はやぶさ 遥かなる帰還

原作:山根一眞著『小惑星探査機 はやぶさの大冒険』(マガジンハウス刊)
監督:瀧本智行
製作:岡田裕介/加藤進/早河洋
企画:坂上順
プロジェクトマネージャー:渡辺謙
脚本:西岡琢也
撮影監督:阪本善尚
美術:若松孝市
音楽:辻井伸行
VFXスーパーバイザー:野口光一
協力:JAXA宇宙航空研究開発機構
製作プロダクション:東映東京撮影所、スタジオ88
配給:東映

出演
山口駿一郎:渡辺謙      藤中仁志:江口洋介
井上真理:夏川結衣      鎌田悦也:小澤征悦
松本夏子:中村ゆり      森内安夫:吉岡秀隆
大下治夫:石橋蓮司      丸川靖信:藤竜也
東出博:山崎努        マスコミ:小松靖

2010年6月13日、イトカワへの7年のお使いを終えてお星様になってしまったはやぶさの旅を、運用している管制室を舞台に淡々と描いた作品。

20世紀フォックス映画製作の「はやぶさ/HAYABUSA」は、各担当チームの重量制限の葛藤とか、ターゲットマーカー開発のいきさつ、ターゲットマーカーに託された公募メッセージなど、はやぶさを作る段階からの人々の思い、ネットなどを通じてよせられる応援などに重点をあて、運用中のトラブルは「はやぶさ」のおしゃべりであっさり描いていたが、「遥かなる帰還」には一般のその他大勢の人々はほとんど出てこず、運用しているJAXA、NECスタッフの苦悩と葛藤がほとんどだ。
あえて説明はカットしたそうだが、始まってすぐにはやぶさは打ち上げられ、スイングバイして飛び立っていってしまった。

説明がほとんどないので、はやぶさについてよく知らない人には分かりにくかったのでは?
フォックス版でも「ラブル・パイル」とか説明なく現れる単語はあったけど、全体的にフォックス版の方が万人向けだと思う。
詳細を知っているなら、はやぶさが見つかった時とか最後の地球の画像とか、この作品の方がちょっと泣ける。
アメリカとのやりとりはちょっと面白かった。

NEC社員の吉岡秀隆の苦悩と戦い?がやや過剰気味で、いろいろ仕込んだ細工は「念のためを思って」ではなく、「やりたくなかったけど仕方なく、だから使用して欲しくない」と、ヤマトの真田さん的なものは全く無く、「はやぶさ自体がオシャカになったら、どうするんですか!!」と全てが否定的。帰ってくるためには何でもやる、じゃないの?

プログラムはFDを使用して移動させていた・・・研究室ではいまだにFDが現役なのね。

中村ゆりの新米研究者はいらない感じ。
最後に学生の指導をしていて「成長した」と描かれていたが、物腰に成長が感じられない。髪形かわっただけじゃん・・・

フォックス版でも東映版でも、個々の研究者同士は常に対立していたので、同じプロジェクトでもグループ間では仲よくないんだなぁと思った。

予告で「おかえり、はやぶさ」が流れ、冒頭でも「のぞみ」失敗の話が結構出たので、「おかえり、はやぶさ」へ続く、という感じ。
エンドロールは、日本の宇宙開発の歴史を写真で紹介、だった。

評価:


ALWAYS 三丁目の夕日'64

原作:西岸良平(「三丁目の夕日」小学館ビックコミックオリジナルで連載中)
監督:山崎貴
製作総指揮:阿部秀司/奥田誠治
製作:阿部秀司/宮崎洋/加太孝明/亀井修/平井文宏/市川南/服部洋/弘中謙/
   大橋善光/島村達雄/安藤親広/高橋望/飯沼伸之
脚本:山崎貴/古沢良太
美術:上條安里
音楽:佐藤直樹

出演
鈴木則文:堤真一        鈴木トモエ:薬師丸ひろ子
茶川竜之介:吉岡秀隆      茶川ヒロミ:小雪
星野六子:堀北真希       吉行淳之介:須賀健太
菊池孝太郎:森山未来      宅間史郎:三浦友和
大田キン:もたいまさこ     富岡:大森南朋
奈津子:高畑淳子        茶川林太郎:米倉斉加年
鈴木一平:小清水一輝      ケンジ:染谷将太
精肉店・丸山:マギー      自転車屋・吉田:温水洋一
氷屋:ピエール瀧        電報局員:神戸浩
中島巡査:飯田基祐       電気屋:蛭子能収 他

タダ券をもらったので見に行きました。
一作目、二作目はテレビで観ましたが、二作目はあまり覚えていない・・・確かに見たと思うんだけど。

全編通してみると確かに無駄なシーンはないんですが、長かったです。
茶川先生は相変わらずダメダメで、見ていてイライラしてしまう。
ラストは父親と全く同じ道を歩むことにしてしまったけど、果たしてそれで良かったのかなあと重いました。淳之介は先生とは違って真意を分かっているだろうけど、会いに来ても追い返しそう。

見た人の満足度は高いみたいですが、短いエピソードを繋いで作られた話だし、3Dで見なかったので劇場で観なくてもいいかなぁ・・・

評価: MOVIX昭島Screen4


ヒューゴの不思議な発明(3D:RealD)

