聲の形

原作:大今良時
監督:山田尚子
脚本:吉田玲子
キャラクターデザイン・総作画監督:西屋太志
制作:京都アニメーション
主題歌:aiko 「恋をしたのは」

聲の出演
石田将也:入野自由
西宮硝子:早見沙織
西宮結弦:悠木碧
永束友宏:小野賢章
植野直花:金子有希
佐原みよこ:石川由依
川井みき:潘めぐみ
真柴 智:豊永利行
石田美也子:ゆきのさつき
西宮八重子:平松晶子

小6の時に耳が聞こえない女の子が転入して来たが、クラスにとけ込めず、主人公の男の子がいじめてしまう。
いじめが巡り巡って自分に返ってきて、高校生になってもその出来事がトラウマとなり、人との関係が築けなくなった少年が、少女と再会する事によって少しずつ変わっていく。

「君の名は。」が公開3週で1位をキープし興行が100億を超えたが、公開1週目で「君の名は。」に続く2位にランクインした作品。
製作は京アニ。
というわけで、かなり期待して見に行ったのですが…
「君の名は。」と比べてかなり柔らかいタッチの作画で、背景など緻密に描かれていて美しいカットもあるのですが、そうでないカットも…
舞台は岐阜の大垣市、遊園地はながしまスパーランド?で行った事がないため、「ここどこだろう…」と思って見てました。
時間軸が前後したりして、話が取り留めなく進んでいくので散漫な感じ。
花火のシーンは音が立体的に聞こえましたが、その他はサラウンドでもなく、音はほぼ前からのみ。
主人公が耳に障害があるからそういう音にしたのかもしれませんが…。

小学生なので残酷にいじめるであろうことは想像がつくが、補聴器を8個も壊し母親からクレームが来るまで知っていて放置、校長先生が「名乗り出なさい」と諭してるところで生徒を名指してあげつらう先生は最低ですね。
この先生の授業の進め方もどうかと思ったが、ここまで最低だったとは。

確かに将也が率先していじめていたのは確かだが、同調していたクラスメートは「自分はやめるように言った」とか「やり過ぎだと思っていた」など、自分の事は棚に上げ、硝子が転校していった後に石田をいじめの標的とするのは極端すぎないか?
クラスメートたちはみんな自分を正当化して、高校生になっても「私はあなたほどひどいことしてない」「私をわかろうとしないあなたがいけないのよ」等、自分勝手な事ばかり言っている。
自分はあんたよりまし、と全員が罪の擦り付けあいしていて、登場人物の誰にも共感ができませんでした。
唯一、永束君はすごくいい味出してました。

オリジナルの原作は日本ろうあ連盟が「修正の必要なし」と言ったという、素晴らしい作品だそうですが、落としどころというか、何を言いたいのかが、結局良くわからなかった。
「障害がある」ことではなく「人とのつながり」がテーマだそうですが…
英語でつけられたサブタイトルが「The Shape of Voice」で、「形」よりも「Shape」の方がニュアンスとして伝わってきそうな感じがしましたが、これもあまり感じず…。

好みの問題かもしれませんが、「けいおん!」「たまこまーけっと」は1話は見ましたが続きを見たいとは思わずそこで放棄。「氷菓」「中二病」「Free!」は好きで毎週ちゃんと見てましたが「響け!ユーフォニアム」は2話まで見て時間がないので放置状態…昔、部活で吹奏楽部に入っていて、コンクールとかも出たりしたので、共感できる部分は多々あっても(時間ないから)続きはもう見なくてもいいかな〜と…(今はブラバンじゃなくて吹部って言うの?とびっくりしましたが)
というわけで、この作品は「気に入らなかった方」に分類されるようです…
129分が長く感じられました。

繊細な感性なら色々感じるところはあるのかもしれません…私はダメな大人に成長してしまったということかも。
ちなみにファンブックはもうなくなったようで、もらえませんでした。
評価はおまけで三点かなあ。

評価:TOHOシネマズ府中Screen8





ネタバレ & かなり詳しいあらすじ & 感想

カットが前後したり、セリフの一部が違ってるかもしれないです。
内容的には合ってるはず(と思いたい)
レッドタートルはセリフがなかったので楽だったけど、セリフがあって2時間以上だと、時間がかかってさすがに疲れた…










