を見せる。ポスターから得られる情報は「次回は9/7」とだけで、渡辺は居場所を言わなかったため、端っこに移っていた建物から新潟であることがわかり、千恵の車のオプティで新潟に向かう。千恵が静香に「ガソリン入れて」と頼むと「お金ないから」「私のお金で追っかけるってこと!?だったらやめる」と言われて、静香は実家に行く。たまたま姪が学校から帰って来て、静香が印鑑と通帳を持ってくるように頼むと、彼女は家の中を探すが静香の両親に「何探してるの?」と聞かれて「印鑑と通帳。スマホを手に入れるの」と答えてしまう。
結局、姪の「10万貯まる貯金箱」を渡され、引き換えに静香はスマホを姪に貸す。
千恵は「これで費用の心配はないね」みたいに言うが、その貯金箱の中身が10円や5円の小銭ばっかりだったらどうすのだ?

高速で千恵は何故そんなに真剣に探してるのか、と聞き、催眠術にかかってしまったことを聞く。「昔はすごかったらしいが、お客さんで催眠術にかかった人いなかったよ。そんなにミュージカルしたかったら、私がダンス教えたのに。今度お店を出すのにいい物件を借りたから、来て」と無理やり図面を渡そうとし、静香は拒否するが「いいから」とやりあっていると、蛇行運転になって、横を走っていた車からクラクションを鳴らされる。デブ、と言われた知恵が「田舎もんが」というとヤンキーに「何だとゴルァ!」と怒鳴られ、慌てて出口へハンドルを切るが、分離帯のポールをなぎ倒してしまう。
前、見なくて大丈夫なのか!?と、思うくらい危ない運転だった。

新潟の写真のポスターに何とかたどり着くが「次回は9/7」の下には「弘前にて」の文字が隠れていた。車を発進させようとしたらエンジンがかからなくなり、修理を呼ぶ。
そこへさっきのヤンキーがやってきて、「なんでここがわかったんだ」と思ったら、オイル漏れで路上に点々と跡が残っていた。
「さっきなんつった!!田舎もんって言っただろが!!もっかい言って見ろ!!」とすごまれ、千恵は「い、な、ば、う、あ」と言うがごまかせるわけもなく、ふたりとも車に乗せられて連れていかれる。
ガレージのようなところで問い詰められてたら、敵対するヤンキーが現れ「オメーラ良いご身分だな。女を連れ込むなんてよ」「勝負だ!」
なぜか音楽が鳴りストリートダンスでの勝負が繰り広げられる。
こういう対決なの??
音楽にたまらず静香が踊りだし、ヤンキーたちが「いいダンスだ」と意気投合、二人は解放される。
車の修理が済み、お金を払おうと貯金箱を開けたら、案の定中身は10円や1円、50円ばっかりだった。
「あんたたちお金もないのに修理を頼んだのかい?」とあきれ顔の自動車修理工場のおじさん。
新潟駅の前で自信なさげにギターを弾いて歌っていた女性がいたのを見かけたのを思い出し、その女性のところへ行き、一緒に歌ってパフォーマンスをし、千絵が「お代はこちらへ〜!」とおひねりを集め、修理の費用を作る。弘前までこのようなパフォーマンスをして、お金を稼いで行くが、この女性は山本洋子といい、かつて男性とデュオを組んでいたが、解散のようになってしまったのだという。弘前にはパーティのために行き、そこまでの旅費を稼ぎたかっただけだから、お金はいらない、と言った。

パフォーマンスと言っても「年下の男の子」を一緒に歌うだけで、静香がすごいパフォーマンスをするわけでもなく、お金を取れる演奏ではないと思った。
修理は少なくとも数万はかかったと思うが、あの演奏でそれだけ稼げたのがすごすぎる。

弘前につき、パーティで一緒に歌って、と言われホテルで貸衣装を借りてパーティに出ることになった。サプライズで登場すると聞かれ、厨房の裏方から会場へ行くが、呼びに来た洋子の衣装がまるで「花嫁さん」。そして「サプライズの演奏です」と紹介され入って言った先は、デュオを組んでいた男性の結婚式の二次会だった。
ギターを弾きながら「♪ウエディング・ベェェェェル〜」と歌い始める洋子。

結婚式でこの曲を歌うか〜…

静香と千絵も一緒に歌うが、「くたばっちまえ、アーーーーメン」と歌いながら新郎に近づき、ウエディングケーキをギターでぶち壊し、新郎に掴みかかる洋子を見て、慌てて逃げ出す二人。
貸衣装のまま車に乗り込み、逃げるようにホテルを後にする。
途中検問があり、「この近辺で刃物を持った女がいるって情報があったものですから」と警察官に言われる。

目的のマーチン上田の公演は健康ランドみたいなところだったが、駆けつけた時にはショーは終わっており、マーチン上田はもういなかった。
片付けをしている従業員のおばちゃんが「人気あるんですねぇ。さっきもコーチンさんを訪ねて来た人がいましたよ。でも、私が見たところじゃそれほどでもなくて、はっきり言ってつまらなかったですよ」尋ねて来た人って、興信所の渡辺じゃ?
次の行き先はわからない、と言われ捨てられたポスターを探しにゴミ集積所に行くが、収集車が来てゴミを持って行って
しまう。車を追いかけ千絵が収集車に乗り込んでゴミをあさり、ポスターを発見する。
ここで圧縮する羽が回転したらどうするつもりだったんだ…

次の公演地、札幌へ行くためにフェリー乗り場へ行く二人。
途中で興信所の渡辺に会い「なんでこんなところにいるの?」と聞かれ「仕事だ」とごまかされる。
実は渡辺もゴミを漁っていたのだが、収集車が来たので隠れたのだった。
乗船前に男が車を止めたので「何だ!?」と思ったら「釘が刺さった板を踏むところだった」
千絵が「イケメン〜」とその男を気に入ったようで、フェリーのスナックで一緒に飲むことになる。中国人の団体ツアー客とも盛り上がって飲む千絵だが、静香はあきれて一人部屋で寝る。フェリーで一泊して翌朝函館につき、静香が甲板から表を見下ろしていると、自分たちの車が下船していく。あわててスナックへ行くと、千絵が放心状態で座っており、10万円貯金箱に入っていたはずのお金がなくなっていた。
「そうやっていつもちゃらんぽらんでいいかげんだから、こういう目に会うのよ!」と千絵をなじり、一人フェリーを降り、ヒッチハイクを試みる静香。止まってくれた車の運転手は興信所の渡辺だった。「一人旅でもしてみようかと思って」という渡辺に一緒に車に乗せてもらい、次の公演地のホールに向かう。
途中で新幹線の駅に寄り、渡辺はフォーチュンランドに取り立てに来ていた貸金業者3人と会って「急に東京に戻らなくなくてはならなくなってしまったので、調査はここまで、やつは札幌市民会館、7時開演で公演します。ここまでの費用をいただきたい」と言ってお金を受け取る。

静香のところに戻ってきた渡辺は「なんでそんなにあいつを一生懸命に探してるの?」と聞く。運悪くオルゴール時計が鳴り「♪あし〜た、はぁま〜べを〜」と歌いだす静香。「まさか…」「違うから!」と言い訳するが、続きを歌うと一緒に歌ってしまうのだった。

一方千絵は、残ったお金でコンビニでカップ焼きそばを買い、店の前の駐車場でお湯を流していたら店員が出てきて「そんなところにお湯捨てちゃだめ!」と怒鳴られ、びっくりして麺も一緒に捨ててしまった。地面に落ちた麺にソースを絡めて食べようとするが、情けなくて涙が出てくる。そこにフェリーで一緒だった中国人のツアーがやってきて、「あんたのガイドじゃないとつまらない」と言って、バスに乗せられ、一緒に旅をすることになる。
静香たちは公演の会場にくるが「入場券を券売機で買って」と受付の人に言われる。そこに金融業者の3人がやってきて「ねーちゃんの分も」と一緒に連れられて中へ入る。渡辺は見つからないように隠れていた。
催眠術のショーはいつもどおり「玉ねぎがリンゴに見えます」から始まったが、催眠術はかからず客は「まずい」と玉ねぎを口から出してしまう。「このように失敗することもあります。では手品を…」とマーチン上田が言ったの
で、会場からブーイングの声があがった。
中国人と一緒に会場に入っていた千絵は「わたしも催眠術試したい」と手を上げる。びっくりしているマーチン上田に「あんたの腕、本物だよ。あの女、本当にミュージカルの催眠にかかってる」とささやく千絵。千絵は「玉ねぎ、おいしい!甘いです!」といつも通りのサクラを演じる。

金融業者が舞台の上のマーチン上田を捕まえようと席を立つと、渡辺が「もう少し待ってほしい」と頼む。舞台では「ほかに何かかけてもらいたい催眠術はありますか?」と千絵に聞いていて、「じゃあ、ミュージカルスターになってみたい」と答えたので静香は「えっ」とびっくりする。
「でも一人じゃ寂しいですね。そうだ、あなたも」と静香を指差す。
渡辺が「舞台へ上がれ」と無言でジェスチャーしたので静香は舞台に上がる。金融業者が追いかけて来るが「あなたは今日からミュージカル・スターです。あなたも、あなたも」千絵と金融業者3人の肩をたたいて催眠術にかけ、「 Tonight (星の降る夜に)」の曲が流れる。なぜか静香と千絵の衣装が青いワンピースになり、金融業者はタキシード姿で歌って踊りだす。観客が喝采しマーチン上田は「この音楽が終わったら、催眠は溶けて全て元どおり」と言う。曲が終わると我に返る金融業者たち。この時は本当に催眠術にかかって歌っていたらしい。静香は曲が流れても歌いだすことはなくなっていた。
どさくさに紛れて、マーチン上田はいなくなってしまっていた。

千絵の車を奪った男は、トランクから変な音が聞こえるので開けてみたら、蹴りを入れらて気絶した。
中から出て来たのはウエディングドレス姿の洋子だった。
乗り捨てられた車を発見する3人。助手席にはブーケとお金が置いてあった。千絵の車で3人で東京へ帰る。
渡辺は弘前ナンバーのレンタカーでフェリーに乗って来たはずだが、あの車はいったいどうしたんだろう?

月曜の朝、静香は会社まで送ってもらうが、ジーパンにTシャツ、スニーカーの姿で、その上に貸衣装のピンクの上着を着た姿に「こんな格好…」と言う。「自分らしくいればいいんだから」と千絵に励まされてカードキーをタッチしてフロアに入り、静香は上村に「上村のチームには参加しない」と言う。オフィスを出ると、入り口のゲスト用ネームプレートを捨てる箱?にセキュリティカードを投げ入れる。
千絵の借りた店舗に行くと、知恵が開業?の準備をしていた。かねてから「会社クビになったら雇ってあげるよ」と言っていたが、静香の顔を見て「やっぱり来た」という表情をする知恵。


実際、そんな辞め方はできないのでは…
私物だって置いてあるはずなのに、どうするのだ?
と現実的に思ってしまうのだった。

評価:1f


 

ハンター・キラー 潜航せよ【極上音響上映】

監督:ドノヴァン・マーシュ
脚本:アーン・シュミット/ジェイミー・モス(英語版)
原作:『Firing Point』ドン・キース/ジョージ・ウォレス
音楽:トレヴァー・モリス(英語版)

出演
ジョー・グラス: ジェラルド・バトラー
チャールズ・ドネガン: ゲイリー・オールドマン
ジョン・フィスク: コモン
ポール・マルティネリ: ゼイン・ホルツ
アイリーン・ドーヴァー: キャロライン・グッドール
ザカリン: アレクサンドル・ディアチェンコ
セルゲイ・アンドロポフ: ミカエル・ニクヴィスト
ウラジミール・ストレフ: イリア・ヴォロック
ドミトリー・ドゥロフ: ミハイル・ゴア
トレチャク: イゴール・ジジキン
オレグ: ユーリー・コロコリニコフ
ビル・ビーマン: トビー・スティーブンス
ジェイン・ノルクィスト: リンダ・カーデリーニ
海軍の士官: デヴィッド・ギャーシー
海兵隊員: ガブリエル・チャバリア
ソナーのオペレーター: テイラー・ジョン・スミス
デヴィン・ホール: マイケル・トルッコ
マット・ジョンストン: ライアン・マクパートリン
メディック・ジョーンズ: リチャード・ヒルズ
ブライアン・エドワーズ: カーター・マッキンタイア

はるか昔に見たU-571が面白かったので、潜水艦映画ならスリル満点じゃないか?と思って見に行った。
4月の公開時にはかかっていなくて、今頃1週間のみ1日1回の上映だったのだが、かなり埋まっていた。
U-571は戦時中の話でハイテク機器はなく、ソナーのみで勝負!みたいな感じだったので静かなところに敵艦の音だけが…というのが結構あった(と思う)が、潜水艦内のシーンはホラー映画みたいにずっと不気味な音楽が流れていたので、あのような息をひそめて…という緊張は1場面しかなかったような。でもすごく緊張したけど。

軍隊でコインを上げる習慣をチャレンジコインっていうのか。
上官から部下に握手の時などにスマートに渡すらしいのだが、そうだとすると黒人の士官(名前がわからない)からグラス艦長に渡すのはおかしいということになる。
艦長は「コインは一番最初に乗った船のものがあるからいらない。ポケットにコインは1つしか入らない」と言って断っているが、赴任してきたグラス艦長は海軍兵学校を卒業していないため、そのような人物が艦長になったことに反発しての行為なのか?
しかし、その後の乗組員たちは主だった反発などはしておらず、案外すんなり受け入れているように見えた。
常識的に考えると、普通やらない、というような行動については、副長はものすごく反対していたが…
グラス艦長は最後に自分のコインを、アンドロポフ艦長にあげてたけど。

ドネガン統合参謀本部議長は行動がアホすぎて、実はスパイなのか、単なる小物(本当にアホ)なのか、よくわからなかったが、やっぱりアホだったらしい。

特殊部隊がコラ半島のロシアの基地に潜入するところは、ヘリからの降下、そして湾岸の設備まであっさり近寄れてしまうので、実際にこんなに監視網が緩いのか、それともストーリー上の都合でこうなっているのか、と思った。
そして、逃げるところも瀕死の重傷のように見えるのに、必要性を感じないような、かなり遠くまで逃げていくことができ、「もうとっくに死んでるでしょ」と思うくらいマシンガンで撃たれているのに、死んでない。
と、ロシアとのドンパチに矛盾を感じるところがあるが、スリルは楽しめた。
そして、アメリカの大統領は女性だった。
エンドロールで「ミカエル・ニクヴィストに捧ぐ」みたいに出てきたけど、亡くなっていたのか…あともう一人出てたけど、忘れてしまった。