原作:ブライアン・セルズニック(ユゴーの不思議な発明)
監督:
マーティン・スコセッシ
脚本:
ジョン・ローガン
製作:
マーティン・スコセッシ/グレアム・キング/ティム・ヘディントン/ジョニー・デップ

出演
ヒューゴ・カブレ:エイサ・バターフィールド
イザベル:クロエ・グレース・モレッツ
パパ・ジョルジュ(ジョルジュ・メリエス):ベン・キングズレー
ママ・ジャンヌ(ジャンヌ・メリエス):ヘレン・マックロリー
鉄道公安官:サシャ・バロン・コーエン
クロードおじさん:レイ・ウィンストン
リゼット(花売り):エミリー・モーティマー
ムッシュ・ラピス(貸し本屋):クリストファー・リー
ルネ・タバール:マイケル・スタールバーグ
マダム・エミール:フランシス・デ・ラ・トゥーア
ムッシュ・フリック:リチャード・グリフィス
ヒューゴの父:ジュード・ロウ

冒頭のパリの町並みはミニチュアみたいですが、時計塔の高さ、時計の内部の迷路のような通路や、手前(近く)に物を配置しての画面構成、そして半分くらいスクリーンから飛びだすように立体化しているせいもあって、アバター以来の3Dを楽しめる映画でした。

第1弾の予告だけ見てから観賞しましたが、思っていたのとは話が違い、映画を観てから第2弾の予告を見ると、ちょっとネタバレしすぎかも・・・と思います。
邦訳の原作本のタイトルと同じにしたのだろうが、タイトルと内容が全然違う。
ミステリーではないけど、謎解きの「謎」の部分がちょっとお粗末。どんなに悲惨で忌まわしい過去なのかと思ったらそうでもなかったし。
でも最後まで楽しめました。
古い映画はあまり知らないけど、映画の撮影風景は面白かったです。
でも、古い映画は3Dにしなくてもよかったのでは?

予告で3Dのスター・ウォーズが流れたが、期待したほど臨場感がなく、見に行こうか迷う・・・
そして、初めて3Dのドルビーサラウンドを見た。

評価:2a


おかえり、はやぶさ(3D:RealD)

監督:本木克英
脚本:金子ありさ
製作総指揮:迫本淳一
プロデューサー:田村健一 /野地千秋/三好英明
撮影:藤澤順一
美術:西村貴志
音楽:冨田勲

出演
大橋健人:藤原竜也      野村奈緒子:杏
大橋伊佐夫:三浦友和     江本智彦:大杉漣
増沢公孝:中村梅雀      山田幸一:豊原功補
大橋小夜子:宮崎美子     岩松風也:前田旺志郎
岩松多美:森口瑤子      岩松大吾:田中直樹(ココリコ)
天野克也:カンニング竹山 他

2010年6月13日、イトカワへの7年のお使いを終えてお星様になってしまったはやぶさの旅を、3Dで描いた作品。

子供向けのスウィング・バイの説明から始まったので、子供向けに分かり易く作ってあるのかと思いきや、それは出だしだけ。
あとは、いかにして引きこもりになってしまった「のぞみ」の元プロジェクトマネージャーを立ち直らさせる(?)かと、肝臓移植が必要になった元職員の妻が、はやぶさ帰還が実現すれば、彼女も助かるかも・・・という願いに終始していた。
この家族は結局、当時小学生のぷーや(風也)と共に渡米してドナーを探しにいったが、ぷーやの「大きくなったら僕の肝臓をあげる」に対して「おまえが痛い思いをするくらいなら、死んだ方がまし」という母親の答えはちょっと残酷なんじゃないか?と思った。

「のぞみ」プロジェクトマネージャーの息子である主人公の、強迫観念にも似た「自分はデキる人間、何でもうまくやれる。オヤジのようにはならない」という俺様オーラがウザく、経験も浅いであろう年齢の主人公が「オレの言う通りやっていれば間違いないんだよ!」で何事にも食ってかかるのが何とも不愉快だった。

イトカワに到着した時、シミのような黒点(おそらく、地表に映ったはやぶさの影だと思われる)を見て「なんだろうこれ?画像解析してみよう」と伏線を張ったのに、その後全然触れられないし(HAYABUSAでは「映ってるじゃん!」とお祭り騒ぎだった)、「のぞみ」にはぷーや一家が名前を刻んで一緒に打ち上げた事が出てきたが、「はやぶさ」のターゲット・マーカーについてはやっぱり一切触れられないなど、各映画会社が作成した「はやぶさ」映画は、それぞれ内容がかぶらないように調整して作ったのかと思うほど、他社が詳しく描いているところは一切スルー。
開発時や運用中の苦労もあまり出てこず、他の2作同様「ミネルバ」についても全く触れていないのだった。

「のぞみ」はともかく、「イカロス」が唐突に出てきたり、臼田から内之浦へ引き継ぐところなども「これで(臼田での)運用を終わります。お疲れさまでした」など、予備知識がないと、何のことかわからないかも。

でも、3Dだと、広大な宇宙の中で、はやぶさがどんなにちっぽけで、イトカワまで孤独な旅だったかが実感できました。
3Dの「宇宙から見た地球」は、地球儀という感じではないけど、なんとなく真ん丸のボールみたいで、やや違和感を感じたけど、宇宙飛行士が見る眺めはこんな感じなのかなあ・・・と思いました。

