U-571

監督 ジョナサン・モストウ
出演
マシュー・マコノヒー/ビル・パクストン/
ハーベイ・カイテル/ジョン・ボン・ジョビ/
デビッド・キース/ジェイク・ウェーバー/
マシュー・セトル/エリック・パラディーノ/デイブ・パワー/
トーマス・グアリー/ジャック・ノーズワジー 


全編通して緊張しまくりました。思わず、体が固くなってしまう^^;
狭い潜水艦内で、爆撃を受ける度にものすごい音と揺れ、おまけに火まで出てしまうし、揺れる度にあちこちが壊れる。人も壁面(といっても、パイプだらけ)にぶつかり、とっても痛そう。

撮影は原寸大のレプリカを使用し、CGはほとんど使っていないそうです。確かにCGぽい「ウソくささ」は全くといっていい程ありません。
ストーリーは実話を元にしており、「U-571」という潜水艦は、実在したそうです。

途中、航行不能に陥ったドイツのUボート、U-571から無事エニグマ暗号機を奪取したと思った瞬間、敵の潜水艦が現れ乗ってきたアメリカ海軍の潜水艦S-33が撃沈されてしまい、主人公達はやむなく、爆破して沈める予定であった敵艦U-571に乗り込む事になるのだが、夜でしかも大嵐、どちらの潜水艦が爆破されたのか、分かりづらかった。

後でパンフを見て知ったのだが、ドイツ艦と接触するためにボロい潜水艦S-33は、出航した後に積み込んだクレート材を壁面に貼り付け、Uボートそっくりに化けたのだそうだ。ナチスのマークを「除幕」したところしか、わからんかった…。

ロックスターのジョン・ボン・ジョビが出演していますが、洋楽をほとんど聴かない私は、どれがボン・ジョビかわかりませんでした。それほど映画にとけ込んで、演技がうまかったということなのかもしれません。(艦内はうす暗くて、人の顔がよくわからないのだ)

それにしても、もののけ姫のときは、猟奇殺人で首が飛ぶシーンがカットされるとか何とかもめたが、ロシアの潜水艦が沈没したばかりだというのに、こちらは何のおとがめもなく上映されてしまった。

海での緊張度は「タイタニック」と張る超語楽大作。(しかし男しか出てこない)

評価:


人狼(JIN-ROH)

原作・脚本 押井 守
監督 沖浦 啓之
作画監督 西尾 鉄也
キャラクターデザイン 沖浦 啓之/西尾 鉄也
声の出演
伏 一貴:藤木義勝/雨宮 圭:武藤寿美
辺見 敦:木下浩之/室戸文明:廣田行生/半田 元:吉田幸紘
巽 志郎:堀部隆一/阿川七生:仙台エリ/安仁屋 勲:中川謙二
自治警幹部:大木民夫/塔部八郎・ナレーション:坂口芳貞


日本よりもアメリカで先行上映され、好評だったアニメ作品。PG−12指定でもあり、どんな派手なバイオレンスアクションと思いきや、ストーリー的にはかなり地味でしかも暗く、主人公の精神的・内面的なところを描写しているところが多い。

時代は第二次大戦後十数年がたち、反政府活動が盛んになっていた頃。おそらく銀座あたりと思われる繁華街には、路面電車が走っている。ダッフルコートにブーツと、かなり今風のファッションを着ていたぞ。この頃から「ロッカーお墓」は存在していたようだ。地下の下水道が出てくるが、流れている水が澄んでいて綺麗である。

全編を通して「赤ずきん」の話がモチーフとして使われている。これはグリム童話でおなじみの話とは少し違い、おそらく一番元になったエピソードに近いものだろう。結末は「本当は怖い…」というような残酷なものになっていた。

主人公の機動隊員は、自分の目の前で自爆したテロリストの少女の姉だという女から、この「赤ずきん」の本を渡されるのだが(赤ずきんということは、映画の最後の方でわかった)、英語ではない外国語(ドイツ語か??ちょっとわからない)で書かれており、どうやらこれが読めたようだった。当時の機動隊は博識だったんだろうか?