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カレンダーには「バイトをやめる」「携帯を解約する」等書かれた日にち。1日ずつ×がついていく。
眠る女性の枕元に「お金をお返しします」と書かれた包みを置き、大きな川の橋の欄干へと登り川へ飛び降りる。
河原の少年たちの花火の音ではっとする。川へ飛び込んだのではなく、それはイメージだった。
小学校の頃の事を思い出す将也。
友達2人といたずらしたりする生活だったが、ある日女の子が転校してくる。
「自己紹介して」と話しかける先生だったが、反応がないことに「そっか…」と肩を叩く。

特殊な児童のはずなのに、最初からこういう対応かよ…と思いました。
その後の授業でも普通に教科書を読ませてましたが、日本語として聞こえない…平等に扱うという点ではこれはいいことなのか?クラスメートは「え、読ませんの…?」とざわついてました。
この、「聾唖である少女」の話す様子、早見沙織がすごくうまかったです。

ノートを取り出し、「わたしとお話しする時はこのノートに書いてください」「このノートを通して皆さんと仲良くなりたいと思っています」「耳が聞こえません」と書かれたページをめくっていく硝子。
クラスのみんながざわざわっとし、将也は「変なやつ」と言う。

最初はみんなが硝子の周りに集まって来て、「何て呼べばいい?」「しょうちゃん」「石田とおなじじゃん」などと筆談したり、先生は授業ではまったく黒板に書く事もなく話すだけだったので、植野直花が「ノートかして。書いてあげる」などと世話を焼いていたが、マイペースな硝子にクラスメートたちはだんだんと硝子をさけるようになった。
硝子が「何を話しているの?」と聞いても「なんでもない」とはぐらかされたりするようになる。
直花が両耳につけてある補聴器を「これあると聞こえるんでしょ?見せて」と硝子に言うと、硝子は外して直花に渡す。それを直花は将也に投げて渡し、将也は「きったね〜」と窓から投げ捨ててしまった。
硝子は嫌がらせをされても、ノートに「迷惑かけてごめんなさい」とあやまるだけ。

手話を学ぶ、という授業が行われ手話ができる講師が来て「手話の方が硝子ちゃんはお話しするのが楽だから」と教えようとするが、直花は「なぜ手話を覚えなくてはならないんですか。筆談の方が私は楽なんですけど」と授業を拒否する。
ただ一人、佐原みよこだけが手を挙げ「私、手話を覚えます」と硝子と仲良くなりかけると、佐原がイジメの対象となり、結局転校していってしまう。
そのうちに教科書を丸めて耳元にあてて大声を出す、ホースの水をかけるなど、将也の硝子に対するイジメはエスカレートし、ある日将也が補聴器を乱暴に耳から取り外すと、硝子は耳から出血してしまった。
周りにいた川井みきは「西宮さん大丈夫?石田くんやり過ぎだよ…」と震える声で言う。
硝子の筆談ノートには、嫌がらせの言葉がたくさん書かれていたが、そのノートを校庭にある池に将也が投げ込んでしまう。
硝子は池の中に入り、ノートを拾った。「おいっ…」と止めようとした将也に向かって硝子は、自分を指差し、将也を指差し、両手を組むように合わせた。