ネタバレのあらすじ








ロシア、バレンツ海でロシアの潜水艦を追尾してたアメリカの潜水艦タンパベイが、ロシアの潜水艦とともに魚雷で沈められる。
ペンタゴンは音信不通になった潜水艦を探すため調査を命じ、攻撃型原子力潜水艦”ハンターキラー”アーカンソーの艦長にジョー・グラスが任命された。グラスは海軍兵学校を卒業していないが、経験豊富だと白羽の矢が立ったのだ。
グラスの赴任当日、乗組員たちは2日間の休暇中だったが、副長に「招集をかけろ。この町にパブは2つなんだろう?だったら俺とお前で回れる」と言い放つ。呼び戻された乗務員たちは新しい艦長のことを噂する。グラスは準備をしている艦内を見回り、「皆自分のことが気になっているようだから自分から話す。兵学校は卒業していないが、潜水艦勤務でソナー係、魚雷発射管の掃除など、ずっと水中ですごしてきた。君らのことは前の艦長よりわかっている」と艦
内放送で挨拶する。
グラスは士官の一人からコインを渡す、と握手を求められるがコインは拒否する。
反発されそうなこと言ってる…と思ったが、それほど反発はなく、みんな指示に従っていた。

潜水艦が消息を絶った海域に潜ると、タンパベイは海底に沈んでいた。偵察用の潜水艇で艦内を調べると、乗務員の遺体が見つかる。魚雷の穴が見つかり、ロシアの潜水艦に撃沈されたものと思われた。アーカンソーはロシアの潜水艦に見つかり、魚雷で狙われる。タンパベイに向けて航行し、ギリギリで舵を右に切り魚雷はタンパベイに命中する。ロシアの潜水艦は海面の氷河の下に隠れていたため、発見するのが困難だったが、魚雷で撃沈した。
しかし、「アメリカの原潜がロシアの潜水艦を撃沈した」という事実が知れると、戦争だ。ペンタゴンは青くなる。
ソナー係が海中から音がすると報告したため、進んで行くとロシアの潜水艦が沈んでいた。やはり穴が開いていたが、その穴は内部から開けられたものであった。

音は潜水艦のコンテナから聞こえてくるようで、どうやら生存している人がいるようだった。
「助けに行く」というグラス艦長に「仲間の潜水艦を撃沈した奴らを助けるんですか!」と副長は反対するが「彼らも命令に従っただけだ。人道的な支援だ」と潜水艇で助けに行かせる。コンテナの真上に来ると急流で流されそうになるが、何とかハッチの上に着艦させ、中にいたロシア人3人を救出した。
一人は艦長のアンドロポフで、英語は話せない、と言う。低体温症の治療をするが、艦長だけ別部屋に隔離させるグラス。

ロシアではザカリン大統領がコラ半島の軍事基地を訪問、迎えたドゥロフ国防大臣とはファーストネームを呼び合い、親しいようだった。

ペンタゴンではロシアの動きがおかしい、と、ノルクィストがフィスク少将に信頼できる捜査員をロシアに潜入させることを提案する。ドネガン統合参謀本部議長はその作戦を承諾し、ビーマンの部隊が潜入することになり、ホール、マルティネリ、ジョンストンはヘリで上空からパラシュートで潜入する。
新人のマルティネリは、ダイブして安定した体制を取れず、バタバタして別の隊員に「何やってるんだ」と補助してもらうが、パラシュートを開いてからも繁みへつっこみ、顔が血だらけになった。
なんでこんなやつ連れてきたんだ?とちょっと思った。
精鋭部隊じゃないのか?

武器を背負い、橋をくぐって湾岸設備へ潜入、見張り台のようなところから望遠レンズで様子を探る。また、小型の水中探査機を海から接近させ、その様子をペンタゴンに送信しようとするが、電波妨害で映らなくなる。
水中探査機、いとも簡単に近づけちゃう感じがするのだが…
電波妨害はロシアの設備内でも起こっており、それはドゥロフ国防大臣が外部との接触を断つために流したもので、ザカリン大統領はやめるように言うが側近が射殺され大統領は監禁される。ペンタゴンは受信可能な周波数を突き止め、映像を送ってもらい、国防大臣のクーデターを知る。
潜入していた偵察隊にロシア大統領救出の命令が出され、アーカンソーには偵察隊を湾まで迎えに行く指令が出た。ドネガン統合参謀本部議長は「自分が潜入させたのだ」と得意そうに言う。
しかし、フィヨルドになっている湾内には魚雷が設置され近づくことは不可能だった。

グラス艦長はアンドロポフ艦長に、コーニック潜水艦に空いた穴の写真を見せる。
「資料にはあなたは英語を理解するとありますね。この爆発は仕組まれたものだ。われわれはあなた方の命の恩人でもある」と言い、協力を求める。
指令室にアンドロポフを伴って現れたグラス艦長に副長は「軍事機密だらけのところにロシア人を入れるなんて」と猛反発するが、案内人がいなければフィヨルドの奥の湾内への侵入は不可能だ、とアンドロポフの協力が必要だと説得する。
海図を見ながら無言で指差す艦長に、グラスは意味を確認しながら潜水艦を進めていく。海底深く潜ったり、岸壁すれすれまで寄ったりして魚雷をかわし、ソナーの設置場所ではアンドロポフは口に人差し指を当てた。艦内放送で音を立てないように指示を出すが、格納してあった魚雷の留め金のナットが緩んでいて音を立てたため、スパナでそーっと締めるが、手が滑ってスパナが落ちてしまう。
「!!!」
床に落ちる前にキャッチし、なんとか音を立てずに済んだ。
音がしてしまうかと体がこわばった…
しかし、その先へは魚雷を避けて進むのは無理そうだった。アンドロポフは「地図にはない抜け道がある」と左へ舵を切るように告げる。狭い通路の先は行き止まりに見え、「やはり騙されたのだ」といきり立つ乗組員だったが、ソナー係が「まて、先に割れ目があるようだ」と、無事に湾内へ抜け出ることができた。

一方、偵察隊が発信している電波がキャッチされ、潜入者を探しに来たロシア兵が、潜入隊が潜んでいる塔を下からマシンガンで撃つ。床は網目になっており、マルティネリが足を撃たれたが、何の反応もなかったためロシア兵は上までは上がってこなかった。
あーあ、ここでちゃんと確認しにいけば、潜入者を見つけられたのに。
負傷したマルティネリは別行動となり、3人は泳いで司令室のある建物近くへ近く。

ここもいとも簡単に泳いでテトラポッドのところから、上陸出来てしまうのだ。
テトラポッドの隙間に男が倒れていた。先ほど射殺された大統領のSPのオレグだった。近づくとなんと生きていて銃を構える。
大統領を救出に来たのだ、と説得し、壁伝いに建物へ一緒に侵入する。
大統領の監禁場所を教えてもらい、救出するが、ドゥロフ側に見つかり、激しい銃弾戦となり仲間の一人が撃たれる。オレグは大統領を逃し、自身は残って手榴弾を爆破させたため建物が吹っ飛び、ビーマンたちは地上へ落下、撃たれたジョンストンは死亡した。ホールとビーマン、ザカリン大統領は海へ飛び込む。

どうやって逃げたんだか、最初に潜入して来た橋のたもとまで逃げてくる大統領たち。
しかし車で追ってきたロシア兵にマシンガンで撃ちまくられ、大統領は腹部を撃たれる。遠くからマルティネリが狙撃し、追っ手を一人ずつ撃ち殺し、ビーマンは車両に手榴弾みたいなものを打ち込み爆破させる。
マルティネリ、すごくいい腕だ。だから連れて来たのだろうか?

何とか桟橋まで逃げる3人。しばらくしてやっと潜水艇が現れたので、泳いで向かうが、追って来たロシア兵にマシンガンで滅多撃ちされる。潜水艇には穴があかないのか??と思う。水中で弾が当たり、ホールは水中に沈んでいった。
マービンは潜水艇に大統領をあげた。潜水艇の乗組員はロシア人1人、アメリカ人4人と聞いていたのに、2人しか現れなかったため、ハッチを閉じることを躊躇し、ビーマンに「閉じてくれ」と頼むが「悪いがお前たちが閉じてくれ」とマルティネリを迎えに行くためにビーマンはまた海中へと泳ぎだしてしまった。

潜水艇はアーカンソーへと戻るが、ドゥロフ国防大臣が「大統領が病気のため私が指示を出す」とロシア艦隊に命令したため、攻撃を受けアーカンソーは被弾してしまう。魚雷発射管が破損、浸水してくる。
ペンタゴンではロシア大統領がアメリカの原潜内にいる状態で死亡したらどうするんだ、だから私はこんな作戦は無謀だと言ったのだ、とドネガン統合参謀本部議長がヒステリックに言う。
グラス艦長はアンドロポフに「海底は泥地でやらわかい」ことを確認すると、エンジンを止め海底に着艦させ敵をやり過ごす作戦に出た。成功したかに思われたが、攻撃の振動で魚雷が格納庫から落下して乗組員が下敷きになり水中に沈められたため「はやくどけるんだ!」と騒然となっていた音をキャッチされ、引き上げかけていた駆逐艦が引き返して来た。アンドロポフは以前にこの駆逐艦の船長だったらしく「自分が育てた船員たちだ。優秀だから逃れることはできないだろう」というようなことを言うが、グラスは「あなたが育てた優秀な部下。そしてあなたに忠実。そうですね?」「そうだ」「ではそれを、ここで証明して見せてください」と受話器を渡す。

途中で言うであろうことがわかってくるが、それをここで…すごい無謀だ。

魚雷発射管の浸水はますますひどくなる。
アンドロポフは船員一人一人の名前を言って呼びかける。
敵駆逐艦では攻撃の準備をしていたが、自分たちの名前が呼ばれているのを聞き、ソナー係はその音を艦内放送に切り替える。
アーカンソーは浮上し、ロシアの駆逐艦の前に姿を表す。
最後に「アンドロポフだ。アメリカの原潜に乗っている。攻撃しないでほしい。これは自分の意志である」と言う。ロシア艦の乗組員は、艦長から攻撃の命令が出されるが、頬にピストルを突きつけられても従うものはいなかった。
その後大統領が「国防大臣によるクーデターが起き、アメリカの潜水艦に救助された。アメリカの原潜を攻撃するな」と命令する。艦長も攻撃を諦める。
駆逐艦がいつまでたっても攻撃をしないため、ドゥロフ国防大臣は移動型のミサイルを湾岸から潜水艦に向けて発射する。魚雷は被弾して発射できないがトマホークなら使えると報告されたグラスは、発射準備を命令、発射口が開けられる。その様子を見ているロシア艦。しかしグラスは発射は待つように言い、発射の命令を出さない。弧を描いてアーカンソーに向かって来るミサイル。撃墜可能時間が過ぎ、だめだ、被弾する…!と思った時、ロシア艦がミサイルを撃ち落とした。
ロシア艦からミサイルが発射され、反対向きに弧を描いて湾岸の建物は爆破され、クーデターは失敗に終わった。
副長から「こうなることがわかってたんですか?」と聞かれ「いや全然」と答えるグラス艦長。

マルティネリはロシア兵に追われるが、足を負傷している割には弾に当たらず逃げのびていた。しかし、ついに3人の兵士に囲まれ、銃を捨て手を上げる。そこへビーマンが現れロシア兵を射殺した。「いい仕事だった」とビーマンはマルティネリを初めてほめた。

アーカンソーにロシア大統領の迎えの船が来る。
グラス艦長はアンドロポフに自分のコインを渡す。コインをしげしげと見つめ、「キラーハンターはどうでしたか?」というグラスの問いに、アンドロポフは「あなたのような豪傑で無茶な艦長は初めてだ。でも悪くない」と答え、船に乗って戻っていく。
ビーマンとマルティネリもボートでアーカンソーに戻ってきた。

ペンタゴンでは無事解決したことを皆で握手しあい喜ぶが、ドネガン統合参謀本部議長はフィスク少将に「うまくいくと思ってたよ」と握手を求め、フィスク少将はためらいながらも(仕方なく?)握手に応じた。


ドネガン統合参謀本部議長、小物すぎて挙動不審だったので、敵のスパイとかそういうのかと思い、正体がばれるのを今か今かと待っていたのに、本当に単なるアホなだけだった。

評価:2c


 

ロケットマン(PG12)【ULTIRA/DTSX】

監督:デクスター・フレッチャー
脚本:リー・ホール
製作:マシュー・ヴォーン/エルトン・ジョン
音楽:マシュー・マージェソン

出演
エルトン・ジョン:タロン・エジャトン
バーニー・トーピン:ジェイミー・ベル
ジョン・リード:リチャード・マッデン
アイヴィ:ジェマ・ジョーンズ
シーラ・アイリーン:ブライス・ダラス・ハワード
ディック・ジェームズ:スティーヴン・グレアム
スタンリー:スティーヴン・マッキントッシュ
ダグ・ウェストン:テイト・ドノヴァン
レイ・ウィリアムズ:チャーリー・ロウ
フレッド:トム・ベネット
ウィルソン:ジェイソン・ペニークック

「ボヘミアン・ラプソディ」の製作総指揮、デクスター・フレッチャーが監督を務めた、ミュージカル映画。
「ボヘミアン・ラプソディ」は歌うシーンはあってもミュージカルじゃなかったが、この作品はがっつりミュージカルだった。
いきなり歌い出したかと思うと、場面は遊園地へ変わりダンサーと歌って踊っていた。
エルトン・ジョンは「ユア・ソング」とかライオンキングの主題歌とか、ヒットした曲は知っている、というレベル。しかし、クイーンより知ってる曲が少なかった。クイーンの偉大さ?を改めて知った。

今回は久々にDTSXだったので、ウルティラで鑑賞。
音響は素晴らしい、特にクラッシックのような音楽のところや、ピアノの音の響きなどが重厚で良い。


それにしても、スターとは、みんな同じ道を歩むのか?
ゲイの恋人兼マネージャーに裏切られ、酒とドラッグに溺れ、でも仲間の支援で立ち直る。
フレディ・マーキュリーと同じだなぁ…。

物語は円になっての話し合い?セラピー?で、エルトン・ジョンが自分の生い立ちを語りながら進んでいくのだが、セラピーが1日でのことなのか、複数日のことなのか、衣装がだんだん変わっていく。
最初はコンサート後に直接来たのかと思うような悪魔のような衣装だったが、ガウン、ジャージ、と変わっていった。脱ぎ捨てた衣装が部屋の隅に転がっていたが、次の時には無くなっていたし、何日にもわたってのことなのかもしれない。





ネタバレのあらすじ







エルトンの本名はレジー(レジナルド)で、一度聞いただけでそのフレーズを弾くことができる、という天才的な能力があることがわかり、音楽学校に通わせてもらう。しかし、音楽好きの父親はなぜかいい顔をせず、レジーのことを嫌っているようだった。父親にハグされたことはおろか、大事にしているレコードに触ったりすると、ものすごく怒られた。
母親は不倫をしていて、父親との仲は冷め切っており、ついに父親は家を出て行ってしまった。

