Dr.パルナサスの鏡

監督:テリー・ギリアム
製作総指揮:デイヴ・ヴァロウ/ヴィクター・ハディダ
製作:テリー・ギリアム/ウィリアム・ヴィンス/
   エイミー・ギリアム/サミュエル・ハディダ
脚本:テリー・ギリアム/チャールズ・マッケオン
撮影:ニコラ・ペコリーニ
美術:デイヴ・ウォーレン
音楽:マイケル・ダナ/ジェフ・ダナ

出演
トニー:
ヒース・レジャー/ジョニー・デップ/ジュード・ロウ/コリン・ファレル
パルナサス博士:クリストファー・プラマー
ヴァレンティナ:リリー・コール
ニック:トム・ウェイツ
パーシー:ヴァーン・トロイヤー
アントン:アンドリュー・ガーフィールド 


撮影途中で主役のヒース・レジャーが急死し、お蔵入りになるかと思われたが、ヒース・レジャーの友人3人の代役で完成にこぎつけたという作品。
トム・クルーズも代役を打診したらしいが、監督が「ヒースとあまり親しくなかったから」という理由で断ったらしい。

時代は現代なのだが、パルナサス博士たちだけまるで中世のよう。
鏡の中はなんとも摩訶不思議なCG。
話の筋は追ってはいけないらしい。理解しようと考えると、余計に訳がわからなくなる。
負けると爆発、5人目、笛、アントンはどこへ?など、最後まで説明されなかったものがたくさんあった。
「悪魔とパルナサス博士の魔法比べ」と紹介しているサイトなどもあったが、全然「魔法」に見えない。
ギリアム監督のテイストが好きな人にはたまらないらしいが…
面白くない訳ではないのだが、「よくわからない」まま終わってしまった。

評価:2b


アバター (3D: RealD)

監督:ジェームズ・キャメロン
製作総指揮:コリン・ウィルソン/レータ・カログリディス
製作:ジェームズ・キャメロン/ジョン・ランドー/ジョシュ・マクラグレン
脚本:ジェームズ・キャメロン
音楽:ジェームズ・ホーナー

出演
グレイス・オーガスティン博士:シガニー・ウィーバー
ジェイク・サリー:サム・ワーシントン
マイルズ・クオリッチ大佐:スティーヴン・ラング
トゥルーディ・チャコン:ミシェル・ロドリゲス
パーカー・セルフリッジ:ジョヴァンニ・リビシ
ノーム・スペルマン:ジョエル・デヴィッド・ムーア
マックス・パテル博士:ディリープ・ラオ

ネイティリ:ゾーイ・サルダナ
モアト:CCH・パウンダー
ツーテイ:ラズ・アロンソ
エイチュカン:ウェス・ステュディ
アクウェイ:ピーター・メンサー

REAL D方式の3Dで真ん中の席で観賞。
(IMAX3Dでみると上下のトリミングが少なく迫力ある映像になるらしいですが)
「キャプテンEO」のように飛び出てくるわけでなはく(一部手前にあるものは飛び出して見えるが)スクリーン枠の向こう側が別世界、のように見えます。フルCGのパンドラでは非常にクリアで鮮明な映像ですが、実写のカットはレンズ2つで記録しているせいなのか、若干チラチラすることがあります。
予告映像がなく、ドルビーの告知も無く、いきなり立体画像の「20世紀Fox」の画像から始まりました。

ここまでCGって進歩したんですねぇ・・・
俳優、いらなくなる気がする。
ナヴィ達は特殊メイクを施した人が演じているかのような自然な動きと、人間の肌と遜色ないマッピングテクスチャー。植物からハエのような昆虫まで星1個全部作り出したとは驚きです。
宇宙を航行する戦艦や、開けた景色ではあまり立体に見えませんが、奥行きを感じられる画面構成ではその場にいるみたいでした。中盤の戦闘シーンでは、音響がいい劇場だとかなり臨場感(腹に響く轟音ですごかった)があり、「エイリアン2」を初めて見たときのように身体が固まりました。
劇場で3Dで観ることに価値がある映画だと思います。