池の中にいる硝子の姿が将也へと変わり、将也は破られた教科書などが散乱した池の中にいた。
将也の回想で、校長先生が教室で話している場面になる。
「西宮さんの補聴器がこの半年間で8個も紛失しました。補聴器はとても高価なものだそうです。あまりにも度が過ぎているので、ついに学校に苦情を言うことにした、とお母さんから言われました。西宮さんに意地悪をした人、意地悪されているところを見た人は名乗り出てください。今なら大事にはしない、とおっしゃられています」
誰も名乗り出ない。先生が黒板を拳でばん!とたたき「お前だろ、石田。先生はわかっているんだぞ。植野、それを隣で見ていてどうだった」と言う。直花は「やり過ぎだと思ってた…島田くんもいじめてました」
島田は「やめた方がいいと思ってた」といい、川井も同様に将也が止めたのにきかなかった、と言う。
家に帰ると将也は母親に「先生が言った事は本当なのか」と問いただされ、いじめたことを認める。
母親は美容院を一人で経営して将也と姉(全く出てこないが)を育てていて、裕福ではないことは将也もわかっていた。一緒に謝りにいくから支度しなさい、と言われ、途中で銀行(郵便局なのかも)で200万弱のお金を下ろしているところを見て、将也は自分がしたことがどんな事だったのかを理解し、大変な事をしてしまった、と気がつく。
硝子の母親に謝罪する将也の母。母に「将也もこっちに来て謝りなさい」と言われるが、将也はそのまま立ち尽くし、謝る事はなかった。
硝子の母が将也の母に何かを言い、何かをされるが遠いので将也にはわからない。
「さ、帰るわよ」と将也の近くに来た母の片方の耳は、ピアスを無理矢理引きちぎったために耳たぶが裂け、血が出ていた。

いじめた将也ではなく、こういう形で母親に復讐??して気が済むものなんだろうか?

ある日、誰もいない教室で自分の机を拭いている硝子を見かける将也。(机は落書きもなくきれいです)
「何してるんだよ!汚い」と硝子を突き飛ばすが、硝子もうまくしゃべれないながらもこの時は抗議し、将也に殴り掛かる。取っ組み合いとなり、床に倒れた将也に硝子が馬乗りとなって、拳で叩く。
その後、硝子は結局転校し、将也は自分の机にイジメの言葉が書かれているのを見る事になる。
今度は将也がイジメの対象となり、そして将也は池に突き落とされたのだ。
回想からもどり、池の中で「何でこれが…?」と硝子の筆談ノートを見つける将也。
いつもつるんで一緒に硝子をいじめていた島田一旗と広瀬啓祐は手のひらを返したように将也をいじめるようになり、中学にあがるとクラスメートに将也の事を「あいついじめっ子だから近づかない方がいいぜ」と吹聴した。

みんな同じように硝子をウザがっていたのに、この変わりようは何?
女の子たちも悪意を持ってわざと硝子に聞こえないように話をしていたりしていたのに。
誰かが標的にならないと気が済まない、といういうような感じではないのに、将也だけがいじめられる理由がわからない。

将也は「これは硝子をいじめた罰なんだ。自分に返って来たのだ」と他人との関わりを持たないようになり、人の顔にはバッテンのシールのようなものが貼られて見えるようになってしまっていた。

将也は「朝ご飯よ」の声で布団も家具も何もない部屋で目覚める。母親が「将ちゃん、もしかして死ぬつもりだった?布団まで売っちゃって、お金返そうと言う気持ちは嬉しい(えらいだったかも)けど、死のうとしている人のお金なんか欲しくない」と言って、チャッカマンでお金の包みを燃やそうとする。将也は「もう死のうとしたりしないから」と言って母親も納得するが、お金に火がついてしまい、結局170万円は燃えてしまった。

罪滅ぼしの気持ちからなのか、将也は手話を習っていたようで、高校生になったある日、手話教室を行っている市民センターのようなところで偶然硝子と再会する。将也に気がつき硝子は逃げるが、将也は追いかけて話しかけ、思わず、自分を指差し、硝子を指差し、両手を組むように合わせる手話をしてしまった。
それは「あなたと私は友達」という手話だった。
(手の出し方で「友達になりたい」という意味が込められていたらしいです)
将也は「あのとき、こういう思いだったのか…」と思う。
硝子はうなずいた。