イトカワの上空に静止したはやぶさは、「はやぶさのすぐ近くからカメラ回すと、はやぶさがこんなに大きく、イトカワが小さめにみえるもの?」と思ったんですが、あれはどうやら縮尺がおかしかったのかも・・・
宇宙のシーン以外は3Dでなくても良かった感じ。
最後の大気圏突入は、他の2作より実際の映像を一番長く使用していたので、一番ジーンときました。
ウーメラに落ちてからはあっさりしてたけど。

最後にはやぶさ2の計画が予算が降りず中止になりそうな事にふれ、田中真紀子らしき政治家(すぐ分かるほどよく似てました)や、「税金のむだ遣い」「一番じゃないとだめなんです」等、「予算をくれ」とアピールしていた。
そういえば、「HAYABUSA」「遥かなる帰還」では、みんなそれぞれ立場や外見も変わって、新しいプロジェクトに参加していく時の流れを感じたけど、「おかえり」では、ぷーやも大橋健人も外見も全く変わらず、7年の時の流れを実感しなかったな。

できればプラネタリウム版も見たかったけど、機会が無く未見。

少し離れた横に座っていた親子連れ、子供は結構おとなしく見ていたが、母親は映画が始まってしばらくは、五分おきくらいに携帯を開くこと10回以上。何のために映画館にきているんだろう?


3Dの宇宙と最後のはやぶさのシーンがなければ2.5点かも・・・

配役比較表 (パンフ未購入のため、不明な箇所あり)
モデル はやぶさ/HAYABUSA はやぶさ 遥かなる帰還 おかえり、はやぶさ
製作 20世紀フォックス 東映 松竹
的川泰宣
(宇宙科学研究所対外協力室長・教授)
西田敏行 藤竜也 中村梅雀
川口淳一郎
(プロジェクトマネージャー)
佐野史郎 渡辺謙 大杉漣
齋藤潤
(マルチバンド分光カメラ(AMICA)
チームリーダー)
高嶋政宏 - -
矢野創
(サンプラー担当者兼スーパーバイザー
宇宙科学研究所固体惑星研究系准教授)
山本耕史 - -
國中均
(イオンエンジン開発担当責任者
宇宙科学研究所宇宙輸送工学研究系教授)
鶴見辰吾 江口洋介 豊原功補
山田哲哉
(カプセル担当責任者/
宇宙航行システム研究系准教授)
マギー 小澤征悦 -
堀内 康男
(NECイオンエンジン担当)
- 吉岡秀隆 -
町工場(清水機械)のおやじ - 山崎努 -
臼田宇宙観測所職員 長島一茂 カンニング武山
科学技術庁長官 田中真紀子 岸本加世子 - -
文部科学省官僚 筧利夫 金田明夫
お参りした神社 中和神社 飛不動 -
みどころ、他
開発の苦労から運用中のトラブル、帰還後の大騒ぎまで、今思えば一番バランスよく構成されていたかも
運用中の苦悩とサラリーマンであるがゆえに会社とお客さんとの間の板挟みの苦悩、アメリカと渡り合う渡辺謙が見どころ?
3Dで宇宙の広さを体験し、はやぶさの帰還シーン泣けます。
JAXAの人たちも結構出ているそうなので、マニアックに探しては?

評価:


ももへの手紙

原案・監督・脚本・絵コンテ:沖浦啓之
作画監督:安藤雅司
美術監督:大野広司
作画:井上俊之/井上鋭/本田雄/西尾鉄也
音楽:窪田ミナ
製作:プロダクション I.G

声の出演
宮浦もも:美山加恋     宮浦いく子:優香
宮浦カズオ:荒川大三郎   大おじ:坂口芳貞
大おば:谷育子       イワ:西田敏行
カワ:山寺宏一       マメ:チョー
幸市:小川剛生       陽太:藤井皓太
海美:橋本佳月

『人狼 JIN-ROH』の沖浦啓之監督が7年かけて制作した監督作品2作目。
ケンカしたまま急死した父親が残した「宛名だけの手紙」をめぐり、妖怪たちや母親とのふれあいを描くストーリー。
前作とはうってかわって、笑いあり(映画で久しぶりに大爆笑した)、(少しだけ)涙ありのファンタジー作品。

イワは西田敏行の声にしか聞こえず、優香は下手ではないが、未亡人になったにしては華やかすぎる感じで、マメもいい味だしていけど、セリフが多い山寺宏一の芸達者さが際立っていた。

作画もしっかりしていて、さすがにフェリーはCGだったが、トラック、バイクなどは全て手書きで、ガラスの映り込みなどもきちっと描かれていた。
特にイノシシとのかけ比べ?は、自然に猪突猛進していて、すごかった。
カワの変な造形?も不自然な所なく動いていたし。

ストーリーは細かいところまで気が配られ、全てのエピソードにきちんと結末が用意されていた。
「人狼」は、後になって伏線の意味を知る事が多く、もう一回見ないとわかりづらいかも?という感じだったが、「ももへの手紙」は構成がとてもわかりやすく、広げた風呂敷をきちんとたたんで、なおかつさわやかなエンディング。
最後の手紙のシーンは、ニクイ演出だった。

評価:


おおかみこどもの雨と雪

原作・監督:細田守
脚本: 細田守/奥寺佐渡子
キャラクターデザイン:貞本義行
作画監督:山下高明
美術監督:大野広司
音楽:高木正勝

声の出演
花:宮崎あおい           彼(おおかみおとこ):大沢たかお
雪:黒木華/大野百花(幼少期)   草平:平岡拓真
雨:西井幸人/加部亜門(幼少期)  草平の母:林原めぐみ
細川:中村正            山岡:大木民夫
韮崎のおばさん:片岡富枝      田辺先生:染谷将太
土肥の奥さん:谷村美月       堀田の奥さん:麻生久美子
韮崎:菅原文太

サマー・ウォーズの細田守監督作品。
サマーウォーズは誰もが楽しめるエンターテイメント作品だったが、この作品はかなり地味で、シングルマザーの子育て物語だった。

今回は監督が脚本も手がけているが、ほんとにやりたかったことってこんな地味な話だったの?と思ってしまったのだった。
中盤、鼻をすすっている音が聞こえ、隣の席のお母さんとおぼしき女性も鼻をすすっていたので、子供を育てた事がある人ならすごく共感出来るんだろうけど・・・
雪の淡い初恋?とか、懐かしく思うところはあるが、子供を産んだことがない私は、無謀と思える行動に共感できなかった。

背景は、実写の映像にCG処理して使っているようだが、「新たな表現」として捕らえるべきなのか・・・確かにスピード感はあったけど。


以下、ネタバレ。











奨学生なのに出来ちゃった婚でしかも年子、大学は退学なのか?
シングルマザーになった後は子供のために田舎に引っ越し、慣れない畑仕事に精を出す(失敗するが)。
まあ子供なんてあんなもんだと思うけど、言うことを聞かず、それでも怒らず寛大に見守るのはすごい。
嵐の中、飛び出していった子供(自分よりも身体能力は高く、ほっておいても大丈夫だと私は思うのだが)を無謀に追いかけ、クマに遭遇し崖から落ちて死にかける。もう一人の子供はほうりっぱなしで心配じゃないの?
結局子供たちは巣立ち、子供のことを思いながら一人残されるわけだが、あなたは子供のためだけに生きて幸せだったの?それで満足な人生だったわけ?
と、全てが自分の時間で、自分のためだけに生きている私は、そう思ってしまうのだった。

「雨ちゃん最近見ないけど、どうしたの?」と近所の人に言われないんだろうか・・・
学校にも行かなくなるんだし、引きこもり扱いとか?

評価:


ヘルタースケルター

原作:岡崎京子「ヘルタースケルター」(祥伝社刊)
監督:蜷川実花
脚本:金子ありさ
音楽:上野耕路

出演
りりこ:沢尻エリカ    羽田美知子:寺島しのぶ
麻田誠:大森南朋     保須田久美:鈴木杏
塚原慶太:寺島進     和智久子:原田美枝子
南部貴男:窪塚洋介    吉川こずえ:水原希子
沢鍋錦二:荒井浩文    奥村伸一:綾乃剛
浜口幹男:哀川翔     多田寛子:桃井かおり

全身違法整形で美しくなったが、才能ある後輩の出現と整形のくずれで精神を病み、おかしくなっていくトップスター「りりこ」。

沢尻エリカのぬぎっぷりはすばらしく、でもわがままぶりやキレるところは地でやってるのかなぁと思った。
脚本読んで、自分と重なると思ったのか、全く何も思わなかったのか、沢尻エリカに聞いてみたい。
沢尻エリカは奇麗だし、どんな役でもそれなりにちゃんと演じているので、いろんな作品を演じて経験を重ねて行けば、いい女優さんになると思うのに、昨今の行動はもったいない…。

違法整形を追う検事のエピソードは思わせぶりなセリフばかりで、なんだか中途半端…
桃井かおりはいつも通り「桃井かおり」だったが、寺島しのぶはよくこんな役引き受けたね…嫌がらせされても崇拝するスターから離れられないマネージャーをほんとにうまく演じていた。

随所に流れる大音響の女子高生の雑談が、私にとっては「騒音」であり堪え難い苦痛だった。疲れた。
確かにりりこを地で行けない人が演じたら、精神ちょっと病んじゃうかも…

評価:


プロメテウス(3D:RealD)

監督・製作:リドリー・スコット
製作総指揮:ジョン・スペイツ/マイケル・コスティガン
脚本:ジョン・スペイツ/デイモン・リンデロフ
衣装デザイン:ジャンティ・イェーツ
クリーチャーデザイン:H.R.ギーガー

出演
エリザベス・ショウ:ノオミ・ラパス
デヴィッド:マイケル・ファスベンダー
メレディス・ヴィッカーズ:シャーリーズ・セロン
ヤネック船長:イドリス・エルバ
ピーター・ウェイランド:ガイ・ピアース
チャーリー・ホロウェイ:ローガン・マーシャル=グリーン
ファイフィールド:ショーン・ハリス
ミルバーン:レイフ・スポール
チャンス:エミュ・エリオット
ラヴェル:ベネディクト・ウォン
フォード:ケイト・ディッキー

「人類最大の謎、それは<人類の起源>」のキャッチコピーで、「未知との遭遇」「2001年宇宙の旅」みたいな感じなのかと思って見に行ったら「エイリアン」でした。
冒頭部分、宇宙空間のホログラムのカットは、3Dが効果的な画面レイアウトで素晴らしかったですが、DNAのシーンは見終わってどこに繋がるのやらサッパリ。

初めて訪れる未知なる星なのに、みんな不用意にあちこち触りすぎではないですか?
未知なる生物、しかもとても可愛いとは思えない不気味な代物を、ナデナデしようとする気持ちが分からない・・・
科学者の行為とは思えないし、何だか事前準備も怪しいような・・・
第一、知らない所を探索するんだから、迷子対策は当然なんじゃ?

