スパイキッズ3D・ゲームオーバー(試写 10/11より全国ロードショー)

監督/脚本/製作/デジタル編集/音楽/プロダクション・デザイナー/編集:
ロバート・ロドリゲス

出演
ジュニ・コルテス:ダリル・サバラ(常盤祐貴)
カルメン・コルテス:アレクサ・ヴェガ(清水理沙)
トイメイカー:シルベスター・スタローン(角田信明)
大統領:ジョージ・クルーニー(小山力也)
女スパイ フランチェスカ:サルマ・ハェック(MEGUMI)
フループ:アラン・カミング(小堺一樹)
マッドサイエンティスト・ロメロ:スティーヴ・ブシェミ(山寺宏一)
グレゴリオ・コルテス:アントニオ・バンデラス(大塚明夫)
イングリッド・コルテス:カーラ・ゲギノ(高乃麗)
おじいちゃん:リカルド・モンタルバン(中村正)
おばあちゃん:ホランド・テイラー(沢田敏子) 

※声優は一部 スパイキッズ2から転載

スパイキッズの3作目。今回の指令はゲームの中のバーチャルな世界。
映画館の入り口で3D眼鏡を渡され、ゲームの世界の中だけ、3Dに見えるという仕掛けになっている。

予告ではフルカラーのカルメンが、あたかも銀幕から飛び出るような映像が流れているが、眼鏡は赤と青なので、実際の映像はかなり違う。右は青なので青みがかった色がついているが、左はまっかっか。立体になると、かなり薄いが一応色はついて見える。しかし赤い方が暗く見えるため、左右の視力が違う状態で見てるようにちらちらして、気になるし、見終わった後目が疲れた。

確かに立体に見えてすごいといえばすごいのだが…東京ディズニーランドに昔あった3Dアトラクション(キャプテンEO)くらいに綺麗に見えるのならともかく、「立体で見る」ことに気を取られてしまうため、話に集中できなかった。
3Dにするよりも、フルカラーでCGを楽しんだ方が、良かったと思う。
「バーチャルに溺れる危険さ」というメッセージがこめられているので、やや説教臭い。その割にはゲーム内でバイクのような乗り物から人を突き落としたりするところもあり、これはちっとよろしくないんじゃないか?

グラビアアイドルのMEGUMIが声を当てているが、かなりミスマッチ。すごく違和感がある。
スタッフロールにNG集、最後に子役二人のオーディションの様子(第一作当時)あり。

評価:


 

陰陽師II

監督 滝田洋二郎
原作 夢枕 獏
脚本 江良至/夢枕獏/滝田洋二郎
キービジュアル・コンセプトデザイン 天野喜孝
出演
安倍晴明:野村萬斎
源博雅:伊藤英明
幻角:中井貴一
蜜虫:今井絵理子
須佐:市原隼人
日美子:深田恭子
藤原安麻呂:伊武雅刀
月黄泉:古手川祐子 

2001年に公開された「陰陽師」の続編。
前作の「陰陽師」は、原作数話のエピソードを盛り込んだため、話がやや散漫だったが、今回はシンプルな構成なので、そこそこ楽しめるエンターテイメントという出来上がり(ただし、原作とは別物と割り切る必要あり)。CGや特撮も前作よりやや控えめ。

前作は「動くナマ岡野晴明」に感動したが、本作品では晴明・博雅が、原作の小説とも漫画化された作品とも違ったキャラクターになっている(映画のキャラクターが確立されたと言うべきか)。伊藤博雅はかなりコミカルだが、結構良い味を出していて、こういう博雅もありかなと思える(都の守り人とは思えないのだけども)。笛はかなり特訓したようで、実際の音は本人が出したものではないが、かなり様になっている。

時代劇は初めてという深田恭子は、序盤、彼女一人だけ口調が現代風で違和感を感じたが、これは台詞のせいもあると思う。

物語中、出雲族の村というところへ赴くシーンは、遠い割にはすぐ着いてしまうような描写に「?」だったのだが、出雲ではなく京から半日くらいで行ける場所にある村、という設定だそうだ。実際にこのような集落の遺跡が、京近くから出土しているらしい。出雲族の神話・八卦に関しても、パンフレットには「映画のための創作」とある。書いておかないと「おかしい!」という苦情があると思ったんだろう…。

「晴明の舞」はたっぷり堪能できるが、私はビジュアル的に前回の方が良かった。ああいう格好になる必要性は十分わかるし、理解できるのだが、ちょっとだめだな〜。烏帽子姿の方がいい。

「この世ならぬ場所」へ行く晴明を見ると漫画との縁をなんとなく感じたりもした。
パンフレットに「陰陽之占楽」という“占い解説書付陰陽道開運ヒーリングCD”の広告が載っているのだが、雅楽指導・芝祐靖+伶楽舎で何故ゆえイラストが「王都妖奇譚(9巻表紙)」なんだろう…

評価:


 

KILL BILL

監督/脚本 クエンティン・タランティーノ
製作 ローレンス・ベンダー
美術監督 種田陽平/デヴィッド・ワスコ
武術指導 ユエン・ウーピン
アニメーション プロダクションI.G
出演
ザ・ブライド:ユマ・サーマン
ビル:デヴィッド・キャラダイン
オーレン・イシイ:ルーシー・リュウ
エル・ドライヴァー:ダリル・ハンナ
ヴァニータ・グリーン:ヴィヴィカ・A・フォックス
バド:マイケル・マドセン
服部半蔵:サニー千葉(千葉真一)
がま八:大葉健二
ゴーゴー夕張:栗山千明
ソフィ・ファタール:ジュリー・ドレフェス
ジョニー・モー:ゴードン・リュー
田中親分:國村隼
小路親分:北村一輝
小澤親分:麿赤児 