彼は自爆した少女や、その姉の夢を見るが、映画序盤ではその夢の意味がよくわからなかった。結末を見て、初めてそれが意味するものが分かった。
また、彼自身やまわりの者が皆、テロリストの少女を前にして「殺す」という任務を果たせなかった彼の行動に対して「なぜだ?」と問うのだが、その答えは難しい…。

色彩はジミだがダブラシ等で映り込みが丹念に描かれており(時にはうるさいほどだ)、ブラシ処理も多いようでクオリティは高い。CGもほとんど使っておらず、こういう所がアメリカでウケたのだろうか?(監督のネームバリューという気もするが…)
ただ、背景に「まんが日本昔話」を連想させるようなものもあり、セル画に比べて一寸落ちるような気がした。そしてスタッフロールに「美峰」の文字を発見し、ちとびっくり。

人物には、立体的に見せるための「影」があまり入っていないので、昨今の「美少女もの」に慣れた目には平たく見えちゃうかも。セルの彩色は、中国に下請けに出したようです。

監督は名作「GHOST IN THE SHELL/ 攻殻機動隊」でキャラクターデザインを担当した沖浦啓之氏、作画監督は「AKIRA」「MEMORIES」「攻殻機動隊」に参加している西尾鉄也氏と、アニメファンにはたまらないラインナップですな。アニメーション制作は映画版「新世紀エヴァンゲリオン」の「Production I.G」。

評価:


インビジブル

監督 ポール・バーホーベン
出演
リンダ・マッケイ:エリザベス・シュー
セバスチャン・ケイン:ケビン・ベーコン
マシュー(マット)ケンジントン:ジョシュ・ブローリン
サラ・ケネディ(獣医):キム・ディケンズ
カーター・アビー(主任助手):グレッグ・グランバーグ
フランク・チェイス:ジョーイ・スロトニック
ジャニス・ウォルトン:メアリー・ランドル
クレイマー博士:ウィリアム・ディベイン
隣人女性:ロナ・ミトラ


簡単に言うと「透明人間2000」。
よく見る透明人間の現れかた・消えかたは、頭のてっぺん(あるいは足の先)からだんだんと消えたり浮かび上がったりするものだが、この映画ではもっと科学的であった。
血管に薬剤を注入し、それによって人間の細胞組織というか生体エネルギーを電気的に作り換えてしまおうというのだ。

冒頭の透明になったゴリラ、イザベルを可視状態に戻すシーンはすごい。
血管を流れていく薬剤の道筋がだんだん現れ、心臓や内臓が次々にあらわれる様は必見。ふと思ったのだが内臓が見える状態にできるのなら、手術や腫瘍を探すのも楽になるのではないだろうか?

天才科学者セバスチャンは研究を継続するための費用を得るために、スポンサーである国防省の了解を得ずに自ら人体実験の被験者となる。

まず最初に皮膚が腐食したように穴が開き、だんだん溶けてなくなっていく。「透明になっていく」と知らなければ、ただれてしまったのかと思ってしまう。
筋肉組織が見え、次に内臓が、最後に骨だけになりそれも溶けるように消えてしまった。

セバスチャンはもともと傲慢な性格だったが、透明になってさらに増長し、欲望のままに行動するようになる。天才科学者といえど、好き放題の頭の中身は「ヤリたい」これしかないらしい。…男の本能だから仕方ないのか??

ひたすら本能のままに行動しまくりでどんどん過激に。なんだか話の深みに欠けるんだよなぁ。そのままうまくいっても、そしてどうする気なんだ、セバスチャンよ?
どうも私の好みには合わなかったようだ。

ポール・バーホーベン監督が好きなら、とても楽しめるらしい。監督らしい作品だそうだ。(一緒に見た友人談。今年1番の映画にあげてもいいそうである)

ケビン・ベーコンといえば「フラットライナーズ(古くてスマン)」でやはり傲慢な医者(のタマゴだったか?)を演じていたが、この時のラストの方がまだ救われたって感じかな。

評価:


マルコヴィッチの穴

監督 スパイク・ジョーンズ
脚本/製作総指揮 チャーリー・カウフマン
出演
クレイグ・シュワルツ:ジョン・キューザック
ロッテ・シュワルツ:キャメロン・ディアス
マキシン:キャスリーン・キーナー
ドクター・レスター:オースン・ビーン
フローリス:メアリ・ケイ・プレイス
チャーリー:チャーリー・シーン
ジョン・ホレイショ・マルコヴィッチ:ジョン・マルコヴィッチ
特別出演:ショーン・ペン/ブラッド・ピット
     ウィノナ・ライダー/アイザック・ハンスン