こんな適当な感じで、遠いところへ旅立ってこれるのでしょうか?
地球に戻っても浦島太郎状態だろうし・・・


以下、ネタバレあり














異星の洞窟の中の、奇妙な円柱が並んでいる様は、まるでエイリアンの繭のよう・・・
火炎放射器、まるでリプリーみたいだなぁ・・・
ちょんぎられたデヴィットはビショップを思い出すなぁ・・・
ところでさ、何でイカみたいなのが生まれてくる訳?少なくとも混血になるわけだよね?
もうちょっと人の形に近くてもいいのでは・・・
局所麻酔で腹を切開し、ホチキスで留めただけでよくあんなに動けるなあ。
このシーンだけはちょっとグロかった・・・

宇宙船で体当たりしても、あれだけの宇宙船格納庫?があるんだから、別の宇宙船を使えるんじゃない?白い人死にそうもないし・・・だとしたら無駄死に?

最後の巨大イカの口のところは、ああもうこれはエイリアン?
そして最後の角のようなものが腹から出てきて、よだれたらしながら口を開け、「出てくるよね!?もう一個顔が!?」を裏切らず、最後のスタッフロールにギーガーの名前で駄目押し。
これは「エイリアン・0」だったんだ・・・とその時理解しました。
映画マニアではないので、リドリー・スコットも有名な人だと思ったけど何撮った人だっけ?という感じだったですが、エイリアンの監督だったのね・・・

エイリアンのエキスを飲ませたり(これは社長の指示じゃないんじゃないかなぁ)、「エンジニアの星へ行く」と言うエリザベスへ返事した時の声色がちょっと変わったので、デヴィットは何か別の使命があったんだろうか?
「地球人の起源」はわかったけど「人類の起源」はやっぱり謎のまま・・・
続編あるんですかね?


「エイリアン2」は公開直後の地上波初放送で確か見た気がするが、その後ほとんど見ていないのに鮮明に覚えているほどスリルと緊迫感・・・というかあまりの緊張でテレビの前で固まり、CMの時にホッとするという感じで、家で見ててもこんなに怖いんだから、映画館でなんか絶対ムリ、と思った記憶がある。
「エイリアン」シリーズはTVでだけど、全部見ているはずだが、2以外はほとんど覚えてないんだよね・・・
エイリアンには全ての面で遠く及ばない作品だった。

評価:


天地明察

原作:冲方丁「天地明察」
監督:滝田洋二郎
脚本:加藤正人
音楽:久石譲

出演
安井算哲:岡田准一      村瀬えん:宮崎あおい
水戸光圀:中井貴一      保科正之:松本幸四郎
村瀬義益:佐藤隆太      関孝和 :市川猿之助
建部昌明:笹野高史      伊藤重孝:岸辺一
安藤有益:渡辺大       山崎闇斎:白井晃
本因坊道策:横山裕      宮栖川友麿:市川染五郎
安井算知:きたろう      本因坊道悦:尾藤イサオ
徳川家綱:染谷将太      土御門泰福:笠原秀幸
北極出地隊の男:徳井優    北極出地隊の男:武藤敬司
ナレーション:真田広之

江戸初期に実際に行われた、日本独自に作成された和暦を時の幕府が採用するに至るまでの物語。
囲碁、暦、国内の測量、天体観測と、ある程度知識があった方が…というような要素のオンパレードで、こんな一般になじみのない専門用語が並ぶ話を映画化しようと思ったなぁ…と感心する。
2時間以上の長さでしたが、最初から最後まで中身がみっちりつまった映画でした。

主人公の安井算哲は、囲碁を打ったり庶民に教えたり(囲碁教室みたいなものらしい)して生計を立てていたらしいが、序盤の囲碁の対局は囲碁を知っていた方が楽しめたんでしょう…
「碁打ち」とは低い身分であるにもかかわらず、幕府のお偉いさんとも親しく出来た間柄だったらしいけど、光圀公にくってかかるのはいくら何でも無理では…
黄門様は舶来品・珍品が大好きな、まるで信長のように描かれていた。
鶏の丸焼きって、ほんとに当時食されていたのだろうか?

北極出地は、日本全国津々浦々を回るはずなのに、神奈川→名古屋と来て次が千葉!?とびっくり。千葉の次が青森だし。
途中の天文台が襲われるカットもそこまでやるかなと思ったし、宮崎あおいの友禅の小袖も現代風な小柄なデザインだし(生地も正絹ぽかったけど庶民なら綿か麻では?)、あちらこちらに突っ込む所がいっぱいありそうだけど、漏刻とか渾天儀とか、陰陽道に関わる小物が出て来たし、(ストーリー構成上失敗はあり得ないとわかっていても)ハラハラしてしまったし、まあ楽しめました。

本因坊道策の横山裕は全く老けず、若い頃は「美僧」と言えなくもないが、話が進むとヅラのせいで額より上が間延びした感じで、こめかみに浮き出た血管が気味悪く「妖僧」になっていった…。
数年ぶりの再会から「さっきは驚きで声も出なかった」のところはヘタクソ過ぎ。
別の配役の方が良かったのでは…