成長したレジーは歌手のバックバンドに参加するが、音楽で成功する方法を訪ねると「過去の自分を捨てて、なりたい自分になることだ」と言われ、バンドのメンバーの一人と同じ名前の「エルトン」と名乗ることにする。

広告を見てディック・ジェームスの事務所を訪ね、即興で作曲をしてみせると気に入られる。「歌詞がうまく作れない」と言うと、「これに曲を作ってくれ」と歌詞を渡され、名前を聞かれると「エルトン」と答え、置いてあったビートルズの写真を見て「エルトン・ジョン」だと答えた。渡された歌詞の1つに「Your Song」があり、その歌詞が気に入ったエルトンは、作詞をしたバーニーに連絡を取る。バーニーは「Your Song」は失敗作だと言ったがエルトンが曲をつけて歌うと、その才能に驚く。バーニーは音痴だから歌えないのだという。二人は意気投合して、エルトンが曲をバーニーが詞を書いて曲を作っていくことになった。
エルトンは付き合った女の子のアパートにバーニーと転がり込むが、ゲイであることが知られて家から追い出され実家に戻ることになった。

曲が事務所のボスに気に入られ、作ったアルバムがヒット、ロサンゼルスでのデビューライブも成功。ライブに来ていたジョン・リードがエルトンに近づいて来て挨拶をする。
夜、パーティに参加するとバーニーは知り合った女の子と消えてしまい、一人でいるところにジョン・リードが現れる。ジョンに誘われエルトンはジョンと一夜を共にし、再会を約束してエルトンはロンドンに戻った。

ジョンがイギリスにやってきて、エルトンのマネジメントを申し出る。エルトンは事務所のディックとの契約はやめ、ジョンと同棲するようになるが、ジョンはエルトンを避けるような行動を取る。しだいにドラッグに溺れていくエルトン。

エルトンは父親の居場所を知って訪ねていくが、この父親がひどすぎる。
コンサートのチケットの手配は断るが、サインが欲しいというので、「父さんへ」とサインを書き始めると「職場の人から頼まれたんだ」と言われ「父さんへ」の文字を消すエルトン。家を出て車に乗り、窓から振り返ると、再婚相手との間にできた二人の子を抱っこしていた。
再婚相手との子たちは抱っこしたりできて、どうして久しぶりに会ったレジーをハグできないんだ。

酔って母親に自分がゲイだと話すが、「ゲイだと気づいていた」と言われ「自分にはどうでもいいことだ、ひとりぼっちの人生、誰にも愛されないのよ」と言われてしまう。

エルトンの奇抜な衣装はエスカレートしていき、心配したバーニーはありのままで歌う方がいい、とアドバイスするが、観客はレジーではなくエルトンを見に来ているのだ、と答える。

ジョンが別の若い男といちゃついているのを見て、プールに飛び込んだシーン、かなりの深さの水の底まで目を開けて沈んでゆき、そのみまま歌を歌うのだが、がぼがぼせずによく口を動かせたと思う。しかも何十回も撮ったらしい、すごすぎる。
救急車で運ばれるが、無理やり退院して数日後にまたライブを行うエルトン。

バーニーはエルトンに「二人でどこか、知らないところへ行ってやりなおそう」と提案するが、エルトンは「行きたきゃ一人で行けよ」とすげなかった。バーニーはエルトンとは疎遠になっていく。

エルトンはレコーディングで知り合ったレネーテと結婚する。
しかし、レネーテはエルトンがゲイであることを知って結婚していたが、お互いに針のむしろのような結婚生活で、長続きしなかった。

不倫相手と結婚した母親が別荘を買いたいからお金が欲しい、と言ってくる。レジーのせいで父親が去っていたのだと言う母親に「麻薬も全ての快楽も楽しんだ」と言うと母親は怒って「あなたのせいで私は損したのよ、子供なんて生むんじゃなかった」と言うが、この答えはひどすぎないか?

バーニーが救いの手を差し伸べようとするが、「一番必要な時に、お前は俺から去って行ったんだ」と拒否する。
薬や酒でおかしくなっているとはいえ、もうおまえは必要ないとか、終わりにしようとか、ひどいことを何度も言われても離れていかないバーニーがすごいと思った。

この後のコンサートで、悪魔の衣装のまま、冒頭のセラピーへと参加したのだった。
「自分が嫌いだった、誰からも愛されないと思っていた」と告白するエルトン。

輪になっている人々の後ろから、両親、お祖母ちゃん、マネージャー、バーニーが現れる。
これはエヴァの「ありがとう」なのか??
それとも、わざわざ来てもらったとか?とも思ったけど、幼いレジーが出てきて「僕をハグしてくれないの?」と言われ、エルトンがハグしたところで、幻想の世界なんだ、とわかった。

エルトンは施設で更生のために努力していた。
バーニーが訪ねて来て「これに曲をつけてくれ」と歌詞をわたす。不安そうな顔で部屋の隅に置いてあるピアノを見るエルトン。
バーニーは表へエルトンを連れ出し、ベンチに腰掛け、バーニーは昔二人で作った歌を歌う。
音痴だから歌えない、と言っていたのに、ちゃんと歌ってた。
行くところがあるから、と立ち上がったバーニーに「行くな」というエルトン。バーニーは「ここから先は自分の力で立ち上がるんだ」と声をかけ「またな」と去って行った。
エルトンはピアノの前に座り渡された歌詞「I’m Still Standing」に曲をつけて歌い始める。


リアルバーニーは、検索したらスキンヘッドだった…

評価:調布URTILLA


 

劇場版おっさんずラブ 〜LOVE or DEAD〜

監督:瑠東東一郎
脚本:徳尾浩司
音楽:河野伸
主題歌:スキマスイッチ「Revival」

春田創一:田中圭
牧凌太:林遣都
荒井ちず:内田理央
栗林歌麻呂:金子大地
瀬川舞香:伊藤修子
新井鉄平:児嶋一哉
狸穴迅:沢村一樹
山田正義:志尊淳
速水薫子:ゆいP(おかずクラブ)
武川政宗:眞島秀和
西園寺蝶子:大塚寧々
黒澤武蔵:吉田鋼太郎

テレビシリーズのあのノリがそのまま、いや、それ以上で、壮大な痴話喧嘩とイチャイチャだった。
パロディやら何やらで、爆笑のシーンがてんこ盛り。
劇場で見る必要あるか?という気はちょっとするけど。
TVシリーズでも思ったけど、みんな着ているスーツが体にピッタリでかっこいいのは、誂えたってことなのかな。
黒沢部長はともかく、牧やはるたんも「チェーン店
で買ってきました」って感じじゃない。

大塚寧々、何だか劣化したような?太ったのかも?
それにしても、離婚して蝶子は食い扶持はどうしているんだろう?
働かなくてもいいくらい、慰謝料もらったとか?
歌麻呂とラブラブになっていたが…

上海でのシーンはストーリー上必要ではあるが、買った指輪の箱をバイクの荷台に置いたら、走って行ってしまい、追いかけるシーンは、あそこまでダラダラ必要か?カンフーしたり、チャリで壺を運んでいるおじいちゃんと話したり、ちんたらやっているのにどうしてバイクの先回りができるんだ…何かのルート配達のバイクだったとか?

香港・上海勤務を終えて、天空不動産東京第二営業所に戻ってきた春田。
営業所のみんなや部長と抱き合って再開を喜ぶが、牧がいない。
すると、本社から狸穴迅率いるプロジェクトチーム「Genius7」が乗り込んでくる。その中に牧がいた。
外資の鳳凰山リゾートと提携して、オリンピック後の跡地をリゾート開発するので、東京の各営業所がそれぞれ担当して、1か月の間に立ち退きの了解を得てこい、というのだ。
部長と狸穴は最初ヤンキー同士の喧嘩のように顔を突き合わせて「無理だ」「おや、指導力に定評のある黒澤部長がまさかできないと?」「やってやるわ!」とやり合っていたが、鼻がくっつくまで顔が近づき「このままキスするとか?」と思うくらいの近さだった。
もちろん、そんなものは無理に決まっているが、商店を回っていく春田と新入社員の山田正義ことジャスティス。
一方、狸穴は牧を可愛がっているようだった。

本社に転勤になったことを黙っていたことで、春田と牧は言い争いになり「実家から通った方が近いから」と牧は家を出て行って
しまう。

部長が電話をしている最中、いきなり不自然に階段から落ちたが、持ってたはずの携帯はどこへ?
病院で意識が回復するのを待つ武川と蝶子だったが、武川が手を握りしめているのを見ると、こっちも好きだったのか?という予感が。
部長は目を覚ましたが部分的な記憶喪失で、春田との過去だけを忘れてしまったため、春田を見た瞬間に再び恋に落ち、呼び名が「はるたん」から「はるぽん」に変わったのだった。
蝶子とはすでに離婚していたが、春田を射止めたいと部長が蝶子に相談すると「あなたの強みは家庭的なところよ」と励まされ、春田の家で唐揚げを作ったりする部長。

牧は激務で体調を崩し倒れてしまい、入院する。
それを牧の実家へ訪ねていった時に父親から聞かされ、あわてて病院へいくと、タクシーに乗り込む狸穴と牧の姿を見る春田。

立ち退きのために東京第二営業所は総出で商店街へ立ち退きのお願いに行く。
部長と春田、ジャスティスは「うどんのことをもっと知らないと」と、粉を担いでうどん屋へ行くが、ジャスティスが「春田のことが好きだ(おそらく先輩として)」と言ったもんだから、部長は「そうなの?」と春田に聞く。結局もみ合いになり倉庫で粉をぶちまけ、店主に怒鳴られる。
そこで1枚の写真を発見する春田。
粉だらけになったので、サウナに行く3人。ジャスティスと春田が仲良さそうに話しているのを見て、部長は嫉妬してジャスティスにビンタ。そこへ「ちょっと付き合わないか?」と狸穴が牧をサウナに連れてきたため、男5人でサウナに入ることに。
牧は部長が記憶喪失になっていることを知らないため、牧の言葉に嫉妬した部長が柄杓で水をぶっかけ、乱闘になってしまう。
「今日は特別清掃があるため、六時で営業を終了します」
のアナウンスで、喧嘩はとりあえずおさまった。
部長が胸までバスタオルを巻いたり、サウナのシーン、おかしすぎる。

牧は忙しそうだったが狸穴と親しくなっていくように見えるのが、春田は面白くなかった。
しかし、帰り道に花火大会の看板を見て、一緒に行く約束をしてたことをお互いに忘れていないか確認する二人。。
二人で東京湾に上がる花火を浴衣姿で見るのだが、花火がまだ上がっているのに、なぜだか後ろの屋台に人がいなさすぎ。
花火とくれば人でごった返しているだろうに、海岸にも全然人いないし。
あの花火、撮影のためにあげたのかなぁ。だとすると、「花火大会もないのに花火上がってるね」と、見た人たちは思わなかったのだろうか。
ちなみに、蝶子と歌麻呂は屋形船で、部長と武川は屋上で花火を見ていた。

春田は牧が屋台に買い物へ行っている間に、スマホに送られてきた狸穴からのメッセージを見てしまう。戻ってきた牧に春田は結婚を考えていることを話すが、「結婚って、本気で言っているんですか?」と言われてしまう。春田は上海で買ってきた指輪を眺めるが、諦めたように「別れようぜ」と言い、売り言葉に買い言葉で「別れましょう」と牧は去ってしまった。

その様子をなんとジャスティスが陰から覗き見していた…
まるでストーカーだ。
指輪を海に投げ込む春田。ジャスティスは「何投げてるんですか!と海中にざばざば入っていき、ビチョビチョになって指輪を探す。「何してるんだよ」という春田にすごい勢いで「うるせーな!」といきなり怒鳴りつけるジャスティス。
びっくりして海の中に尻餅をつく春田。
ジャスティスは亡くなった
兄との思い出を語り出す。
兄の誕生日に「うるせーな!」と捨て台詞を言って家を出た後、兄と両親は事故で亡くなってしまった。
「大切な人にに明日も会えるとは限りません!だから春田さんにはちゃんと気持ちを伝えて欲しいです」と泣くジャスティス。
花火が上がる中、指輪のケースが水面に浮かび上がってくる。

狸穴の動きがおかしかったのは、提携した鳳凰山リゾートが、ドラッグの密輸に関わっているという情報を手に入れたからだった。開発予定のリゾートをドラッグ密輸の拠点にしようとしていることを掴み、提携をやめようとするが、天空不動産の会長令嬢を人質に取られてしまう。その話を会議室?重役室?の扉をこそっと開けて聞いてしまった春田。狸穴に見つかり、夜ホテルに来い、と言われて訪ねて
行くと、ガウン姿でワインを持った狸穴に迎えられる。
「これは、そういうこと〜!?」と心の声は叫ぶが、狸穴から鳳凰山リゾートについて今までの経緯を聞かされる。

かなり大きな会社のようなのに、一営業所の所員が、こっそり盗み聞きとか、なんてセキュリティの甘い会社なんだろう…

春田は狸穴に口外するなと言われたにも関わらず、ひとりで鳳凰山リゾートに乗り込んで行き、捕らえられて人質にになってしまった。
社長令嬢と一緒に廃工場に監禁されてしまう。社長令嬢の薫子はフリフリのドレスに縦ロールだったが、何しろおかずくらぶのゆいP。
ドスが効いた声で「早くスマホ出せっつってんだよ!」と脅される。
しかも時限爆弾がセットされている。あと20時間で爆発するようだ。
なぜか春田のスマホは没収されておらず、電波のあるところを探して壁の隙間から営業所へ電話をかける。
「今どこだ!?」という問いに「わからない」「外に何が見える!?」「ピンクの煙突が2本」「ピンクの煙突が2本見えるのは…」
そんなことしなくてもGPSですぐわかるんじゃないの?GPSは?
瀬川の「GPSでわかるんじゃないの?」の言葉が出たところで、なんとスマホの電池がなくなるという…
それでも居場所を特定できたので、部長を始め、営業所のみんなが倉庫へと助けに来る。
しかし、薫子が「爆弾を止める」とケーブルを切ったら、なんと後10分に時間が縮まってしまった。

工場の近くまで来る部長や牧たち。なぜかここで部長の靴が片方脱げ、部長は靴をそのままにして追いかけて行く。
この不自然な演出はいったい!?と思ったが、これはあとで意味がわかった。