どっかで見たことのある映像がたくさんあったような気がする。
空を飛ぶシーンは壮快で、メーヴェで飛ぶナウシカみたいでした。
空に浮かぶ大陸はラピュタか宇宙戦艦ヤマトの木星の浮遊大陸を思い出しました。
倒れるホーム・ツリーは海に沈むタイタニック。

話は単純明快で王道のシナリオというか、よくある成長物語+巨大な権力に戦って勝つという感じ。
中盤の大佐はやり過ぎと思うけど。
でも2時間半はちょっと長かった。

手足が2本ずつ、八肢ある動物が多い中でナヴィだけ四肢なのか、不思議な気がした。
クモとカニみたいなもん?
サム・ワーシントンの足、ものすごく細かったんだけど、あれってCG?実際あそこまで筋肉を落としたら歩けなくなっちゃうんじゃ…

隣の席のおばさん、「荷物を置く場所が無いなんて、おかしいわ!」「どうして電車みたいに背もたれが下がらないのかしら!」おまけに鈴のついた携帯を上映中に何度も開き、口臭もあってうーん、だった。

メガネの上に3Dメガネはちょっと厳しかったなあ。
あと、メガネは使い捨てのはずなのだが、回収されたぞ。

評価:C2


アリス・イン・ワンダーランド (3D: RealD)

監督:ティム・バートン
製作総指揮:クリス・レベンゾン
製作:リチャード・D・ザナック/ジョー・ロス/スザンヌ・トッド/ジェニファー・トッド
原作:ルイス・キャロル
脚本:リンダ・ウールヴァートン
撮影:ダリウス・ウォルスキー
美術:ロバート・ストロンバーグ
音楽:ダニー・エルフマン

出演
マッドハッター:
ジョニー・デップ
アリス・キングスレー:
ミア・ワシコウスカ
赤の女王:
ヘレナ・ボナム=カーター
白の女王:
アン・ハサウェイ
ハートのジャック:ク
リスピン・グローヴァー
トウィードルダムとトウィードルディー:
マット・ルーカス
声の出演
声優
アブソレム(芋虫):アラン・リックマン
白うさぎ:マイケル・シーン
チェシャ猫:スティーヴン・フライ
ジャバウォッキー:クリストファー・リー 


万年寝不足なので、映画の途中で眠くなるのはよくあるが、最初から最後までところどころ途切れてしまうほどなのはすごく珍しい・・・
つまりは面白くなかったということか。
トランプの衛兵の槍の金属音、「首を斬れー!!」の叫び声しか印象にない。
へっぴり腰なのにジャバウォッキーと戦うとか、現実に戻ってからのアリスの態度と行く末、周りの反応など、唐突な感じ。いや、ありえないでしょ、この時代では。

3D映画としてもアバターのほうが素晴らしかった。
アバターは実写の部分はおそらくカメラ2台で撮影していると思うが、アリスはCGで立体にしているんじゃないかな。なんとなくちゃちい感じがする。
鳥が双子をさらっていくシーンは、スターウォーズEP1のボッドレースのようだったので、「スタウォーズが3Dだったらさぞかし見ごたえがあったんだろうなぁ」と関係ないことを思ってしまった。

冒頭のディズニーのロゴが3Dで、まるで「ピーター・パン空の旅」みたいで楽しかった。・・・ここが一番よかったかも・・・「アバター」の時は予告もドルビー画面もなく本編だったが、今回は3Dのドルビー画面があった。

評価:2b


プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂

監督:マイク・ニューウェル
製作総指揮:マイク・ステンソン/チャド・オーマン/ジョン・オーガスト/
      ジョーダン・メックナー/パトリック・マコーミック/エリック・マクレオド
製作:ジェリー・ブラッカイマー
撮影:ジョン・シール
美術:ウルフ・クローガー
音楽:ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ

出演
ダスタン王子:ジェイク・ギレンホール
タミーナ王女:ジェマ・アータートン
シャラマン王:ロナルド・ピックアップ
ニザム:ベン・キングズレー
シーク・アマール:アルフレッド・モリーナ
セッソ:スティーヴ・トゥーサン
ガーシヴ王子:トビー・ケベル
タス王子:リチャード・コイル
ビズ:リース・リッチー

「パイレーツ・オブ・カリビアン」のジェリー・ブラッカイマー製作の歴史ファンタジーアクション映画。
全編ほとんどアクションシーンで、「パイレーツ・オブ・カリビアン〜呪われた海賊たち〜」の馬小屋の対決を彷彿とさせるところもあった。

ほとんどスタントなしという、ジェイク・ギレンホールのアクションはすごくて、香港映画のように跳んだり跳ねたり・・・。だが、この動きが「歴史物」にそぐわない感じがするんだよなぁ。動きが速くムリヤリ力技?で繋いでいる感じなので、何をしようとして行動しているのかが、結果を見ないとわからないし。
ここのところ3DCG映画が続いたせいか、カメラがパンすると画面の残像(滑らかに動かない)が残るところや、フィルムの粗さみたいのものも気になった。

でっち上げて攻め入る・・・はどこかで起こった事件を思い出す。
テンポはいいが、所々説明もなく唐突に話が進む。そして「そんなことしている場合ではないのでは?」という状況でラブシーンが挟まれること2回。
タミーナ王女は「すごい美女」の設定だが、ペルシャ美人ってあんな感じなの?絶世の美女には見えなかったんだけど・・・

最後はどこまで時間が巻き戻されるのか?が最大の興味だったが、まぁ納得のいく良い?終わり方でした。ちょっとご都合主義ではあったけど。

ところで、映画が佳境になったころ、きなこ餅や肉まん?のような匂いがしたのは何故だろう・・・

評価:C2


アデル ファラオと復活の秘薬

原作:タルディ
監督・脚本:リュック・ベッソン
音楽:エリック・セラ
衣装:オリヴィエ・ベリオ
美術:ユーグ・ティサンディエ

出演
アデル・ブラン=セック:
ルイーズ・ブルゴワン
デュールヴー:マチュー・アマルリック
メナール教授:
フィリップ・ナオン
カポニ警部:
ジル・ルルーシュ
エスペランデュー教授:
ジャッキー・ネルセシアン
サン=ユベール:
ジャン=ポール・ルーヴ
アガット・ブラン=セック:
ロール・ド・クレルモン
アンドレフ・ズボロフスキー:
ニコラス・ジロー
アクバー:
ムーサ・マースクリ

原作は劇画らしい。
不慮の事故で生死の境をさまよう妹を救うため、エジプトへ。
「ハムナプトラ」や「インディ・ジョーンズ」のように秘薬を求めて冒険しまくりなのかと思ったら、コスプレやギャクが満載のコメディーだった。
エジプトには冒頭に探し物(秘薬にあらず)をしにいくだけで、舞台のほとんどがフランス。そして秘薬は偶然?のたまものだったという・・・

冒頭は複数のエピソードが平行して語られていくが、各エピソードのつながりが分かるまでは、ややとってつけたような感じがする。中盤からはテンポよく話が進んでいって、アデルの歯に衣着せぬ物言いや態度が、おしゃれでピリッと効いたスパイスのように良い味をだしていた。

フランス映画だからなのか、カポニ警部のオヤジギャクはよくわからなかった。フランス人でも笑えないギャクだったんだろうか?
ラストは・・・次作へ続く伏線なのか?
そして現在はエジプトにいるはずのファラオは??
と、最後に謎が残るのだった。

「インディ・ジョーンズ クリスタルスカルの王国」のようなありえないハチャメチャさがあるけど、エンターテイメントとしては十分楽しめた。

アデルって、吉瀬美智子というか、ハガネ?に似てると思うんですけど。

評価:2b


トイ・ストーリー3 (3D: RealD) 吹き替え版

監督:リー・アンクリッチ
製作総指揮:ジョン・ラセター
製作:ダーラ・K・アンダーソン
脚本:マイケル・アーント
美術:ダイスケ・メダイスモ・ツツミ
音楽:ランディ・ニューマン