染五郎演じる嫌みな友麿は「いかにも」って感じでうまかったけど、お公家さんたちの歯が白いのはちょっと違和感が…最近は大河でもお歯黒してるし。(実際には平家も位が上がるとお歯黒していたらしいので、清盛も本当は歯が黒いはずだが)
日食グラスは記録がないため創作したらしいが、怒って算哲がたたき割ってしまったところは「高価な品のはずだと思うけど壊しちゃっていいの??」と思ってしまった。

史実では寛文10年(1670年)に土御門泰福が当時の陰陽頭、幸徳井友傳に全国の陰陽師・声聞師の支配権を主張して陰陽頭幸徳井友傳に相論を仕掛けたらしいので、友麿のモデルは幸徳井友傳かな?
それまで不遇だった土御門家が陰陽寮での支配権を取り返したのも、このすぐ直後らしいので、気が弱そうに見えたけど案外やり手だったということなのか。

漠然と陰陽師が暦作ってた、と今まで思っていたけど、「暦を作る」とは占いの結果「今日は風呂に入ると不吉」等を書き込むだけで、月の満ち欠けなどは含まれてなかったのか…
スタッフロールに出て来た白無垢の意味がよくわからない。
何か暦に関係あるもの?

評価:


劇場版 TIGER & BUNNY -The Beginning-

企画・原作:サンライズ
監督:米たにヨシトモ
脚本・ストーリーディレクター:西田征史
キャラクター原案・ヒーローデザイン:桂 正和
キャラクターデザイン・総作画監督:羽山賢二/板垣徳宏
デザインワークス:小曽根正美
メカデザイン:安藤賢司
企画協力:さとうけいいち
作画監督:渡邉元子/山本美佳/板垣徳宏/実原 登/井畑翔太/津幡佳明/中野圭哉
色彩設計:永井留美子
美術デザイン:児玉陽平
美術監督:大久保錦一
3DCGディレクター:笹川恵介
撮影監督:田中 唯
編集:奥田浩史
音響監督:木村絵理子
音楽:池 頼広

声の出演
鏑木・T・虎徹(ワイルドタイガー):平田 広明    バーナビー・ブルックスJr.:森田 成一
カリーナ・ライル(ブルーローズ):寿 美菜子     アントニオ・ロペス(ロックバイソン):楠 大典
ホァン・パオリン(ドラゴンキッド):伊瀬 茉莉也   ネイサン・シーモア(ファイヤーエンブレム):津田 健次郎
キース・グッドマン(スカイハイ):井上 剛      イワン・カレリン(折紙サイクロン):岡本 信彦
ユーリ・ペトロフ:遊佐浩二              ロビン:山口勝平
アニエス・ジュベール:甲斐田裕子           マリオ:太田真一郎
ケイン:勝沼紀義                   メアリー:ふしだ里穂
アルバート・マーベリック:福田信昭          アレキサンダー・ロイズ:横島亘
ベン・ジャクソン:宝亀克寿              メカニック斎藤:岩崎ひろし
鏑木楓:日高里菜                   鏑木安寿:定岡小百合

2011年に放送されたTVアニメの劇場版。
全25話でストーリーがきっちり完結してしまっているので、続きは作れない(作っても蛇足となるであろう…)ため、TVシリーズの1〜2話+新エピソードという作り。
TVシリーズを見ていない人にはちょっとわかり辛いかも。
TV再利用部分が少しずつカットされ、バーナビーと虎徹の諍い(ケンカ)が少しずつ追加され、ケンカばかりが強調されてややうざい。そこ削っちゃダメでしょ、というところが削られて、いらない諍いが増えてる感じがする。
TVシリーズの方が尺が決まっているせいなのか、多すぎず少なすぎず、テンポも良くてバランスがいい感じだった。
最後1/3の新作エピソード部分も、犯人の逃亡劇ばかりやたら長くて、なんだか飽きる。
ユーリ・ペトロフも少しだけ出ていたが、TVシリーズを見ていない人には「あの人何?」になってしまうと思う。

バーナビーと虎徹のケンカも後の二人を知っていれば微笑ましく?見えるが、本編ではバーナビーはますますスカした点取り虫のイヤな奴に、虎鉄は人の話は聞かず自分勝手に壊し回るムカつく奴になった…。
せめてバーナビーが「虎徹さん」と呼ぶ所まで話を進めないと、諍いばかりが強調されてなんだか後味が悪い感じ。
脚本も同じ人なのになぁ…。
1年後に2作目が公開されるそうだが、まさかこの調子で25話まで映画化するんじゃないよね?

