BFG: ビッグ・フレンドリー・ジャイアント

監督:スティーヴン・スピルバーグ
脚本:メリッサ・マシスン
原作:ロアルド・ダール『オ・ヤサシ巨人BFG』
製作:スティーヴン・スピルバーグ/フランク・マーシャル/サム・マーサー
製作総指揮:キャスリーン・ケネディ/ジョン・マッデン/
      クリスティ・マコスコ・クリーガー/マイケル・シーゲル

出演
BFG(ビッグ・フレンドリー・ジャイアント):マーク・ライランス(山路和弘)
ソフィー:ルビー・バーンヒル(本田望結)
女王:ペネロープ・ウィルトン(鈴木弘子)
マルノミ(フレッシュランピーター) - ジェマイン・クレメント(山野井仁)
メアリー:レベッカ・ホール(山田里奈)
Mr.ティブズ:レイフ・スポール(小林親弘)
チダラリン(ブラッドボトラー):ビル・ヘイダー(落合弘治)
ニクスキー(ブッチャーボーイ)、デンマーク人運転手:マイケル・デヴィッド・アダムスウェイト(田尻浩章)
ガブリン(ボーンクランチャー)、田舎者:ダニエル・ベーコン(宗矢樹頼)
ゴックリン(ギザードガルパー)、深夜の散歩者:クリス・ギブス(石住昭彦)
ハグリン(マンハガー)、田舎者:アダム・ゴドリー(佐々木啓夫)
ペロリン(チャイルドチュワー)、パブの店主:ジョナサン・ホームズ(斎藤志郎)
ダラリー(ミートドリッパー)、田舎者:ポール・モニツ・デ・サ(北村謙次)
ツブシー(メイドマッシャー)、コック:オラフル・ダッリ・オラフソン(中村大樹)
孤児院の院長:マリリン・ノリー

「チャーリーとチョコレート工場」の作者、ロアルド・ダールが1982年に発表した「オ・ヤサシ巨人BFG」が原作。
予告で「日本の皆さん、コンニチワ」だったかな、日本語で挨拶していて、すごい力の入れようだなぁと思ったのだが…
ファンタジーとはいえ、あまりにも現実とかけ離れすぎてしまっている。
序盤のマントで身を隠しながら夜の街を徘徊するところは、そんなこともあるのかも、と思えたが終盤の「駆除作戦?」のくだりはあり得なさすぎる。
「危害を加えそうな巨大生物が出現した」という事件についての英国王室の対応は、ユーモアがあって素晴らしいと思いました。日本だったら「シン・ゴジラ」だもんね。

評価:1f





ネタバレ & あらすじ & 感想












↓↓↓
↓↓
↓↓











ロンドンの孤児院で暮らすソフィー。
夜になると「魔女の時間」と呼ばれる時間帯があり、魔女がやってくると言う。ソフィーはその時間は自分が眠れない2時くらいだと思っていた。
ある夜、孤児院の職員が郵便物のチラシに気を取られて他の郵便物を放置して鍵をかけなかったので、ソフィーが鍵をかけて郵便物をデスクに置く。廊下に置いてあったドールハウスを覗き込み、自分のベッドがある大部屋に飼い猫と一緒に戻り、ベッドに入って懐中電灯をつけて読みかけの本の続きを読んでいたが、職員が見回りに来たので、慌てて懐中電灯を消した。飼い猫がベランダに出て何かを見ていたので、ソフィーもベランダに出たが、通りの向こうから来た酔っぱらいが大声を出していたので、ベランダに出て「うるさくて眠れない!!」と抗議する。酔っぱらい4人はソフィーの剣幕にびっくりして元来た道を戻っていくが、ゴミ箱にぶつかってしまう。すると建物の陰から巨大な手が出て来て、ゴミ箱が倒れないように支えた。ソフィーはびっくりしてベッドに戻ってブランケットにくるまるが、ベランダから巨大な手が室内に入って来て、ソフィーを持っていた本とと一緒にブランケットごとつかんで連れ去ってしまう。