声の出演
ウッディ: 唐沢寿明
バズ・ライトイヤー:所ジョージ/ハビエル・フェルナンデス・ペナ(スペイン語仕様)
アンディ・デイビス:小野賢章      アンディのママ:小宮和枝
モリー・デイビス:きゃさりん      ジェシー:日下由美
ミスター・ポテトヘッド:辻萬長     レックス:三ツ矢雄二
ハム:大塚周夫             スリンキー・ドッグ:永井一郎
ミセス・ポテトヘッド:松金よね子    グリーン・アーミーメン:谷口節(軍曹)/綿鍋想(部下)
リトル・グリーン・メン:落合弘治    バービー:高橋理恵子
ケン:東地宏樹             ロッツォ:勝部演之
ストレッチ:片岡富枝          お豆3兄妹:大谷咲葵、松本航輝、古口貴子
チャッター・テレフォン:山路和弘    ボニー:諸星すみれ

第1作から10年後、アンディは大学に通うため引っ越しをすることになり、母親からおもちゃを処分するか片付けるか大学に持っていくか決めるように言われる。アンディだけ大学に連れて行き、残りのおもちゃを屋根裏にしまうつもりが手違いからゴミとして出され、失望したバズやジェシーたちは保育園「サニーサイド」で第二の人生をスタートすることに決め、保育園行きの箱に自ら入り込むが、たどり着いた保育園では散々な目に…。

基本のストーリーはウッディがみんなを助けにいく、で、いつもと同じなのだが、今回は本当に絶体絶命かと思うシーンが。
宇宙人の「神様〜」やバズのダンス、トトロのぬいぐるみなど細かいところの芸がすごく効いている。

ゴミ処理場の看板がなぜか日本語。各国語バージョンで作られてるんだろうか?
笑いあり、ハラハラあり、最後は少し切なく、と、3作目なのに、非常に楽しめた。
ジプシー・ギングスにのせて踊るバズがサイコー。

3Dで見たが、3Dでなくてもいい感じ。おもちゃの目線で3D化したこともあって、アバターほどの臨場感はない。

評価:C2


借りぐらしのアリエッティ

原作:メアリー・ノートン「床下の小人たち」(林容吉訳・岩波少年文庫)
企画・脚本:宮崎駿
プロデューサー:鈴木敏夫
監督:米林宏昌
脚本:丹羽圭子
制作:星野康二

声の出演
アリエッティ:志田未来
翔:神木隆之介
ホミリー:大竹しのぶ
貞子:竹下景子
スピラー:藤原竜也
ポッド:三浦友和
ハル:樹木希林

床下にこっそり住む小人の家族。日々の生活に必要なものは、みつからないようにこっそり人間から借りて暮らす…
ポッドの言い方だと「借りぐらし」という種族名なのかと思ったが、スピラーは自分で狩りをして暮らしているようなので、「借りぐらし」ではなく「狩りぐらし」だから、種族名としては適当でないと思う。

「人間に姿を見られてはいけない」小人たちで思い出したのは、佐藤さとるのファンタジー小説(童話?)「だれもしらない小さな国」シリーズ。こちらは協力してくれる人間と一緒に自分たちの未来のためにがんばり、その後も人間と小人の間には多少の交流がある話だったが、「借り暮らし」たちの生活はすごく消極的。他の家族との交流もなく、アリエッティは家族以外の借り暮らしを知らないようだ。

翔の「比べ物にならないくらい多い人間と比べれば『借り暮らし』は滅び行く運命なんだ」という残酷な台詞にもびっくりしたが、全てを人間に依存する生活では、先細り感は否めないような気がする。