将也は高校へママチャリで通っていたが、学校の駐輪場で「忘れ物取りにいきたいから自転車貸せよ」「いやだ」ともめている二人をみかける。
将也は「俺の自転車貸すよ…」と貸してあげるが、結局自転車は戻ってこなかった。
帰りは歩いて帰る将也。道すがら毎週火曜に手話教室に来ているという硝子に会いに行くかどうかを悩んでいたが、「自転車が戻ってこなかったと言う事は会いに行くなということなのかも」「なにか理由があればな〜」と自問していたら、空から「特別なパン」の割り引き券が飛んで来た。
「これが理由になるかも」と逃げる割引券を必死で捕まえ、フランスパンを持って手話教室へ行くが、扉のところで知らない少年に「硝子はいない。あんたとは硝子は会わない」と追い返されてしまう。
家に帰る途中、「石田くーん」と呼び止める学生が。見ると、自分の自転車を持っている。それは昼間、自転車でトラブルになっていた同級生で、乗り捨てられていた将也の自転車を探して持って来てくれたのだった。将也は彼が自分と同じクラスで将也の後ろの席だったことも彼が永束という名前である事も認識していなかった。それを知った永束は大変ショックを受けたが、永束は「君と僕は親友だ。呼び名は…やしょうがいい」と言い出し、吹き出しみたいな緑のへんてこなヘアスタイルのこの少年の顔から×のシールがはがれ、将也は永束の顔が見えるようになった。

次の火曜日、またフランスパンを持って手話教室へ行くが、またしても同じ少年に「いじめられた人に会いたいと思う訳ないでしょ?あんたは自己満足のために硝子と合おうとしているだけだ。そんなのは偽善だ。オレは硝子とつきあっている」と言われてしまう。そこへ永束が現れ、硝子に会わせるように少年に言ってもめていると、硝子が将也に気がついて近づいて来た。思わず逃げる将也を追いかけていく硝子。永束は将也を応援する。
手話教室の近くの川にかかる美登鯉橋から、硝子はよく買って来た食パンを鯉のえさとして投げ入れてたが、その橋のところで将也がしゃがみ込むと、硝子が追いついて来た。永束と少年はベランダからその様子を見ていた。将也は硝子に今の気持ちを手話で話す。永束は少年に「手話できんだろ、少年、訳してよ」と二人の会話を訳してもらう。少年は将也の真摯な気持ちを知ると少し考えを改めたようだった。将也は筆談ノートを返すが硝子が中を見ようとしたため、「見て気持ちのいい言葉が書いてある訳じゃない…」と取り上げようとしたら、ノートを川に落としてしまった。欄干から川へ飛び込みノートを拾う硝子。将也もあわてて川に飛び込む。
その様子を持っていた一眼レフで撮影する少年。夜、その画像をどこかにアップする。
翌日、将也が学校に行くとみんなが将也の噂話をしていた。永束がネットにアップされた画像を見せ、将也が飛び込んだ美登鯉橋は川に入っては行けないところだったため、学校から自宅謹慎をくらってしまった。

将也の姉とその娘のマリアも一緒に暮らしていたが、自宅謹慎中であるにも関わらず、幼稚園へマリアのお迎えを頼まれる将也。帰りに公園でマリアを遊ばせていると、土管のような遊具の中に裸足で寝転んでいる自称「硝子の彼氏」の少年がいた。
名前が結弦であることを聞き出し、家に来ないかと誘い、家族と一緒に夕食を食べる。家出して来た事を察した将也は家に泊まっていかないかと言うが結弦は帰ると言い出て行った。将也は後を追いかけ、雨が降っていたので傘をさしかけて自分が昔履いていた靴を貸す。家まで送っていくが、帰る途中で結弦は実は女の子で硝子の妹である事を告げられる。硝子と硝子の母親が探しに来たところに出くわし、将也は硝子の母に挨拶するが、母親は将也の頬を無言でひっぱたいた。ついて来た硝子が「石田くんは悪くない…」と言うが聞く耳を持たない。
家に帰ると母親は硝子と結弦に「あんなろくでもない子とつきあってはダメ」と言う。

女の子に結弦って…珍しくない?一瞬羽生かと思った…

将也はスマホを買ってもらい、硝子にはにかみながら「メールを送りたい人はいるか」と聞く。
おそらく自分の名前が出てくる事をちょっと期待してたんだろうと思うけど…出て来た手話は
「佐原さん」
翌日学校で川井に佐原の進学先を教えてもらい、硝子とその学校へ会いに行く。
なぜか金持ちの永束くん、「デートに軍資金がいるだろ?」と3万円を渡そうとする。
最寄り駅のエスカレーターで偶然佐原とすれ違い、「硝子ちゃんだよね?久しぶり!私その後も手話習ってたんだよ」とベンチで手話で話す。小学校の時の彼女はぽっしゃりしていて、植野に「服がださい」と言われたりしていたが、すらっとした体型になっていた。佐原は自分は踏み出せず転校した事を後悔している、と硝子に話す。
(前を向いて生きている硝子はすごいというような会話をしていたと思います)