結局時限爆弾は止められず、遠くに放り投げると大爆発。
西部警察か?と思うような大爆発、爆発であそこまで燃え上がるか?
爆発の煙で、どこにいるかがわかった営業所のみんなが春田を探しに行き、薫子を助け出すが、壁が崩れて春田は取り残されてしまう。
反対側からものすごい勢いで壁を壊し入って来た部長と牧が、倒れている春田を発見するが、動かなかったため「息をしてない!」でどっちが人工呼吸をするかで牧と部長で蹴り合いしながら春田の取り合い。そんなことしてる間に死んじゃわないか?と思うのだがおかしすぎる。

春田が気が付き、壁が崩れてきて、春田と牧が取り残される。壁に阻まれてしまった部長は、泣く泣く助けを呼びに行く。
取り残された春田は牧に「別れるっていうの、取り消していい?牧にだけ夢があって、忙しそうにしてて、ムカついてたんだけど、自分にも夢があったのを思い出した」それに対して「何を見たのかしらないが、狸穴とは仕事以外では何もない」という牧。

表に出た部長は、靴を持って追いかけてきたみんなと合流、武川がベンチに座っている部長に靴を履かせようとすると…恋に落ちる原因となった、春田に靴をはかしてもらったことを思い出し、記憶が戻るのだ。
探しに来た部長が不自然に靴が脱げるのは、あとで履かせてもらって春田を思い出すきっかけにするからだったのか…

「牧ってすっげぇ細かいよな」
「春田さんが雑なだけですよ」
「だめか?」
「だめじゃないですよ」
「俺、牧と本気で家族になりたかったんだよ。でも俺、何もわかってなかった。男同士って法律的に結婚できないし、子供好きだから…」
「俺も忙しいのを言い訳にして、春田さんとちゃんと向き合ってなかった。お互い嫌なところも見えてきて、今の関係が壊れるのが怖くて」
「この先喧嘩ばっかりして、牧が料理作ってくれなくなって、パンツも一緒に洗ってくれなくっても、ボケちゃっても、出会った頃のこと忘れても、俺が誰だかわからなくなってもさ、それでも…俺は牧じゃなくちゃ嫌だ…死んでも牧と一緒にいたい」
「俺も、春田さんじゃなくちゃ嫌だ」
泣いて抱き合う二人。そしてキスをする。
壁が崩れて営業所のみんなが入って来る。
部長が「はる…たん」と呼びかける。
「はる、たん?」「はるた〜ん!」の部長の叫びで記憶を取り戻したことを知る春田。

肩を組んで炎をバックに出てくるのは、何のパロディだったんだろう。

春田たちは会長に、町の人たちのためになる開発なるよう、プロジェクトを見直して欲しい、と頼む。狸穴もその意見に賛成するが、パートナーになる企業がない、と会長に言われる。
すると、香港蓬莱ファンドのシュウさんが春田が落としたキーホルダーを返しに春田を訪ねてやってきた。なんと香港でチャリで壺を運んでいたじいさんが、香港財閥の会長で、新たなスポンサーとなることを快諾してくれたのだった。
すごい出来過ぎの設定なんですけど。
はるたんは1年香港にいた割には、中国語が話せないように見えるのだが…

春田とジャスティスは、狸穴をうどん屋に連れて行く。
うどん屋は狸穴の実家だった。倉庫で見つけた写真と同じものを、狸穴が持っていたのをホテルで春田が見たのだった。
若い頃うどん屋がいやで家を出た、今更おやじも自分に会いたいとは思ってないだろう、と言うが、春田は「そんなことはない。壊れてしまっても、作り直せます。街も、人も」
うどん屋に入って行くと、びっくりした顔をするうどん屋のおやじ。「何にするかなぁ…」とメニューを見るが「たぬきそば」と注文すると、「うどんじゃねぇのかよ」と言って厨房に入って行くおやじは、嬉しそうだった。
蝶子は部長の前で歌麻呂のプロポーズを受け入れる。
狸穴はじつは既婚者で、子供が5人いることが判明。
春田に本社のプロジェクトリーダーの話が出るが、断る。

なんとジャスティスと薫子は結婚することに。
披露宴で部長を壁ドンならぬ足ドンで止める武川。「俺はもう、好かれなくてもいいんです。愛されるより、愛したい。マジで」と告白されるが「黒川武蔵、幸せになりま〜す」と答える部長だった。
Kinki Kidsの歌の歌詞じゃん…

牧は海外に赴任することになった。
いつもの川べりで「春田さんも夢を叶えてください」という牧に「じゃあな、凌」と名前を呼ぶ春田。
「お前も俺の名前呼んでみ」
恥ずかしそうに「創一」と牧も名前を呼ぶ。 見ている方が恥ずかしくなるような、イチャイチャラブラブだった。
抱き合う二人の左手の薬指には、同じ指輪が光っていた。
このシーンがこの映画を象徴していると思った。

最後のシーンは営業所のみんなが一列に並んで歩いているが、Gメン75か?
でもあれはTBSじゃなかったっけ?

評価:1g


 

ワンス・アポン・タイム・イン・ハリウッド(PG12)【極上音響上映】

監督・脚本:クエンティン・タランティーノ
製作:クエンティン・タランティーノ/デヴィッド・ハイマン/シャノン・マッキントッシュ
製作総指揮:ジョージア・カカンデス/ユ・ドン/ジェフリー・チャン

リック・ダルトン:レオナルド・ディカプリオ      クリフ・ブース:ブラッド・ピット
シャロン・テート:マーゴット・ロビー         ロマン・ポランスキー:ラファル・ザビエルチャ
マーヴィン・シュワーズ:アル・パチーノ        ジェームス・ステイシー:ティモシー・オリファント
ウェイン・マウンダー:ルーク・ペリー         トルーディ・フレイザー:ジュリア・バターズ
スティーブ・マックイーン:ダミアン・ルイス      ブルース・リー:マイク・モー
サム・ワナメイカー:ニコラス・ハモンド        ランディ:カート・ラッセル
ジャネット:ゾーイ・ベル               ジェイ・セブリング:エミール・ハーシュ
ジョアンナ・ペティット:ルーマー・ウィリス      コニー・スティーヴンス:ドリーマ・ウォーカー
チャールズ・マンソン:デイモン・ヘリマン       テックス・ワトソン:オースティン・バトラー
リネット・フラム:ダコタ・ファニング         プッシーキャット:マーガレット・クアリー
リンダ・カサビアン:マヤ・ホーク           キャサリン・シェアー:レナ・ダナム
フロッグ:ハーレイ・クイン・スミス          ダイアン・レイク(スネーク):シドニー・スウィーニー
ジョージ・スパーン:ブルース・ダーン         フランチェスカ・カプッチ:ロレンツァ・イッツォ
ビリー・ブース:レベッカ・ゲイハート         エンジェル:ダニエル・ハリス
麻薬の売人:パーラ・ヘイニー=ジャーディン      保安官:マーティン・コーヴ
ボブ・ギルバート:スクート・マクネイリー       エルネスト:クリフトン・コリンズ・Jr
『賞金稼ぎの掟』の悪役:ジェームズ・レマー      用心棒:リュー・テンプル/モーリス・コンプト/ジュイス・ミルズ
バーテンダー:マルコ・ロドリゲス           ヘルズ・エンジェルスのメンバー:オマー・ドゥーム
ダフナ・ベン・コボ:ダニエラ・ピック         レッド・アップルのCM監督:クエンティン・タランティーノ


監督が昔のハリウッドが描きたかったということはわかった。
洋楽聴いてた人なら、懐メロのオンパレードなんだと思う。
私は夢のカルフォリニアとミセス・ロビンソンくらいしかわからんかったけど

前半、というか映画の大部分がリックとクリフのハリウッドでの3日間の出来事。淡々と進んでいくし、回想が挟まったりして、時間の感覚がわからなくなる感じで、3日間の出来事とは思えない。
リックはかつては売れっ子だった西部劇の俳優だったが、最近はめっきり仕事が減っており、久しぶりに舞い込んだ仕事でも台詞を忘れて自己嫌悪。さらに「イタリアで映画を撮らないか?」という誘いに「俺はもうハリウッドでは用無し、イタリアのクソ映画にしか出られない」と泣いて、クリフに慰められたり。
一緒に出演していた子役の女の子が、最初はリックのことをちょっと小ばかにしたような感じだったのが、リックの名演技?に「今までに会った中で、一番の俳優だったわ」と言われていたが、10歳かそこらの子に「今まで生きてきた中で」と言われても…
この女の子はモデルがいたのかなぁ…

クリフはリック専用のスタントマンだが、リックの仕事が減ってきているのでスタントの仕事が少なく、もっぱら運転手兼雑用係になってしまっていた。
リックの家はハリウッドの高級住宅街にあり、隣には「ローズマリーの赤ちゃん」をヒットさせたポランスキー監督が引っ越してきていた。
クリフはドライブイン・シアターの横に停めてあるトレーラーの家に帰ると、愛犬のランディに餌をやり、鍋でパスタを作って食べる。
ポランスキーと妻のシャロン・テートはパーティへ出かけた。

クリフはリックに、監督にスタントの仕事があるか聞いてくれるように頼み、リックは話をするがスタント・コーディネーターの奥さんがクリフのいい噂を聞いてないからだめだ、と断られてしまう。
リックを待っている間、クリフは以前にブルース・リーがカンフーを披露しているのを眺めていたが、いちゃもんをつけられたため、対決することになり、ブルース・リーをふっとばしたら監督の奥さんの車に当たり、扉がベコベコになって怒られたことを思い出す。

一方、シャロン・テートは買い物のついでに街の映画館に行き「私出演者なの」と窓口の女性に言う。
最初は信じてもらえなかったが、ポスターの写真で何とかわかってもらい、「写真を取りたい」という女性にポスターの前でポーズを取る。
タダで館内に入れてもらい、映画を見ながらみんなの反応を見て楽しむシャロン。

リックにアンテナの修理を頼まれたので、リックを撮影所に送ってから家に戻って屋根に上ると、隣のポランスキーの家にチャールズ・マンソンがテリーを探して訪ねてきているのが見えた。
町中にヒッピーがあふれており、リックはヒッピーにいい印象を持っていないようだったが、クリフは運転しながら何度か見かけた女の子が「乗せってって」と頼んできたので、車に乗せてあげると、行先は「スパーン牧場」だという。

クリフは「ここのオーナーのジョージは旧友なので、挨拶したい」というと、とりまき?のような女の子に拒否されるが、半ば脅すように案内させて会いに行くと、ジョージは盲目になっていてベッドに臥せっていた。
用心棒のような役目をしていたテックスは、金持ちの見学者を案内して馬で遠出をしていたため、とりまきの子が呼び戻しに行く。
クリフが車に戻ってくると、タイヤがパンクしていた。
オーナーに会いに行ったことが気に障って、取り巻きのひ弱なチンピラみたいな男がパンクさせたのだ。
クリフはその男を殴り、スペアタイアに交換させた。テックスが戻って来た時には、クリフは去っていくところだった。

リックはクリフと出演した西部劇のドラマを一緒に見る。車に乗せたヒッピーの女の子から買ったLSD入りのタバコを、リックのシガレットケースに入れ、間違えて吸わないようにいう。そして「イタリアでの撮影もいいんじゃないか?」とリックに提案する。
結局イタリアでの映画撮影の依頼を受け、半年イタリアにいる間に3本映画を撮り、それがヒットしてイタリア人の奥さんをもらってリックはアメリカに帰ってくる。

ここまでは、とにかく淡々と起こったことがただ綴られていくだけで、シャロン・テートやヒッピーたちがどう関係してくるのか、さっぱりわからない。
わかる人は、過去の事件を知っているひとだけなんだと思う。

二人で食事をし、リックの家に戻ってきたが、クリフは半年前にもらったLSD入りのタバコをみつけ、それを吸いながら、愛犬をつれて散歩に出かけた。
リックはミキサーでフローズン・マルガリータを作っていたが、スパーン牧場にいたテックスたちが騒音を立てながら車でやってきたため、「うるさい!ものすごい管理費を払っているのに、なんでこんな奴らを入れるんだ!」と、テックスたちを怒鳴りつけて警察を呼んだため、一応おとなしく引き下がった。
しかし、テックスたちはマンソンからテリーを殺してくるように言われていたが、以前住んでいたはずのポランスキーの家にはいないと言われ、どうしようかと思案していたが、リックが俳優であることに気がつき、「ここって、みんな金持ちなんでしょ?」「この家って、有名人の家なんだよね?」「こいつらがテレビで殺人をした。殺人を俺たちに教えたんだ。そいういう悪い奴を代わりに殺そうぜ」「そうだ!」とよくわからない論理でリックの家に侵入しようとする。4人のうち一人は怖気付いて「車に忘れ物した」と車に戻り、そのまま車を運転して去って行ってしまった。

ランディと散歩に行っていたクリフが戻ってきて、いつものように缶詰をあけてランディに餌をやろうとしていた。
3人のヒッピーはリックの家に入り込む。テックスがクリフに拳銃を向け、ヤクでラリっていたクリフは「俺だって銃があるぞ」と手で銃を撃つ仕草をする。そして「おまえらには見覚えがあるぞ。・・・テックス、そうだ、スパーン牧場にいただろう」と気づき、クリフは愛犬のランディに合図すると、ランディは侵入者に襲い掛かかる。クリフがセイディに向かって餌の缶詰を投げつけると、顔面に命中した。
テックスがナイフを取り出して振り回したため、クリフはテックスの腕を掴んでナイフをももに突き刺した。背後からにじり寄ってきたセイディに気づいたクリフは、ランディに合図するとセイディに噛み付いたため、パニックになって走り出し壁に激突しながら庭へ出て行った。

裏口に回っていたケイティが部屋に入ってきて、クリフの腰にナイフを突き刺すと、クリフはケイティの髪を掴み暖炉の壁に何度も容赦無く打ちつけ、力なく崩れ落ちる。

リックの妻が家にいたが、侵入者を見ると、自室へ慌てて戻る。
ランディはリックの妻の扉をカリカリして、中に入れてもらっていた。

庭に出てきたセイディを見て、プールでカセットを聞いていたリックはびっくりした。
持っていた武器をめちゃくちゃに振り回しながらわめき騒いだため、リックは物置から火炎放射器(これは撮影で使用した小物だった)を取り出して侵入者に炎を浴びせる。燃えながらプールに落ち、黒焦げになるセイディ。

警察が来てクリフは救急車で運ばれていく。
隣の家では門のところまでジェイ・セブリングが様子を見に来ていて、それに気づいたリックが近づいていき、事の次第を簡単に説明する。
インターホンから女性の声がし、「もっと詳しく聞きたいわ。その人を家に招待して」と言われ、セブリングはリックを門の中に入れる。
リックは受け入れられたのだ。