斉藤さんの声がちょっとだけど聞こえるようになっていた。
そして、今までの疑問が解消された所が。
ヒーローたちの変身はどのように行われるのか?
ブルー・ローズの髪はその度の染めているのか?
ロックバイソンの皮膚が硬くなるって、実際どんな感じ?
スカイ・ハイの飛行の秘密、これにはちょっとえええーだった…。
しかし、折紙サイクロンの能力は他人に擬態なのに、スーツ着ていてどうその能力を生かすんだろう…。

最後に視聴者が選ぶヒーローランキングがあり4位の折紙のコメントを聞いたが、おそらく5位からカウントしていって1週ずつ順位が上がって行き、公開5週目に1位になるんだろうけど、それまで劇場でかかっているかなぁ…
いつもと違う劇場のレディスデーだったからなのか、アニメにはめずらしく女性がほとんどだった。

それにしてもTVシリーズはストーリー構成が本当によく出来ていた。
TVシリーズは星4つ半くらいあげたいけど、劇場版は期待が大きすぎてしまったのか、3つくらいかなぁ〜

評価:


踊る大走査線 THE FINAL 新たなる希望

製作:亀山千広/永田芳男
脚本:君塚良一
監督:本広克行
音楽:松本晃彦/菅野祐悟

青島俊作:織田裕二       室井慎次:柳葉敏郎
恩田すみれ:深津絵里      真下正義:ユースケ・サンタマリア
篠原夏美:内田有紀       和久伸次郎:伊藤淳史
鳥飼誠一:小栗旬        小池茂:小泉孝太郎
久瀬智則:香取慎吾       真下雪乃:水野美紀
緒方薫:甲本雅裕        栗山孝治:川野直輝
王明才:滝藤賢一        森下孝治:遠山俊也
魚住二郎:佐戸井けん太     中西修:小林すすむ
新城賢太郎:筧利夫       沖田仁美:真矢みき
安住武史:大和田伸也      神田総一朗:北村総一朗
秋山春海:斉藤暁        袴田健吾:小野武彦
横山邦一:大杉漣        池神静夫:津嘉山正種

最後のTVスペシャルは、全体的に不必要に引き延ばし、おちゃらけた感じだったが、本作品はシリーズ通して一番真面目に遊び心なくがんばっている映画になった感じ。
「新たなる希望」へ持って行くためのストーリー展開がやや強引、というかほんとにこれやってることが国民にバレたら吊るし上げでしょう、というくらいやりすぎ感のある設定でした。
でもまあ、楽しめました。

はっきりと終わりを宣言したようなエンドではないので、何年?十何年?後に続きかスピンオフがあるかもしれん…

そして久々に「CMで使われているカットは全く関係ないところをあたかも意味ありげに抜き出したもの」ということを認識しました。

破壊してしまったものの賠償金とか、もちろん払うんだよね?
最後の「…なんてな」のセリフに時間の流れを感じた…
あと、ユースケが年とって人相悪くなったと思うのは私だけ?

評価:


ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q


原作:庵野秀明
監督:庵野秀明/摩砂雪/前田真宏/鶴巻和哉
脚本:庵野秀明
キャラクターデザイン:貞本義行

声の出演
碇シンジ:緒方恵美           アヤナミレイ(仮称):林原めぐみ
式波・アスカ・ラングレー:宮村優子   真希波・マリ・イラストリアス:坂本真綾
葛城ミサト:三石琴乃          赤木リツコ:山口由里子
碇ゲンドウ:立木文彦          冬月コウゾウ:清川元夢
鈴原サクラ:沢城みゆき         渚カヲル:石田彰
伊吹マヤ:長沢美樹           青葉シゲル:子安武人
高雄コウジ:大塚明夫          長良スミレ:大原さやか
多摩ヒデキ:勝杏里           北上ミドリ:伊勢茉莉也
キール・ローレンツ:麦人

最初に『巨神兵東京に現る 劇場版』が流れ、なんだか意味深・・・と言う感じだった。
特撮美術館?で見たけど、若干ナレーションが変わっているような?
しかし、ネタを全て知っているのでとりあえず『特撮(ミニチュアかも)』を堪能した。


前作から3年。
しかし・・・
・・・・・・
話が何処へ行こうとしているのかサッパリ。
カヲルは何だったのかもサッパリ。

 

 

 

 

 

以下、ネタバレあり

 

 

 

 

 

 

 

 ↓

 ↓

とにかく時間が経っているのは、青葉シゲルのヒゲですぐ分かったが、14年の間に何が起こったのかは監督の頭の中にしかないらしい。
前作の予告と全然違う話になってるしさ。
復習した前作の最後を思い出しても、全く話が繋がらない。
「作り直す」と決まった時点でラストは決定、着地点は動かないもんだと思っていたが、やっぱり監督のその時の気分(というか精神状態?)で変更されるものなのかも。Qも最初のシナリオとは全く書き直したとも聞くし・・・

アスカ、マリは「エヴァの呪縛」とやらで外見は年をとらなくなってしまったようだが、アスカは精神的に成長してるとは思えない。
アスカは「破」で使徒に侵食され、その時に使徒と融合してしまっているようだけど(マクロスFのシェリルみたいだ)、精神汚染はされずにすんだということらしい。
「今度こそ君をしあわせにする」と言っていたカヲルは結局、「また会えるよ」の言葉を残しシンジの身代わりとなって消えてしまったし。自分のことを「第一使徒」と言っていたが「破」でゲンドウのことを「お父さん」と呼んでいたのはなんだったんだ?
カヲルのセリフはいつも旧シリーズがあること前提のような感じなんだよね・・・

旧シリーズでのゼーレの目的はよくわからなかったが、「ゼーレ」とは人類とは異なる長寿の生命体で、いい加減死にたいと思っていたのでサードインパクトを起こしてあの世へ行きたい・・・という事なのかな。碇ゲンドウの目的は旧シリーズと同じく「碇ユイの復活」であるらしい。
ラストでアスカに引っ張られて去っていくシーンは、「まごころを君に」のラストをやや彷彿とさせるので、最後の「:||」は本当に最後の新たな展開なんだろうか?と思うのだった。
アスカの「ここでは遠過ぎて『リリン』に見つけてもらえない(表現違ったかも)」の『リリン』は初号機(グンター)のことかと思ったが、普通の人間のことらしい。

アスカのプラグスーツがガムテープ?みたいなもので補修されていて、エヴァを作るもろもろの技術はネルフしか持っておらず、ヴィレは現在あるもので戦っていかなくてはならないってことなのか。

新たなキャストの苗字はみんな川の名前かぁ。
ところで加持全然出てこなかったんだけど・・・どうしちゃったの?