ある日、商店街でメイド姿の女の子が猫カフェの割引券を配っていて、その子は将也に割引券を渡す。将也はその女の子が小学校の時のクラスメートの植野直花であることに気づき、猫カフェに行く。永束も一緒について来たが、結局植野は店の奥に隠れたままで将也に会う事はなかった。
将也はお土産に猫のポーチ(コインケースくらいの大きさ)を買い、それを硝子にプレゼントする。
硝子は鞄にポーチをつけ、お返しに花屋の店先で植木鉢にさす飾りを選んでいた。
花屋の前は横断歩道があり、道路の反対側で将也が偶然信号が変わるのを待っていた。
そこへ植野が現れ、自転車の荷台に腰掛けて「久しぶり。私の事わかる?…小学校のとき、ずっと無視し続けていた事、少し後悔してたんだ」と話す。
道路の向こう側に硝子がいる事に将也は気づき、植野に「自転車から降りて」という。植野も硝子に気づき、硝子の鞄に自分の店で売ってる猫のポーチがついていることを不思議に思う。
横断歩道を渡り硝子と顔を合わせると、硝子は将也に花屋で選んだピックを渡す。植野が近づいて来て、硝子の耳から補聴器を取り上げる。そして「何、二人つきあってんの?(将也は「友達だ」と答える)あんなにいじめてたのに、罪滅ぼしのつもり?超ウケる〜。勝手にやってれば」と二人を馬鹿にしたように言い、硝子に補聴器を返して去っていった。
将也は植木のピックを知らず、「これ、どうやって使うの?」とあとで永束に聞くが、永束も「さあ?」とわからなかった。
将也は永束のおかげでクラスの真柴とも友達になる。

このあたりだったと思うのですが、おばあちゃんと硝子が病院で先生の話を聞くカットがあり、会話はわからないのですが、表情と、帰ってきてから片方の耳につけていた補聴器をベッドに投げつけるシーンがあり、硝子の片方の耳(多分右)の聴力は、完全に失われてしまったのだと思いました。
それまではベージュ(肌色)の補聴器をつけていたのですが、赤い補聴器に変わりました。
そして、ヘアスタイルをポニーテールに変えました。今まで以上に目立つ格好…ふっきったということなんでしょうか?
何かの暗示だったのか、伏線だったのかもしれませんが…回収されずに終わってしまいました。

自分のためにいろいろとしてくれる将也にだんだんと好意をもつようになった硝子は、ポニーテールで将也に会い、決死の思いで「すき」と言葉に出して告白するが、将也は「つき」と聞き間違えてしまう。
意味を理解してもらえなかった事に硝子は何も言わなかったが、口を何か言いたそうにしてきゅっとむすんだ。
家に帰り恥ずかしさと後悔?でベッドで足をばたつかせる硝子。ヘアスタイルはまた降ろした髪型へ戻った。

結弦が硝子に何かあったのか、と尋ねると「告白した」と答えるが結弦が「それで!?」と聞くと「理解してもらえなかった…」と話す。

翌日将也が学校に行くと、川井が眼鏡をかけておらず、三つ編みだった髪もおろしていて、クラスメートから「感じが変わったね〜どうしたの?」と言われていた。
川井に「女の子が髪型変えるのって、意味があるの」と尋ねる将也に「女の子ってそういうものよ。意味何てないの」と髪を指先でくるくるさせながらぶりっ子口調で答える。

「あたしかわいいでしょ?」的なオーラをすごく感じて胸くそ悪かったです。
なんかあったの?行動が極端すぎる。しかし彼氏の陰とかは見えないし。

将也は結弦に「硝子に嫌われたのかな…」と相談する。「つき、と言われたが言葉の意味が分からない」と言うと、結弦は「遊びにいくとか誘ってみたら?イヤなら来ないだろうし…」と答える。
将也は「そうか、そうだな」と硝子に「みんなも来るけど一緒に遊びにいかないか」とLINEを送る。硝子は行く、と返信して来た。