それにしても、クリフのやっつけようがすごい。
リックはこの事件で憧れてた?隣人と仲良くなれたが、クリフは刑務所行きなのだろうか。

最後のヒッピーの襲撃は、実際はポランスキーの妻で身重だったシャロン・テートが襲撃された事件だった。
この犯人へのリベンジのための映画でもあるらしい。だから本編では侵入されたのはポランスキー邸ではなくリックの家で、クリフが執拗なまでにヒッピーを痛めつけたのだった。
「事件を知らなくても楽しめる」となっているが、知らないとよくわからない部分が多すぎると思った。

評価:2c


 

ガーンジー島の読書会の秘密

監督:マイク・ニューウェル
脚本:ケヴィン・フッド/ドン・ルース/トーマス・ベズーチャ
原作:メアリー・アン・シェイファー/アニー・バロウズ『ガーンジー島の読書会(英語版)』
音楽:アレクサンドラ・ハーウッド
製作:ポーラ・メイザー/ミッチェル・カプラン/グレアム・ブロードベント/ピート・チャーニン

ジュリエット・アシュトン:リリー・ジェームズ
ドーシー・アダムズ:マイケル・ユイスマン
マーク・レイノルズ:グレン・パウエル
エリザベス・マッケンナ:ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ
アイソラ・ピルビー:キャサリン・パーキンソン
シドニー・スターク:マシュー・グッド
エベン・ラムジー:トム・コートネイ
アメリア・モーグリー:ペネロープ・ウィルトン
シャーロット・スティンプル:ブロナー・ギャラガー
イーライ・ラムジー:キット・コナー
エディ・メアーズ:アンディ・ギャザーグッド
キット・マッケンナ:フローレンス・キーン
クリスチャン・ヘルマン:ニコロ・パセッティ
ドイツ当局の職員:マルク・オラヴェック

戦時中のイギリス、ドイツの支配下にあったガーンジー島で起こった出来事を、ロンドンに住む女性作家がふとしたきっかけでガーンジー島を訪れ、調べていくうちに、皆が語りたがらない秘密があることを知る。

正義感が強いのはいいけど、ただまっしぐらに進んでいくのが正解なんだろうか?
子供とも引きなはされ、収容所で殺される結果とになったとしても、エリザベスの取った行動は正解なのか?
正解なんてないのかもしれないけど

上流階級のマークは、上品で洗練されていて、ハンサムだし仕事も出来そうで、基本いい人だと思うけど、最後の行動だけ残念だった。

どっかで見たことある…と思ったら、リリー・ジェームズはマンマ・ミーア!の若き日のドナだった。
ジェシカ・ブラウン・フィンドレイとペネロープ・ウィルトンは、「ダウントン・アビー」に出ていた。
エリザベスはシビルと同一人物には見えなかったけど。

予告で流れたキャッツの予告がすごかった。
なんだかワクワクする。
でも、もしかしてジーニーと同じでCGとか??



ネタバレのあらすじ








戦時中に男性名のペンネームで雑記?を書いていたジュリエット。
戦争が終結したある日、ガーンジー島に住むドーシー・アダムスという人から「手に入れた『チャールズ・ラム随筆集』にあなたの住所が書かれていた。『ポテト・ピール・パイと読書の会』で子供達のためにシェイクスピア物語を買いたいから、ロンドンの本屋を紹介してほしい」とジュリエットに手紙が届く。
ジュリエットは「会の名前がなぜ『ポテト・ピール・パイと読書の会』なのかを教えてくれたら、本を寄贈する」と返事を書くと、ドーシーから「養豚で暮らして来たが、ナチスに占領されてジャガイモを作ることを強要された。読書会が心の拠り所であった」というような話が手紙に書かれていた。
その話をロンドンタイムズの記事にしようと、島に取材にいくことにするエリザベス。ペンネームではなく本名で執筆すべきだと考えていた編集者のシドニーは、ガーンジー島行きをしぶしぶ了解する。

ジュリエットには交際していたマークという裕福な上流階級のアメリカ人がいた。彼は軍関係に勤めているようだった。ガーンジー島へ旅立つ日、港へ見送りに来たマークは、豪華な指輪を渡してプロポーズする。「Yes」と答え指輪をはめ、島へ渡るジュリエット。島唯一のホテルは改装中で泊まれず、郵便局で聞くとシャーロットの下宿を紹介された。
シャーロットはジュリエットの指輪を興味深げに見たので、ジュリエットは指輪を外す。
読書会が行われているアメリアの家を訪ねるが、アポなしでいきなり訪ねて来たために迷惑そうに応対されるが、ドーシーやアイソラ、郵便局長のエベンとその孫のイーライが来て、和やかに読書会に参加して打ち解けていくジュリエット。しかし、会の発足者であるエリザベスはいなかったため、その理由を聞くがはぐらかされる。そして、今回島に来たのは「ロンドン・タイムズ」の記事にしたいからだ、というと「絶対にやめて」とアメリアに拒否される。「あのロンドン・タイムズなのよ!?」とジュリエットは言うが、決意は変わらなかった。
ジュリエットと島の人たちの価値観が、ものすごく違うようだった。

下宿の主人のシャーロットは、ジュリエットに「あの人たちのいうことを鵜呑みにしない方がいい」といい、エリザベスを「アバズレ」呼ばわりする。
郵便局長のエベンは当時のポテト・ピール・パイを作って来て食べさせてくれたが、ジャガイモとジャガイモの皮だけで小麦粉はなし、という材料で作られていたため、まずかった。ドーシーがキットという小さな女の子を連れて来た。彼女はエリザベスの娘で、ドーシーがあずかって育てているのだという。

宿へ帰ると、シャーロットがエリザベスはドイツ兵と通じたのだと言ったため、怒ったジュリエットはシャーロットの下宿を出て、アイソラの家へ泊めてもらうことになった。アイソラにエリザベスのことを聞くが「人を助けようとして逮捕された」としか教えてくれない。
誰もエリザベスのことは話したがらないため、ジュリエットはロンドンにいるマークにエリザベスがどうなったかを調べてくれるように頼む。
ドーシーに頼まれてジュリエットはキットをドーシーの家に送る。ドーシーの部屋のベッドの脇には、ジュリエットのものだったチャールズ・ラム随筆集が置いてあり、ペラペラっとめくると、青い色のメモのような手紙のようなものが挟まっていた。ドーシーが来たので本を置くジュリエット。
ドーシーはエリザベスのことを話し始めた。

戦時中、ガーンジー島ではドイツからの締め付けが厳しくなり、養豚のかわりにジャガイモの栽培を命じられていたが、ある時、アメリアから「肉包丁を持ってうちに来て」と扉からメモが差し入れられた。
ドーシーが包丁を持ってアメリアの家を訪ねると、エベンも来ていて、地下で密かに豚を飼っていて、屠殺してほしいと言う。どうせならお酒を持って来てくれそうなアイソラも呼ぼう、と密かに晩餐会を開いた。その帰り道に酔っ払ったエベンが「ピッグ・パイ」だったか、豚肉のパイのこととドイツ兵を避難するようなことを大声で騒ぎなから、エリザベス、ドーシー、アイソラと歩いていると、案の定ドイツ兵に呼び止められ、「夜間外出禁止令なのになぜ出歩いているのか」と咎められる。エベンのポケットに本が入っているのを見たエリザベスは「読書会です。文化的な活動は賞賛されていますよね」ととっさに言い繕う。「なんていう会だ」と問い詰められエベンがピッグ、ピッグと連呼しているので「ポテト・ピール・パイと読書の会」だと言った。
エリザベスたちは、その後大慌てで読書会の体裁を繕った。

エリザベスはアメリアの娘と親友だったが、アメリアの娘は戦時中だったことも災いして出産時に親子とも無くなってしまう。アメリアはエリザベスのことを娘のように思っていたが、あるとき妊娠していることを知り、その相手がドイツの軍医だったため猛反対する。
元から友人だったのか、ガーンジー島に来てから知り合ったのかはちょっとわからなかったが、ドーシーはその軍医、クリスチャン・ヘルマンとは親友で、いい人だったと言った。
ドーシーの豚が難産で苦しんでいたところに通りかかり、「自分は獣医だ」と出産を手助けしてくれたのだった。一度、読書会にも来たが、宿舎を抜け出したことがバレてドイツへ送還されることになり、彼が乗った船が撃沈され亡くなってしまった。
エリザベスは女の子を出産したが、容体が悪くなっている浮浪者?のような子供を見つけ、止めるのも聞かず医者に連れて行くんだと出かけてゆき、夜間外出禁止令が出ているのに出歩いていた、と、子供は射殺、エリザベスはドイツの強制収容所に送られた。
この時、ドーシーは「私に何かあったらキットをお願い」とエリザベスから頼まれたため、キットの面倒を見ているのだとう。
ドーシーは「あの時引き止めていれば」と自分を責めるが、ジュリエットは「あなたのせいじゃない」と慰める。
ドーシーとジュリエットは見つめ合い、いい雰囲気になったところで、表に来訪者が。ジュリエットの婚約者であるマークが訪ねて来たのだった。

少し前に郵便局にマークから電話がかかって来ていたのだが、ジュリエットがかけ直したらマークは電話に出ず、「直接伝えた方がいいと思って」と島にやって来たのだった。指輪をはめていないのを見てマークがジュリエットを咎めると「大事なものだし無くしたらいやだから」と言うがマークはドーシーとの仲を疑っているような感じだった。
会のメンバーを前にして、マークがエリザベスについて調べたことを話す。
エリザベスはドイツの強制収容所に送還されていた。
収容所で殴られている子供をかばったため、射殺されたという。
エリザベスには肉親がおらず、キットの肉親は父親の親族だけ。アメリアは、子供が生まれたことを知られたら、ヘルマンの肉親に子供を取られてしまう、といい、絶対に記事にはしないで、秘密にしておいてほしい、とジュリエットに頼むのだった。

マークに促され、迎えに来た軍用機でジュリエットはマークと一緒にロンドンへ帰る。
行きは定期船で来たが、帰りは飛行機を迎えに来させるなど、マークはかなり階級が上らしい。
ジュリエットはパーティーで、マークの上流階級の社交界に馴染めない、とマークとの婚約は破棄する。
怒って席を立っていったマークが戻って来て、ジュリエットの頭にキスして「さようなら」というが、一緒に飲みかけのシャンパンのボトルを持って行ったのはセコイと思った。

ジュリエットは「ガーンジー島のポテト・ピール・パイの読書会」の物語を書くが、それは出版せず、新聞の記事にもしない、とシドニーに言う。
何のために書くんだ、とシドニーは言うがジュリエットは「自分の本がみんなの癒しになれば」と、手紙を添えてタイプライターで打った原稿を箱に入れ、読書会のみんなに進呈した。

ジュリエットはシドニーにガーンジー島に家を買いたいから一緒に見に来てほしいと言った。
物語の冒頭で、「アパートではなくそろそろ自分の家を持ったら」とシドニーに言われて、ロンドンの一等地にある屋敷を見にいくのだが、扉をあけると部屋が爆撃のあとで建物の壁がなく、父親の形見のスノードームのような文鎮が転げそうになるのを慌てて掴むと、床が崩れ落ちるされた幻想が現れる。
おそらく、ジュリエットが以前に住んでいた家に似ていたのだと思われる。ジュリエットは裕福な家のお嬢さんだったのだろう。
この時は「自分には分不相応の買い物だ」と断り、相変わらず狭いアパートに毎日マークから花が届いて足の踏み場もなくなっていくのを、大家さんから嫌味を言われていた。
「このあいだの家はやめた」というジュリエットに、マークは「N.Y.に家を買うのもいいと思うよ。君にN.Y.の街を案内したい」と言ったのだった。

マークとの結婚を承諾した、とシドニーに報告した時、シドニーは「本当にそれで幸せになれるんだね?」と念を押す。シドニーはジュリエットのことを好きなんだと思っていたのだが、アイソラの家に厄介になっていた時に「好きな人は?あの編集者の人?」と聞かれ「私は男じゃないから(シドニーは同性愛者だ)」と答えていたのだが、そんなそぶりはまったく描かれてなく、常にジュリエットを心配して仕事上でも色々と先手を打ってフォローしているので、ジュリエットに余計な感情を持たせないように、あえてそう言っていたのかな、と思った。
なので、買いたい家がガーンジー島にある家、と聞いた時にシドニーはどう思ったんだろう…

手紙と原稿を受け取ったドーシーは、ジュリエットに会いに船でイギリス本土へ来る。ジュリエットが入れ違いにガーンジー島へ行くために港に来ていたが、ドーシーの姿をみつけ、慌てて後を追う。
再開したドーシーは、ジュリエットに「結婚してください」とプロポーズする。
港で2回目のプロポーズだ…
ちょっとの沈黙があって、ジュリエットは「YES」と答える。
これは、単に観客をじらしているだけだろう。
ガーンジー島で、ドーシーとキットと一緒に暮らすジュリエット。
敷物を敷いて、3人でピクニックをする。


誰にもいえない秘密、とは、とっさに出た「読書会」を文化サークルに仕立て上げたエリザベスが、実はドイツ兵と親しくなり、彼の子供を身ごもっていたことだった。

秘密、といってもそれほどの内容では…
本人たちに取っては、そうかもしれないけど。

評価:キノシネマ


 

人間失格 太宰治と3人の女たち(R15+)

監督:蜷川実花
脚本:早船歌江子
撮影:近藤龍人
製作:池田史嗣(企画・プロデュース)/秋田周平/宇田充
製作総指揮:大角正/佐野真之/吉田繁暁
音楽:三宅純
主題歌:東京スカパラダイスオーケストラ「カナリヤ鳴く空 feat.チバユウスケ」

太宰治:小栗旬
津島美知子:宮沢りえ
太田静子 : 沢尻エリカ
山崎富栄 : 二階堂ふみ
佐倉潤一 : 成田凌
太田薫 : 千葉雄大
伊馬春部 : 瀬戸康史
三島由紀夫 : 高良健吾
坂口安吾 : 藤原竜也
津島園子:稲垣来泉
山谷花純
片山友希
宮下かな子
山本浩司
カフェーのママ:壇蜜
闇市の店主:木下隆行(TKO)
出版社の編集:近藤芳正

太宰治の晩年から入水自殺を図るまでを描いた作品。
太宰の長男はダウン症だったそうだが、実際そうと思われる男の子が出演していたので、かなり史実に近く映像化されていると思う。

それにしても、タバコを吸うシーンは耐え難い。
あの持ち方はなんだ、危ないじゃないか。



ネタバレのあらすじ








本編は太宰の最初の心中から始まる。
女は死に、太宰は助かって「死ぬかと思った」と言うわけだが、女の今わの際のことばが「けんじさん!」と別の男を呼ぶものだったため、太宰はそのことをあとで文豪仲間?に茶化して話していた。

大宰には子供っぽいところがあり、すでに寝ている妻美知子に向かって「虫だ。虫がいる」と虫などいないのに棒読みでわざわざ妻を起こして、かまってもらう。
美知子は「お父さんはすごい」と言うが、大宰の小説はをほめたことがなかった。