背景美術はとてもきれい。冒頭の家までの坂道を下るカットで、途中で微妙に傾斜が違っているところなど「そんなところまでこだわる必要あるの?」と思ってしまった。

ドールハウスはイギリス製らしいが、キッチンはドイツ風、客間はフランス風、ハウスはアメリカのキットみたい。オーブンが本当に使える、というところだけクイーン・メアリーのドールハウスのようだが、実際にそれを注文したらものすごい値段になりそう。
液体の水滴が大きいところは、ミニチュアのカップに液体(レジン)を入れる時と同じだったので、ちょっと笑えました。
几帳面そうなのに、翔のプレゼントのしかたはかなり乱暴だったので、「子供ってあんな感じなのかなぁ」と思った。

ホミリーのわたわたする感じが、大竹しのぶにぴったり。
最後のスタッフロール、肩書きなしで名前だけがあいうえお順で流れるという、不思議なものでした。

評価:C2


悪人

原作:吉田修一(朝日文庫刊)
監督:李相日
脚本:吉田修一/李相日
音楽:久石譲

出演
馬込光代:深津絵里    清水裕一:妻夫木聡
清水房枝:樹木希林    石橋佳男:榎本明
増尾圭吾:岡田将生    石橋佳乃:満島ひかり
矢島憲男:光石研     清水勝治:井川比佐志
清水依子:余貴美子    久保刑事:池内万作
佐野刑事:塩見三省

出会い系サイトで知り合い、初対面でホテルに誘われ、希望しない関係を結ばされ、1度しか会っていない相手に「本気で会おうと思ってメールした」の一言で、一緒に逃亡したくなる心境が全然理解できなかった。

殺人を犯した主人公を「悪人」に見せないようになのか、祐一と光代以外の登場人物が必要以上に下品に描かれている感じ。
特に佳乃と増尾は自分が嫌いなタイプの人間なので、見ていてイライラする。「乙メン」であんなにさわやか君だった岡田将生が、口をゆがめて下品に笑うチャラ男になっていてちょっとショックだった・・・役者としてはうまい、ということなのかもしれないけど。

深津絵里はなんとも微妙な話し方とか雰囲気とか、確かに賞をもらっただけのことはあるかも・・・でも29才の設定はちょっと無理があった・・・。
灯台まで毎日上っていくのがすごく大変だった、と話していたが、確かにそうだったろうな、と思った。
久しぶりに見た邦画の感想は「地味だなぁ」でした。

評価:C2


美女と野獣 ディズニー・デジタル3D (3D: XpanD)吹き替え版

製作:ドン・ハーン
監督:ゲイリー・トゥルースデイル/カーク・ワイズ
製作総指揮:ハワード・アシュマン
脚本:リンダ・ウールヴァートン
作詞:ハワード・アシュマン/アラン・メンケン
作曲:アラン・メンケン
美術監督:ブライアン・マッケンティー

声の出演
ベル:
伊藤恵理
野獣:
山寺宏一
ルミエール:
江原正士/若江準威知(歌)
ポット夫人:
福田公子/ポプラ(歌)
チップ:
山口敦史
コグスワース:
熊倉一雄
ガストン:松本宰二
ル・フゥ:中丸新将
モーリス:あずさ欣平

美女と野獣」は今まで3回くらい劇場で見ているが、吹き替え版は初めて。
こんな台詞だったっけ?日本語で聞くとちょっと違和感があるかも…というところが2つくらい。声の印象・歌は英語と同じ感じでうまい吹き替えだった。
いつも思うんだけど、王子の姿より野獣のままのほうが表情豊かでいいね。
そして、目の前で姿が変わったんだから、「あなたなのね」と理解するのが遅すぎない?