硝子、将也、結弦、佐原、川井、永束、真柴のメンバーで長島スパーランドに遊びにいく。佐原と隣同士で将也はジェットコースターに乗り、佐原は将也に「自分は変われなかったけど、変わろうとしている将也はえらい(すごいだったかも)」と話す。いままで一人だった将也は「いいのかな…自分がこんなに楽しい思いをしていいのかな…」と思う。
なぜか途中で植野が現れる。たこ焼きを食べたい、と将也は無理矢理買いに連れて行かれ、たこ焼き屋では小学校のクラスメートの島田一旗がバイトしていた。将也は島田とは話をせず、逃げるようにその場から立ち去る。将也は植野に「よけいな事するな」と言い、植野は「二人を合わせれば何とかなると思ってた。昔のように戻れたら、と思ってた。…私の事嫌い?」と聞く。将也は「…多分」と答える。
みんなのところに戻ると、植野はいきなり硝子に「私観覧車に乗りたい。一緒に乗ろう」と言い出す。結弦は「上で写真とってね」と一眼レフを硝子の首にかけ、観覧車に乗せる。

結弦がタブレットを持って将也の家にやってくる。タブレットには植野と硝子が乗る観覧車内の様子の映像と音声が記録されていた。(硝子の首にかけられたカメラが撮影したものなので、植野の首から下しか映ってない)
「今はあの時の事は私もあんたもああするしかなかったんだと思う。でも、あんた、私のこと理解しようとしなかったでしょ?いつだってすみません、って謝ってばかりで。あんたとは関わりたくなかったのに、空気読めなくて無頓着に私に近づいてきたあんたが悪いのよ」(というような内容の事を話していた)
植野は硝子を突き飛ばしたようで、視界が斜めになり、観覧車は一周しおわって植野は降りていく。
結弦は「これ、どう思う?」と将也に聞く。

翌日、学校で真柴が「昨日、硝子ちゃんの様子がおかしかった。何かあったの?」と将也と川井に聞く。川井は植野が来ていた事もあり「小学校の時にいじめられていたから…」と話してしまい、自分がいじめていた訳ではない事を言おうと「石田君が西宮さんを虐めてた。私はやめたほうがいい、って言ったのに」と言い訳がましく大きな声で言ってしまう。教室が静まり返り、それを聞いた真柴は将也を軽蔑するような発言をし、将也はあとでいつもの美登鯉橋で会おうと言って教室を出て行く。

硝子と会っていた美登鯉橋へ行くと、佐原と結弦、硝子がいた。そこへ川井、真柴、永束、植野がやってくる。
みんなは将也に励ますような、将也のイジメに対して理解を示そうとするような言葉をかけるが、将也は「お前達に何がわかるんだよ」と否定するような事を言ってしまう。真柴は「そんな人だとは思わなかった」、永束は「僕はいつでも也将の友達だからね、今言った事は気にしてないよ」と言うが、将也の言葉に失望して、帰って行く。みんなが将也に言葉をかけるが、否定するようなことしか返さないため、硝子を残して全員帰ってしまった。
将也は「明日から夏休みだし、どこかへ行こう」と硝子に言うが、硝子はその言葉を途中で遮り「このままでいいのか」と将也に尋ねる。将也は「いいんだ」と答えた。
将也と硝子は毎日のように一緒に遊びに出かけた。(養老の滝とかこどもの国などのようです)

結弦は家でカメラを弄っていると、祖母のいとに「お姉ちゃんのために行動するのはいいことだけど、自分の事も大切にした方がいいよ」と言われ、「そうだね、考えてみる」と答える結弦。その夜は祖母と一緒に寝ていたが、硝子が頭から血を流して倒れているイメージを見て、はっと目が覚める。横で寝ている祖母を見ると、動かなくなっていた。
将也は美登鯉橋から見える、滝がトンネルのようになっているところに制服を着た結弦が立っているのを見る。泣いているようだった。将也に気がついて、美登鯉橋の所まで来た結弦に「どうしたんだよ、制服なんか着て」と尋ねる。「学校に行く事にしたんだ」「今夏休みだろ。…家まで送ってくよ」
結弦は断ったが、家ではないところまで一緒に来てほしい、と言われ、結弦と歩いていくと、そこは葬儀場で「西宮いと 葬儀」と書かれていた。
硝子、結弦、母親と参列者を遠くから眺めている将也。(父親はいないことがわかります)
話している声が、ノイズでブツッ、ブツッ、と途切れて聞こえているのが、だんだんとノイズがなくなって普通に聞こえるようになる。