愛人の静子は「愛される愛人の立場がいい」と言いつつ、太宰の家までやって来たり、なにかにつけて妻に対抗しようとする。
太宰は「妊娠されたら困る」と思いながらも、静子の誘いを断れない。
大宰は静子の日記を小説の資料として貸して欲しい、と静子に頼む。しかし、太宰が近づいてきたのは、自分の日記が目的でだったのかと静子は問いただして「赤ちゃんが欲しい」と言いだし、太宰はぎょっとする。
結局、静子が住んでいる伊豆まで出かけて行って関係を持ち、静子の日記を手に入れる。
日記を元に書いた没落して行く上流階級を書いた
「斜陽」は、ベストセラーとなった。

沢尻エリカは「ヘルタースケルター」の時はリカちゃん人形のような体つきだったけど、流石にちょっとふくよかになった。

「斜陽」の発行記念で仲間と飲んでいると、山崎富栄と出会う。
「死ぬ前に何をしたいか」という問いに「恋をしたい」と答える太宰。
酔いを覚ましに表に出ると山崎富栄がいた。
「この川は人食い川、死体が上がらないんでしょ」という富栄に「何も残さず消え去りたい」と答える太宰。「大丈夫、君は僕が好きだよ」と白い花の中で富栄をを口説く太宰。
この花は藤のように上から垂れ下がっているのだが、藤というよりは逆さにした金魚草みたいだった。
葉っぱも藤とは違ったし。

静子は女の子を生み、太宰は認知する。
静子の弟は世間に顔向けできない、と姉をなじり、二人で太宰に会いに行くと「ヴィヨンの妻」の出版で大宰は料亭で大騒ぎしていた。「あんなにダメな夫に尽くしてくれる立派な妻などいない」と作家仲間の誰もが口を揃えて言うのを「ヴィヨンの妻はいます!」と反論する静子。

富栄も同席していて、富栄は「先生のことを考えると胸が苦しい」と大宰に訴える。
富栄とも関係を持つようになるが、静子の出産を知った富栄は、半狂乱になって自分も赤ちゃんが欲しい、と言いだし、何かにつけては太宰と交わりたがり、孕むように努力するが、結局身ごもることはできなかった。
次第に自殺願望が強くなっていく富栄。太宰は「決して一人で死のうとするな」といいふくめる。

沢尻エリカは一応脱いではいたが、大事なところは隠れていて、二階堂ふみは布団に横たわりブラジャーを上げられて小栗旬に胸を揉まれて乳首が見えていた。
この扱いの差はなんだろう?
ブラジャーは昔の円すい形のデザインだった。

祭りの夜、太宰は編集者の佐倉に女性関係についてなじられ「たかが不倫小説じゃないか」と言われて「だったらお前も不倫してみろよ」と反論。7年前から構想を練っていたという「人間失格」の小説を書いてくれと佐倉は太宰に言う。それは太宰にしか書けないから、と。
だいぶ前から太宰は咳き込むようになっていた。
佐倉と別れ路地で咳き込んでいると、富栄がかけつけてくる。
富栄を路地で抱きしめていると、そこへ長女の園子が「お父さん」とやってくる。美知子は「お父さんはお仕事だから、邪魔しちゃいけません」とベビーカーを引きながら園子の手を取ってその場を去る。正妻と娘に見られたことを知り、謝る富栄。

睡眠薬の飲み過ぎで病院に担ぎ込まれた太宰。肺の病状はかなり悪化しており、医者になんでこんなになるまでほっておいたんだ、と美知子は言われる。
相変わらず家に寄り付かない太宰のことを娘の園子は「おとうさんはお仕事で帰ってこない」と言うと、「帰ってきます!」とものすごい剣幕で言う美知子。
世間では太宰は結核か薬のやりすぎかで、じき
に死にそうだ、と言われていた。

一方静子は、「人間は恋と革命のために生まれてきた」と、斜陽の本を見ながら娘に語りかけ、自分の名前も本に載せてくれと太宰に懇願する。

バーで三島由紀夫と出会う太宰。
太宰の文学は死を匂わせ弱々しくて嫌いだ、太宰は文学を見世物小屋のようにしてしまった、本当に客の前で死んで見せる勇気があるのか、と問われ太宰は自分で自分の首を絞める。
高良健吾の三島由紀夫は、なんだかすごかった。いずれこの人も自殺するんだよな…という予感を十分感じさせられた。

富栄のところで咳で喀血しながら執筆する太宰だったが、富栄と言い争いになり「みんな死ねばいいのに」「私はかまいません。青酸カリがありますから」と富栄の自殺願望がますますエスカレートする。
自宅に戻っても荒れる太宰。美知子に「壊せばいいんです。そうすれば書きたいものがかけるんでしょ?壊して、本当の傑作を書きなさい。それがあなたのやりたいことでしょ?」と言われる。
そんな中、ものすごい金額の税金の督促状が届き、美知子はびっくりする。

美知子の妹が亡くなり、葬式で数日家を開けて帰ってくると、家の中が片付いていた。園子が「おねえさんとお仕事したの」の言葉で、愛人が家の中に入り込んで来たことを知ってショックを受ける。

夜遅く帰ってきて、いつものように「虫だ〜!」と美知子を起こすように呼ぶが、美知子は応じなかった。
太宰は雪の中おもてへ出て行く。雪が白い花のように降り、道に横たわる太宰に花が降り注ぐ。
喀血し、赤と白とのコントラストが綺麗だった。
富栄がかけつけてくる。
「すべてぶっこわしてやる」と叫ぶ太宰に「私から離れていかないで、私にはあなたしかいない」とすがる富栄。


川の音と主に、遺体が上がったという知らせが美知子の元へ届く。
川べりには下駄でつっぱったような滑り跡が残されていたという。

美知子の元には「人間失格」の原稿と遺書が残されていた。
遺書には「津島美知子様 お前を誰よりも愛してゐました」と書かれていた。
それを見て吹っ切れたように雨戸を開け、洗濯物を干す美知子。
家の外で待ち構えていた記者たちは、何事もなかったかのように洗濯物を干す美知子を、どうしたらいいかわからずに見ていた。
一方、静子は「斜陽日記」という本を出版し、インタビューをうけていた。

富栄の「一緒に死のう」という言葉に太宰は一度は「うん」と言うが、この時はまだ、実際に死ぬところまでは行かない、例え実行したとしても最初の入水のように自分だけ助かれると思っていたのだろう。そして「明日1日待ってみないか、いや、やっぱり生きよう」と、富栄に思いとどまらせようとする言葉をかける。
しかし、手首を布で縛りながら笑って「生きなくていいです。死にたいんです。いっしょに。今死ななければ一緒にいられなくなる。ほどけないような結び方を調べたんです」という富栄の言葉に愕然としたような、あきらめたような表情が浮かぶ。
のらりくらりと女性の求めに応じつつはぐらかしたりしてきたが、ついに観念する時が来た、そんな感じだった。
「行きましょ」という富栄に「…うん」と答える太宰だった。

正妻にはもちろん勝てず、同じ立場の静子には子供がうまれたが、自分は結局子はできなかった。
この二人に勝つには、太宰と心中するしかない。
富栄はきっとそう思ったのだ。


隣は小栗旬のファンなのか、若い女の子で、映画が始まるまではスマホを見ていて、始まるとハンバーガーを取り出し、包み紙をがさごそと音をさせていた。
そんなに食べながら見たいのか?
終わって「面白かったね」と言っていたが、私は文学作品と相性が悪いのか、結構睡魔との戦いだった。

評価:1k


 

アド・アストラ

監督:ジェームズ・グレイ
脚本:ジェームズ・グレイ イーサン・グロス
撮影:ホイテ・バン・ホイテマ
美術:ケビン・トンプソン
衣装:アルバート・ウォルスキー
編集:ジョン・アクセルラッド リー・ハウゲン
音楽:マックス・リヒター

ロイ・マクブライド少佐:ブラッド・ピット
クリフォード・マクブライド:トミー・リー・ジョーンズ
トム・プルイット大佐:ドナルド・サザーランド
ヘレン・ラントス:ルース・ネッガ
イヴ・マクブライド:リヴ・タイラー
ケフェウス号船長:ジョン・オーティス
ケフェウス号乗組員:ジェイミー・ケネディ
ケフェウス号乗組員:キンバリー・エリス
宇宙軍司令:ジョン・フィン
ローレン・ディーン
リサ・ゲイ・ハミルトン

予告はミステリーのような感じだが、自分の内面と向き合う、というようなストーリー。主人公ロイが精神チェックで語る「今何を感じているか」とロイの行動だけで淡々と話が進んでいく。映像も結構地味だが、久々に見た後に考えさせられる映画だった。
ロイは任務をこなしていくが、孤独にも耐えどんなときでも冷静に行動している。

ブラット・ピットは、ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのチャラいクリフとは全然違っていた。

「アド・アストラ」の意味はラテン語で「宇宙の彼方へ」だとハリー杉山は言っていたが「Per aspera ad astra.(困難を克服して栄光を獲得する)」もあるらしい。
月基地から見える地球のことを「Blue marble」と言っていた。確か「青いビー玉」と訳していたがちょっと意味違う気がする。

音響はほとんどいじっていないようだ。
後半、ほぼ音がなくなるからかもしれない。






ネタバレのあらすじ









近い未来の地球、人類は火星まで進出し基地を作り、飛行機に乗るような感覚で宇宙旅行ができるようになっていた。

宇宙飛行士のロイは、地球の軌道上にある衛星で、船外ののアームの故障を見に行くことになり、命綱もなく慣れた感じでそのまま宇宙に出ていく。長い梯子を降りていくと、別の棟でも宇宙飛行士が船外活動をしているのが見える。

それは「衛星」ではなく地上まで伸びた国際アンテナであった。表で修理している最中に巨大なサージ(電気嵐)が起こり、アンテナはショートして爆発、宇宙飛行士たちは落下していく。ロイも落下、というより自ら手を放して地上へと落ちていき、地上までかなり近づいたところでパラシュートを広げたが、爆発の破片がパラシュートに穴を開け、かなりのスピードで地上に着地した。

ロイは常に平常心を保ち、どんな時でも心拍が上がることはなかった。
しかしそれは、他人との繋がりを持てないからだった。
ロイは宇宙アメリカ軍の司令部に呼び出される。
ロイの父親はロイが6歳の時に29歳で「リマ計画」という地球外生物の探索計画で、初めて有人飛行の宇宙船の艦長になった人だったが、その後消息を絶ち、行方不明になっていた。
しかし、その父が生きているかもしれない、と聞かされ、サージを起こしているのは父である可能性があるという。リマの宇宙船の原動力は反物質であり、悪用されると地上の生命は滅亡してしまうかもしれない、というのだ。
任務はサージの影響を唯一受けなかった火星基地から、海王星へ向けてメッセージを送信すること。無人探査機などを送ったが広大な空間なため、発生源をみつけられない。実の息子の呼びかけならあるいは…というのだ。
最悪、サージを止めるために有人探査機を差し向けることになるかもしれなかった。

父の姿を思い出すロイ。
思い出した姿なんだよね?
今のトミー・リー・ジョーンズのままで、すごいおじいさんなんだが…20歳代には全然見えないし、宇宙旅行をすると、地球の人は年を取ってしまうが、宇宙旅行をした人は年を取らないんじゃなかったっけ?確か「楕円軌道」でそんなこと言っとった…

ロイのお目付役としてプルイット大佐も一緒に行くことになるが、60は超えているだろうという老人で、なんでこんな歳の人が行くんだ?と思う。
プルイット大佐はリマ計画でロイの父と衝突し、計画から抜けたことで「裏切り者」と言われたという過去があった。
二人で月まで飛行するが、飛行機のようにキャビンアテンダントがいて、乗るときにアメニティを渡されていたが、クッションとブランケットは貸してくれず、2つで125ドルとはめちゃ高い!
そして月には国境がなく、全てが紛争地帯であるため、気をつけるようにとアナウンスされていた。

月に到着すると、普通の空港と同じような風景で、SubwayとかDHLの看板があった。
火星への飛行前のチェックでプルイット大佐に不整脈が発見され、大佐の火星行きは中止になる。別れ際にプルイット大佐は「君のお父さんは生きている。長年連絡が途絶えていたが、最近になって救難信号がキャッチされた。それは今までお父さんがあえて連絡を取ってこなかった、ということだ。忠告しておく。宇宙軍はお前のことをよく思っていない。気をつけろ」と、ロイに機密事項のデータの入ったカードを渡す。

再生すると、父の姿があった。
「一部の乗組員が精神の限界を迎え、地球へ戻りたいと反乱を起こした。地球外生命の探索を継続するために、艦長である自分は厳しい決断をせざるを得なくなり、船の一部の機能を停止させた。それによって反乱を起こした乗組員以外も犠牲になってしまった」

ロイは火星へ飛行する探査機であるケフェウス号を発射する基地まで、月面車に乗って移動するが、正体不明に車に襲われ、護衛の将校は殺されてしまう。国境がなく資源の採掘のために無法地帯と化す、というのはこういうことなのか・・・
運転を代わりなんとか銃撃を交わしながら走って行くが、クレーターへ突っ込んで行ったところは、「宇宙兄弟」のヒビトを思い出した…
引力が小さいから落下せず、平行にクルクル回って飛んで行った。
月の陰に入ると、本当に真っ暗だった。

基地までたどり着き、ケフェウス号に乗り込む。乗組員たちはロイの名字で「伝説の宇宙飛行士の息子」であることがわかっていて、憧れの飛行士だった、と口々に言う。飛行の途中で救難信号をキャッチしため、船長は救助に行くというが、ロイは極秘任務であるため、行くべきではないと主張する。しかし「あなたに指揮権があることは認めるが、従う義務はない」と言われロイは船長と一緒に宇宙遊泳で救助に出発した。動物の実験施設だったが、中に入ると人がおらず、船長は猿に襲われて結局死亡してしまった。
火星に到着するが機体に故障が生じ、垂直姿勢を保てなくなってしまう。ロイは手動操縦に切り替えろというが、操縦士がなかなか応じなかったため、ロイが操縦を代わり無事に着陸した。

用意された原稿を読んで、父へと呼びかけるロイ。しかし反応はなく次のチャンスにまたメッセージを送るが、用意された原稿ではなく自分の言葉でメッセージを伝える。「父さん、子供の頃に一緒に映画を見たよね。白黒のミュージカル。僕は父さんと同じ宇宙飛行士になった。もう一度会いたいよ」ロイの目に涙が浮かぶ。
この後司令室では何かをキャッチしたようで慌ただしくなって行ったが、ロイには何も知らされず、帰還命令が出される。