ディズニーだから、すばらしく美しい3D画像が…と思ったが、やっぱりセルアニメの3Dは大変らしく、ガストンのような巨漢ならまあいいのだが、ポット夫人の鼻の部分などは立体処理がうまく脳内変換できず、なんだかよくわからない状態に。
基本は映画の画像を貼ってレンダリング?あるいは、画像を立体的に引っ張ったりしているのか、そんな感じのようだった。
建物は違和感なくきれいに3D化されていた。木などに奥行きを持たせるのは難しいらしく、奥行きは出ていたが、アニメのマルチ撮影のような3Dに。人物のモブシーンは平面の物体が並んで立っているみたいな感じ。花や茂みはさすがに花1つ、葉っぱ1枚は無理で、塊のような感じで立体になっていた。
最後のガストンが谷底へ落ちていく所は、高さがよくわかったけど。
背景美術は、本当にきれいに3Dになってました。でも人物がねぇ…

TOHOシネマズ系列でしかかかっていなかったので、今回初めてXpanD方式で見たのだが、眼鏡が重く、暗くて見づらい。今回は尺が1時間半だからまだいいが、眼鏡のうえにさらに3Dメガネは、3時間の超大作だと頭が痛くなりそう。後ろでひもを締めるので、眼鏡が落ちてくることはないが、見終わって鼻に眼鏡のあとがくっきり、痛くなった。
RealDは比較的画面全体が3Dに見えていたが、XpanDだと注視している部分はきちんと3Dだけど、焦点から外れる場所はうまく画像が重なっていないようで、ちらちらとして見にくかった。

CGの舞踏会のシーンは3D化されてそれなりにきれいだったけど、手間をかけて3Dにした割には効果が今ひとつのような…
このレベルなら2Dで十分だと思うが、RealDで見ればまた違うんだろうか?
最初に見た3Dがアバターだったので、どうしてもあのクオリティが基準になってしまう…

作品自体は4.5、3Dがイマイチだったので、総合で4点。

評価:2b


インシテミル 7日間のデス・ゲーム

監督:中田秀夫
製作総指揮:小岩井宏悦/菅井敦/奥田誠治
製作:ウイリアム・アイアトン/堀義貴/宮崎洋/下田淳行/野村敏哉/井上竜太/畠山直人
原作:米澤穂信
脚本:
鈴木智
音楽:
川井憲次

出演
藤原竜也     綾瀬はるか
石原さとみ    北大路欣也
片平なぎさ    武田真治
阿部力      平山あや
石井正則     大野拓朗

「リング」の中田秀夫監督作品。
監督が「練りに練った脚本」とインタビューで答えていたのを見て、面白そうだと思ったんですけど、期待しすぎてしまったのか…
非現実的すぎて恐怖を感じない。実際にこんな事が行われたらマスコミ沙汰で世の中大騒ぎだ…
種明かしも陳腐だし、説得力に欠ける。

生き残った人はみんなバイト代を手に出来ると思っていたのに、そうではなかったし。監視されていたんだから、生きていたのはわかっているはず。
パロディのインディアンだって、もっと使い用があったのでは?

「リング」の井戸から出てくる貞子には到底及ばない。
THXシアターだったので、音響はすごかったけど、やたら金属音だけが強調されていた。それだけ。
原作は評判よかったらしいが、ほんとに面白い原作だったの?と疑いたくなる映画でした。

評価:C2


SPACE BATTLESHIP ヤマト

監督:山崎貴
原作:西崎義展
脚本:佐藤嗣麻子
音楽:佐藤直紀

出演
古代進:
木村拓哉        森雪:黒木メイサ

沖田十三:山崎努        島大介:緒形直人
真田志郎:柳葉敏郎       相原:マイコ
南部康雄:矢柴俊博       斉藤始:池内博之
佐渡先生:高島礼子       徳川彦左衛門:西田敏行
藤堂平九郎:橋爪功       古代守:堤真一
太田:大和田健介        加藤:波岡一喜
山本:斎藤工          古屋:三浦貴大
安藤:浅利陽介         アナライザー:緒方賢一
デスラー:伊武雅刀       イスカンダル:上田みゆき
ナレーション:ささきいさお

アニメ史に残る名作「宇宙戦艦ヤマト」の実写版。
ベースは1作目の「宇宙戦艦ヤマト」で、所々に「さらば宇宙戦艦ヤマト愛の戦士たち」のエピソードが挿入されていた。アニメのヤマトになじんだ人は「パロディ」と思えれば楽しめるんじゃないかと思う。
ちなみに隣の席の20代前半と思える女性は、終盤の泣かせるシーンで鼻をすすっていたが、オリジナルとは違う設定・展開に何度も(5回くらいかな)「エエッ!?」と驚かされた私は、泣くどころか「ほんとにその展開ですか?」と何度もツッコミを入れてしまい、笑うしかないような気分でした。