ここは、どうも硝子が補聴器を通して聞こえている声を表現しているようでした。
確か、遠くにいる将也に気がついて、だんだんと聞こえるようになった、みたいな感じだったのではないかと。

毎日のように出かけていた硝子と将也だったが、「明日はどこへ行く?」と聞く将也に「家に来てほしい」という硝子と結弦。実は硝子の母親の誕生日で、みんなでケーキを焼こう、という計画を立てたのだ。
過去にひっぱたかれた事を思い出して「自分なんかがケーキを作って大丈夫なのかな…」と二人に尋ねるが「大丈夫だよ」とケーキを焼く。帰って来た母親は、将也がいるのを見て表情を曇らせるが、「みんなでケーキを焼いたんだよ」という結弦の言葉に4人でケーキを食べる。味はまあまあ美味しかったようで、「これなら殴られなくて済む」と将也。
夕方になり窓から何となく外を眺めると「そうだ、明日花火だったよね。みんなで見に行こうよ」と約束する。

翌日、硝子と硝子の母親は浴衣を着て、結弦と将也と4人で河原に花火を見に行く。
結弦と硝子の母は焼きそばを買いにいき、その間に硝子は「勉強があるから帰る」と言い出し、一人で帰ってしまった。別れる時に口元を何か言いたそうにして、きゅっと結び、いつも別れる時は「またね」という手話をして別れるのに、この時は(確か)「さよなら」という手話だった。
結弦達が戻って来て硝子が帰った事を知ると、結弦はカメラを家に忘れて来たから取って来てほしいと頼む。
硝子の家に着き玄関を開けると電気はついておらず、ベランダへの扉が開いていて風でカーテンが舞っていた。カーテンに見え隠れするベランダに立つ硝子。いきなりベランダをよじ上り、手すりの上に立ち上がる。将也は叫びながら硝子のところへ駆け出すが、ものにつまづいて転んでしまう。カーテンが舞い上がり、硝子の姿が消えた。
将也は硝子の手をつかみ、何とか落ちるのを支えていたが、硝子はもう片方の手で登ってこようとはしない。
「なんで、なんでもう一方の手でつかまないんだよ!」と叫ぶ将也。その様子を見て、這い上がろうとする硝子。将也はかなりベランダから乗り出して硝子を引き上げていたが、硝子を引きあげる反動で将也はベランダから落ちてしまった。
水の中に落ち、腰の辺りから血が流れ出す。

病院に駆けつける将也の母親の美也子。硝子の母親の八重子に「将也がまた何かしたんですね」と謝ると「そうじゃないんです。本当にごめんなさい」と病院のロビーで土下座をして謝る。結弦も「姉ちゃんの命を助けてくれたんです」と土下座した。
将也は意識不明のようで、硝子は病院に来るがいつも病室の入り口でなぜか病室にいる植野に追い返される。

ここで彼女気取りで看病かよ…と正直思いました。
よく言えば「自分に正直」だけど。

硝子と植野が病院の出入り口で鉢合わせし、駐車場で植野が硝子にくってかかる。(あんたのせいで将也が死んじゃう、どこまで自分勝手なんだ、みたいな事を言ってなじった)そこへ将也の母が通りかかり、二人を止めに入る。
硝子は美也子の足下に土下座するように崩れ落ち、泣いて謝罪するのだった。

えーと、いつもの橋のところで雨に濡れている植野に硝子が傘をさしかけ、「将也はきっと良くなる」と話しかけるカットがあったと思うんですが、何故そうなったのかはちょっと覚えてません。