火星基地の所長ヘレンに呼ばれ、廊下を歩いていると、月から一緒に乗ってきた乗組員たちとすれ違うが、飛行中は陽気だった3人はロイに全く反応せず厳しい表情だった。ヘレンによると、乗ってきたケフェウス号はすでに海王星に向けて発射準備ができており、リマ計画の探査機の破壊とロイの父を抹殺するために核弾頭が積まれているというのだ。ヘレンの両親は、リマ計画へ参加しており、船長の判断によって命を落としたのだった。
それでもサージは止めるべきだと、ロイをケフェウス号のあるところまで誘導する。

火星の地底湖を泳いでケフェウス号のある基地へ潜入すると、ケフェウス号の真下に出る。すでに発射まであと10分くらいだった。カウントダウンが始まり、よじ登っていくと、ケフェウス号の下部に点火される。ハッチをあけて中に入るとアラートがなり、乗組員がロイを排除しようと向かってくる。船長が銃を打つと何かの缶にあたり有害ガスが噴射される。もみ合いになって2人の乗組員は死亡、船長も酸素を吸わせたが間に合わず死亡し、ロイは一人で海王星へ向かうことになってしまった。
土星と木星を通り過ぎる。
ロイは父のことを思い出す。「必ず帰ってくる」と言い残して出かけて行ったが、戻っては来なかった。この出来事が他人とのつながりを作れない原因となっていた。
妻ともうまくいかなくなっていた。
火星を飛び立って海王星に着くまで79日間、一人でずっと過ごす間に妻のメッセージを聞く。
「あなたの心は私にはなく、別のところにあった。どんなに寂しいことだったか」
「こうやって映像は見られて語りかけられるのに、会話はできないなんて___」
これはリアルタイムで届いたものなのか、以前に届いたものを何度も繰り返し見ているのか…
2001年宇宙の旅のように、HAL 9000のような話し相手もいない。
「一人は嫌だ」というロイ。

海王星に到着し、惑星の軌道に乗ったが、ケフェウス号が故障。自動操縦で軌道にのせたまま、脱出ポッド?でリマへ向かう。
リマ計画の宇宙船を発見、しかし、サージが発生する。宇宙船は故障していてドッキングはできず、ロイが船外へ出るとポッドは宇宙のへ果てへ流れて行った。宇宙船内からは応答はなく中へ入ると乗組員は死んでいた。
音楽が聞こえて来て、そこにはロイが「昔一緒に見た白黒映画のミュージカル」であろう映像が流れていた。
奥へ進んで行き、核弾頭をセットしていると、頭上から声がした。
「ロイ?」
父がセーターを着た姿でヒゲが生え放題の姿で立っていた。父はずっと一人だ、船長は船とともにあるのだと言った。「私が戻らなかったせいで妻は未亡人に、お前は孤児となってしまった。サージを止めたいができない、だいぶ前にクルーが脱出する手段としてメルトダウンさせてしまったのだ」という。
「家へ帰ろう」というロイに「ここが家だ」と答える父。
「戻っても誰も父さんを責めたりしない」
「ここに運命を見つけた。だから妻も息子も捨てた。地球外生命を探すための旅だったが、どこを探索しても『意識』を持っている生物の痕跡は見つからなかった。最終的にクルーは探索を諦めた。地球にしか「生命」は存在しなかった、と結論づけたのだ。われわれは滅びゆく種族なのだ」

戻ろうと説得するロイに「戻ったら、自分の任務は『失敗』になってしまう。それだけはできない」と地球への帰還を拒否する父。
ロイは父の手をそっと取るが、拒否される。それでもなんとか宇宙服を着せていると「よく一人でここまできた。その勇気はすばらしいものだ。お前のような優秀なクルーと一緒ならば、きっと地球外生命を探し出せるに違いない」と、夢を語る父。ロイは核爆弾をセットした。
「爆発まで3時間です」

表に出て宇宙船の壁面をよじ登る二人。二人はフックをかけてロープでつながれていたが、いきなり父親がエアーを噴射して飛び出す。
「何するんだ!」
「頼む、行かせてくれ。フックを外してくれ」
フックを自分で外し、宇宙の果てへと飛び出す父。泣きながら離れて行く父を見送るロイ。

「地球は宇宙でただ一つの生命がある星」であることを知らせたくないから戻りたくないのか、それとも自分の任務が失敗に終わることを拒否して戻りたくないのか…
宇宙船は永遠に生きていられるような食料や水などを作る機能があるのだろうが、このような状態になってもまだ「地球外生命を探すことを続けたい」と思うところがすごい、というよりは、すでに精神のどこかが狂ってしまっているのではないか?と思った。
家族を捨ててまで選ぶほど、任務はそこまで大切なものなのか?

ロイはリマのアンテナに登り、パネルを外す。
それを盾にして海王星の小惑星帯を飛行し、ケフェウス号へと戻る。よく宇宙服に穴が開かなかったなぁ
父から探索のデータを受け取っていたロイは、ケフェウスへとダウンロードし、リマの爆発を推進力として地球へ向かう。司令室へ「大事なデータがあるので、必ずケフェウスを探されたし」とメッセージを送信する。
リマが爆発し、その勢いでケフェウスは動き出す。
爆発まで3時間じゃ時間が足らないと思うのだが、ケフェウス近くまで来て噴射を強くしたら飛ばされて船体を捕まえるのが大変だったのは、時間がなかったから?

地球に戻る途中、ロイは父のことを考えていた。
父は、遠くの大きなものを見すぎて、身近な人たちを意識することができなかったのだ。
地球に無事に戻り、ケフェウス号は地上に着地する。アメリカ宇宙軍の軍人がロイを助けに来ていた。

ロイは入院したようだったが、数日くらい?で心拍はいつもの平常数へと戻り、いつもどおりの体調だった。
コーヒーショップでコーヒーを飲みながら思う。
「先のことはわからない。心配してもしょうがない。身近な人を愛し、いたわり、そうやって生きていこうと思う」
コーヒーショップの入り口に妻の姿が現れ、店の中へと入ってきた。


父は自分たちに全く無関心だったが、自分はそういうふうには生きない、というラストは、自然とそういう感情が湧き出てそう思っているというよりは、努力してそうしようと努めているようにも感じられた。

ラストの方はほとんど音がなく、劇場内はみんな身じろぎもせず静まり返っていた。bで2〜30人くらいだと思うけど。
休み明けのレイトショー、ポップコーンを食うやつはいなくて、非常に快適に見られたけど、ここでがさごそやられたら集中が途切れる…
それにしてもbスタはスクリーンが汚い。白く飛ぶような映像だと、埃なのかシミなのか、よくわからない模様が浮き出てくるのをなんとかしてほしい。

評価:1k


 

記憶にございません!

脚本・監督:三谷幸喜
製作:石原隆、市川南
プロデューサー:前田久閑、和田倉和利
撮影:山本英夫(J.S.C.)
音楽:荻野清子
衣裳デザイン:宇都宮いく子

黒田啓介:中井貴一            井坂首相秘書官:ディーン・フジオカ
黒田聡子:石田ゆり子           番場のぞみ事務秘書官:小池栄子
寿賀さん:斉藤由貴            山西あかね:吉田羊
大関平太郎:田中圭            南条実:寺島進
小野田治:梶原善             近藤ボニータ(夜のニュースキャスター):有働由美子
古賀(SP):藤本隆宏           野々宮万作秘書官補:迫田孝也
鱒淵影虎:ROLLY             八代:後藤淳平(ジャルジャル)
ジェット・和田:宮澤エマ         桜塚厚生労働大臣:市川男女蔵
森崎財務大臣:小林隆           牛尾外務大臣:飯尾和樹
戸波医師:小澤雄太            定食屋の店長:阿南健治
中年サラリーマン:近藤芳正        高級レストラン店長:栗原英雄
凄腕スナイパー:川平慈英         おんな西郷:天海祐希
柳友一郎:山口崇             スーザン・セントジェームス・ナリカワアメリカ大統領:木村佳乃
鶴丸大悟内閣官房長官:草刈正雄      古郡祐:佐藤浩市
さまざまな声:山寺宏一

街頭演説中に石を投げられ額に当たり、記憶喪失になった総理大臣が巻き起こす「世直し」コメディーなのだが…
そういう出来事あったね〜とモデルになる政治的出来事のパロディが満載で、最初の頃はクスッとするところはあるが、話が進むにつれて総理大臣のくせにやっている事が小物過ぎて、笑えない。
後ろの席の人も、最初は声立てて笑っていたが、後半は全く笑わず…
劇場全体もそんな感じだった。

そもそも、記憶喪失になっただけで、あんなに人格変わるもの?
人間の本質なんて、そんなに変わらないでしょ。
なのに、全然別人みたいだし、倒れた人に「大丈夫ですか?」と抱え起こそうとしただけで「いままでそんな行動をとったことがなかったのに、びっくり仰天!!」とニュースになるって、いったいどんな人間なんだ。
しかも、そういう人が総理に選ばれるって、いったいどうなってるんだ??
番場事務秘書官は優秀だと思うのだが、途中から総理の単なるファンになりさがっていた。
井坂首相秘書官もやってることが中途半端、全体的にみんな中途半端な印象だ。










ネタバレのあらすじ






病院で目覚めたところからストーリーが始まり、体中にくっついている管(点滴と指先のバイタル図る装置)におびえ、すべて外してパジャマ姿のまま表へ飛び出してしまう。
ふつう看護婦さんとか呼ばないか?
しかも、部屋の前にはSPはおらず、通路の隅でひそひそ話していて、勝手に出てったことに気づかない。
繁華街で周りの人に不思議そう?に見られ、制服の腕をまくったチャラい警官(田中圭)が「見世物じゃないんだから、はいはい、散った散った」と野次馬を追い払うと「私は総理大臣らしいんです」と言うが「はいはい、あんたが総理大臣なら俺をSPにしてくれよ」と相手にしないでいたら、SPがパトカーでやってきて連れ戻された。

記憶喪失であることは極秘にされ、知っているのは井坂首相秘書官と番場事務秘書官、野々宮秘書官補だけ。
自分がどんな人間だったかもわからない総理は、なんで支持率最低なのか、と番場に聞き、国会の様子の録画を見る。
「記憶にねーんだよ!!」と開き直る姿が映っていた。
「あれが、あれであれして」とか、意味不明なことを言う周りの政治家たち、そして、税金で作った総理夫人のためのテレビ番組やら、総理の幼馴染の建設会社社長との賄賂や癒着などが発覚、決定打として総理夫人と井坂首相秘書官の不倫スクープが出てくる。
総理夫人の生放送のテレビ番組に穴を開けないために、「出ない」と言った総理夫人の代わりに番場事務秘書官が真面目に踊っていたのは笑えばいいのか、なんとも微妙な感じだった。
夫人の石田ゆり子は、ちょっと劣化した感じがする。
鈴木宗男ちっくな幼馴染の小野田建設会社社長との極秘のプロジェクト(=陳腐な癒着計画)が進行中で、金品受諾はタクシーで行われるのだが、井坂を間に挟んで社長と総理が「受け取れ」「受け取らない」でやりあうところは、ここ笑うところなんだろうなぁ…と思うのだがおかしくないのだった。
不倫をスクープしたフリーライターの古郡祐とのやり取りも「別のところに仕方なく売ったよ。お金払ってくれないからさぁ…」とかなのだが、笑えない。
井坂は「総理に記憶がないなら、それを利用させてもらう」と番場に言い、番場も「あなたのやりたい政治をやって」というが、具体的にどんななのかもよくわからんかったし。
黒田はかつての恩師に政治の仕組みを1から教えてもらって、正しい政治を行うことを決意する。
それって、改めて習わないとならないくらい、忘れたってこと?
しらないのに政治家になって総理になったってこと?
ものすごく違和感を感じるんですけど…

深夜に台所でごそごそしていたら、料理人の寿賀さんにフライパンで頭を殴られ、おそらく、この時に記憶が戻ったんじゃないかと思う。後に記憶が戻っていることを番場に指摘されて「もとの悪い政治家に戻ることもできたが、やめた」と言っていたが、記憶が戻って自分がそんなくだらない癒着行為をしていたことを、いったいどう思ったんだろう?

最初は戸惑っていた黒田も、正しいことを行っていく決意をする。
チャラい警官を願い通りSPに引き抜き、不正行為は全てとりやめる。
「いい総理」として出直すことができるかどうかは鶴丸内閣官房長官にかかっていて、どうやって彼を辞めさせるか、だった。
不正行為を暴いたが、それがゴルフの不正行為で、ゴルフ協会の名誉会長だったため辞任することになった。
草刈正雄だけど、良さがあまり出てないような…「なつのじいちゃん」を見慣れているためヅラちっくな印象だ。
代わりの官房長官は妻の兄を据える。
この人がローリーとは…以外と目が離れてる?

黒田の妻の不倫がスクープされ、井坂は辞表を提出。
周りの秘書官たちもそれに協力し、「ヤバイことは先に発表して謝ってしまおう」と言う作戦に出る。
黒田の不倫相手の山西あかね党首に頼んでしてもらい、国会という公共の電波を利用して妻に直接謝罪をする。「愛してる、帰ってきてくれ」でいろんな国の言葉で「愛してる」を言い続ける総理大臣…
囲み取材でなんと聡子が現れ、抱き合う二人。井坂が拍手を始め、報道陣も拍手、無事円満解決となった。

鶴丸は黒田を蹴落とすため、スナイパーを雇うが失敗、元チャラい警官の大関が追いかけていく。
今度は黒田の未成年の息子が飲酒で補導されたことを嗅ぎつけ、スクープするように古郡に依頼するが「そこまでクズになれねぇんだ」と断わられる。
そして最後は番場がどこからか持ってきた、小学生の頃に書いた作文で初心を思い出し、息子が父の姿を見て「いつか総理大臣になりたい」と言う、えっ、そんなんで政治家って夢を持って目指せるもんなの?と思うような結末だった。

木村佳乃のアメリカ大統領は、ものすごい癖のある英語をしゃべっていたが「次の選挙で彼女が勝つかどうかわからないじゃないか」のひそひそ話に「選挙は水物、やってみないとわかりませんよ」と答えるという、「実は日本語わかります」が面白くてよかった。
医師も総理大臣を診察するにはずいぶん若くて威厳ないし、常にペンをいじっていて不真面目そう。人望のなさに偉い先生には拒否られたのか?