自分が好きなシーンを並べてみました、話はつじつまが合うようにつなげました、という印象。時代劇やわびさび・間を大事にする様式美が大好きである、というのが十分すぎる程よくわかった。今でも日本人には脇差しを差して歩いてもらいたいんだろう…。

全編を通して身体の一部がスパスパ飛び、これでもかこれでもかと血飛沫が上がる。の、割には、なぜか被害者はうめき声をあげられる程元気(?)で、意識もはっきりしている。あんなに大量に出血してて、まだ切って流れる血があるのか??普通なら既に失血死であろう…。
残虐なシーンも演出過剰(特にアニメパートはもう好き放題、やり放題)なため、目をおおうどころか笑いを誘うほどだ。

元ネタが「子連れ狼」「影の軍団」「柳生一族の陰謀」「修羅雪姫('73の梶芽衣子主演)」などかなり昔の時代劇なので、好きでみていた人はより楽しめると思う。
クライマックスはハリウッド女優が2人とも日本語で喋るため、字幕がほとんどない。しかし、一回聞いただけでは何と言っているのかわからない事もあるため、反すうし、周囲の情況ともあわせて読み説く必要あり。彼女達に釣られてなのか、周りの日本人俳優も言っている事が聞き取れない時があった。

ユマ・サーマンとヴィヴィカ・A・フォックスのアクションはかっこいい。
特にユマのザ・ブライドはタフで、諦めないし、やられても全然痛手を受けていないように見え、なによりも回復力の早さには目を見張る。

ルーシー・リューとのアクションは、アクションよりも間合いと日本語、そして梶芽衣子の「修羅の花」がなんとも言えない、いい味だ。
栗山千明の“ゴーゴーボール”もすごいが、「死国」では煮ても焼いても食えんと思っていた彼女がこうなるとは…。クレイジー88はパンフによると「最強の」となってるが、とてもそうとは思えない。アイマスクみたいな物を着用してるため、誰が演じているのか田中要二以外わからなかった。
キャストを見たいがためにパンフを買ったが、期待は見事に裏切られた…。(本編ではローマ字なので、パッと見て全然わからない)

オーレン・イシイのいまわの言葉「ヤッパリ…」の根拠になる元ネタはなんだったんだろう?それがすごく気になる。

エンドロール、2曲目に流れるのは梶芽衣子の「恨み節」、12月に入って見に行ったので最後にVol.2の予告あり。

評価:


 

マトリックス・レボリューションズ(日本語吹き替え版)

監督・脚本・製作総指揮 ウォシャウスキー兄弟
製作 ジョエル・シルバー
製作総指揮 グラント・ヒル/ブルース・バーマン

出演
ネオ:キアヌ・リーブス
モーフィアス:ローレンス・フィッシュバーン
トリニティー:キャリー=アン・モス
エージェント・スミス:ヒューゴ・ウィービング
ナイオビ:ジャダ・ピンケット・スミス
パーセフォニー:モニカ・ベルッチ
予言者(オラクル):メアリー・アリス
セラフ:コリン・チャウ
ジー:ノーナ・ゲイ
ロック司令官:ハリー・レニックス
リンク:ハロルド・ペリノー
ミフネ:ナサニエル・リーズ
キッド:クレイトン・ワトソン
サティー:タンビーア・アトウォル
トレイン・マン:ブルース・スペンス

「マトリックス」「マトリックス・リローデット」に続く完結編。(TOHOシネマのインターネットチケット購入で見たが、買ってから吹き替え版だったことに気づくという…)

リローデットを見てから時間があいたため、前の話をかなり忘れてしまったので、「物語」として捕らえにくかった。映画を見ている最中は、ネオがどこへ何をしにいくのかもよく理解出来てなかった気がする。

前作で「アーキテクト」が出てきた事で、ある程度は想像がついていた事柄なのかもしれないが、最後の最後に来てそういうものの存在って、有りなの?「機械が支配している=全て論理的にとらえる事ができる」と思っていたので、そういう展開はしてほしくなかった…。論理的に考えようとすると頭が破綻しそうだ。

今回の見どころは、CGワークにつきる。全編通してほとんどそれ。うげげというほど、センティネルズが大挙して押し寄せ、スターウォーズのような戦闘シーン、テレビアニメかと思うようなネオとスミスの戦闘(カメハメハ〜?)、そしてラスト近くはさながらロボット王蟲と黒い衣のナウシカのようなネオ。

ネオは自分の存在を理解していたのだろうから、自分の行動によってどのような結末を迎えるのか、わかっていたのだろうけど、私はその辺がよくわからなかった。取り引きするネオの自信は何が根拠なのか、何度も見る事によってわかるようになるのだろうか?

予告で押井守監督の「イノセンス」、宮崎監督の「ハウルの動く城」が流れた(大友克洋監督の「スチームボーイ」は流れなかった)。「イノセンス」はムードたっぷりの調べにのせて無言でカットが流れて行くのだが…最後のナレーションが超蛇足だった。「ハウル」は全くナレーション無し。

評価:


 

 

  

 

 

  


紫堂トップページシネマの部屋