将也は昏睡状態のままで、学校ではクラスメートが休み前にあんな別れ方をしてしまったので、心配している。
結弦は自分で撮影した植物や昆虫などのいろんな写真を家中に貼っていたが、「これを見れば、ねえちゃんが嫌な事を忘れられるんじゃないかって、そう思ってやってきたけど…全然意味なかったんだ」と言い写真をはがしていく。
横で聞いていた母親は「そんな事はない。写真展にこっそり応募したら、受賞したのよ」と言う。

硝子はある夜、将也が死んでしまうような夢を見て、はっと目が覚め、美登鯉橋へ行く。
将也は夢の中で自分の気持ちを語る。
硝子に意地悪した事をまだ謝っていなかった事、自分には生きている価値などないと思っている事、硝子はいったい自分の事をどう思っていたんだろう…そうだ、硝子に聞いてみよう。
ここで将也は目覚め、自分の体ついていた点滴や酸素のチューブを無理矢理引き抜き、病院を抜け出してフラフラになりながら美登鯉橋へ行く。
硝子と将也が出会い、将也は「今更だけど、いじめた事謝ってなかった」と謝る。
硝子に、何故死のうとしたのか、と尋ねると「私といると、不幸になるから、いなくなろうと思った」と答える。
将也は、何て表現すれば良いのか迷いながらも「君に一緒に生きていく事を手伝ってほしい」と手話で伝える。硝子は泣き崩れ将也は「泣かないで」と言う。硝子は言おうかどうしようか、かなり迷ってもじもじしていたが、「好き」とゆっくり手話で返す。

将也は退院し、結弦は学校に行きだして、勉強を教えてもらいに将也のところへくる。美容院のドアを開けると、母親の八重子はカットしてもらいにお店に来ていて「短すぎない?」「あらすてきよ」と話していた。
将也はマリアと母親が植木鉢に硝子からのプレゼントのピックを挿したのを見て「そう使うのか…」と硝子からのプレゼントがなんであったのかを理解する。
結弦は将也の学校の学園祭が近い事を知り、硝子と文化祭に行ったら?と言う。
将也は硝子と連れ立って文化祭の校内を歩くが「いままであまり人の顔を見て歩く事ができなかったので、下を向いていた方が楽なんだ」と硝子に打ち明ける。硝子は「下を向いていていいから」と将也の手を引いて歩き始めたため、将也は周りの目が辛くなり「お腹が痛くなって来た」とトイレへ。
そこへ永束君が「やしょうー!」とトイレのドアをドンドン叩き、将也が扉を開けると泣いて抱きついてきた。
永束君はちょびヒゲをはやしていて「そのヒゲ、どしたの?」と将也が聞くと「願掛けだよ〜。本当に良かった。川での出来事はもう気にしてないから。僕たちは友達だ」と泣きながら言った。
教室の前まで戻ると、三つ編みメガネに戻った川井や真柴、佐原がいて、川井は「みんなで折ったんだけど…千羽に足りなくて…ごめんね」と千羽鶴を渡される。将也は「こんなのもらったの、初めてだから千羽なくてもすごく嬉しい」と礼を言う。
植野が階段の陰から現れ「相変わらず空気よめないやつ」と硝子に言い、「バカ」と手話で示す。
「バカ…バカ!」と手話でも、言葉でも嬉しそうに植野に答える硝子。
植野は将也に「落ちたときあんたを引き上げたの、島田だったんだよ」と教え、硝子が「バカ、バカ」と嬉しそうに言っているので、照れて「たこ焼き(焼きそばかも)買いにいく」と去っていった。

急にいい子ちゃんになった印象。手話を憶えるっていうキャラじゃないでしょ?

将也は「みんなにお願いがあるんだ。文化祭を一緒に回ってほしい」と言い、文化祭を見ながら校内を歩いていく。校舎から出ると周りの生徒の顔から×のシールがはがれ落ち、声がだんだんと声が聞こえるようになった。その中には「よく学校に来られるな」というような否定的な言葉もあったが、将也は気にならなくなったようだ。立ち止まり、友人達が話しているのを眺める将也。その目からは涙が流れて来て止まらない。「あれ、どうしたんだろう…」と将也は涙を手で拭う。

aikoの歌が流れ、エンドロール




 

 

 


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