巨人はソフィーをつかんだままロンドンの町をマントで身を隠しながら走り抜け、海岸沿いにジャンプし、絶壁の岩場を飛びぬけて巨人の国へと戻る。
岩場をくりぬいた洞窟のような、岩を扉とした巨人のすみかに戻ると、ソフィーのブランケットの端を縛ってソフィーを中にいれたまま棒の先に括り付けた。
巨人はきれいとは言えない台所で、よくわからない不味そうなキュウリのようなものや、ベーコンの固まりのようなものをまるで薪を割るような勢いでぶった切り始めた。ソフィーはぶら下げられていたところからよじ上って逃げようと下が、巨人が料理をしているところに落ちてしまった。捕まえられて料理されると思い逃げようとするが、巨人はソフィーを捕まえてフライパンに放り込み、脇へ置いた。巨人は切った食材を大鍋にいれて煮込み料理にして食べたが、美味しくないらしい。
ソフィーは「自分を食べても美味しくない。元の場所に戻してほしい」と巨人に頼むが、「巨人は人間マメ(Human Beans)なんか食べないが、自分の姿を見られてしまったから、元いた場所に戻す事はできない。戻したら自分(巨人)のことを言いふらし、巨人狩りにあってしまうからだ。わしは巨人としては小さい方だが、他には大きな巨人がいるから、逃げようなって考えない方が言いぞ」とかなりなまった話し方で言われ、巨人は部屋の隅に置かれている帆船の見晴し台の中にソフィーを入れた。「以前にも連れてこられた人間がいるの?」とソフィーが聞くと「いた」と巨人は答えた。食事が終わると、巨人はソフィーが持って来た本を虫眼鏡で読み始める。巨人が文字を読める事に驚くソフィー。ソフィーは次第に眠くなり、眠ってしまった。巨人は住処の奥に流れている滝を止めると、橋が出てくる仕掛けになっており、その奥にあるキラキラ光っている何かが入っている瓶がたくさん置いてある秘密の書斎みたいな所へと行った。

巨人のいびきで目が覚めるソフィー。帆船の甲板は巨人のベッドになっていて、ソフィーは見張り台から窓へ移動し、窓をあけて表に出た。そこにはもっと大きな巨人がいて、ソフィーは巨人に捕まり口の中に放り込まれて「助けてぇ〜」と叫びながら胃袋へと落っこちていった…ところで目が覚めた。
ソフィーは普段は夢を見ないため、夢を見たのは巨人が見せたからだ、と抗議すると、巨人はソフィーに夢を見せた事を認めた。そして巨人が自分で醸造?した緑の不思議な飲み物「プップクプー」を飲んだ。その飲み物は炭酸のようだが、泡が上から下へと流れていく。「その飲み物、おかしいわ」とソフィーが言うと「泡が上に登っていったら、上から出てしまって、とても下品な結果になってしまう。下に降りていけば下から出てくる」巨人はそう言うと椅子に座っていたのが浮き上がるほどのすごい勢いの緑のおならをした。

ソフィーと巨人が話をしていると、入り口からソフィーが夢で見たような大きな巨人が入って来た。ソフィーに隠れているように言うと、巨人は入って来た大きな巨人の対応をした。「匂う、人間マメの匂いがするぞ」と言ってあちらこちらを探していたが、「そんなのはいないよ。昔食っちまっただろう。」ものをどかした拍子に手をぶつけたのか、「痛い!指を切った。手当てしろ」と大きな巨人は言い出す。ソフィーはその隙にテーブルの上にあったお化けキュウリの中に隠れた。「やっぱり人間マメの臭いがする。食いたい」そう言ってソフィーが隠れたお化けキュウリを持ち上げると、巨人はソフィーが隠れてた事を知らなかったので「そんなのはいない。そのお化けキュリでも食べるといい」と言ってしまう。ソフィーが中に入っている事に気がつき、慌てて「指をけがしてるんだろう?手当てしないと。」と水が入った桶から水をかけようとすると、この大きな巨人は水が嫌いなようで、家から出て行った。