採点不能な感じもするが、グンターが使徒を釣り上げて仕留めるところはかっこよかったので、とりあえず3.5。

評価:


マリー・アントワネットに別れを告げて

原作:シャンタル・トマ「王妃に別れを告げて」
監督:ブノワ・ジャコー
製作総指揮:ジャン=ピエール・ゲラン/クリスティナ・ラーセン/ペドロ・ウリオル

出演
シドニー・ラボルド:レア・セドゥ
マリー・アントワネット:ダイアン・クルーガー
ガブリエル・ド・ポリニャック夫人:ビルジニー・ルドワイヤン
ルイ16世:グザビエ・ボーボワ
カンパン夫人:ノエミ・ルボフスキー

「サスペンスタッチのベルサイユのばら番外編」的なキャッチコピーだったが・・・
朗読係のシドニーが、上司の女官に自分の意見を通そうとしながらアントワネットに心酔する日々を淡々と描く・・・ということなのだが、シドニーはあまり喜怒哀楽を表に出さないので、「盲目的な愛情」のように見えない。

なぜ広いベルサイユで、みんな狭い廊下でうわさ話をしてるのか、そしてその廊下の片隅で居眠りするのか不思議だった。

原作はフランスで大ヒットした小説だそうで、背景はフランス人には言わなくても分かるような事なのかもしれないけど、「フランス革命はベルばらで勉強しました」という日本人の私にとってはなんとも地味〜な作品。
例えて言うなら忠臣蔵で松の廊下の後から話が始まり、討ち入りに出かけるまでの赤穂浪士の日々を綴った映画を外国人が観る、っていう感じでしょうか・・・。

確かに最後の15分くらい?はちょっとサスペンスタッチでしたが、それが終わると唐突にエンドロールが始まって「え?これで終わり??」とまるで打ち切りでしり切れトンボ的なラストだった。

確かにベルサイユ宮殿で撮影しているが、キルスティン・ダンストの「マリー・アントワネット」の方が豪華で良かったように思う。鏡の間と使用人達の食事風景(こういうところは始めてみるので)、話とは全くリンクせず「なぜここで裸?」的なレア・セドゥとビルジニー・ルドワイヤンのヘア・ヌード位しか見どころがなかったような・・・
PG12指定なのはヘアヌードだからでしょう。

評価:2a


レ・ミゼラブル(極上音響上映)

原作:ヴィクトル・ユゴー
監督:トム・フーバー
作:アラン・ブーブリル&クロード=ミッシェル・シェーンベルク
脚本:ウィリアム・ニコルソン/アラン・ブーブリル&クロード=ミッシェル・シェーンベルク/
   ハーバート・クレッツマー
作曲:クロード=ミッシェル・シェーンベルク
製作:ティム・ビーヴァン/エリック・フェルナー/
   デブラ・ヘイワード/キャメロン・マッキントッシュ

出演
ジャン・バルジャン:ヒュー・ジャックマン
ジャベール:ラッセル・クロウ
ファンテーヌ:アン・ハサウェイ
コゼット:アマンダ・セイフライド
マリウス:エディ・レッドメイン
テルナディエ:サシャ・バロン・コーエン
マダム・テナルディエ:ヘレナ・ボナム・カーター
エポニーヌ:サマンサ・バークス
アンジョルラス:アーロン・トヴェイト

何十年?も前に「ああ無情」はトライしたけど、ジャン・バルジャンが燭台を持ってドロンしたところで挫折しました。
ミュージカルも見ないけど、ものすごいロングラン公演で感動作なんだろう・・・それがお手軽に映画館で見られるのか〜と思って見に行きましたが・・・

ジャン・バルジャンがどのように成功して市長になったのか、なぜジャベールが執拗にジャン・バルジャンを追い続けるのか、この辺が全く描かれておらず、説得力に欠ける感じ。
ジャベールが自殺する心境もあの歌だけでは理解できませんでした。
なんで屋根のはしっこを歩きながら歌っているのかも理解できないし。危ないじゃん!

歌詞や構成などは舞台とほぼ同じだそうで、全て俳優がその場で歌っているのはすごい。
やっぱり特訓したんでしょうか?
「極上音響」で観賞、最後の大合唱はちょっとジーンと来ましたが、感動して泣くほどではなかったです・・・

そして、しばらくして会社の後輩に感想を尋ねた時、「最後、ジャン・バルジャン死んじゃったんだっけ?」と全く内容が頭に残っていないことに気がつきました。
その後魂が離れていくシーンを思い出しましたけど。
ちなみに、テレビで見た「オペラ座の怪人」はちゃんと話を覚えてます。

評価:


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