「消費税をやめて大企業から取ったらどうか?」とは言っていたが、どうせならもっと「我々が常日頃感じている矛盾」みたいなものの解決の提案をもうちょっとしてくれたらよかったのに。
「総理と呼ばないで」は見たが「どんなにダメなトップでも、周りの人間が優秀なら何とかなる」という感想だった(と思う)。
同じ総理ものなら、キムタクの「CHANGE」の方が面白かった。

ホテル・ムンバイにすればよかったと後悔した…

評価:1g


 

ホテル・ムンバイ(R15+)

監督:アンソニー・マラス
脚本:ジョン・コリー/アンソニー・マラス
製作:ベイジル・イヴァニク/ゲイリー・ハミルトン/マイク・ガブラウィ/ジュリー・ライアン
音楽:フォルカー・ベルテルマン

アルジュン:デヴ・パテル
オベロイ料理長:アヌパム・カー
デヴィッド:アーミー・ハマー
ザーラ:ナザニン・ボニアディ
サリー:ティルダ・コブハム・ハーヴェイ
ワシリー:ジェイソン・アイザックス

2008年に起きたムンバイ同時多発テロで、五つ星ホテルのタージマハル・ホテルでの襲撃を元にした映画。
豪華なホテルが殺戮の場所と化し、逃げ込んだ人や宿泊者、ホテルスタッフが容赦なくテロリストに射殺されていく。
彼らは「全てお前たちから奪われたものだ。取り返すのだ」という指示のもと、宗教というある種の「洗脳」における信念で若者たちが犯行を行うが、自分の思い描いていたものと異なっていたことを知り絶望する場面もあった。
アルジュンがイギリスの老婦人を説得するところ、なかなかできないよね。
オベロイ料理長も、最初は「靴ないやつは帰れ!」と言っていたのが、最後は抱き合って無事に乗り切れたことを喜んでいた。
最初は「こんなやつ…」と思ったロシア人も、ザーラを助けたりと、いい人だった。

もし、同じようなテロが、日本で起こったら?
なすすべがない。
エイリアンのように終始ものすごく緊張するわけではないのだが、やはりずっと緊張しながら見ているので、若干疲れた。
fだが、音響は普通で調整なし。
このホテルのカットや、途中であまりきれいじゃない映像が挟まれるのだが、これはおそらくテロ当時の本物の映像じゃないかなぁ。






ネタバレのあらすじ










海岸に小舟がつく。コーランのようなものを唱える青年たち10人くらいが載っていて、駅やホテルなどにタクシーで散っていった。

アルジュンは子供を連れて妻の勤め先?へ向かうが、カバンから靴の片方が落ちてしまう。
額のターバンの位置を、くしで一生懸命直しているが、そんなに違うかなぁと思って見ていた。
きっとちょっとの角度とか位置とかでおしゃれしてるんだよね。私には全然違いがわからんけどさ。

妻は身重だった。「来るはずだった君の妹(義妹)が来なかったよ」と、娘を妻に渡し、タージマハル・ホテルへ出勤する。
靴を落としてしまい、サンダル履きではホテルの給仕には出せない、とオベロイ料理長に言われるが、妻が身重だから(お金がいるから)と頼み込むと、予備の靴が事務所にあるからそれを履け、と言われる。その靴はアルジュンには小さすぎたが、無理やり履いて店に出る。

CST(チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス)駅が二人のテロリストの銃撃を受ける。
ホテル近くの飲食店で食事をしていた若い外国人の観光客カップルも、飲食店が襲われすきを見て店の外に逃げる。市民たちがホテルの入り口に詰めかけたため、支配人がとりあえず人々を中に入れるが、4人のテロリストも一緒に建物に入ってきてしまった。

その日はVIPとしてアメリカの建築家夫婦と、ロシア人のビジネスマンが宿泊予定だった。
建築家夫妻の妻は地元の資産家の娘で、ベビーシッターのサリーに赤ちゃんを預けて、1階のレストランで食事をしていた。
ロシア人のワシリーは部屋に呼ぶ女の子を写真を見ながら決めていて、「その子の乳首の大きさは何センチだ」と電話で尋ねていたのを、隣のテーブルに座っていた建築家夫妻が聞いてびくりしていた。

テロリストがロビーの客を射殺する。その様子を扉から見ていたアルジュンは、照明を消して客にテーブルの下にもぐるよう指示する。
息をひそめる客たち。建築家夫妻は部屋に残してきた子供が気になり電話するが、シッターのサリーはシャワーを浴びていて気付かない。やっとサリーと連絡が取れたが、部屋の扉をたたく音がし、夫のデヴィッドが「やめろ、あけるな」と言ったのに「良く聞こえないわ。お医者様が今来たみたい(子供が熱を出しているので、医者を呼んでいたのだ)」と扉を開けてしまう。老婦人がただならぬ様子で入ってきてトイレに入りカギをかけたため、不審に思ったサリーはクローゼットに身を隠した。テロリストが入ってきてトイレの扉をたたき、カギをマシンガンで壊して老婦人を射殺。その様子を網戸のようになっているクローゼットの中から見ているサリー。赤ちゃんがぐずりだしたので口をふさぐ。
男たちに連絡が入り、下に降りてくるように言われたため部屋から出て行った。

デヴィッドに連絡するサリー。デヴィッドの電話の声に、見つかってしまうじゃないか、と怒るワシリー。
子供が心配だ、と止めるのも聞かず、デヴィッドはレストランから出ていき、客室へ向かっていく。エレベータでテロリストと遭遇するが、配膳台に隠れて何とか宿泊している部屋のフロアへたどり着き、サリーと合流できた。
テロリストは配膳台においてあったパイ?キッシュ?を食べて「うまい」と言っていたが、こういうものは食べたことがないんだろう

トイレで射殺した後も水を流して「クソを流す装置があるぞ」と少しはしゃいでいて、水洗トイレは初めて見たようだったし、貧しい暮らしをしていたようだった。

デヴィッドはザーラのところへ移動しようとサリーに言うが、サリーは「赤ちゃんが泣いたら見つかって殺されてしまう」と拒否したため、二人でその場にいることにした。

アルジュンにオベロイ料理長からチェンバーズへ客を移動させるように連絡が入る。
ザーラはデヴィッドに6階のチェンバーズへ来るように連絡する。
チェンバーズはバーになっており窓がなく、扉も頑丈なので、見つからなければ大丈夫だろう、との判断だった。
オベロイは従業員に「お客様を守るのだ。だが、強要はしない。帰りたいものは帰っていい。誰もが家族はいるからな。そのことで責めたりはしない」と言う。
数人の従業員は「すみません」と言って帰ったが、「35年務めた私には、このホテルが家です」といったスタッフを含め、多くのものが残った。
このスタッフは最後撃たれて死んでしまったんだよね…

ザーラは実家に電話をするが、ペルシャ語で話をしたためにイギリス人の老婦人から「誰と電話してたの?あなた、犯人の一味じゃないの!?」と疑われてしまう。オベロイは「みんなが一つにならないと切り抜けられない」と婦人を説得しようとするが、疑心暗鬼になった婦人はザーラへの追及をやめなかったので、ワシリーが間に割って入り「黙れ。向こうへ行け」と強く言う。ザーラには「あいつはビッチなんだ。10年くらい男とやってない。見りゃわかるだろ」と冗談めかして言って気持ちを落ち着かせる。
オベロイはアルジュンに「あのイギリス人のご婦人が、ターバンと髭を不安に思うので、見えないように奥に行ってほしい」と言う。
アルジュンは婦人のもとへ行き妻と子供の写真を見せ話しかける。
「自分はシーク教徒でこのターバンは”パグリー”と言います。パグリーは神聖なもの、自分たちの誇りです。パグリーをつけずに外出することはありません。ですが、ホテルではあなたがお客様(ゲスト)です。これを外せば安心できるとおっしゃるなら、外します。いかがいたしましょうか」
「…いいえ、外さなくても大丈夫よ」
「こういう時ですから、皆が団結しないと。…お水をお持ちしましょう」
このアルジュンの行動はすごいなぁ、と思う。

助けを求めてチェンバーズの扉がたたかれる。中にいた客たちは扉を開けることを止めるが、オベロイは扉を開く。逃げてきた人たちが中に入ってきて、その中に冒頭でレストランで襲撃を受けたカップルの女性がいた。カップルの男性はチェンバーズにいたが、女性は逃げ出したため胸を撃たれてしまっていた。その場にいた眼科医が診察するが、胸腔内にも出血しているだろうから、すぐに手当てしないとおそらく死んでしまうだろう、と言ったため、アルジュンが「見捨てられない」と表へ連れ出そうとする。
しかし、女性はかなり弱ってきていて、出血もひどくなったため、バグリーを外して止血しようとしたが、テロリストに見つかってしまい、女性は銃殺されてしまう。逃げたアルジュンは地元警察のテロ対策課の刑事と遭遇する。すでに事件発生から9時間くらい経過していたが、ムンバイには特殊部隊はおらず、デリーからの到着を待っていたため、警察は何も出来ないでいた。刑事たちは監視カメラの映像でテロリストの居場所を特定しようと、忍び込んできたのだった。4人のうち2人はすでに殺されていた。アルジュンが監視カメラの部屋へ案内する。

テロリストは部屋にこもっている宿泊客を皆殺しにするために、フロントの女性に扉を開けるように客室へ電話させる。
扉を開けると即座に射殺され、電話越しにその音を聞いたスタッフは受話器を力なく落とす。
「次の部屋にかけろ!」と言われ振り返りテロリストを見上げるが、かけることを拒むと容赦なく射殺された。

防犯カメラを見張っていると、チェンバーズの扉の前にテロリストが来ていた。
テロリストは死んだ警察隊のIDを見て、その名前を言い「助けに来た」と扉の外から言ったので、オベロイが警察に電話し確認するとその者は隊員だが連絡が取れなくなっていたので死んだと思っていた、と回答される。カギを開けようと鍵穴にキーを差し込んだ瞬間、アルジュンから「罠です!テロリストだ!」と連絡が入る。
慌てて別の部屋へと移動していく客たち。グラスが落ちて割れた音で、中に人がいることが分かってしまい、テロリストは扉を破壊しようとするが、頑丈で壊せない。警官がアルジュンに「ここにいろ」と命令してテロリストを射殺しに行く。二人とも弾は6発しかなかった。結局、一人のテロリストの足を打ち抜いただけで、殺すことはできず、警官の一人は射殺される。
アルジュンは窮屈な靴を脱いだ。無理やり履いたため、足の指がすれて出血していて、痛そうだった。

テロリストが建物内に油をまき、火の手があがった。
サリーとデヴィッドはチェンバーズへ移動することにし、部屋を出るがテロリストと遭遇したため、デヴィッドは慌てて415号室の横の物置にサリーと子供を隠す。デヴィッドは捕まってしまった。
テロリストは金持ちのイギリス人、アメリカ人を生け捕りにし、一人ずつ公開処刑しようとしていた。
他の人質たちがいる部屋に連れていかれうつぶせで後ろ手に縛られるデヴィッド。見張りのテロリストはさっきの銃撃で足を撃たれていたが、客室から家に電話をかける。父親に「お金をもらったか?」と聞くが「もらってない。訓練はどうだ?あの人たちはいい人たちだ」という父親に、電話を切った後、やるせなさで叫び声をあげる。その様子をデヴィッドは見ていた。

ザーラは「子供が心配だ」と部屋を出ていこうとする。オベロイは扉は開けない、と言うが、ワシリーが「出てきたい奴が出ていくだけだ」と言って、ザーラとワシリー、他4人が部屋を出て行った。しかし、すぐにテロリストにみつかってしまい、ザーラとワシリーは人質の部屋に連れていかれる。部屋には捕らえられたデヴィッドがおり、ザーラに「他人のふりをしろ」と言う。
テロリストたちは電話で指示をうけて行動していた。
ワシリーの身元を知る為に、身分証を探せと言われ、パスポートを写メで送ると、ワシリーは軍関係者だったことがわかる。
ワシリーがイスラムを侮辱するようなことを言い、テロリストに唾を吐いたので、テロリストは激高しワシリーを殴りつけてろっ骨を折る。
見張りとして1人を残してテロリストたちは出て行った。
デヴィッドは縛られていた手をなんとか自由に動かせるようにした。デヴィッドは「サリーと子供は415号室の隣の物置にかくまった」と言い、テロリストに向かっていこうとするデヴィッドをザーラは止めるが、起き上がろうとしたところを撃たれる。
見張りへの指示が変わって、人質を皆殺しにし、合流するように命令が出た。
ザーラに銃を向けたため、ワシリーがテロリストの撃たれた足にかみつく。ものすごい叫び声をあげ苦しむが、ワシリーは射殺された。ザーラは観念し、「アラーは慈悲深い…」とおそらくコーランの一説を唱え始める。
テロリストは「なぜその言葉を知っている、この魔女め」と言い、電話で指示を出している男に「異教徒が我々の言葉でしゃべっている」と訴える。
「異教徒の男を殺しても罪にはならない」
「女だ」
「殺せ」
テロリストは銃を壁に向けて撃ち、その場を去った。

客室の一部に灯油がまかれ、火の手が上がる。
アルジュンは客たちが逃げているのを見て、部屋を出てチェンバーズへ案内する。
火の手が上がったことを知り、オベロイは脱出しようと客たちに話すが「出ていくと殺される」と騒ぐ客たち。
火が出ては逃げるか焼け死ぬかしかないため、携帯の電源を切り静かに移動するように客たちに支持するオベロイ。
しかし、客の一人が携帯で外部に連絡したために「チェンバースからの脱出計画がある」とテレビで報じられ、テロリストがチェンバーズへ向かってしまう。

スタッフ用の階段を使って階下へ降りていくと、途中で物音がしたため、スタッフが扉を開け、サリーと赤ちゃんを助け出す。サリーは鍵をかけられ閉じ込められて出られなかったのだ。
階段を降りているとテロリストが追いかけてきて、上の階からマシンガンを撃ちパニックに。
やっとデリーから特殊部隊が到着し、建物へ突入した。
アルジュンとオベロイは客を誘導しながら外へ移動するが、テロリストに射殺されたスタッフもいた。
特殊部隊に追い詰められ、テロリストはロビーで自爆する。
一人は自分が起こしたことが正しかったのか、いやそうではない、と思っているようだった。
一人は信念を貫く、という意志は揺るがないようだった。
指示をした男はいまだにつかまっていない。

ザーラは415号室まで行くが、物置には子供の荷物を入れたバッグがあるだけだった。泣き崩れるザーラ。
次第に煙が回って来たため、ランプのスタンドで窓を割り、助けを求める。
特殊部隊に助けられたザーラはサリーと赤ちゃんと無事に会えたが、結局デヴィッドは偽性になってしまった…

無事に建物から出られたアルジュンは、オベロイと抱き合う。オベロイは「よくやった」というように背中をたたいた。
アルジュンの妻と妹は事件の様子をテレビで見て心配していたが、アルジュンが原チャリで戻ってきたのを見て、涙を流した。

レストランは3週間後に再開されたそうだが、ホテル自体の再開は27か月後だったという。
ホテルのオープン時には、助かった客がお祝いに訪れた。
今でもこの時のスタッフがタージマハル・ホテルには勤務しており、「ホテル・ムンバイの戦士」と呼ばれているそうだ。

評価:1f


 

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