ソフィーはお化けキュウリの汁でビチャビチャになってしまった。巨人はソフィーを滝の奥の隠し部屋へ連れて行き、水をかけて洗い流した。そして「着替えだ」と衣類をどこからか持って来てソフィーの前に置いた。それはソフィーにちょうどいいサイズの洋服で、兵隊が来ているような赤い上着もあり、ソフィーはそれを着た。着替え終わったソフィーの姿を見ると巨人は「その上着はどうした?」とちょっと悲しそうに聞かれたので、ソフィーは用意してもらった洋服の中にあったと話す。
巨人は自分の仕事は夢を配る事で、夢のもとを取りにいってくるからおとなしく舞っているように、とソフィーに言うが、ソフィーは連れて行けとせがむので、鞄の中にソフィーを入れて家から出る。表にいた大きな巨人達に「どこに行くんだ」「おまえで遊ぶ」とソフィーの隠れている鞄は放り投げられ、その辺に放置された、壊れた人間サイズの車の上に無理矢理乗せられた。投げられた鞄の口が開いてしまい、ソフィーはブランケットごと放り出され、慌てて車の中に隠れる。大きな巨人達はイジメのように巨人をからかって遊んでいたが、雨が降り出したため雨を嫌ってものすごい勢いで隠れ始めた。巨人はソフィーを鞄の中に慌てて隠し、何とかその場から逃れた。雨がやむと、大きな巨人の足の裏にソフィーのブランケットが張り付いており、それを引きはがして眺めた大きな巨人は「何だこれは。人間マメの臭いだ。やっぱりいたんだ」とソフィーの存在がばれてしまった。

巨人が山を登ってやって来たのは湖のほとりで、湖の中に逆さまに大きな木が生えていた。巨人は湖の中へ飛び込むと、そこは大きな木のほとりだった。ソフィーも巨人に言われて飛び込む。木の周りには無数の光がはじけるように煌めいていた。巨人はそれが夢だといい、夢を捕まえて瓶につめ、ラベルを書いて貼っていく。夢には良くないものもある、と巨人はいい、ソフィーはひときわ元気のいい夢を捕まえた。巨人はそれはソフィーの夢だと言い、「ソフィーの夢」と書いたラベルを貼った。
ソフィーは改めて巨人に自己紹介をし、巨人は、以前捕まえて来た人間マメには「ビック・フレンドリー・ジャイアント」と呼ばれていた、と話すと「それでは長いから、略してBFGと呼ぶ事にする」とソフィーは言った。巨人は自分たちは地球ができてからずっと変わらず存在しているのだと言った。
BFGが急に消えてしまったので、「どこに行ったの?」と呼びかけると、BFGは再び湖に飛び込んで元いた世界に戻っていた。ソフィーも湖に飛び込んだ。
夢を捕まえたので次は夢を配りに人間界へ。夢吹きのトランペットに夢の元の光を入れて少年に吹き込むと、大統領から電話がかかってくる夢を見た。こうやって夢を届けてBFGの家に戻ると、大きな巨人たちが何だか騒がしい。ソフィーが「私のブランケットはどこ?」とBFGに聞くと「お前さんが持ってるんじゃないのかね?」と言い、さっき落としてしまったことを二人とも知った。

ソフィーが目覚めると、そこは孤児院の前だった。ソフィーは「ねぇ、BFG、私も一緒に連れて行って。そこにいるんでしょ?」とベランダから呼びかけたが、BFGは「他の巨人たちに見つかってしまった。ソフィーはもとの世界に戻った方がいい」といわれてしまう。「私、BFGはそこにいて私を見てる、って信じてる」とソフィーは叫んでベランダから飛び降りた。BFGの手がソフィーをキャッチし、BFGはしかたなくソフィーを再び家に連れて帰った。ソフィーはいじめられてばかりではダメだ、他の巨人たちに立ち向かうべきだとBFGに言う。
BFGの家に戻ると、「人間マメはどこだ、人間マメを出せ」と大きな巨人たちが乱入してきて部屋の中を荒らし回り、夢の瓶が置いてある奥の部屋もメチャメチャにされてしまった。巨人はソフィーを部屋の中心にある木のうろのようなところに置き、ソフィーはうろの中に隠れた。そこにはソフィーにちょうど良い大きさの家具が置いてあり、壁にはキリンや象などが書かれた絵が貼られていた。誇りだらけの鏡のようなものがあったのでソフィーが誇りを手で払うと、それは(多分)女王陛下の肖像画だった。

以前に連れてこられ、巨人に食べられて死んでしまった人間のことがわかるのですが…女王陛下の子ども?孫?
しかし、女王と会った時はそんな話題は全く出ず、この伏線はいったいなんだったんだろう…