今までに見たこともない種類の映画だった。
偶然見つけたオフィスの壁に開いた小さなドア。その中は俳優「ジョン・マルコヴィッチ」の頭の中への入り口だった…。

こんな突拍子もない設定を何故か納得してしまう。そりゃ、最初は「マジですか!?!?」と言いたいのだが、見ているうちにどんどん引き込まれてしまうのだ。

コメディーのような設定だが、内容は結構シリアス。人それぞれの悩みを抱え生きていたのが、「マルコヴィッチの穴」を見つけたことによって人生が変わってきてしまう。

しかし200ドル払って15分間だけでも他人になりたい、という人があんなにいるとはねえ。ちょっと驚き。

くたびれたシュワルツ夫妻が描かれている前半は、暗くてちょっと退屈だったかなぁー。
妻のロッテはキャメロン・ディアスだったのだが、あまりのくたびれさ加減にパンフを見るまでキャメロンだと分からなかったのだ。予告は「チャーリーズ・エンジェル」だったのに^^;

特別出演はどこに誰が出ているのか、わからなかった。スパイク・ジョーンズ監督本人や「セブン」「ファイト・クラブ」のディヴィット・フィンチャー監督も出演していたそうだが、全然分からなかった…。
ショーン・ペンとチャーリー・シーンはすぐ分かったけど。

評価:


エクソシスト(ディレクターズカット版)

監督 ウィリアム・フリードキン
製作/原作/脚本 ウィリアム・ピーター・ブラッティ
出演
エレン・バースティン (クリス・マクニール)
マックス・フォン・シドー (メリン神父)
ジェイソン・ミラー (カラス神父)
リンダ・ブレア (リーガン・マクニール) 


1973年に公開され大ヒットした作品に、当時諸事情からカットされていたシーンをプラスしての再上映作品。
最初2000年10月7日公開予定だったのだが、監督が再プリントされたフィルムが気に入らないと言う理由で、公開数日前に急遽延期になったという曰く付きの作品でもある。

延期直後にインターネットで監督が直接答えてくれるというチャットがあったが、おもしろ半分ふざけ放題の輩が大量に発言し、酷いもんだった。(私は5分で落ちました)

エクソシストは実は初めて見たが、印象は「地味〜な映画」かなぁ。(最近のホラーがFSXでハデだからだと思うけど)でも20年前に見たら、すごくショッキングだったと思う。
プリント自体もとても綺麗で、使っている電化製品が古いことを除けば古くささはほとんど感じない。(外国だからかも)

アイロンにコードが付いていてスチームの穴がないとか、電話のベルが「リリリリーン」と鳴るとか、ちょっと懐かしかったです。
やはりホラーには電子音ではなく、昔の電話のベルの方が良いですね。びくっとなれるから^^;

悪霊にとりつかれたリーガンは、今のCTスキャンに当たると思われる頭部撮影をされたりしたが、この辺はものすごく時代を感じた。とても痛そうでつらそうだった。

主役の女の子は悪魔に憑依された酷い状態ばかりで、一寸かわいそうだなぁ。熱演だったけど。首が回ったのはすごかった。白目剥いたとこも…。「リング」と良い勝負。

追加されたのは大きなところで3〜4カット。他にもちょこちょこ修正されているようだ。
詳しく知りたい方はオフィシャルサイトへどうぞ。

…以下は私の愚痴です。
約2時間と決して長い映画ではないのに、始まって30分も経たないうちから席を立つ観客が大勢いた。トイレだと思うが、20人はいたと思う。タイタニックでさえ、5人くらいだったというのに…。
始まる前はトイレが混んでいて、用が足せなかったのだろうか?ちびるほど怖くなかったぞ。
携帯は鳴らなかったが、立ち見の客の衣擦れがうるさくチャリチャリとお金をならすような音もするし、後ろの男の鼻をかむ音もうるさかった。

上映時間の1時間も前に行ったたにもかかわらず、既に100人くらいの列が出来ていたので、(一度既に公開されテレビでも何度も放映されているから)見に来ていたのはすごくディープなシネマファンかと思ったのだが、そうではないようだった。

追加カットになると必ずといっていいほど誰かが扉を開けるし、エンドロールになると皆席を立つ。(後ろの扉は開けるなと言われただろっっっ!!)
厚底靴でドカドカ走るのは勘弁してくれ。

そういうわけであまり集中できず、こんな評価になりました。
夜中に1人でテレビで見た方が怖そう。

評価:


 

  

 

 

  


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