ちなみに、各キャラクターのなりきり度は
そのものだった人=アナライザー(でも第一声は「年取ったな…」だったけど)、イスカンダル、デスラー
かなりいい線=真田さん(パンフ読んでないからわからないけど、多分ギバちゃんはヤマトが好きだったか、かなり研究したかで意識的に青野武に似せて台詞をしゃべっていたと思う)、徳川さん、森雪としての相原
結構いいかも=島(ちょっと老けてるけど)、斉藤
まあまあかな=南部、古代守、沖田艦長
原作無視のオリジナルキャラ=森雪、佐渡先生
ちなみに、キムタク古代は「波動砲発射用意。ターゲットスコープ、オープン。対ショック、対閃光防御。波動砲、発射!!」の台詞のところだけ古代君だった。それ以外はやっぱりキムタク。



以下、ネタバレあり。





まず最初に島が既婚者、弟の次郎は息子になっていてびっくり。三角関係を防ぐためなのか?
船内のPCのキーボードがまるでDELLのキーボードぽくて、笑えた。
ワープもうまくタイミングを計ってワープしないと宇宙のどこかに飛ばされる…みたいな説明を真田さんがしていた記憶があるが、乗組員に知らせる事なくバンバンワープして、木星の浮遊大陸を吹っ飛ばしたり、アステロイドベルトを吹っ飛ばしたりすることもなくあっという間にイスカンダルへ。何しろ、ご飯食べてる最中にワープしちゃうんだもんな〜

真田さんは「こんな事もあろうかと思って…」の台詞がなぜか1回もなく、有能さを発揮する事がなかったし、イスカンダル星でいきなり「俺はこれを破壊する」と思いつきのように斉藤と白色彗星での特攻よろしく行ってしまった。
エ?コスモクリーナー組み立てるのに必要な人じゃないの?と思ったら、コスモクリーナーは組み立てる必要がない設定だった…。
斉藤も真田さんも建物?の陰に隠れていれば標的にならないのに、わざわざ的になるために飛び出して行った感じだし。ちなみに真田さんの手足は爆弾じゃなかったです。

そして、ガミラス=イスカンダル星人はバジュラだった!!
そういえば宇宙船のデザインも生物っぽくてバジュラみたい。イスカンダルには守にーちゃんもいなかった。

「地球か…何もかも懐かしい」の沖田艦長の死のあとで現れたピンチに「考えろ、古代」と自分に言い聞かせていたが、普通自分の事を名字で言うかなぁ。
終盤ではいきなり「艦ごと自決する」と言い出し「エーマジですか?」と思っているうちに、コスモクリーナー森雪はあろうことか「古代と一緒に死ぬ」と言い出す始末。コイツを死なせてしまったら、何のためにイスカンダルまで行ったのだ!?誰も雪を地球に連れ帰ろうとしないし、古代の演説も「俺たちは死にに行くんじゃない」の熱い演説じゃなかったし、あまりの展開に何を言っていたのかよく覚えてない(ここで隣の女の人は鼻をすすっていた)。
これじゃあ「必ず生きて」じゃないよね…
そして「さらば」の様に光って散って行きました…。

宇宙戦艦ヤマトのテーマで後方から見るヤマトはヤマトらしかったけど、前から見るヤマトは波動砲の発射口がちっさくてかっこ悪かった。戦闘シーンで宮川泰の音楽でも使ってくれたらもっとヤマト気分が盛り上がったんだけどな〜。
そしてアニメでは完結編の「愛のシーン」以外、せいぜい抱き合うくらいしかなかったが、艦内で行きなりキスして子作りしてしまうキムタクはやっぱり古代君ではないと思った。

評価:2b


紫堂トップページシネマの部屋