大きな巨人はソフィーを探して木のうろのなかも覗き込んだりした。夢の瓶を壊されたBFGはキレて、真っ赤に焼けた火掻き棒を手に「お前達は巨人の恥さらしだ。でかいだけで何もしない!」と火掻き棒で撃退したが、夢の瓶を壊され、すっかり気落ちしてしまった。ソフィーは「女王陛下に助けを頼もう」と言い出し、この状況を女王に夢で見せようということになった。今まで集めた夢でおそろしい夢のもとを作り、ラッパを持って夜中に宮殿に忍び込む。ソフィーがベランダよじ上り窓を開け、BFGが夢を吹き込んで女王に夢を見せた。
女王は子ども達がさらわれる夢を見て、目覚めた後に私設秘書官のメアリーにその話をすると、メアリーの持っていた新聞にも同じような事件が起こっている事を知る。

なんか、ものすごく簡単に侵入できてしまっていて、この宮殿のセキュリティは大丈夫なのか?
さらわれたのはソフィーだけだけど…
それは別の事件じゃ?

また、ソフィーがベランダの陰に隠れている事に気づいて出てくるように言うと、ソフィーの姿を見た執事のティブスは慌ててトランシーバーを取り出し、衛兵達に「セキュリティはどうなってるんだ」と言う。女王は「巨人もいるのでしょ?」と促すと、ソフィーは絶対にBFGを傷つけないと約束してくれと頼む。ティブスはトランシーバーで衛兵を庭に集めるが、女王が下がるように言い、BGFは木の陰から出て来た。女王はBFGのなまったしゃべり方に驚くが、メアリーがソフィーを着替えさせ、BFGとソフィーと一緒に朝食をとることになった。BFGは四つん這いで廊下を通り、広間へなんとか入って来た。立ち上がった時に天井にある高価なシャンデリアに頭をぶつけてシャンデリアが落下。高価なつぼは執事があわててよけたので壊されずに済んだ。
大きなテーブル(というか、何かの台)に、グランドピアノの上に長椅子を置き、執事がBFGのために椅子を引くが、腰をかけると長椅子の生地を止めている鋲が弾け飛んだ。大きなトレーに山盛りのトーストと目玉焼きが出され、BFGは半熟の黄身をぐちゃぐちゃっとつぶして食べ、「こんなうまいものは食べ事がない」という。女王がコーヒーを出すように言い、コーヒーを一口飲むと口から吹き出し、周りの人間はコーヒーまみれになった。
BFGはプックプクプーを女王にごちそうし、女王とお付きのものは盛大なみどりのおならで宙に浮いた。

うまい、と言いながら目玉焼きは一口しか食べない。トーストは半分くらい平らげていたけど。

女王は巨人退治に協力する事になり、イギリス軍のヘリコプターを引き連れてBGFは巨人の国に戻る。作戦を確認して、眠っている巨人達に悪夢を見せようと夢吹き用のトランペットを使おうとしたら、なんとトランペットを女王の宮殿に忘れて来てしまった。BGFは作戦は中止だ、というが、ソフィーは夢の瓶をつかんで巨人達の方へ行き、瓶のふたを開けようと頑張るが巨人が目を覚ましてしまった。BFGは「ソフィー、やめるんだ」と止めようとするが、ソフィーは巨人に捕まりそうになりながらもなんとか悪夢の瓶のふたを開いた。巨人達は後悔して自分が嫌いになる夢の通りに後悔に苛まれたが、BGFをいじめた巨人にだけは効かなかった。そこへイギリス軍が縄を投下して巨人を縛ってつりさげ、無人の小さな孤島へと巨人達を運んでいった。巨人達は水が嫌いなので泳いで渡る事はできず、女王は食料として大きな箱一杯のお化けキュウリの種も島へ投下した。

ソフィーは宮殿で目覚める。どうやら宮殿で暮らす事になったらしい。
BFGは巨人の国へと帰っていった。

なんでこの孤児だけ特別扱い?
女王と会った時、秘書官のメアリーとのやり取りが知り合いだったとか、遠縁だったのが今発覚した、みたいな赤の他人ではないのかな、というような感じだったけど、全くそんな話はなく、随所に不思議な伏線を放置したまま、映画は終わった。





 

 

 


紫堂トップページシネマの部屋